お船には色んな人がいっぱい、それとちょっとお勉強
キャラメイクが出来ると言うことで、
オンラインゲーム?の「星界神話」と言うのを初めてみました。
キャラクターのイメージで、髪と目の色の組み合わせとかの確認にちょうど良いなぁとか、前々からキャラメイク出来るタイプのゲームをしてみたかったと言うのもありますが・・。
あ、名前は「Mkt」でうろちょろしてます。(初めて数日なのでストーリーに振り回され中)
お船の旅2日目です。
朝ご飯は、パンを初めとしたやはりお魚シリーズでした。
いつもより朝ご飯の時間が遅かったのでいつもよりいっぱい食べられました。
満足満足です。
で、どこからともなく
ボン
ポン
ボカン
と爆発音がしていました。
何なのかと気になって私たちはその音のありかを探りました。
たどり着いたのは、お船の中にある大広間のようなところ。
「お?いらっしゃいお嬢ちゃん。これが気になるかい?」
(コクリ)
二カッと楽しそうに笑うおじさん
目の前にあるのは、すごく細い網網の樽みたいな形の籠
けど、すごく頑丈そうです。
「これはな?ポン菓子っていうお菓子を作る為の器具なんだ。」
ポン菓子?
名前からお菓子の種類のようですね。
ポンというのは、さっきまで聞こえていたあの爆発音でしょうか?
んー
謎が増えるお菓子ですね。
で、首をかしげているとおじさんは教えてくれました。
「えーっとなぁ・・穀物・・米とか麦とかそういうのをボンと爆発させたお菓子のことでな?サクッとしたり、もふっとしたりとこう・・言葉にするには難しい感じの食感と味なんだ。とりあえず、食べてみるか?兄ちゃん兄ちゃん、米かなんかあるかい?」
「こちらでよろしいですか?」
「おぉ!上等上等!これはサービスだ!ただで食わせてやるぞ。見てろよぉ?・・・お、一応耳は塞いどけ?かなりうるさいからな。」
(コクリ)
私が頷くと翠ちゃんはすかさず私の両耳を塞いでくれました。
見ているとお米(一握りくらい)をその網籠?に入れて、おじさんがその樽の形の籠をそれをすっぽりとはめ込むような形をした頑丈そうな器具?にはめ込んだ後、魔力を込めながらぐるぐると回し始める。
その魔力・・と言うより、まわしている樽の籠辺りから温かい・・というよりちょっと熱い?くらいの熱気がそれなりに離れている私たちのところまで漂ってくる。
ぐるぐる、ゴロゴロとまわしながら熱気が漂ってくる中、徐々に香ばしくておいしそうな匂いが漂ってくる。
ご飯の炊けるときの匂いとは違うし、パンの焼ける匂いとも違う。
すごく良い匂いだけど、そのちょうど真ん中くらいの匂い・・かなぁ?
それからしばらくぐるぐるしていたおじさんが空いた片手で音に気をつけろ?と言いますか、しっかり耳を塞げって合図をしてました。
私は、翠ちゃんが抑えてくれてるので問題なしです。
で、しばらくすると
ボカァン!!!
樽型の籠から爆発音がしました。
おぉう。
耳を塞いでもらわないと耳がきーんってなるところでしたね。
それと、さっきよりも一層香ばしくておいしそうな匂いと共に白い煙がもっくもく。
おじさんが耳を開けて良いって合図を出してたので翠ちゃんは耳ふさぎを解除してくれました。
「ほれ、面白いだろ?後は仕上げだな。もうちょい待ってくれなー」
確かに面白いしすごい。
あのお米が何倍も大きく膨らんでるんですから。
で、そのぱらぱらとしたおっきくなってふっくら?したようなお米たちを別の籠に移した後、甘い液体(砂糖水らしいです)を絡ませて、ちょっとだけそのまま放置して完成。
「うし、出来たぞ。ほれ、持ってけ」
清潔な袋に出来たてのポン菓子を入れてくれました。
(ぺこり)
「いやいや、気にするな。とりあえず食べてみな?熱いから気をつけろよ?」
(コクリ)
それから、私たちはそのポン菓子を適当につまんで食べてみる。
んー
新しい味と食感ですね。
さくさくと言いますかフワフワと言いますか、すかすか?もふっと言いますか、軽くてサクッとしたクッキーのようなおせんべいのような軽いあられのようなぱりっとしたようななんとも言えない不思議な歯応え。
それと、甘いお砂糖の味に包まれつつお米をパンに似せたような感じの言葉にはしにくいご飯なのにパンっぽいような、あられのような味。
シンプルに言えば素朴。
けど、私これ好きかもしれない。
「言葉にはしにくいですが、一度食べ出すとつい手を伸ばしたくなりますね。」
(コクリ)
ラウさんの意見に素直に頷きつつ、もぐもぐ。
「だろ?気持ちは分かるぞ?それに、菓子だが結局は米だからな。下手な菓子よりは体に優しいしな。」
「言われて見ればそうですね。リア様も気に入っているようですし、ありがとうございます。」
「気にすんな。・・にしても、もっくもくと食ってるから気に入ってくれてるのは分かるが、モノの見事に無表情だな。」
「あぁ・・・過去に色々ありまして・・」
「あぁ・・なるほど。失礼」
「いえいえ。お手数ですが、他にもいくつかお願いしてもよろしいですか?お代はこのように」
「毎度!・・てか、こんなにもらって大丈夫か?正直、この器具類を洗うか、材料費もこの砂糖水とかそのくらいだぞ?」
「リア様が気に入って下さってるので、そのお礼です。」
「そういうことならありがたく。」
それからラウさんは、数種類の穀物や、栗のような硬いからに覆われた中身を食べる木の実などをそれなりにたくさんの量をポン菓子へとするようにお願いしつつ、依頼料として銀貨3枚渡してました。
おじさんは、その後サクサクッと作ってくれました。
「じゃあ、またな!」
大量に作ってもらった後、その場を後にしました。
おやつがいっぱい出来ました。
おいしいけど、ほどほどにしないといけませんね。
それから、お昼ご飯を食べながらラウさんに質問
{次の大陸はどんなところなんですか?}
「端的に言いますと、自然に溢れたと言いますか、春の大陸と呼ばれるこの世界でも有数の大きな大陸ですね。」
{そうなんですか?}
「ついでなので軽く説明しますね。」
大まかにこの世界は春、夏、秋、冬の4つの大きな大陸が囲うようにして存在しており、その中央や隙間にちらほらと島があるらしいです。
それらの島は、国1つ分だったり、国が数個ほどの大きさだったりとバラバラらしいですが、数が多く地図を作る人が間に合っていないので結構曖昧なんだとか。
春の大陸は、草原が多く、草花がとても活き活きとしたところらしいです。
夏の大陸は、火山が活発らしくとても熱い大陸で、火山地帯と森・・というよりジャングルになってる、異世界人が言うところの熱帯地帯のようなところらしいです。
秋の大陸は、春の大陸と似ていて草原などが多く草花が多いらしいですが、春の大陸は薬草関係が多いのに比べ、秋の大陸はキノコや木の実と言った食べられるモノが多いらしいです。
冬の大陸は、極寒大陸などと呼ばれるほど年中雪や氷に覆われるほど寒いところらしいです。
そのため、草花はとても少ないらしいですが、そう言う大陸でしか育たない草花もあるらしいので独自の世界があるようです。
「すごく大雑把ですが、この世界の4大大陸はこんな感じですね。」
「ちなみにリア。さっきまで俺等がいた大陸は、その春の大陸と冬の大陸の間からちょっと春の大陸よりで世界地図で言うところの中央寄りに位置しているところのそこそこ大きい島にいたんだ。」
なるほど。
「さて、食べ終わったことですし、もう少し探索してみましょうか。」
ごちそうさまでした。
で、次に遭遇したのは
「お嬢さんお嬢さん。ちょいと占いをやってみないかい?」
と言ってるおばあさん。
(?)
「お代は・・そうだねぇ。適当に魔石か果物か何かくれるかい?」
「・・その前にリア様、やってみますか?」
占い・・面白そうなのでやります
(コクリ)
「かしこまりました。では、こちらで」
ラウさんは、数個の果物を数種類渡しました。
「こんなに良いのかい?」
「持て余すので。」
「そうかい。じゃあありがたく。とりあえずお嬢さん、私の前の椅子に座りなされ。」
言われたとおり座ります。
おばあさんの前には、まん丸で透明なおっきな玉が1つのテーブルの上に乗ってます。
何が始まるのでしょうか?
どきどき。
すると私に向かって手のひらを差し出しながら
「お手」
っておばあさんは言ってきました。
左手がないので正しくはおかわりになっちゃいますが、右手をたしっと乗っける。
「ふむ・・・じゃあ、こっちの球に魔力を少しで良いから流してくれるかい?」
(コクリ)
あのお手が何の意味があるかは分かりませんでしたが、とりあえず言われたとおりに魔力をきれいな球に込める。
「もういいよ」
言われたとおりに止める。
すると、私をポフポフと頭を軽くタッチして撫でた後、球に両手をかざして集中し始める。
おぉ。
よくわかんないけど、球におばあさんの魔力が集中して、目に魔力がたまっていく。
魔眼の一種かな?
どきどき
「あの・・・失礼ですが・・質問・・よろしいですか?」
「なんじゃい?」
「その・・お手は・・何か意味があるのかなとふと思いまして・・」
「気分」
「そうですか・・」
あのお手は気分らしいです。
そう言うモノなのでしょうね。
うんうん。
なんか、さらっと流すなとか言われてる気がしますが気にしません。
「ふむ・・お嬢さん、その幼さで既にかなり大きな山を自力で乗り越えているようだね。その後も、いくつもの数を超えている・・まぁ、最初のが一番でかい山のようだがね。」
山?
森とかは歩きましたけど、山を登ったりするだけでどうしてそんなすごいことしましたーというようなことに?
ラウさんたちはどうしてびっくりした顔ですか?
「だが、その山越えをきっかけにとても強い心と真を持ったようだね。それに、多くの良き出会いがあったようだ。」
真?
良き出会いは・・ラウさんや翠ちゃんやラナちゃん、ハディちゃんに、カルナにシャスティにっていっぱいですね。
「さて、過去を巡るのはそれまでにしてちょっとした予言でもしてあげようかね。」
予言?
「ふむ・・・進む先に大きな壁に囲まれた草花の生い茂る土地がある。そこで、再開と出会いがあるだろう。それと、そこにこの地で手にしたものをその地に捧げよ。」
???
「お嬢さんはよく分かっていないようだが、お連れさんたちはなんとなく分かったようだね。それに関しての説明は私がやるわけにはいかない。それも運命さ。それぞれの考えや思いに従いなさい。言われたとおりにそこへ行くのも良し、あえて避けるのも良し。運命を決めるのはお嬢さんだ。」
{ラウさん・・どういうことですか?}
「大雑把になってしまいますし、確信はあまりありませんが、よろしいですか?・・ほぼ合っているとは思いますが。」
(コクリ)
「まず、山とは、障害・・つまり過去にあった大変だったことだと思います。」
大変だったこと・・あぁ・・思い当たるのがたくさんありますね。
「次に、強い心や真は、まぁ・・リア様の場合はなんとなく分かるようですね。」
(コクリ)
強い心はなんとなくですけどね。
後、真って、リフさんが前に言っていた信念とかそう言うのだと思いますし。
「後、予言ですが、壁に囲まれた草花に溢れた場所は、おそらくそのままの意味だと思います。それに関しては、急いでもしょうがありませんし、ついでに探すと言うことに致しましょう。それと、その場所に埋めろと言われたモノですが・・・ここで手に入れたモノと言えばカルナさん・・」
「あぁ・・お菓子と、絵画と、種だな。・・流れからするとそのでっかい種だろうな。」
「おそらくそうでしょうね。埋めるかどうかはリア様が、その時に決めて下さい。」
(コクリ)
私が着ているローブにさりげなく存在するポケット(ボタンで蓋出来ます)にしまってます。
これに関しては私が持っていた方が良いような気がするんですよね。
何の種なのかは、誰にも分からないですが。
とりあえず、納得したところで散策を再開です。
今度は、派手なお化粧をしたカラフルな格好をした人がいました。
「やぁ!やぁ!私は世間で言うところのピエロです。ちょっと見ていきませんか?お金は必要ありません。私が求めるのは私の技を見て心を明るくして頂くことなのですからぁ!」
「・・と言うことらしいですが、リア様、いかが致しますか?」
んー
どうせなら見ましょう。
(コクリ)
「かしこまりました。では、お願いしても?」
「ありがとうございます!では、早速。」
それからピエロさんは色んなことをしてました。
玉乗りにジャグリング、綱渡りに、火噴き。
後、投擲としてナイフを壁に向かって飛ばしてましたが、当たる直前にポンと音を立てて紙で出来た動物さんたちになったり
すごかったです。
ジャグリングでは球でも、ナイフでもぬいぐるみでもなんでもポンポンポンとたくさんの数を宙に飛ばしてキャッチしてと繰り返してたんですから。
それに、玉乗りではどんな体勢でもどんな状況になっても球の上に乗ってたからびっくりです。
逆立ちの片手でもですよ?
火噴きでは、吐く火は渦巻きになったりチョウチョになったりと色んな姿になりながら宙で消えていく。
そんな消えていくときもキラキラとした粉のようなのを宙に舞いながら消えていくのできれいでした。
ジャグリングは、私が毎日練習してる杖さんの魅せる技のお勉強としてもすごく良かったです。
で、一通りが終わって恭しく頭を下げるピエロさん。
私たちはいっぱい拍手をしました。
周囲の人たちも
途中からだんだん増えてたんです。
ここ、それなりに広いとこだったんですけど、あっという間に人だらけです。
後にラウさんがその時の私の目はいつにも増してキラキラと輝いて楽しそうだったとか。
「ありがとう!ありがとう!」
カルナもシャスティも、ラウさんもみんなすごく楽しそうに笑っている。
私も心がわくわくとした気持ちでいっぱいですごくうれしい気持ちです。
で、私とピエロさんの目が合った。
(?)
「お嬢さん、よろしければ少しばかりご指南致しましょうか?」
ごしなん?
コテンと首をかしげているとピエロさんは私の前でしゃがみ込んで視線を同じ高さにした後
「私のピエロとしての勘が、あなたは私が指南・・あぁ・・・アドバイス出来るモノ・・先ほど私が披露した内の何かに近いモノを嗜んでいる・・あぁ・・練習していると思いました・・いかがですか?無理強いはしませんよ。」
なるほど、ご指南って、訓練のお手伝いのことなんですね。
こんな機会は滅多にないですよね?
(コクリ)
「おぉ!では、お手数ですが早速見せて頂けませんか?・・あ、余所様の視線はいかが致しますか?アレなら場所を変えますが・・」
(フルフル)
特に気にしませんが?
「なかなか肝の据わったお嬢様だ。じゃあ早速お願いしても?」
(コクリ)
私は、頭に翠ちゃん、左肩にラナちゃんが乗っかってる状態で気にせずに適当に距離を周囲の人たちから空けて、杖さんを手首の周りをくるりくるりと回す。
それから、指先の上で杖を横にした状態(指に対して垂直)で横回転(杖に対して言うと縦回転)させる。
まだまだぎこちないしゆっくりだけど、最近このくらいは出来るようになりました。
本当なら、空中にポイした後、回転させながらキャッチとか出来るようになりたいです。
それから、宙に軽くポイした後、正位置でキャッチ。
「お、おぉぉぉぉ!!!素晴らしい!これほどとは!!誠に素晴らしい!!」
周囲「うぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおお!!!!!!!!」
うわぉ。
周りの人たちのテンションがすごい。
ラウさんたちは私が練習してるのを知ってるから微笑ましそうに拍手しながらいつもよりよく出来てたって褒めてくれました。
とりあえず、頭を下げる。
「素晴らしいですね。アドバイスと言いましても、これからも練習を欠かさずに続けていけばより素晴らしい演技が出来ますね。強いて言うなら・・・見ている人たちにあわせて体の向きを合わせたり、周囲の反応や場所に合わせてどういう技がテンションを上げるかなどが分かるようになるともっと良いですね。」
なるほど。
ここは壁側で見ている人たちは片方だけなので良いですけど、場所によってはクルリと周りを囲うようにいる場合もあるんですね。
それと、屋根のあるところで空中ポイの技は控えるか、それ以外の技にしたり、小さく空中ポイしつつも魅せる技を考える必要がありますね。
周りの人たちの反応次第では、空中ポイが良かったり、それ以外の技が良かったりするんですね。
すごく良いお勉強になります。
で、ふんふんと納得した後改めて頭を下げる。
「いえいえ、こちらも初心に返ることが出来てとても素晴らしい気持ちです。こちらこそありがとうございました。」
なるほど。
カルナが、初心忘るべからずって言ってましたが、それが出来たんですね。
私もピエロさんの為になれたみたいです。
それなら良かったです。
「それと・・一つお尋ねしてもよろしいですか?」
(?・・コクリ)
すると、周りがやんややんやしてるので耳元でこっそり
「あなた様が、神子様ですか?」
ん~。
-教会の皆さんは私をそう呼びます。-
周りに見えないようにピエロさんにこっそり触手さんを使って伝える。
「っ!やはりそうでしたか。腕輪がチラッと見えたのでもしやと思いましたが・・もしかして、バレないようにしてましたか?」
(フルフル)
私はそういうのは何もしてませんよ?
むしろカルナたちが頑張ってますが・・その辺は。
「そうでしたか。これも何かの縁でしょうか。ありがとうございました。あなた様の笑顔を拝見出来たことは私の誉れでございます。」
(?)
そういうものですか?
「あなた様の笑顔は多くの人々を笑顔にする最高の魔法ですよ。」
楽しそうに、うれしそうにそう言ってくれました。
(コクリ)
「えぇ。健やかに、清らかにこれからの人生を歩めることをお祈り致します。・・・・て、本日はいつにも増してすごいですね・・。」
どこか苦笑いと言いますか、うれしそうにしつつも呆れた感じでピエロさんが見ている先を見ていると、ピエロさんの道具を入れていたおっきなバッグ(開きっぱなしでした)にこんもりと詰まっている片手で握れるサイズの小さな包みの山。
あの、ちっちゃい包みは何でしょうか?
「リア、アレはいわゆるおひねりって奴だ。」
おひねり?
「つまりは、お金ですよ。」
{お金をあぁやって袋に詰めるとおひねりと呼ぶんですか?}
「というよりは、先ほどのような演技を見て感動したと言うときにどれくらいすごかった、楽しかったと分かってもらえるようにお金でアピールした・・という感じでしょうか。」
「せめてもの気持ちって奴だな。お店でサービスしてくれたりするアレと同じようなモノだと思ってくれれば良い。」
なるほど。
「何と言いますか、私こうやって演技をしては日銭を稼ぎ、出来る限り不幸な子たちを笑顔にする為にあちこちを旅しているのです。そうやってたまった分のお金も立ち寄った先の孤児院に寄付をしたりと・・あはは、ただの自己満足なのですが。・・今回私自身が稼いだのは、あの3分の1ほどだったのですが・・・なぜか、私のバッグにまとめて入れたようですね。」
寄付を自己満足って言ってますけど、私の目にはその人たちの幸せを願って寄付してるんだって分かりました。
本当に良い人なんですね。
「その分はそのままお受け取り下さい。」
ラウさんがそう言った。
私もカルナももらう気はなかったので賛成です。
「え!?で、ですが・・」
「元々お金を受け取るつもりはありませんし、今のところ困っていません。ですので、その孤児院の方へ私たちの代わりにその分を寄付して下さいませんか?」
実は、ラウさんも既におひねりをあの中にポイしてたりします。
銀貨5枚ほど。
基本的に銅貨を数枚入れるのが普通らしいので、すっごい大盤振る舞いです。
まぁ、特に困ってませんし、ちょっとした臨時収入とかもちょっと前にあったので問題なしです。
「ほ、本当に・・よろしいのですか?」
「えぇ。笑顔によって生まれたお金は、笑顔のために使うべきですから。」
「ありがとうございます!必ず、お届け致します!」
膝をついた状態でお祈りするようにお礼を言うピエロさんの頭をなんとなくなでなで。
それに気づいたピエロさんは
「神子様、ありがとうございます。ご期待に添えるよう、これからも頑張ります。」
(コクリ)
「それでは、神子様、またどこかで」
そう言ってピエロさんは、突然白い煙に覆われました。
その煙がなくなった頃には、荷物も含めて跡形もなく、いなくなった後でした。
おぉ。
さすがピエロさんですね。
「どこまでも不思議な奴だったな」
「良い人でしたけどね。」
それから、お部屋に戻りました。
お船ってすごいですね。
色んな人がいますね。
私たちのように旅をするために渡る人もいれば、お仕事のために移動したり、お家に帰るために使ったり。
色んな目的に使われる。
そんな色んな目的に使われてるけど今こうして一緒のお船に乗って一緒に笑ってる。
すごく不思議な気持ちです。
「にしても、昨日といい、今日といいマニアックというか、個性的というか、そんな連中がわんさかしてるなこの船は・・」
「あはは。まぁ、良いではないですか。皆さん良い方々でしたし、色んな経験も縁にも恵まれましたし。」
「それもそうだな。見て楽しんで、食べて楽しんだ。しかも、普段の生活では経験出来ないことだ。それにどれも楽しかったしな。」
「えぇ。演技で心の底から純粋に感動したのはいつぶりでしょうか・・」
「本当だな。ちょっとばかり、俺たちは気を張ってたのかもな。」
「無意識だったと思いますが、そうですね。とてもリラックス出来る良い機会でした。それに、色々と知ることも出来ました。」
「あぁ。旅や目的にも色々あるんだな。」
「そうですね。リア様、お風呂へ行ってから食事にしましょう。」
(コクリ)
お風呂と言っても、お部屋に常備されてるシャワー室のような汗を流す場所がある程度ですけどね。
ちなみに、個室とかだとそういうのはないので色んな人が一緒に使うそう言う場所が別にあるらしいです。
あ、もちろん男女別ですよ?
一緒なのは、仲良しさんですが、こういうところではめっ!です。
お部屋で他の人の邪魔にならないようにどうぞ。
それから夕ご飯をのんびりと堪能した後、お部屋でウトウトしつつ星空を眺めていると
「フハハハハハ!!!夜は我が領域!!ファ~ハッハッハッハァ!!」
ととても楽しそうに高笑いしながら私たちのお部屋の窓の外を高らかに、そして軽やかに壁走りをしながら通り過ぎていくスラッとしたお兄さん。
「・・・・」
「なぁ・・ラウ・・俺の気のせいか?」
「いえ・・俺にも見えました・・疲れているのでしょうか?」
しばらくすると通り過ぎていった方から戻るように同じお兄さんが
「夜の見回りは声高らかに!足取り軽く!!レッツシュッツェン!!クハハハハハハ!!本日も素晴らしき夜!!夜の平和は我が守ろう!!皆のモノ!!我が穏やかな夜を提供しよう!!安心して眠ってくれたまえ!!ハ~ハッハッハッハッハァァァァ!!」
とても楽しそうに壁走りして通り過ぎていった。
「・・・気のせいじゃなかったみたいだな。」
「夜の警備・・・だと思いますが、穏やかかと聞かれると素直に頷けませんね・・。安全のためという面では賛同しますが・・」
「安全だが、穏やかじゃないな・・・まぁ、悪い奴じゃないみたいだが・・・。ホントなんでこの船にはまともなのがいないんだよ・・まともなのって、船員たちくらいじゃないか?」
「それよりも、あの台詞の後で眠れと言われると別の意味に聞こえるのですが・・」
「あぁ・・・永遠に眠れとかそう言うニュアンスだよなぁ・・」
「にゃう(個性的で面白い人間が集まっていて飽きませんね)」
-それに、良い人たちだから見ていて安心するしね-
「ニャー(俺のことも怖がらないし)」
「にゃう(そこもポイント高いですね)」
-見た目で判断しないのは、善人としての当たり前のポイントだよね-
「はぁ・・お前らはのんきでうらやましい」
「にゃう?(では、ツッコミを止めればいかがですか?)」
「教育係としてそれは止めん。と言うより、俺の中の何かがそれだと逆に落ち着かん。」
-生粋のツッコミ役だよね。-
「にゃう(それは言えますね。主に、ペチュニア様のせいですが)」
「ニャー?(リア様のお母様?なぜ?)」
「にゃ~うにゃん(リア様は天然で、周囲に自然とそう言う人たちが集まりますが、ペチュニア様は、自らそう言う人たちの下に特攻しますから)」
「そして、本人もトラブルメーカーな上に、周囲を問答無用で巻き込むからなぁ・・誰かが止めないとどこまでも突っ走っていったから・・アレはアレで面白かったが、その分すっごい疲れる。」
「あぁ・・・俺は、カルナさんたちほど長い間一緒にいたわけではありませんが、確かにそういう感じでしたね。周囲を巻き込むわ、本人は吐血しながら爆笑してるわで、巻き込まれながらも同じようにはしゃぐメンバーと、吐血するペチュニア様を心配するか、介護するメンバーとかで周囲はかなりの温度差がありましたね。」
「あぁ・・やっぱりそうなるか。」
「えぇ。そのおかげといってはアレですが、我が国のメイドや執事たちはそういう看護や応急処置関係に非常に強くなりましたね。俺たちを含む騎士たちは騎士たちでペチュニア様の魔法の雨あれらに巻き込まれたりしてたので後処理や実力はずいぶんと上がりましたが・・」
「素直に褒めて良いのかどうかすっごい反応に困るな・・」
「えぇ・・ある意味メンタルが強くなったり、緊急時に冷静に対応出来るようになった点で言うと、とてもお世話になったんだとそう言う状況になると素直に心の中で感謝してますが。」
「確かにな。俺もだ。」
そんな、お母さんの幼い頃の思い出を聞きつつ私は夢の中へ意識を傾けたのでした。
ギルドに入るか否か・・・まだ初めて数日だしなぁ・・と思いつつ・・ストーリー真っ只中で参加してもメンバーとのお付き合いがおろそかになりそうだし・・うむ。