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フリージアの逆鱗

お船のチケットを無事に購入して、お宿も部屋を借りることが出来、教会でお母さんと神様にご挨拶もしました。


現在、港町で有名らしい海鮮モノのご飯をあっちこっちで食べ歩きをしてるところです。


どれも、銅貨数枚ほどのお値段です。

色々あって面白いですし、どれもおいしいです。

蒸したモノから煮たのに、焼いたりと色々あるのに、味も色々ありました。

火の入れ方だけですっごい違って面白かったのですが、もっとびっくりだったのは何もせずに生で調味料でちょっと味をつけるだけというとてもシンプルな食べ方を経験出来たことです。

これは、とっても新鮮じゃないとお腹を壊したりするから食材を楽しむ中では最も贅沢なことなんだって提供してくれたお姉さん(姉御と呼ばれてそうな人なBカップさん)に教えてもらいました。


で、ここでもサービスをしてくれる人が多かったです。

主に、書いてあるお値段よりも安く買うことが出来ました。

後は、お金はそのままで量が指定されてるのより多かったり追加でおまけしてくれたりと言うのもありました。


ラウさんがぽつりと餌付け?をつぶやいてましたが、気にしません。


おいしかったです。

いやー

森の中でのあれこれのおかげなのか前よりもいっぱい食べることが出来るようになったのでどれもおいしく頂けてます。


そんな、色んなのをもぐもぐしてる私を遠目でみてる周囲の人たちは見た目よりよく食べてる幼女だなって感じでどこか面白そうに眺めてます。

まぁ、気にしませんが。




食べ物以外もみてますが、どれも面白いですね。

買いたいほど珍しかったり便利そうなのはありませんでしたが。

正しくは、ラウさんたちのお眼鏡にかなったモノはありませんでした。

私は基本的に、なくてもどうにかなりますし欲しいものなんてないですし。





それはさておき

あちこちで食べ歩きをしつつ、色んなのを見て回ったりしてその日は終了し、夕ご飯です。

ご飯はお宿で食べました。

やけに、従業員さんたちの気合いが入りまくってるような気もしましたが、悪い感じではなかったので気にしません。


お風呂も歯磨きなどもサクッと終わらせて早い内にお休みなさい。

ベッドはふっかふかで良い匂いがしてとても良い感じでした。








翌朝

身仕度を整えて(正しくはシャスティとラウさん、翠ちゃんがしてくれた)、朝ご飯を食べているとき、おばあさんがやってきた。

「失礼致しますね。私は、この宿の支配人の母をしております、よろしくお願いしますね。」

支配人さんは、私たちを受付で対応してくれた人だったと教えてもらいました。

「ご丁寧にありがとうございます。とても居心地の良い場所ですね。」

「ありがとうございます。それで1つお礼を兼ねてこれをと思いまして。」

「その前に・・お礼とは?」

「お客様が、昨日ギルドへ盗難品を取り返し、無料で渡して下さったのでしょう?」

「・・どこでそれを?」

「少々勘が良いだけですよ。タイミングや街の人たちの動きなどからなんとなくね。」

嘘はない。

それに、心も白い。


この人・・ホントにそれで分かっちゃうんだ・・すごい。

ラウさんがチラッと私をみたので嘘はないと小さく頷く。

「そうでしたか・・ですがお気になさらないで下さい。我々の都合でそいつらを討伐し、お金には困っていませんでしたし、処分に困るのでギルドに渡しただけですから。」

「それでもですよ。その中には大事な形見があったので、戻ってきて良かった・・」

おばあさんの形見の品が今回の私たちのあれこれのおかげで戻ってきたのだとか。

「そうでしたか・・ですが、本当にお気になさらないで下さい」

「私の気持ちの問題ですよ。お嬢さん、これを握って魔力を流してもらえないかしら?」

渡されたのは、1センチくらいの小さなガラスの玉

これは?と首をかしげる。

「痛くはないわ。魔力を流せば分かるから。」

そう言われて魔力を流すと、暖かな何かが私の中に流れ込んできた。

すると、握っていたガラス玉はさらさらと砂になって宙に消えた。

「上手くいったようね。」

「アレは一体・・」

「その人に足りない何かをわずかにですが、解放してくれると言われている玉ですよ。わかりやすく申しますとその人の弱点に関わるささやかな力を1つ手に入れることが出来るというところでしょうか。」

「そんな貴重なモノを・・」

「お気になさらないで下さい。それに、神子様がこうしてここに泊まり、好評かを頂いた。それだけでこちらも十分利点があります。」

「そうでしたか。では、お言葉に甘えさせて頂きます。本日の昼の便で我々は行きますので・・お世話になりました。」

(ぺこり)

「いえいえ。神子様、何かあればまたおいで下さい。いつでも助けになりますよ。」

(コクリ)

頷くと微笑ましそうに私の頭を撫でてからおばあさんは去って行きました。


「リア様、ギルドカードをチェックしては?」

(コクリ)

カードさんお願いします。









ランク:C

名前:フリージア・クラリティ・エトワール(悪心撃滅体質)

性別:♀

年齢:6

種族:半異世界人

職業:賢者、協奏師

称号:絶望を知る者、幻獣の家族、変態紳士ロリコンホイホイ、英雄賢者の正統後継者、神子

属性:陰

体力:C

魔力:S

攻撃:E

防御:E

俊敏:D

練度:S


攻撃技:【影操作】【魔力反射】【物理反射】【性質変換】【杖術】【射撃】

補助技:【念話】【奉納】【心意加増】【精神統一】【アクロバティック】

自動技:【圧縮記憶】【思考速度上昇】【並列思考】【心の瞳】【ショートクさんの耳】【鳴く】

覚醒:【侵食】【拡張】【守護者召喚】

衣類:精霊のストール、精霊樹のローブ

装備品:賢者の杖、教会の腕輪(EX)、幸運のイヤーカフ

写真:フリージア・エトワール、ペチュニア・エトワール


契約

【幻獣】八咫烏:カルナ

【幻獣】ガルディエーヌ・キャット:シャスティ

【妖精】オニキス・ゲル:スイ

【??】ウールスフィア:ラナ

【魔物】クロコディルガーディアン:ハディ


加護

ペチュニアの溺愛、ペチュニアの過保護、元英雄賢者/現神様のお気に入り

下位精霊の親愛、上位精霊:リフの溺愛、精霊樹の巫女









・・ん?

か、カードさん教えて下さい。





【鳴く】

喉の負担が一切なく、鳴くことが出来る。(猫バージョン限定)

猫科の生き物とスムーズに会話が出来る。






・・・どうすれと?

私にしては珍しく表情でどうしたモノかと複雑な表情になっているとラウさんたちが心配してくれた。

「リア様?・・いかがなさいましたか?何か問題が?」

見てもらった方が早いと思い見せました。



すると全員私と同じく複雑そうな顔をしてました。

「んー・・どう反応すれば良いのか・・」

「リア、試してみたらどうだ?」

何か喋ってみろとのこと。

で、あーっと言ってみるけどほとんど声は出なかった。


そして、書いてあった内容からまさかなぁと思いつつ

「にゃぁ」


あ、しゃべれた・・と言うより鳴けた?

けど、にゃんこの声以外は何を言おうとしてもいつも通りかすれた感じになって声になりませんでした。


「鳴きましたね・・」

「鳴いたな・・」

「にゃう(おそろいですね)」

「ニャー(右に同じく)」

-そのままだね。返事だけでも出来るようになったのは良いことだと思うよ?-

「それもそうだな。とりあえず、内容はともかく、しゃべれるようになったなおめでとう」

「おめでとうございます。」

「にゃう(おしゃべりする第一歩ですね)」



「あ、今更ですがリア様。俺のギルドカードを見せておきますね。」

そして見せてもらいました。








ランク:C(二つ名=暗紅騎士)

名前:ラウ

性別:♂

年齢:23

種族:人族

職業:双剣士、暗殺者

称号:存在なき者、クラリティ王国第一王子の懐刀

属性:風

体力:S

魔力:C

攻撃:S

防御:C

俊敏:SS

練度:S


攻撃技:【双剣術】【執事】

補助技:【風纏】【消音】【消臭】【隠密】【同化】

自動技:【絶倫】

衣類:精霊の執事服

装備品:幸運のイヤーカフ


加護

義妹フリージアの守護騎士、義姉ペチュニアの期待、上位精霊:リフの友愛






おぉ

強いですね





存在なき者

どんな相手にも己の存在を悟らせない隠密系の最上位の実力を兼ね備えた者に送られる。



双剣士

双剣を扱うことに長けた存在

一撃一撃の攻撃が軽い代わりに連続攻撃時の速度や正確さが上がりやすい。


暗殺者

殺すことに特化した存在

殺意に敏感になりやすく、他者の気配に気づきやすくなり、弱点が分かる。



【双剣術】

双剣を扱う技の総称


【執事】

身の回りのお世話に関連する技であればどんなことでも身につけやすくなる。



【風纏】

自身の体か、自身が持つモノに風を纏わせる。

切断強化や、貫通強化、技の受け流しなど効果に関しては纏う際にイメージする必要がある。



【消音】

風魔法を使用して自身の音を消すことが出来る。


【消臭】

風魔法を使用して自身の匂いを消すことが出来る。


【隠密】

他者に気配をさとらせないようにする技


【同化】

周囲に溶け込むことで自分自身のことに気づかせにくくする。



精霊の執事服

一般的なデザインと一般的な色の黒の執事服

魔力を込めると防御力が上がり、魔力を込めずとも普通の鉄くらいの丈夫さはある。

肌着に当たる部分は、鎖帷子になっている。

ネクタイは執事服と同じ黒



義妹フリージアの守護騎士

フリージアを守るときにそれに関連する技が通常より強化される。



義姉ペチュニアの期待

ペチュニアに見初められた存在。

ペチュニアに見限られるととんでもない不幸に襲われる。


上位精霊:リフの友愛

上位精霊:リフに気に入られた存在

自然との親和性が上がるため、森の中では隠密系の効果が高まり、足場の悪い場所でも全力で攻撃が出来る。









1つだけ技を教えてもらえなかったのですが、そこは知らないで良いと言われてしまい、教えてもらえませんでした。


で、ランクのところにある二つ名というのは自分でつけられる名前ではなく、いつの間にか周囲の人に呼ばれる呼称のことらしいです。

今の私で言うところの神子様とかそういうのがそれに当たるらしいですが、それは冒険者としての私が呼ばれているわけではなく、神様に愛された存在として教会側から言われていることだから二つ名としては認識されずに称号の部分に乗ってるようです。

お母さんだと流星姫、神様だと英雄賢者とかそういうのが私にもいつかできるのかな?

だとしたらどんなのだろう?

後、もう1つあった称号ですが、それは見たままなのでって言って細かい部分は教えてくれませんでした。

まぁ、王子様に頼りにされるほどすごい人なんだってことですね。

うんうん



そして現在、お宿を出てお船に向かっているところです。

さっきまで、お宿の人たちとずっと握手会をしてました。

・・なぜか、入れ替わり立ち替わり私は従業員さんたちと握手してました。

時折女性の従業員さんは我慢出来ず(ラウさん談)に抱きしめて撫で回したりと言うこともありましたが。


で、出るときに人数分のお弁当をもらいました。

ありがたく頂きます。


と言ってもまだお船に乗るにも少し早いので露店で食べ歩きをしたり教会でお祈りをしたりして時間を潰してます。

まぁ・・その合間に年配の人たちにナムナムされたり握手を求められるという謎の現象に遭遇しましたが・・。

気にしないでいいですね。

特にお金とか食べ物をもらって対応・・とかじゃなくて、ただ握手してナムナムされただけですし。


そんなやりとりを微笑ましそうに眺めてる露店のおじさんたち。

ちなみにおじさんたちは時折私の頭をぽふぽふしてました。

どこか幸せそうだったので気にしませんが。


そして、そんなことを適度にスルーしつつ対応していると

「そろそろ良い時間ですね。船に行きましょうか。」

(コクリ)

ちなみに現在もずっとハディちゃんの背中に乗っているのではなく、隣を歩いてます。

少しは自分で動かないと駄目ですからね。

なので、町中では緊急時を除いて自分で歩くことにしてます。

シャスティたちは普通に乗ってますよ?

町中をみんなで広がってうろちょろしてると皆さんのお邪魔になりますからね。


立ち位置としては、ハディちゃんを間に挟んで両サイドに私とラウさんって感じです。

シャスティはハディちゃんの背中の上ですし、カルナはラウさんの肩の上、翠ちゃんは私の肩か頭の上で、ラナちゃんはいつも通り私の左肩の辺りにくっついてます。




で、道中で

「こいつらは神子様を名乗っている偽物だぁ!こんな小娘が神子様なわけないだろう!」

とか言ってる人がいましたが、関係ないのでスルーします。


「え?」

周囲の人たちと叫んだチャラいお兄さんたち(10人くらい)は、スルーした私に驚いて固まってます。


「いやいやいや!待て待て!」

で、慌てて私たちの前に再度現れてツッコミを入れるお兄さんたち。

何の用でしょうね?

「だから!お前は誰の許可もなく勝手に神子様と偽り、不正に賃金を頂いているだろう!」

何を言ってるんでしょうねこの人たちは?


その前に私、しゃべれませんし、一度も私は神子ですなんて言ってませんよ?

それに、お金はもらってません。

換金してもらった分と、サービスで餌付けされてただけです。


ちなみに、そんな私を偽神子?と思っているのはこのお兄さんたちだけらしく、周囲の人たちはあいつらアホだろという顔で呆れた表情で眺めてる。

その中には、教会のシスターさんやギルドの職員さんもちらほら紛れてたりする。





そんなやりとりの中で周囲からこんな会話も聞こえてきた。

「あ、あんたって教会のシスターさんだよな?」

「えぇ、そうですが」

「あれって・・ホントか?」

「あのお方は本物に決まってるではありませんか、嘘偽りなんて許されませんし、事細かに見た目を教わってます・・まぁ、多少見た目が変わっておりますが、些細な部分ですし、あの腕輪は本物ですし。」

「だよなぁ・・あの腕輪って、万が一偽物だったとすればあんたたちが黙ってないもんな?」

「当然です。」

「ちなみにどういうお方だって通達が来てるんだ?」

「黒髪の美幼女で、賢者の杖に似た杖を持っている。連れには、尻尾の長いブルームーンの毛並みの猫と、脚が3本あるカラスが共におり、どちらも神子様の獣魔であり保護者であり、教育係だと。・・ね?髪の癖が出来たのか猫耳っぽく見えてたりオッドアイになってたりしますし、腕が片方なくなってたりとスルーしたくないことが盛りだくさんですが・・・ね?」

「うん・・きれいにぴったり一致してるな・・てか、腕片方なくなってるとかさ・・かなりキツくないか?色々と」

「神子様自身が気にしていらっしゃらないようでしたので深く追求すると逆にご迷惑になりそうなので・・それに、昨日も本日も教会でお祈りしていらっしゃいましたし、その間も噂通りに光ってましたし。」

「あぁ、神子様が教会で祈ると光るって噂は本当だったのか・・てか、物理的だったのか。」

「そんなところまで似せるには難しいでしょう?と言うより、無駄です。」

「確かに!」


「それに・・」

「それに?」

「あんな超絶かわいい生き物!!放っておける人間がおかしいでしょう!!!」

「あ、あぁ・・確かに」

「そういえば、噂で神子様は老若男女問わず、かわいいと言えるほどの美幼女だって話しを聞いたことがあったが・・ホントだな。アレを似せるのは難しいな。」

「でしょう!?それに、露店の方々が餌付けしてたのは、神子様だからではなく単純にかわいくてついあげたくなっただけでしょうし、しっかり食べて大きくなって欲しいと切実に願っているからです!フンス!」

「うん・・わかるわかる。俺もなんかあげたくなるしな。」

「そういえば、あの幼女様、すっげぇ賢かったはずだぜ?」

「そうなのか?」

「あぁ。俺さ、昨日ここに来たんだが、ちょうど幼女・・神子様と一緒に並んでたんだよ。順番待ちをしてる間は騒がずにおとなしくしてたし、獣魔たちの相手も連れの兄ちゃんとも仲良くしてたし、何よりあの無口な門番と一切喋らずに普通に会話が成立してたしな」

「え?あの、優秀だけど無口だから意思疎通が難しいあの大柄の?」

「そうそう。神子様も知っての通り無口だったし。あまりにも互いに無口なのにスムーズに話が終わるからツッコみ入れたよ。意見の相違はないのかって」

「それは・・そうでしょうね」

「だろ?で、連れの兄ちゃんがそのやりとりを解説してくれたんだが、2人とも親指立てて正解って感じのツッコミをしてたし、空気を読むのも優秀だと思うぞ?」

「あ、俺、あの子が普通に買い物してるのみたぞ?」

「金の計算とか、書いてあるのを読んで自分で判断してってことか?あの兄ちゃんが対応したとかじゃなくて?」

「違う違う。一切の助言もなく、全部1人でだよ。」

「賢いな幼女様。」

「てか俺さ・・チラッと見たんだが、あの教会の腕輪・・・EXって見えたんだが・・シスターさん・・気のせいか?」

「真実ですよ?」

「マジかぁ・・」

「ちなみにそれを判断し、渡したのはあのカタクリの町の神父様です。」

「あぁ、あの!」

「俺たちでも知ってるぞ?回復系の魔法で右に出る者はそうそういないと言われるほど優秀な方だったよな?お告げもほぼ100%当たるとか」

「えぇ。」

「・・・もしかして、カタクリの町を救った幼女の使い魔ってさ・・・だったりする?」

「やっぱそう思う?」

「タイミング的に」

「らしいですよ?」

「そうなのか?」

「連れの保護者の獣魔さんたちはかなり優秀だと私たちも聞いておりますし。知識も実力も」

「・・それさ・・あいつら・・・ほぼ確実に人生終了じゃね?」

「やはりそう思いますよね。まぁ、私が今回のことを事細かにお友達”とか”に言ってしますし、私以外にも教会に属する者たちはいます・・あの方々の将来は・・うふふ♪」

「やっぱりそうなるよな。ある意味ギルドよりも協会側を敵に回したくないよ。」

「賢明ですが、そういう理由でゴマをすられても神子様によって処分されますよ?」

「え?あの幼女様そんなことするの!?」

「と言うよりも、嘘をついているかどうか等が分かるようですよ?後、善悪に関する部分が非常に敏感なようで。」

「あぁ・・・」







「って、さっきから周囲の連中うるせぇ!!どいつもこいつもこの小娘の魅了魔法に引っかかってるからそう言うんだよ!」

「では、どういう理由でリア様を偽物とおっしゃるのでしょうか?」

「だ、だって!そんな凶悪そうな魔物を引き連れてるからに決まってるだろう!!」



へぇ~?

ハディちゃんを見た目で判断して、たかだかその程度のことで騒いでるんですね?


「り、リア様?」


それに、こいつら・・・みてるとイライラするんですよね・・うふふ♪


「あ、やべ・・瞳に出かけてる」


そして、キレかけてる私に知らずにそいつらは私の逆鱗に触れた。

「それに、たかだか神に愛されてるってだけで、優遇されるなんておかしいだろ!何もせずにただみてるだけじゃねぇか!そんなことしかしてないくせに、崇められてるんだったら、俺たちが神になってやるよ!当然その神は殺して俺は神殺しの称号を得るのさ!!」



ブツン!!!


もう我慢出来ない。

何も知らないくせに、言いたい放題言いやがって



「な、何だその瞳は!!何なんだよ!!その影は!!!」


私の瞳には魔方陣が出ており、地面は沸騰するお湯のようにボコボコと泡立ちながら漆黒に染まる。


ちなみに、ラウさんたちは私がブチキレていることに瞬時に気づいてそそくさと私から距離をとっている。

周囲の人たちはそんなラウさんの行動を見て距離を開けつつも観察中。



「あぁ!くそ!!お前ら!!!殺るぞ!!」

お兄さんたち「おう!!」




こいつらは私に向かって武器を構えた。

私の大事な家族を侮辱した。

いっぱいお世話になってる神様にひどいことを言って殺すと言った。



こいつらはもう・・いらない存在だよね。



お兄さんたちは私を囲ってまとめて襲い掛かって来た。

ラウさんたちは分かっているので何もしないけど”それ”を知らない周囲の人たちは慌てて私を助けようとする



だが




ドバァアアアアアンン!!!!


私の影が大爆発して宙へ縦長く伸びる。

その影は鱗らしき模様を作りだし、宙をうねりながら私を中心にとぐろを宙でまく。


それでも飛んでくる魔法や武器による攻撃はそのうねる影によってはじき返され、魔法は発動させたやつにそのまま飛んでいった。


魔法のカウンターをみて周囲の人たちは驚き、今も尚、宙で変化を続け続ける影を見て唖然とする。


魔法のカウンター

これは、防御職の人たちや魔法を専門とする人たちにとっては最も目指すべき頂点に当たる技術。

それは最高難易度を誇り、誰もが相手が飛ばした魔法をはじき返すと自身の攻撃も合わせて攻防一体として優秀だと努力した。


だが、それを実現させたのはこの何十年何百年の中で、たったの数人。



想像を絶する魔法練度

そっくりそのままはじき返すという明確なイメージ


言うだけならば簡単だ。

だが、はじき返すというイメージが誰も出来なかった。



そして、私が作りだした影の先の部分が顔になる。


「グォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」



その咆吼は、空気中を震撼させ、町中を軽く越すほどの威力で響いた。

地面の石畳はその咆吼だけでまくれ上がり、ガラスは割れる。


それは龍だ。

そして、これはお気づきの通り【守護者召喚】だ。


ドラゴンとは異なり、蛇をドラゴンに替えたと言った方が正しいほど体が長く、宙を泳ぐように進むことで有名な存在だ。



その咆吼だけで、そいつらの半分は下半身が濡れながら泡を吹いて気絶する。

「う!うろたえるな!こけおどしだ!!」

全身が震えながらもそう言って私にそれでも襲い掛かる。


私は、そいつらに恐怖を植え付けるために龍の全身から全長3センチほどの球体を宙に無数に生み出し、雨のようにそいつらに向けて飛ばす。

”ワザと”そいつらの急所を狙わずに手足や関節部分、武器防具類を狙い、時折急所すれすれの位置をかすれるようにして飛ばす。


私の怒りによってそれらの威力は普段とは比べものにならないほどの威力を誇っており、普通に石畳に当たればバターを切るようになめらかな穴が空く。


そいつらはあっという間に動けなくなり、地面に倒れる。

武器はその時にはとっくにぼろぼろになって使い物にならず、防具もぼろぼろだ。


そこで私は龍でそいつらの近くの地面(石畳)をえぐり取るように噛み付かせる。

「っ~!!!」

柔らかいモノをスプーンですくい取ったようになめらかに石畳が噛み付かれた後に合わせて消え去った。



「ガァァアアアアアアアアアアア!!!!!!!」

そこで、再度咆哮を上げさせ私の足下の影から触手さんを15本出す。

最近また増えました。


そいつらの防具類を含めて触手さんたちで使い物にならないほど細切れにしつつ、全身を殴り続ける。


「ゆ、ゆるし・・」


何か言ってるけど無視して攻撃を続ける。

だって当然でしょう?

私の大切なモノを侮辱して殺すなんて言ってるんだもの。

殺すことが出来るのは、死ぬ覚悟が出来る人だけだというのにね?


私?

とっくの昔に死ぬ覚悟は出来てますよ。

元々死ぬつもりだったのですから当然じゃないですか。




で、しばらく触手さんたちで殴り続けてましたが飽きました。

なので、そいつらの両腕を全員切断して脚のアキレス腱部分を修復出来ないくらいに切断した。


最後に、龍の頭の数をそいつらの人数分まで増やして、至近距離で全力の殺気を込めた咆吼を再度お見舞いして意識を奪って終了。







大きく深呼吸をして【守護者召喚】を解除する。

影で作りだしただけと思わせないように私の影に戻っていくように巻き戻すように吸い込ませる。

これで、私の影にはあの龍さんが住んでいると思わせることが出来たはず。



はぁ~//

すっきりしました。


ちょっと快感♪








そして私たちは、そいつらを放置してお船に乗りました。








後日談を一応。

お船に乗るときは、特にツッコミなどはなく普通に入れて、普通にお部屋に案内してもらいました。

窓が全部ガラスになって(外からは内側は見えないらしい)てとても広い高級ホテルのようでした。

実はお船の人たちもあの騒動は気づいてたのだが、途中から後処理が面倒だなと思い、スルーしていたのは彼らだけの秘密。



で、町の方はと言うと絶対に神子様は怒らせるなという注意事項が追加された。

それらのやりとりをやりすぎではと言った人がいたが、ラウさんが

「家族を馬鹿にして、神様を実の親のように思っているそんな存在を殺すなんて言われたわけですし、おそらく殺すくらいならば殺されても文句は言わせないと判断したのではないかと思われます。それに、殺してませんし・・アレで生かされた方が奇跡だと思いますよ?皆様は出来ますか?大事な人たちを馬鹿にして目の前で殺すと言われて、何もせずに無視出来ますか?」

その言葉に全員が納得した。




あのアホどもはと言うと、今回の件のやりとりを教会側がクレームとして死なない程度にしゃべれるくらいまで回復させ、生き証人としてそいつらの実家のある国の親御さん一同に言ったらしい。

どうやら、どこぞのぼんぼんだった模様。

彼らのやったことは、そのまま町中どころか大陸中に知れ渡った。

当然全員、廃嫡され、奴隷として売り払われたのだとか。



私の知ったことではありませんね。

次回は、6/6(水)に投稿します。

日曜日もいつも通り投稿しますよ?

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