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陰の支配者-私の保護者は猫と鳥-  作者: ミコト
フォレストロード
30/177

抜けた先で・・

「もう行っちゃうのかい?」

「えぇ。十分お世話になりましたし、世界はまだまだ広いですから」

「そうだね。にしても・・悪いね、大して食べ物を渡せなくて。」

「いえ。十分頂きましたよ。」

本日出発の日です。

食料は必要ですと言うことで里のみんなからもらいました。

キノコとかお野菜とか山菜とか木の実とかをたくさん。


結局半年近くお世話になりました。


たくさん鍛えることも出来ましたし、楽しいこともたくさんできました。


杖さんも上手に扱えるようになりましたよ?

まだまだスムーズには出来ませんが手元でくるくるしたりとか。

後、バランス感覚も鍛えている最中です。

目指すは杖さんの上に立って仙人さんのようなことを出来るようにするんです!

ふんす。



里のみんなからもまた来てねと言われつつも手を振ったりして出発しました。

狼さんもまた来いって言ってました。



いつか、また来れれば良いな。









私たちは進む。

リフさんに

「向こうの方へまず向かってから港町へ行くと良い。海も見せたいだろうし、海岸側は山とは違った楽しさもある。それに、山とは違った訓練が出来るぞ?」

と言われたからです。


で、普通であればあっちと言われてそう簡単に進めないのがこのフォレストロードですが私は精霊樹の巫女ですからそんなのはお構いなしで進みます。

何と言いますか、あっちに行った方が良いってなんとなく思うんですよね。

それと、通りすがりにおいしそうな気がする食べ物を見つけては触手さんや杖さんで採ってます。

これも、巫女の力のようです。


一度、似たようなキノコ類が並んでいる中おいしそうだと感じた数個以外は放置してみたところ、翠ちゃんが調べた結果、モノの見事に私が選んだモノは問題はなく、それ以外は全て毒キノコでした。


すごいねって言われましたが、巫女の力のおかげですし、なんとなくこれが良い気がすると思っただけなんですよね・・素直に喜んで良いのかどうか複雑です。



この森に入ったばかりの頃と比べるとすごく楽に進むことが出来ます。

転びそうになることもなく順調に進んでます。

それに体力もそれなりにつきましたし、森の歩き方?もなんとなく分かるようになったので。


それに、カルナたちも前よりずっと強くなったので魔物が襲ってきても軽々と倒せちゃってます。


ちなみに、私たちは戦いながら魔石やアイテム類をためているところだったりします。

その他にも、良さそうなのは拾っていたりと。

翠ちゃんに食べても良いのを減らしてるんです。


どうしてかというと、お金が必要だからです。

お船に乗るにはお金が必要で、それがすごくたくさん必要らしいんです。

なので換金出来るように色々と集めてます。


どうやら、お船に乗るには1人銀貨数枚は必要らしいです。

つまりはたくさん必要なんです。


お金は一応余裕がありますが、お船の値段は更にたかくなることもあるらしいので頑張ってる最中です。




久しぶりの野営をしながら毎日恒例の星空観察です。

いつも私を優しく見守ってくれて、色んな姿を見せてくれるから好き。

そして、星空を眺めながらラナちゃんや翠ちゃん、カルナにシャスティたちをもふもふするのも好き。

最近では、ラウさんも一緒に眺めることが増えました。

どうやら私と一緒で星空を眺めるのが好きになったようです。



そんな感じで魔物をせっせと退治したり採取したりしながら集めつつ先に進みます。

それから5日ほどしたところでフォレストロードの端っこの海岸に出ることが出来ました。


海です。

どこまでもお水が広がってます。

お水は塩辛かったです。

これが海なんですね。

おっきいですね。

広いですね。




で、しばらく進んでいて分かったことは砂浜は思った以上に歩きにくくて体力がいっぱい必要だと言うことでした。

・・確かに、これは鍛えられますね。

・・・すっごい疲れますが。



砂浜を進みつつ進行方向を見ると港町らしい場所が小さく見えました。

どうやら他の港町よりもおっきいところらしいです。


砂浜では森の中とは違った魔物がいっぱい出てきました。




サンドゴーレム

砂で出来た魔物で、固定された姿はない

獲得部位:魔石、まれに魔力を含んだ砂岩


ダンシングシェル

貝殻の魔物で、2枚貝で砂の中に潜み噛み付いてくる

獲得部位:魔石、貝殻、貝の肉、まれに真珠


ペレグリンフィッシュ

海の中や砂浜の中を泳ぐ魚で、なぜか肉食

獲得部位:魔石、魚肉、骨


ジャイアントケルプ

とにかく大きな海藻で相手に絡みついて海に引きずり込む

獲得部位:魔石、海藻(個体によって種類は異なる)



ミステリーコレクター

よく分からないモノを集める癖のある1枚貝の魔物

獲得部位:魔石、貝殻、貝の肉、拾った何か







最後の魔物に関しては、何を拾うかの特定の種類などはないらしいです。

削れて丸くなったガラス玉だったり干物になった木の実だったり、流木だったりと。

まれに、宝石だったり魔石だったり、倒した人間から手に入れた装飾品だったりするらしいですが謎です。

そのため、貝殻を壊して中身を取り出そうとする人がいるらしいですが、不意打ちの場合はなぜか普通に戦うときよりも強度が上がるという謎です。

と言うよりも、不意打ちをすると真正面から挑むときよりも凶暴化して周囲の魔物を無作為に集めるらしいので、ひそひそは、めっ、なんです。


ラウさんが言うには、この貝殻の魔物さんたちの貝はすごく硬いから結構良い防具になるらしいのでそれなりのお値段で買い取ってくれるらしいです。

後、まれに採れる真珠に関しては魔道具を作るときの素材としてとても優秀らしく真珠の色や質によって値段が変わるらしいです。

普通のアクセサリーにしても十分きれいなのでかなり高く買い取ってくれるらしいですが、色によってまた値段は変わるらしいです。


まぁ、どの色が高いかと言われても求める人たちによってその時によって変わるらしいですし、どの色が多くてどの色が希少で・・とかはなく、細かく分類するとすーっごい色の種類が多いらしいので真珠の専門家なんて職業だったりお店もあったりするらしいです。


私は真珠はいらないけど、みてみたいかな。

ムリしてみたいとは思いませんが。








で、体力がそれなりについたり、歩き方が分かったと言ってもそれは森の中。

砂浜だとそれはまた違ったります。

そのため、森の中では順調に進んでましたが、砂浜ではこまめにお休みしております。

シャスティにのってさっさと進んでも良いのですが、どのみちお金稼ぎのためにたくさん戦う必要がありますし、急ぐ旅でもないのでこまめに休憩したり海でちょっと遊んだりしつつ先に進んでおります。


そんな感じで砂浜を進むこと5日

途中で隠し洞窟を発見しました。

そこだけ森に向かって斜めに地面深くに穴が広がってるんです。

広いですよ?

どうして気づかなかったのでしょうと思うほど。

んー高さは2~3メートルあるかないかと言うほどですが、幅は5メートルは軽くあります。


気にせずに先に進もうとしましたがなぜかその場所を私はスルー出来ませんでした。

見逃すことが出来ませんでした。


私の中でなんとも言えない気持ちが少しずつ少しずつ強くなっていく。

「リア様、あの洞窟がいかがなさいましたか?」

気になっていたことがラウさんにバレ、質問が飛んでくる。

{寄り道しても良いですか?}

私が気になるから確認にいくと言ってみたところ

「かしこまりました。私が先導致します。」

(コクリ)


私たちはその洞窟を進むことにしました。



進んでいくと洞窟の中は徐々に広くなっていき、分かれ道がありました。

とりあえず端から順に進むことにしました。


そこに行くと、無駄に豪勢な装備をつけたはげ頭のおじさんたちがいました。

「何だお前ら」

「見た目の良いのが揃ってるし、そこの男は殺して全員捕まえようぜ?」

「だな。」

「げへへ。悪いな嬢ちゃん。おとなしく俺たちの糧になってくれ」


そいつらを見た瞬間私の中にある気持ちが我慢の限界を迎えた。


「え・・」

その声は、誰だったのかは分からない。

けれど、とあるモノがぽーんととんでいく。


「ぎゃぁぁぁ!!腕が!!俺の腕がぁぁ!!」

「このがき!!もう許さねぇ!四肢をもいで徹底的に痛めつけて蹂躙してやるよぉ!!」


私は、触手さんを影から出してそいつらの1人の腕を斬り飛ばしていた。


あぁ。

我慢出来ない。

こんなに心の黒い奴らが目の前にいるのですから。

心が黒い奴らは徹底的に破壊しなきゃ駄目じゃないの。

うふふ♪


で、そいつらをみていたラウさんが思い出したように私にこう言った。

「リア様、思い出しました。こいつら指名手配のグループですよ。確か”ブリーディング”」

{誰ですか?}

「人も魔物もお構いなしで捕まえて、違法なやり方で売りさばいたり、麻薬関係の売買もしている悪い奴らです。いわゆる賞金首ですよ。しかも、見つけ次第処分するように言われてます。」

{殺しても良いのですか?}

「えぇ・・私がやりましょうか?慣れているので」

{私もやります。手伝って下さい。}

「・・かしこまりました。」

{カルナ、どこに誰がいるか特定をお願いします。翠ちゃん誰1人として逃がしたら駄目ですよ。シャスティ、捕まった人たちがいないか確認をお願いします。}

全員が頷き、カルナたちが各自移動を開始した。

「リア様、大丈夫ですか?」

人を殺せるかとラウさんが遠回しに聞いてくる。

ちなみに現在目の前にいるそいつらは私が触手さんで強く強く縛り上げながら骨をゆっくりと折ってます。

悲鳴がうるさいので触手さんを口の中に無理矢理押し込んで黙らせてます。

{簡単に死ねるのですから、むしろ良い方ではありませんか。}

私は、死にたくても死ねなかった。

そんな気持ちがあったのは、1年もなかった。

物心がしっかりついた頃には既に死ぬことも生きることも全部がどうでも良くなっていた。


何を言っても許してもらえない。

何をしても暴力以外何も来ない。

痛くても泣いても更に暴力が来るだけ。


泣くのは無駄だ。

痛いから藻掻いてもあがいても無駄だ。

なら、死ねるなんてご褒美ではないでしょうか。

だって、こんな苦しいことから解放されるのですから。



「かしこまりました。何かあれば言って下さい。やりますから」

(コクリ)

私は、目の前にいる奴ら5人を縛り上げている影の全てから針を隙間なく伸ばす。


そいつらは何が起きたのか分かる暇もなく死んだ。

全身を穴だらけにしたのだから当然ですね。


それと・・やはり、人を殺してもなんともありませんね。


私にとっては死とは恐怖ではなく、解放。

この世界から解放され、苦しみから解放される手段。

その何が怖いのだろうか。

死ねるのだから幸せではありませんか。


私には、死すら与えられずに痛みだけが与えられた。

それと、私はあの5年間の影響で恐怖心などが壊れてるんだと思います。

それと一緒で、生きようとも死のうともどうでもいいのでしょう。


{どうすれば賞金首としてお金が頂けますか?}

「こいつらの証拠となるモノがあれば大丈夫ですよ。」

{装備品の全てがあれば大丈夫ですか?}

「そうですね。翠さんに死体は処理してもらい、その他の装備品はそのまま全て収納してもらいましょう。」

(コクリ)


それから私たちの蹂躙は始まった。



最初に入った分かれ道はまだまだ入口で奥に行くと5つほど分かれ道があり、その奥に3つずつ分かれ道があった。

そこにいた人たちは全員殺した。

潜んでいた魔物も攻撃しに来たので殺した。

あちこちに置いてあったモノは全て回収した。

宝物も、家具も装備も捕獲用の道具や拷問用の道具も全て。


ただただ黙って殺されるような奴らではありませんでしたが、たいしたことはありませんでした。

魔法が飛んでくれば私が結界ではじき返し、触手さんで心臓を一突きで殺している間にラウさんがその他の人たちの首をすぱーんと斬り飛ばす。

こういうときにラウさんは普段とは違いますがすごい強いです。

気配を薄くするのがすっごい上手だし、ラウさんの風魔法で音も匂いも消すことが出来るのでまさしくプロの暗殺者。

格好いいです。


まぁ、私が魔法をはじき返すとそれに対して驚いてて、その隙に一突きでやっちゃうので正直弱かったです。

どんな数の魔法が飛んできても全てはじき返し、接近戦を挑んできても結界を硬くして防御し、そのまま結界をウニにして串刺しにする。


そうやって繰り返していくと、最後の一番大きな部屋1つ以外は全て攻略しました。

扉の前でシャスティがお座りしてました。

「にゃうにゃーう(この奥に魔物らしき気配と、ボスらしき人物の気配を感じます。それ以外は、気配はありません。)」

{シャスティ、ありがとうございます}

「にゃう(後でブラッシングして頂ければそれだけで幸せです。)」

喜んでしてあげましょう。


扉を開けると強固で大きな檻の中にそれはいた。


黒っぽい青銅色の体で、非常に頑丈そう。

硬い鱗に覆われ、長い尻尾に大きな顎


ワニだ。

とても力強くて硬そうで強そうなのに、ぼろぼろだった。

全身が血だらけで風前の灯火という感じだ。


「やけに騒がしいと思えばお前らか。俺の子分どもはどうした」

答える必要はないので黙っている。

まぁ、しゃべれませんし、ラウさんたちもしゃべる気はありません。

「ちっ、まぁいい。さっさと死ぬかどっか行けよ。今俺は、こいつを調教するのに忙しいんだ。」

「調教?ただのいじめでしょう?とどめも刺さずにただただ痛めつけるだけで」

「はっ、俺が強者だと思わせるためさ。じゃなきゃ、こいつを売り飛ばすときに黙らせられないだろう?それに、俺自身を売り込むには強さを魅せるべきだ。」

そのワニさんは、心がとても白かった。

そして、心がすごく強い子だ。

じゃないと、こんなにぼろぼろなのにまだそいつなんかに心が負けていない。


けど、こいつは・・・・


こいつの心は真っ黒だ。




「ほう?よく見ればそこの小娘はかなりの上玉じゃねぇか。ちょうど良い、こいつも一緒に頂こうか。ついでにその獣どもも多少のはした金にはなるだろう。その男はいらねぇから殺すか。」


その言葉を聞いて私の中で何かがはち切れた。



スパン



「え?・・・あ"ぁぁぁぁ!!!いでぇぇ!!何しやがる!!がぁぁ!!!」


右腕を斬り飛ばし、左腕を切り飛ばす。


何か騒いでてうるさいので喉を触手さんの先の部分だけ硬くして思い切りたたきつけて黙らせる。

そのまま地面に倒れる前に後ろから触手さんで殴りながら宙へ飛ばした。


その後は、ただひたすらに全方位から触手さんで殴り続け、影の球体をそいつの全身に飛ばしてたたきつけ続ける。


泣いてもわめいても許さない。

こいつは徹底的に壊さないと。

心が黒い奴なんてこの世に必要ありません。



私の怒りは最高潮。

瞳には魔方陣が浮かび、普段以上に威力が出ている。


気づけばそいつは何も喋らなくなった。

瞳には、敵対の意識はなく、ただの恐怖だけが残っていた。



だから私は、残りの脚を順番に切り落としてからゆっくりと触手さんで首を締め上げて殺した。











ふぅぅ。

すっきりしました。

なんでかは、すっきりしてから気づきました。

私の体質である悪心撃滅。

これですね。

つまりは、悪者がいれば黒ければ黒いほどたたきつぶしたくなる。

そして、今回それに加えて私の家族を馬鹿にした怒りが追加してあぁなったようですね。



{翠ちゃん。死体は全部食べて良いので、それ以外の装備品や道具類は全て回収してもらっても?}

-はーい。治療薬とか色々出しとくね-

翠ちゃんは、その檻もきれいに食べ尽くしてワニさんを外に出してくれた。

私は、ラウさんとシャスティ、カルナたちと連携してワニさんの治療に当たった。

ラナちゃんには、念のためワニさんに毒とかがあったら困るので全部吸収してもらうようにお願いした。

ラナちゃんはふよふよと揺れて肯定してからワニさんにくっついて対処してくれた。


ワニさんは最初は私たちを警戒していたけれど、私をみた直後になぜか警戒を解いてくれた。




「とりあえず、応急処置は完了ですね。」

たくさん血を流したので翠ちゃんが収納していた食べ物類をひたすらに食べてもらってます。

あ、お薬もですよ?



「ついでに報告しておきますね。従属していた魔物が合計68体、人数279ですね。このワニのこともありますし、とりあえず移動しましょう・・・敵のアジトでは落ち着かないでしょう。」

そして、私たちは、ある程度ワニさんが回復したところで一緒に外に移動してもらうことにしました。













ゆっくりと移動しながらちょうど良さそうな場所を捜します。

見つけたのは、小さな洞穴のようなところで奥まで20メートルもなく、高さは2メートル以下、幅も2メートルないととても小さな洞穴ですが、私たちだけなら十分な広さです。

中にはほんわりと光る苔がきれいです。


そこで、ワニさんの治療を改めてやったり、食べ物を食べさせたりとお世話をします。

どことなく私に撫でて欲しそうにしている気がしたのでお鼻のところを撫でてます。

つるつるでひんやりしてますがこれはこれで気持ちが良いです。


で、翠ちゃんが一応報告してくれました。

-あの洞窟の中で5箇所くらい隠し部屋があったから中身をその辺りのも全部回収しておいたよ?-

{翠ちゃんありがとう}

-気にしないでいいよー-


「しばらくここにとどまりましょう。」


ラウさんの提案にのり、しばらくこの洞穴で過ごすことになりました。



・・・と言ってもワニさんはほんの2~3日で全快してました。

なぜって、たくさん食べて翠ちゃんの力で回復速度を上げて、シャスティの調合薬を使って、ラナちゃんに体内のありとあらゆる毒素となるものを吸収してもらってとガチなやり方でお世話しましたから。

私ですか?

私は撫でてあげてる程度ですよ。

・・そのくらいしかしてあげられませんから。




で、怪我も治ったので好きなところへ行ってどうぞ?となりましたが、去りません。

「去りませんね」

「だな」

「にゃう(やはりこうなりましたね)」

-リアだから当然だよね-


で、そのワニさんはどこかキラキラした瞳で私を見つめています。

「あなたは、この子と一緒にいきたいのですか?」

ラウさんが代わりに聞いてくれる。

するとワニさんは頷いた。


かなり賢いようです。

「そうなると自由にあっちこっちに行ったり出来ませんよ?それでもよろしいですか?」

強く頷いた。


私の目にも、嘘偽りは一切ないと見えている。

一切のくもりがないのですから。


私は、腕を軽く切って血を流し、ワニさんの舌の上にこぼしながら

-あなたは、ハディ。これからよろしくお願い致しますね。-

「ニャー」

大変ダンディで渋くて格好いい声で鳴きました。

・・ワニさんですが、にゃんこでした。


「まさかのニャーですか・・」

「にゃう?(おそろいと言えばおそろいですか?)」

「声が渋い・・ってか、無駄にかっけぇ。」


あ、カードさんお願いします。








ランク:D

名前:フリージア・クラリティ・エトワール(悪心撃滅体質)

性別:♀

年齢:6

種族:半異世界人

職業:賢者、協奏師

称号:絶望を知る者、幻獣の家族、変態紳士ロリコンホイホイ、英雄賢者の正統後継者、神子

属性:陰

体力:C

魔力:S

攻撃:E

防御:E

俊敏:D

練度:S


攻撃技:【影操作】【魔力反射】【物理反射】【性質変換】【杖術】【射撃】

補助技:【念話】【奉納】【心意加増】【精神統一】【アクロバティック】

自動技:【圧縮記憶】【思考速度上昇】【並列思考】【心の瞳】【ショートクさんの耳】

覚醒:【侵食】【拡張】【守護者召喚】

衣類:精霊のストール、精霊樹のローブ

装備品:賢者の杖、教会の腕輪(EX)、幸運のイヤーカフ

写真:フリージア・エトワール、ペチュニア・エトワール


契約

【幻獣】八咫烏:カルナ

【幻獣】ガルディエーヌ・キャット:シャスティ

【妖精】オニキス・ゲル:スイ

【??】ウールスフィア:ラナ

【魔物】クロコディルガーディアン:ハディ


加護

ペチュニアの溺愛、ペチュニアの過保護、元英雄賢者/現神様のお気に入り

下位精霊の親愛、上位精霊:リフの溺愛、精霊樹の巫女







クロコディルガーディアン

防御を誇るドラゴンの血を受け継いでいるワニの魔物

黒っぽい青銅色の体で、姿はナイルワニに近く、全長8メートルはある。

走るのが非常に速く、通常の馬の2~3倍の早さで走れるが、泳ぎも得意。(泳ぎでは馬が走る平均ほどの速さ)

使用技:【硬化】【身体強化】【筋力強化】【自己回復】【殺気】【咆吼】【威嚇】【衝撃波】



読んでなんとなく分かる分もありますが、分からない分もありますね。

カードさんお願いします。


【筋力強化】

自身の筋力をアップさせ、自分自身から引き出す力を倍加させる。

身体強化と並行して使用しても両方とも効果がある。


【自己回復】

身体強化の応用で、自身に宿る自然回復力や自然治癒力の速度を向上させる。


【殺気】

怒りの感情の強さによって威嚇や咆吼の威力が増加する。


【衝撃波】

咆吼を行なう際、怒りの強さに合わせて衝撃波が放たれる。

口以外からは発動不可。



なんと

ドラゴンの血を引いているようです。

ですがワニさんらしいです。

よろしくお願いしますねハディちゃん。


ちなみに、雄ですが私は気にせずにちゃん付けで呼びます。

理由ですか?

気分ですよ?気分と言うよりなんとなく?



シャスティたちとも仲良く出来ているみたいですし良い感じですね。

かなりの強面さんですが、結構な甘えん坊さんでありつつ、騎士さんのように自分が守るんだーって気持ちがすごく強い子です。

なんとなくですが、カルナはお父さんで、シャスティはお母さん、ラウさんはお兄ちゃんで、翠ちゃん、ハディちゃん、ラナちゃんは弟妹って感じですね。

少々性別が不明な子たちが多いですが。


ちなみに、道中私をシャスティが乗せるとかハディちゃんが乗せるとかという攻防が微妙にありましたが、結果としてハディちゃんの背中に乗ると言うことで落ち着きました。

おっきい子ですしね。

それに力持ちさんですし。

で、シャスティは相当嫌がりました。

主に、フリージアをお世話するのはシャスティで、運ぶのも同じくと。

けど、最終的にシャスティの巨大化(正しくは守護モード)を発動させるのを控え目にしましょうと言うことになった。

控え目にする理由が、時々見せた方がかっこよさは増して、毎回見せていたら感動が薄れるって理由で納得してたのですが、そう言うモノなのでしょうか?

カルナが、シャスティだしなぁって言ってたのでまぁ、気にしないでいいですね。





怪我が治り、ハディちゃんと契約してから2日ほどここにお泊まりをしてから私たちは出発しました。

ラウさんも何かとハディちゃんを撫でたり体を磨いてあげたりとお世話してます。

私もしてますよ?

ただ、片手だし幼女なのでお手伝いしてもらってるだけです。

触手さんでしても良いのですが、力加減とか質とかの変換でどのくらいが良いのかとかまだまだなところがたくさんなのでもうちょっと上手になってからする予定です。

慣れればきっとこっちの方が良いだろうし・・一応手でもするけど。

じゃないと楽してるとか思われたくないから。

ハディちゃんはそんなことないって思ってくれてるからうれしいけどね。




で、リハビリ代わりにハディちゃんがどのくらい戦えるのか確認してみました。

結果として、シャスティやラウさんとは全く違った強さでした。

近接戦闘特化なのかもちろんでしたが、ハディちゃんは動かずやってくる相手の攻撃を自身の硬さで防ぎ、尻尾や牙で攻撃を行なうことを念頭に置き、速度を捨てた(戦いではと言う話し)為、攻撃と防御に特化した感じのようです。

動けば速いですが、戦いでは動かないで戦うようです。

ラウさんが言うには近接戦闘と言うよりも防御特化で、カウンター重視の戦いらしいです。

確かに体は硬く出来るし、元々硬いし。

反撃代わりの尻尾での攻撃は骨が粉砕骨折間違いなしだし、牙も一度かまれればスパンと切れるほど鋭いし。


後、ハディちゃんの声?と言うより咆吼を使った攻撃をしてもらったところ、すごかったです。

・・あれらを組み合わせて発動(咆吼)させると空気中がびりびりと響くように轟く。

そして、ほとんどの敵がその声にやられて気絶してたり、泡を吹いて白目剥いてる。

例え、意識があったとしても足腰とかがガクガクしてたりと、まともに動けそうにないようです。

どうやらハディちゃんの殺気関連は常人では耐えられないほどかなり強力なようです。

まぁ、気にしないでいいですね。


そいつらは後でシャスティとラウさんたちがサクサクッととどめを刺して終了でした。

うん。

ハディちゃんは周囲の錯乱と私を物理的に守る騎士って感じですね。

翠ちゃんとかカルナたちもいるけど、変則的ですからね。


みんなと一緒にこれからよろしくねハディちゃん。

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