杖さんの謎と私たちの名前
私がじいさま?って人にもらった青さを残した木の色をした大人の人くらいの長さのあるすごく軽くて私をいっぱい助けてくれる杖さんはけんじゃさんって人の杖らしい。
その人だれ?
その人に返さなくちゃ・・
「マスター・・気持ちはわかるが、その賢者さんももう必要がないから手放したんだ。返す必要はない。それと、賢者さんっていうのは、魔法がすごく上手で世界中で有名な英雄のことだ。英雄っていうのは、多くの人を助けてくれたすごい人ってことだ。」
へ~
「ちなみに、鳥さん・・この子はなんて?」
「賢者が誰かって質問と、賢者の杖だから賢者に返さないとだめだとか考えてた」
「おぉう・・・・そういう判断になったのかこの子は・・かわいいなぁ//」
「そこかよ。まさしく猫かわいがりだなぁおい。」
「にゃう?」
「あ、いや、気持ちはわかるがそうじゃない」
「にゃう」
猫かわいがりの猫の部分に反応したらしく、猫さんが私?って感じで首をかしげたらゼルさんがそう言った。
で、猫さんは、あっ、そうですかみたいな感じで返事してた。
「で、名づけ会議をしたいのはやまやまだが・・ちょっとその杖を調べさせてくれないか?」
杖さんをダンさんに渡そうとしたら
「うぉっ!」
パン!って音を立てて弾かれた。
「ダン・・・何やってんだよ」
「・・・弾かれた・・っ!やっぱりそうだ。」
「どういうことだ?」
「その杖はすでに嬢ちゃんを主として認めてるってことだよ。」
「じいさまにもらった杖と契約ってことか?」
「そういうことだ」
「何か問題とかあるか?」
「メリットとしては、見ての通り盗難防止と、相性が抜群で非常に扱いやすくなり、威力も込められている魔法が使用者の負担にならない範囲で強化される。デメリットとしては、その武器以外に変えることができないってことだな。まぁ、両方持つってやり方ならできるが。」
「なるほどな・・・でも、マスターはずっと握ってるか抱きしめてただけだぞ?今みたいに。何をしててもずっと握ってるし。」
ずっと握ってます。
なんか触ってないと落ち着かなくて。
「おそらく、嬢ちゃんの気持ちか魔力を無意識にその杖が気に入って主にしたんだろうな・・もしかするとその杖は賢者の杖の見た目でも、自我が生まれかけてたのかもな。」
「・・・いつかしゃべりだすとかないよな?」
「それは大丈夫だ。その自我は気に入った主を見つけるという部分にしか動かない。後は、さっきみたいに他人に触られないようにするくらいだ。」
「なるほどな。」
「しいて言うなら、妖精の杖だな」
「妖精の杖?」
「あぁ、俺らの間ではそういう武器を妖精がとりついたって言ってるんだ。もっと過剰になったり強化されたりすると魔剣って呼ばれるんだがな。それよりは自我が弱いからな。」
「ほぉ~?マスターとりあえず、その杖はマスターを気に入ったってことだ。」
なるほど。
「じゃあ、話を切り替えて名づけ会議!」
ってゼルさんが張り切って叫んだところで杖がぽわって光って一枚の紙がぺらっとどこからともなく現れた。
「よっと・・・なんだこれ?」
「何が書いてあるの?」
「あ、手紙っぽいあて先はないな・・・差出人は・・・ファミリーネームだけだな・・・エトワール」
「エトワール!?」
「鳥さん知ってるのか?」
「エトワールっていうのは、マスターの母親の実家のファミリーネームだ」
「え!?内容は!?」
「お、おう。じゃあ、そのまんま読むぞ?」
-手紙-
はぁい♪
私よ~!
いえい!!
誰か名前言えって?
しいて言うなら、鳥さんと猫さんの主のお嬢さんのお母さんです♪
この手紙は、天国から特別に送れる許可をもらった代物なの。
いぇい!すごいでしょ!
生きてる頃の功績をたたえて手紙を1枚だけ送ってくれるって。
まぁ、半分くらいは私が脅迫したんだけどね♪
けど条件が、あのおじいさんの杖を経由するだけっていうむちゃくちゃよね!?
爺さん相手に誰が大事な手紙を送るかってぇの!
でも、おじいさんも私のカワイイカワイイ超かわいい!!愛しの娘のことを案じてその杖をプレゼントしてくれたからよっしゃぁ!ナイスおじいさん!
チャンス来たぁ!って感じでいい感じのタイミングで送り付けちゃった(^_-)-☆
あまり、長文は許してくれなかったからあの自称神のお坊ちゃんめ・・プンプン!
だから、サクッと本題ね!
私の愛しの娘に最高のプレゼント!
遅れてごめんね?
それと、あなたが育っていく姿を近くで見たかったわ・・
天国から見守ってるからね?
フリージア?
あなたの名前はフリージア
私の故郷に咲くお花の名前よ?
すごくきれいなんだから。
意味は、大雑把に言うと-友情--信頼-って意味があるらしいわ。
みんなと仲良く、健やかに過ごしてね。
いつでも天国から見守ってるからね。
フリージア・エトワール
安心しなさい。
ファミリーネームを実家のエトワールを名乗っても問題ないから。
むしろ、それをきっかけにあのくそ旦那を嬉々として潰しに来るし、かわいいかわいいフリージアのためなら一目ぼれ間違いなしだから!!
まぁ、かなり妙なところに住んでるから出会うことはほぼ皆無だからそういうことはないだろうしね~。
それと、そのファミリーネームを聞いてそ!その名を名乗るとはお主何者だぁ!とかそういう展開は起きるような有名なとこでもないから大丈夫よ☆
あ、もう数十文字しかダメって怒られちゃった・・ケチ!!
最後に一言!
猫ちゃん!鳥ちゃん!私の愛しのフリージアをよろしくね!!一応のクズ親父は、暗殺してもOKよ♪
あ、二言になっちゃった・・まぁいっか!!
by.愛しのお母さんペチュニア・エトワールヾ(≧▽≦)ノ
PS.いつかあのケチ自称神の弱みを握ってやる。そして、あのクズ親父・・・愛しのフリージアにひどいコトしやがって・・・・いつか呪い殺してやる・・わら人形・・わら人形はどこに・・。壁|ω・)チラッ
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「えぇっと・・・・どこからどうツッコミを入れればいいのだろうか」
「その・・・この子・・フリージアちゃんのお母様ってテンション高いわね?」
「そういう人なんだよ・・・すごく明るい人だった。・・・この手紙のまんまのテンションだった。」
苦笑いしてる。
「俺、ペチュニアさんと仲良くなれた気がする。」
「あ、それ私も思った」
「あぁ・・お前らはそうだろうな・・うん」
「そうだね。」
リリさんとゼルさんはお母さんと仲良くなれやすいんだって。
鳥さんが言うには、性格とかが似てるからだって。
「なのにどうしてあの屑領主に?」
「政略結婚らしいぞ?当時は良い人だったらしいけど、だんだん屑になっていって愛想がつきまくって、お腹にいたマスター、フリージア様に注ぎまくって旦那をガン無視って感じだった。」
「あぁ・・・」
「と、とりあえず!天国から神様っぽい人に無茶聞かせたっぽいニュアンスのはスルーして、フリージアちゃん!いい名前じゃん!」
お母さんって、すごく明るい人だったんだね。
会えないのはさみしいけど、こうして手紙だけでも知ることができて・・・お話ができてうれしい。
このお手紙は私の宝物だ。
私は、お母さんの写真を入れている懐の内ポケットに合わせてなおす。
「ん?その写真は?」
「あぁ、その母親であるペチュニアさんの」
「見たい!見てもいい?」
どうぞと渡す。
「わぁ・・すっごい美人。」
「あぁ・・あの手紙のテンションだって全く想像がつかない。」
「清楚や大和なでしこという言葉が似合う方だな。」
「すごいきれいで優しそうな人ですね。」
清楚とか大和なでしこ?っていうイメージらしい。
黒に近い紫色の髪を腰までまっすぐ伸ばしてる女性。
全体的にすらっとしてるのにおっぱいはドン!と大きくて(Eくらいらしい)、見た目はすごくおとなしそうに見える人だ。
見た目からするとアンさんとおっぱいは大きさ同じかな?
触ったことないから分かんないけど
するとなぜかアンさんは私の耳元で
「私はEですよ」
って言ってた。
お母さんの代わりにならないかもだけど好きにして良いよって言われたから、ちょっとだけ甘えてます。
アンさんは私を優しく抱きしめてくれる。
心がほわっとして幸せな気持ちになれる。
リリさんの場合、アンさんと違って気持ちが勝っちゃって抱きしめるときにちょっと痛いけど、すぐに直してくれるし、抱っこが上手だからどんな状態でもすごく安心出来るの。
アンさんよりおっぱいはちょっと小さいけどDと言われる大きさなんだって。
それでも十分おっきいです。
私の唯一の宝物。
鳥さんが言うには、写真っていうこの紙はお金がいっぱい掛かる貴重なモノらしいけど、ある日突然何か察知したらしく貯金してたお金を使って特別に作ってもらい、今こうして私が持っていてもぼろぼろにならないようにする特別な魔法が籠もってるんだって。
よくわかんないけど、私のためにそんなにすごいことをしてくれたんだってことが分かれば良いって言われた。
お母さんありがとう。
鳥さんと猫さん以外で唯一私に元気を分けてくれたのがお母さんの写真だけだったから。
私は大事に直した。
「さて、準備はできた」
地面にあいうえお表が描かれた。
「さぁ、フリージアちゃん。頑張って二人に名前を付けてあげよう!」
うぅむ・・・
悩んでるとリリさんとアンさんがカワイイとつぶやきながら撫で回してるけど気にしない。
「フリージアちゃんすげぇな・・あれだけ撫で回されてもガン無視とか」
「それだけ、大事なことなんだろうな・・気持ちは分かるぞ。大事な家族の名前なんだからさ」
・・・・よし
鳥さんはカルナ
猫さんはシャスティ
理由を聞かれるとわからないけど心の中に浮かんできたの。
で、あいうえお表で伝えたら
「ありがとうフリージア様」
「にゃう」
喜んでくれてよかった。
けど、様付じゃなくていいよ?
家族なんでしょ?
「そっか・・じゃあ、フリージア。」
にこりとほほ笑む。
シャスティもにゃんと嬉しそうに鳴いてくれるからにこっと微笑み返す。
みんなも良い名前だねって言ってくれた。
そして、私たちの名前は無事に決定して早々におやすみなさい。
目を覚ますとリリさんに抱っこされた状態だった。
というより移動中だった。
なぜに移動中と首をかしげてたら気分らしい。
まぁ・・リリさんって抱っこ上手だからいいんだけどね。
それと、なぜかリリさんを筆頭に隣をカルナとシャスティが並んで走ってて、他3人が追いかけてると言う状況だった。
どうして走ってるの?
忘れ物?
「あぁ・・・リリとアンでフリージアをどっちが抱っこするかで軽く口げんかになった後、リリがフリージアを抱っこしてそのまま逃走、アンがトップで追いかけてその2人を男性陣2人が追いかけてる状態だ。まぁ、ぶっちゃければ女性2人で追いかけっこしてる状態に巻き込まれた状態だな。」
なるほど。
でも、私をそんなことしてまで抱っこしたいの?
疲れるでしょ?
それに何で私を抱っこするのに争うの?
「2人ともフリージアが大好きだからもっと仲良くしたいってことなんだろうけどなぁ・・とりあえずは、気にしなくていい。」
カルナが気にするなって言うから気にしない。
「カルナの言うとおりなんだけど、本当は早く町に帰ってフリージアちゃんを着飾ってあげたいって言うのが本音なのよ。」
着飾る?
って何?
「きれいでカワイイ服を着せたりお風呂で体をきれいにしたり髪型を変えたりしてカワイイフリージアちゃんをよりかわいくするってことよ」
服?
服には色んな種類があるの?
お姉さんたちにもお兄さんたちのも確かに色々あるけど
「色々あるぞ?動くことを中心に考えて作ったモノから、豪華な感じに見えるような奴に、カワイイを中心にやりすぎて着るのがすっげぇ大変な作りのだって存在する。人の思いだけ服の種類があるんだ。」
色んな人が色んな気持ちでお洋服を作るからいっぱいあるんだって。
なるほど。
「おっと!危ないじゃない!!ゼル!!!」
リリさんがこけそうになった。
「そうでもしなきゃとまんねぇだろぉが!!」
ゼルさんが土魔法を使ってリリさんの足下をくぼませたんだってカルナが後で教えてくれた。
「フレイムブースター!」
「げぇ!ダンがそれ使う!?」
「ウィングブースター!」
「アンまで!?えぇい!!ウォーターブレーダー!!」
全員がすごく速くなった。
魔法ってすごいなぁ。
色んなことが出来るんだもん。
「お前らはえぇよ!!まって!!マッドエリア!」
よくわかんなかったけど、鳥さんが言うには
リリさん:足下を水を使って滑りやすくして地面を滑って走ることでスピードアップ
ダンさん:火の魔法の身体強化で、純粋に肉体の強化と筋力を強化してスピードアップ
アンさん:風魔法の身体強化で、風で体を軽くして風の抵抗を少なくしてスピードアップ
ゼルさん:自身を中心に半径1メートルの範囲内限定で踏み込みをしやすくするように土を弄り、スピードアップ
ってことらしい。
よくわかんないけど、速く走るだけでも色んなやり方があるんだってことらしい。
それから3時間後町に到着した。
町にはいるためのおっきな扉・・門ってとこの前に強そうな格好をしたお兄さんたちがいて、その前で色んな格好の人たちが並んでる。
あそこに並んで順番を待つんだって。
門のとこにいる強そうな人は門番っていう入口を守ってるお仕事の人なんだって。
で、全員ぜ~は~ってすっごい息を荒げながら並んでるけど、リリさんがお説教されてた。
私は、大変幸せそうな顔でアンさんに抱っこされてほっぺをすりすりされてる。
今更だけど私汚いよ?
汚れちゃうよ?
だって、乳母がいなくなってからお風呂とか体をきれいにとか皆無なんだもん。
お洋服も、適当に渡されたのを今もずっと着てるだけで、これ以外一切ないし、着た切り雀状態だもん。
よくわかんないけど、ずっと同じ服を着てる人をそう言うんだって。
って、カルナから経由してちょっと前に聞いたんだけど
「カワイイからどうでもいい!」
とリリさんとアンさんに即答された。
気にしないならまぁ良いかな。
それと、お姉さん2人は私を正面から抱きしめるときはギュッを優しくして下さい。
おっぱいに埋もれて息が出来ません。
後ろは息が出来るからいいけど、ギュッが強くて体が痛いのでほどほどにして下さい。
後、アンさん
おっぱいが私の両肩に乗ってます。
おっぱいに挟まれて動けません。
「ですのでお仕置きとして、今晩のフリージアちゃんのお風呂は私が入れます」
「っ!?ちょっと待って!!お願い!それだけは!!それだけは!!」
「駄目です。・・・けど、気持ちは分かるので明日から一緒にやりましょうね?」
「うぅ・・・初めてのフリージアちゃんとのお風呂・・」
どうして私をお風呂に入れられないのがお仕置きになるのだろう?
カルナからは気にするなと言われたので気にしないけど。
「じゃあさ、俺と一緒にお風呂してくれるならフリージアちゃんとのお風呂は許可するって言ったらどうする?」
ゼルさんがにやっと笑いながらそう言った。
「・・・・・・」
「おいおいおい・・言いだした俺が言うのもアレだけど、そんなに悩む!?普通は拒否するよな!?なぁ!?」
「・・・わかった。今日はあきらめる・・だから!!だから!!一緒にねんねは許して!!」
「良いですよ。初めてのお風呂の分で思った以上にダメージがあったみたいですし、反省したみたいなので」
「はい・・」
「なぁ・・あんたたち落ち着けよ・・他の連中から微妙に距離とられてるぞ?」
「・・・こういうのは場所を考えなきゃ駄目だな」
「そうですね・・」
それから、1時間くらいしたところで門番さんと遭遇。
私たちの番のようです。
と言っても、アンさんに抱っこされて愛でられつつ、リリさんが横から撫で回してる状態だけど。
「証明書を」
「あいよ」
「確認した・・・が、そっちの幼女は?」
「依頼の帰りにトゥルマドッグとトゥルマウルフの群れに囲まれてたから助けてここまで連れてきたんだ。」
「うわぁ・・運がない・・では、証明書は」
「見ての通りだな」
「ならば銀貨2枚が必要だが」
「これで良いか?」
「確認した。これが仮証明書だ。ギルドでギルドカードを作ってくれれば報告は入らない。ギルドから直接来るからな」
「わかった。ようこそ、カタクリの町へ」
門番さんがおっきな門を開けてくれたので中に入ります。
カルナとシャスティに関しても当然言われたけど、2人が私に懐いてるアピールをしてあっさりとOKが出た。
けど、町に入ったらまっすぐギルドでカードを作れと言われました。
証明書って言うのがギルドカードって言う奴で、それがあるとどこの誰なのかとかどんなことが出来るとかどれが苦手とか色々分かる便利なカードなんだって。
町ではどこの誰なのか分かるモノがないとすごく大変でいっぱい困ることがあるらしいし、早く作った方が良いってことらしい。
町の中は私がこれまで一度もみたことないくらい人がいっぱいだった。
どの人も楽しそう。
元気いっぱいに声を上げる色んなのを売ってるお店の人たち。
町全体が元気いっぱい?って思ってたら、それが活気があると言うことらしい。
いろんなものが並んでて、色んな匂いがする。
色んな音がする。
これまであの部屋の壁の向こうからほんのわずかに聞こえていた光景が目の前にある。
そっか
こんなに町って初めてがいっぱいで、楽しいがいっぱいなんだ。
でも、我慢我慢。
わがまま言ったら駄目だもんね。
迷惑かかるもん。
・・・けど、なんで町の中でも私はアンさんに抱っこされてるんだろう?
私少しは歩かないと体力つかないってカルナが言ってたよ?
「フリージアちゃんが今町中を歩いたら人混みに呑まれて大変そうだから抱っこ♪」
人がいっぱいだから今私が歩くといっぱい疲れてもしかしたら痛いことがあるかもしれないからだって。
我慢します。
けど、私よりもリリさんの方が我慢が大変そう。
「あぁ・・あのお店にある髪飾り・・絶対フリージアちゃん似合う・・あぁ!あのお店服がいっぱいあるから絶対フリージアちゃんに良いのがあるのにぃ!んぐぐぐぐ!!」
よく分からないけど、私のことで頭がいっぱいみたい。
「はぁ・・幼女よりもおとなしくないのがいるな・・」
「と言うより、幼女なのに大人顔負けの自制心ですよ。将来はすごく良い子になりそうですね。」
「確かにな。カルナとシャスティがしっかり育ててる功績だな。」
「今後も頑張って下さいねシャスティさん」
「にゃう」
任せろって感じでシャスティが鳴く。
「ところでゼルはシャスティさんの尻尾に勝てたの?」
今はしてないけど、町の外にいたときは暇があればゼルさんはシャスティの尻尾と軽く戦ってた。
「いやぁ、武器なしの拳で軽く挑んだんだけど、早ぇのなんのって。しかも動きが絶妙だからマジ勝てねぇ。マジで半端ないわ。」
「にゃん」
当然って感じでシャスティが胸を張る。
「俺等がしっかりしないとフリージアが危ないんだ。必死にもなるだろ?」
「カルナ・・・確かにな。模擬戦とかそう言うの希望するならとことん付き合うぜ?」
「あぁ頼む。フリージアを護りながらの戦いになれないと・・あのときみたいな失態を二度と起こしてたまるか・・・!!」
「ほどほどにな~、じゃないと無茶すればフリージアちゃんが泣くぞ?」
「・・・おう」
ちなみにこの町にたどり着くまでに色んな魔物が襲ってきた。
ダンシングウッド
動いて踊れる木の魔物。
偶に木ではなく、植物だったりするがウッドである。
実は踊るのが大好きだが、木に紛れて隙を見て襲う戦闘スタイルのため、すごくストレスがたまるらしい。
まれに、我慢しきれずに隠れずに踊ってたりする。
獲得部位:魔石、まれに魔力の籠もった木材
ジャンピングフルーツ
巨大化した木の実が独りでに弾んでる魔物
とはいえ、サイズは平均20センチほど。
獲得部位:魔石、巨大化木の実、まれにその種
マジカルバード
個体によって放ってくる魔法が異なる鳥の魔物
魔法の種類によって体の色が異なる。
獲得部位:魔石、爪か嘴、まれに鶏肉
ダンディロック
石で出来た人型ゴーレムの魔物
「へぃ!」と無駄にダンディな声を出すが本人たちはそれ以外しゃべれず、言ってる意味も知らない。
偶に人型ではなく、動物型だったりするが、それでもダンディな声で「へぃ!」と鳴く。
獲得部位:魔石、まれに魔力の籠もった石材
魔物からは偶に魔力の籠もった何かしらのモノが出てくるらしいんだけど、普通のよりずっと丈夫で優秀なんだってダンさんが言ってた。
「けど、ここに来るまでにやけに変異種が多かったよな?まぁ、シャスティとかカルナたちがいてくれたからかなり対処は楽だったけど」
「と言うより単純に襲ってくる魔物の量が普通より多かったですね。」
変異種って言うのは、普通の魔物よりも強い個体のことらしい。
その証として普通より大きさが違ったり色が違ったりするんだって。
ほいほい出てくるような種類ではないらしいけど。
けど、いっぱいいました。
木とか葉っぱの色が赤とか黄色だったり、木の実の魔物の大きさは2倍だったり、鳥の魔物の色が単色じゃなくて数色マーブルになって飛ばしてくる魔法が数種類だったり、石の魔物の色が違ったり「ヤってるかい?」と違うことを喋ったり。
「あ」
「リリ?どうした?」
「何か分かったのか?」
「えぇっと・・・もしかしたらそれ・・私のせいかも」
「は?」
「どういうことだ?さっさと吐け」
「だって!!フリージアちゃんが戦う私の姿見て格好いいって目をしてるんだもん!!それに、変異種って色んなのがいるんだよって偶然やってきたのを見せながら教えたら他のも見てみたいかもって顔してたんだもん!!!それに私頑張って倒したもん!ダンのマジックバッグがあるから多少は気にしなくていいし!!」
リリさんはどうやったの?
首をかしげてるとゼルさんが苦笑いしながら教えてくれた。
「前に教えたろ?リリって自分の気持ちが魔法に影響されやすいから、傷を治したいって思えば回復系の魔法が使えるようになるって」
(コクリ)
「だからな?多分リリの奴、戦って良いとこ見せたいって気持ちが無意識にリリから漏れて、周囲から魔物を寄せ集めたんじゃねぇかなって・・・偶にあるんだよ」
「それで変異種が多かったのか?」
カルナが質問してきた。
「いや、そこまで細かい設定はムリだから純粋に偶然だろうな。強いて言うなら、いつもより運が良かったって感じか?変異種って偶に固まってることがあるらしいからあり得ないことでもないしな。」
「そう言うモノか。」
「ある意味では、カルナもシャスティも変異種だと思うぞ?」
「俺らが?俺等、細かく言うと魔物じゃねぇぞ?魔力を持った動物って枠だ。ペチュニアさんがはっきりそう言ってたからな。」
「鑑定系のが使える人だったのか?」
「細かく言うと違うらしいけど似たようなことが出来るから分かるんだってさ。」
「ふぅん。とにかく、かなり疲れたが、カルナたちがいたから全員大した怪我もなく大量に収穫出来たから万々歳ってことだ。お、ギルドについたぜ?」
「小綺麗な大型の酒場って感じだな。」
「あぁ、カルナたちは初めてか」
「俺等がこんなとこに来るわけないだろ?」
「そりゃそうだ。」
カルナが言うには、2階建てのレンガ?っていう石を積んで作った建物で、酒場って言う大人の人だけが飲む飲み物を中心に売ってる、食べ物を食べるところをきれいにしてカフェ?っていう、私みたいな子供でも飲める飲み物とかデザートって言われる種類の食べ物を売ってるお店に近い感じにしたところらしい。
とりあえず、大人の人が集まる飲み物屋さんってことだねうん。
中に入ると、ダンさんとかゼルさんたちみたいな人たちがいっぱいいた。
リリさんたちみたいに女の人は少ないみたい。
で、全員が睨むように私たちを見ていた。
カルナがこっそり教えてくれたんだけど、リリさんたちがダンさんたちと一緒だったからうらやましいって意味を込めて睨んでたんだって。
後は、私が抱っこされてるからどこの誰とかどんな人とかを調べようとじろじろ見てたんだって。
けど、がっちりした体格のダンさんと、細身だけどちょっとだけ鋭い目つきのゼルさんが揃ってるのと併せて、私を睨んだって言う意味でリリさんが怒りかけてたから全員が冷や汗かいてよそを向いた。
「・・フリージアが絡んだ状態のリリは恐ろしいな」
「た、頼もしいですよね。」
「・・・・だな」
私関係だとリリさんはすごくなるらしい。
「にしても、フリージアはすごいな」
(?)
「だってさ、あれだけの人数の大人連中共に睨まれて、一部からは殺気を放ってたのに、表情はともかくとして、ぴくともしなかったからな。」
だって慣れてるし
怖くて震えてどうにかなるモノじゃないし、震えたら逆に痛いことがあるもん。
「あぁ・・・フリージアの場合は、そういうのに対する耐性が半端じゃないんだよ・・後は、あの環境故の賜物かなぁ・・・」
「自己防衛か・・」
「後は、そういう感情以外を向けられたことがないからな・・」
「良いのか悪いのか・・・良くないのは知ってるんだが・・・うん」
「不幸中の幸いってことにしましょう・・フリージアちゃんが泣いたら・・血の雨が降ってましたよ?」
「あぁ・・確かに」
「だな」
アンさんたちの視線はリリさんに向かっていた。
なぜ?と首をかしげたら知らなくて良いんだって言いながらダンさんが苦笑いしながら優しく撫でてくれた。
ダンさんってお兄ちゃんみたいだよね。
とりあえず、ギルドカード作りに行かないの?
必要なんでしょ?
受付のお姉さんがおいでおいでしてるよ?
次回はいつも通り日曜投稿です。