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陰の支配者-私の保護者は猫と鳥-  作者: ミコト
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フリージアの専用防具

ニーズヘッグヴァンパイアを倒し、食べて寝て英気を養ってた私。

私が着ていたローブはあのニーズヘッグヴァンパイアが落としたアイテム類のすべてを使用して改良中なのだとか。

・・というより。



誰が?

リフさんは私を抱っこして撫でまわしてるし、ラウさんたちもみんなここにいる。

「精霊樹さ。」


・・・?

{精霊樹さんは・・お洋服が作れるのですか?}

「正しくは、合成して強化してるようなものかな。」

大雑把に言うと合体して進化だねと言われてしまいました。



後で精霊樹さんにはお礼を言わないとですね。




私の食欲増加は、それから5日ほど経過した頃に戻りました。

正しくは3日経過した頃には、年齢的に食べる平均より少し多いくらいにとどまり、そこから先は食欲がそれ以上減らなかったからです。

後、睡眠時間も長かったけれど2~3日ほどのところで落ち着きました。

まぁ、お昼寝は毎日ですが。




それから、ゴブリンさんたちは拠点を正式に決めることが出来たらしくそこに住むことになりました。

・・と言っても、この結界のある里の地下深くですが。


数日に1回ほどの間隔で里の人たちと交流はしてるようです。







それで、どうして私のローブを改良することになったのかというと、まず私のローブが吐血した私の血によって血だらけになっていたことと、毎日色んなことをしてたせいでぼろぼろになってたと言うことです。

後は、今回の件のお礼と言うことらしいです。

いわゆる報酬らしいですね。





それからというモノ

私は、食べて寝てを中心に杖さんの練習と魔法の練習など毎日行なう習慣の中に精霊樹さんにお祈りをすることが多くなりました。

多いというよりも毎日必ずやってます。


森の散策をすることもまれにありますが、基本的に精霊樹さんとお話をしてる感じです。

ただそれだけなのに、精霊樹の巫女だからなのか心がほっこりと温かくなります。




まぁ、それはさておきローブは完成したらしいです。

と言うのも、精霊樹の中のいつもの空間で寝っ転がってぼんやりしていると精霊樹さんがふんわりと光ったなぁと思ったらそこからほわほわとローブが降ってきたんです。

見た目は真っ黒でこれまで私が着ていたローブとは全く違って気づきませんでしたが、ローブが降ってくる時点でそれだと気づきました。



見た目は、光を吸い込みそうなほどの漆黒で、黒に近い深緑色で縁取りされています。

長さは、膝下の臑やふくらはぎの真ん中くらいの長袖です。(半袖や裾が短いのはあるのでしょうか?)

前からボタンで留められるようになってるのですが、いわゆる隠しボタンになってるので全てのボタンを閉じるとワンピースっぽくなります。

そして、私専用なので左側の袖はありませんが、ラナちゃんのためなのかラナちゃんが通り抜け出来るほどの大きさの穴(と言うより切れ込み)がさりげなく入ってます。

その切れ込みも隠しボタンのようになってるのでぱっと見はポケットのように見えます。

フードはないですよ?

左側の胸元には精霊樹の巫女と同じマークが刺繍されてました。

私の手にある精霊樹の巫女の紋章の色を濃くした感じです。



「おぉ、出来たんだね。早速着てみなよ」

リフさんに言われて着るとするすると大きさが変わりぴったりになりました。


「うんうん。似合うね」

「良い感じだな」

「にゃう(お似合いですよ)」

-リア似合ってる-

「リア様、お似合いです。」

「ギルドカードで一応確認してみたらどうだ?あの戦いからずいぶん経ってるが変化があったかもしれないしな。」


カードさんお願いします。







ランク:D

名前:フリージア・クラリティ・エトワール(悪心撃滅体質)

性別:♀

年齢:6

種族:半異世界人

職業:賢者、協奏師

称号:絶望を知る者、幻獣の家族、変態紳士ロリコンホイホイ、英雄賢者の正統後継者、神子

属性:陰

体力:C

魔力:S

攻撃:E

防御:E

俊敏:D

練度:S


攻撃技:【影操作】【魔力反射】【物理反射】【性質変換】【杖術】

補助技:【念話】【奉納】【心意加増】【精神統一】【アクロバティック】

自動技:【圧縮記憶】【思考速度上昇】【並列思考】【心の瞳】【ショートクさんの耳】

覚醒:【侵食】【拡張】【守護者召喚】

衣類:精霊のストール、精霊樹のローブ

装備品:賢者の杖、教会の腕輪(EX)、幸運のイヤーカフ

写真:フリージア・エトワール、ペチュニア・エトワール


契約

【幻獣】八咫烏:カルナ

【幻獣】ガルディエーヌ・キャット:シャスティ

【妖精】オニキス・ゲル:スイ

【??】ウールスフィア:ラナ


加護

ペチュニアの溺愛、ペチュニアの過保護、元英雄賢者/現神様のお気に入り

下位精霊の親愛、上位精霊:リフの溺愛、精霊樹の巫女








ステータスに変化はないですが、装備品の部分の項目が分かれたり、新しい項目が出てますね。

カードさん、詳細をお願いします。






精霊樹のローブ

見た目は、光を吸い込みそうなほどの漆黒で、黒に近い深緑色で縁取りされているフードのないローブで、前は隠しボタンでとじることが出来る。

長さは、膝下の臑やふくらはぎの真ん中くらいの長袖

左側の袖はないが、ウールスフィア:ラナが通り抜け出来るほどの切れ込みがさりげなく入っている。

左側の胸元には精霊樹の巫女と同じマークが色を濃くした状態で刺繍されている。

あらゆる攻撃に対しての防御が自身のステータスの2段階分アップさせる。

魔力を込めると更に防御をアップさせることが出来る。

身につけた相手の体格や身長ぴったりに自動的に変更され、汚れも魔力を込め、きれいにしたいと念じれば簡単にできる。

装着者が死に至る、または直結するありとあらゆる全ての現象・事象を無効にする。




覚醒

激情状態になると両目に漆黒の魔方陣が描かれる。

この状態になると自身の魔法攻撃と、魔力回復速度が上がる。

また、この状態になっているとき限定で下記の技を使用可能

※初めて覚醒する際には、激情状態になることと共に揺るぎない信念と強い想いが必要となる


【侵食】

自身と何かしらのつながりのある、心を許した相手の影を自身の影として扱うことが出来る。


【拡張】

自分自身によって出来た影を広げることが出来る。


【守護者召喚】

【影操作】の上位版

【影操作】によって自身が思い描く姿形の守護者を創り出すことが出来る。

創りだした守護者は作られた姿にあわせてその部分が魔力と練度の高さ、自身の気持ちの強さに比例して強化され、【威圧】【殺気】【咆吼】【音波】【音撃】を使用可能とする。

それらの技も作られた守護者の姿に合わせて若干強さが変動する。

※一度作りだした姿で固定されることはなく、作り出すたびに姿を思い描く必要がある。



ちなみに、このローブですが、破けたりしても魔力をたっぷりとゆっくり流し込めば修復出来るらしいです。

カルナが言うところの一生モノ?ということらしいです。

サイズも変わりますしね。

そういえば、名前のところに体質?がのってるようです。

何なんでしょう?



悪心撃滅体質

読んで字のごとく、心が黒い相手を目にすると黒さに比例して黒ければ黒いほどたたきつぶしたくなる。




なるほど・・・まぁ、気にしないことにしましょう。

あのとき、影で大きなドラゴンさんを作ったのはこの守護者召喚だったようですね。

あ、だからですか。

初めは爪と牙があって強い存在を願ったからあの姿になって、最後に森全体に咆吼を響き渡らせるために願ったから腕は小さくなって顎が大きくなったんですね。

作るたびに姿を考える必要はありますが、その時に合わせて姿を変えることが出来るので扱いやすい力のようですね。


それと、いつの間にか年齢が6歳になってました。

どうやらお誕生日を迎えていたようですね。

まぁ、どうでもいいですね。

「いや、だめだろ」

カルナに速攻で拒否されました。


それから、その日はささやかながらのちょっとだけ豪勢なご飯を食べました。

そして、たくさんのおめでとうの声を頂きました。

他にも、リフさんの舞や、里のみんなの色んな芸をみたりして楽しみました。

すごく楽しかったです。

そして、おいしかったです。


すごく・・・十分うれしいです。

ちなみに、誕生日がいつなのかという部分はよく分かりませんでした。

お母さんが言っていたらしい日と、カルナたちが言っていた日が全く違う言い方だったからです。

お母さんは~月~日。

カルナたちは、冬の~つ目の月とか言ってましたし。



どうせなので、ラウさんに聞いてみました。

「あぁ・・おそらくペチュニア様が言っていたのは元の世界・・異世界の言い方だったのでしょうね。カルナさんたちの言い方はこちらの世界での言い方です。」

どうやら、お母さんがいた異世界とこの世界では何日という言い方が違うようです。



教えてもらったところ、大陸によっては1年中暑かったり寒かったりしますが、基本的に四季?という春夏秋冬と4つの季節というのに分かれていて、その1つ1つの季節は、4ヶ月と4つの月に分かれているらしいです。

その1つの月は、大体30日らしいです。

なので1年で16の月があると言うことになるらしいです。

お母さんがいた元の世界では、1月は30日だったり31日だったりするらしいですが、1年は12月までらしいです。

四季などは同じらしいですが・・1年は異世界の方が短いのですね。



「なので、リア様の生まれた日は冬の3月目15日と言うことになりますね。まぁ、結構な人たちが何日まで細かく自分の生まれた日を覚えてる人はいませんけどね。大半が覚えていて季節と何月目という部分で、人によっては季節しか覚えてないと言うのもザラですから。」

{ラウさんもですか?}

「えぇ、俺の場合は秋の2月目ですが、日にちは覚えてませんね。」

{そう言うモノなんですね。}

「なので、誕生日という概念がかなり薄いですね。ですが、リア様は別です。この世界は美しくそして楽しいんだと知って頂くので、しっかりと記憶し、しっかりと祝わせて頂きます。」

やけにやる気が出てるようですので深いことは言わないでおきましょう。


ちなみにカルナたちは、季節すら覚えてないそうです。

・・動物なので生まれた日が特別という人の考え方から分からないらしいです。


まぁ、そうですよね。







私たちは、適当なタイミングで旅を再開することにしました。

と言っても、10日か1月くらい先の予定ですが。


そんなときに、ギルドカードについてラウさんに色々教わりました。

ギルドカードには、知っての通り自分自身のことが色々と載ってます。

けど、ギルド側限定でそれ以外の部分を見ることが出来るらしいです。

どこの町でカードを発行したのか。

何をどれだけ討伐したか

どんな依頼をどのくらいこなしたか

指名依頼が何件とか、ギルドを介さずに直接依頼を受けたか

善意の行動をどのくらいどんなことをしたのか

指名手配や、盗賊などをどれだけ捕縛、または討伐したか


大雑把に言うとどんなことをどのくらい出来たかというのがたくさん乗ってるらしいですが、ギルドの人たち全員が見れるというわけではないらしいです。

ギルマスさんだと全部見れるらしいですが、それでもカードの所持者に許可をもらう必要がある部分もあります。(時と場合によっては例外あり)

許可が必要なのは、ステータスを初めとした自分自身の情報です。

人によっては、どんな技を持っているか、どんな加護を持っているかなど知られたくないことだってあるからです。


・・・私の場合は、加護や称号がすっごいことになってるので他人事ではないですね。


で、受付さんたちだと依頼や討伐した部分のチェックですが、全部見れるわけではないらしいです。

受付さんたちにも上司と部下と上下関係があり、そのランクによって見れる範囲が限られてるらしいです。

なので、基本的には発行されている依頼(討伐系を含む)の中でクリアした分だけをピックアップするような形をとってるらしいです。

他だと、悪い人たちを倒した、または、捕縛したと言う部分は一通り出せるらしいですが(受付さんのランク問わず)。



このカードにはありとあらゆる情報を登録した本人の情報を事細かに表示させることが出来るんです。

そんな色んなことが出来るのは、リアルタイムで隅から隅までカードの所持者の情報を引き出すことが出来るのに加えて、それら1つ1つがどういうものかという情報まで表示させることが出来ることです。

それらの情報がどこから来るの?と言う部分に関しては、【鑑定】という能力の最上位の能力がカードを登録した時点で登録者限定で発動し続けているからだと言われてます。


むぅ。

難しい話しはもういいですね。

とにかく、カードさんは物知りさんで登録した相手限定で色んなことを教えてくれる親切さんなんです。

それでOKです。








「リア。新しいローブの調子はどうだ?」

毎日の日課である杖さんの特訓と、魔法の練習、柔軟体操とかの体を動かす、お勉強などをこなしてるとカルナが聞いてきました。

{前のも良かったのですが、こちらの方がもっとしっくりきます。それに軽いですし、動きやすいです。}

「そうか。それなら良かった。」


新しいお洋服は動きづらかったりするらしいですが、このローブやスカーフはそんなことはなく、むしろすごくしっくりきましたし、驚くほど馴染みました。

初めは、ちょっとだけ大人っぽいデザインかな?と思ったのですが、我ながら良い感じかな?と思いました。

大人になればもっと似合うようになるかなと期待しつつ。



そして、里のみんなから毎日のようにナムナムされてます。

あのときの・・ニーズヘッグの件のお礼が毎日行なわれてたのですが、5日目くらいのところでさすがに毎日お礼されるのは・・・とか、1回言ったらそれで十分伝わるから・・と言ってみたらそれからは教会の女神様?天使様?神様?の像にお祈りをするようなのを私に向かってするようになりました。


近いうちにここから出て行くことを知ってるからこそ会えるときに会って、祈れるときに祈りたいのだとか。

どうして祈るのだろうかと思ったのですが、私が毎日精霊樹さんにお祈りしてるのと同じでなんとなく、自然にそうしたいと思ったのだとか。


・・私がいなくなった後は、リフさんや精霊樹さんをなむなむすることになるようです。

私が来る前は、緊急時以外はリフさんや精霊樹さんのもとにやってくることはほぼ皆無だったらしいですが、私という存在によってそれがきれいに壊れて、仲良しになれたようです。

と言っても、王様と騎士さんやメイドさんくらいの距離感ですが。


・・以前よりは、近づいてるからいいですよね。

だって、さみしいじゃないですか。

リフさんだって、精霊樹さんだって、里のみんなだって・・ね?






「賢者様、そういえば知っておりますか?新しく湖が出来たのですが」

(?)

フクロウさんがリフさんとお話しを済ませた後でそんなことを言いました。

湖が何なのかは分かりますが、そうホイホイと出来るモノなのでしょうか?

「ご存じなかったのですね。・・賢者様がニーズヘッグヴァンパイアとの戦いの際、翠さんに協力してもらい巨大な穴を開けたではありませんか」

(コクリ)

やりましたね。

足止めのためだけに地面の下を大きくがっぽりと翠ちゃんに溶解して食べてもらいましたね。

翠ちゃんは何でも食べちゃいますからね。

「その時の穴ですが、どうやら近くに水脈があったらしくそこがそのままその穴を伝い、水が満ち、水が減ることもなく、たまったまま腐ることもなくきれいな湖が出来たんですよ。」

そんなことになってたんですね。


・・そういえば、あの穴・・開けっ放しで放置して、忘れてましたね。

「その穴・・あぁ、湖は今後どういう扱いになるのだ?」

「この里に非常に近いですし、水はとても大事なモノですから大事に扱いますよ。なにせ、今代の賢者様が我らを救って下さった証のようなモノなのですから。」

証?ですか?

首をかしげてるとフクロウさんは微笑ましそうに答えてくれました。

「賢者様がこの里を救って下さったことは皆が知っていますが、それは言葉でしか伝えることが出来ない。ですが、あの湖が出来たのは紛れもない賢者様が戦い、我らを守った際に出来たもの。目に見える証なのですよ。我々を救ったという。嘘偽りは無いとはっきりと言うことが出来る。正しく今世に来世に伝えることが出来るのです。」

私が戦ったという事実が言葉以外で伝えることが出来る証拠の1つとしても、お水があると言う生きていく中でとても大事な生活の1つとしても扱うことが出来る。

どちらに対してもとてもありがたい存在らしいです。

何かを洗っても飲んでも色んなことが出来ますからね。


「で、その湖を我々は賢者の泉と呼んでおります。」

なぜに?

「初めは、賢者様の名前を入れようと言う声があったのですが、人間は自分の名前をそのまま使うことに抵抗感がある場合があると風の噂で聞いたので、かつての英雄賢者様が張った結界もありますし、その後継者ですから、そのままシンプルに賢者の泉という名前で落ち着いたのです。」


あぁ・・そうなんですね。

好きなようにして下さいな。

私があれこれいうことではないので。




ちなみに、その湖が出来てからはこの里のみんなの飲み水や生活水はその湖が中心になったそうです。

それまでは、少し遠いところに川があるらしくそこを使っていたらしいので水場が近くにあるのはとてもありがたいらしいです。


それと、体を洗ったり飲み水として使ったりという部分で一緒の場所を使うのはどうなの?という声が上がり、その近くに穴がもう1つできあがり、そこに湖から水を引き、そこ体を洗うと言うことになったのは余談です。




その賢者の泉のことを聞いた後からしばらく私は体を洗った後にそこで泳ぎの練習をすることになりました。

泳げるようになった方が色々と便利だし、いざと言うときに溺れないようにと言うことらしいです。

後は、泳ぎは・・・と言うよりお水の中は全身を使うので良い運動になるし、普段使わない部分も鍛えられるのに加え、いつものように地面の上で運動するよりも体に掛かる負荷が少ないから良いらしいです。


泳ぎとは奥が深いですね。

ちなみに私は、数日かけてかろうじて泳げるようになりました。


・・きちんと泳いでると断言されるようになるまでに10日ほど掛かってしまったのは内緒です。








でそんなある日

「そういえば、ラウはいつまで髪をその色にしているの?」

「え?・・・俺は、生まれつきこの色ですが・・・」

リフさんが突然そんなことを言いました。

ラウさんの髪は茶色です。

代表的?な色の茶色です・・とシャスティが言ってました。

「そうなのかい?だが、それは呪術が掛かっているようだよ?」

「え!?どういうことですか?」

「呪術と言ってもたいしたことではない。むしろまじないに近い。髪の色を変える闇魔法の一種だよ。」

「・・・いつの間にそんなことを。・・気づかなかった。」

「産まれた直後か、少なくとも物心つく前だろうね。どうする?戻しとくかい?」

「お願いしてもよろしいですか?」

「全身の毛の色が変わるというのに何の抵抗もないのかい?」

「そう言うので混乱するような性格ではないので。」

「そうかい。じゃあ・・ちょっとおいで」

「え?・・どうして引きずっていくのですか?」

ずるずるとラウさんはリフさんに奥の開かずの間?と言われるお部屋に引きずり込まれ、閉じこもりました。


2時間ほどすると戻ってきました。

リフさんはつやっつやでラウさんはげっそりしつつもすっきり?という感じで。

何があったかは最後まで教えてくれませんでした。


けど、いつもより激しかったとか1滴残らず搾り取られたとかどういうことなんでしょう?


カルナが速攻で気にするなと言ってたので気にしませんが。


「さて、後は魔力が枯渇するまで外に垂れ流しにすれば完了だ。」

そう言って、ラウさんは頷いた後、魔力を絞り出してました。

その後、ゆっくりと魔力が回復していく中でラウさんの髪の色が徐々に変わっていきました。

だんだん黒っぽく。

それでいてどこか緑っぽく。


魔力が完全に回復する頃にはすっかり変わりました。

黒に緑を加えたほどの濃い色です。



「・・こんな色だったのですね。道理で・・そんなことをするはずです。」

「何か分かったのか?髪色だけを変えるって言うわけわからない理由は」

「えぇ・・俺の両親・・と言いますか親族は全員が茶髪なんですよ。多少の濃さの違いはありますがね。」

「で、ラウの髪がそんな色だったから変えたと?」

「おそらく。」

「おそらくラウは隔世遺伝の一種なんだろうね。」

「祖先の特徴を子孫が色濃く受け継ぐアレですか?」

「そうそう。まぁ、髪色が変わっただけで強くなるわけじゃないけどね。」

「とりあえず、ありがとうございました。」

「気にしないでいいよ。貴重な経験だったよ。」


ラウさんの頭が茶色から黒っぽい緑になりました。

ホントに髪色を変えるだけの魔法だったようです。

髪とか眉とか全部の毛が茶色からその色になってました。


しばらく見慣れないラウさんをじーっと見てたんですが、視線が相当気になってるらしくラウさんが微妙な顔をしてます。

けど気にせず眺める。

そんなやりとりをカルナたちは苦笑いをして、リフさんは笑いを堪えてる感じでお腹を押さえてぷるぷるしてました。


という感じで数日ほど続きました。


そんな私は現在ある技を考えてます。

・・正しくは、もっと遠くの敵を倒せるようにしたいのでその方法を考え中です。


知っての通り、私の攻撃は私の影から直接触手さんを伸ばして攻撃してます。

なので、距離としては数十メートルいくかな?くらいなので遠距離攻撃かと言われると中距離程度なんです。

近接戦闘は、杖さんで護身術程度にでもなればということでやってますが、戦いに使えるかと言われると・・・無理な気がします。

なにせ、私が本気でパンチしても

「ぺち」

とか

「コン」

とか

「ぺし」

とかそんなかわいい音しかしないんです・・。

おまけに食らってくれたラウさんからは

「文字通り痛くもかゆくもないですが・・かわいいなとしか思えませんでした。・・強いて言うならかわいくて身悶えそうです」

と言われました。

リフさんも同じ台詞でした。

むぅ・・。



で、とりあえず思いつかないので投擲という技を教わってます。

「と言いましても、投げて狙った場所に当てるだけの技ですが。」

「リア、とりあえずあの的に向かってこれを投げてみな」

間伐材?って言われる木を使った的に向かって投げナイフを渡され、投げました。


投げましたよ?

ホントですよ?

全力だったんですよ?


・・けど


えいっと投げましたが




ヒュー


ぽてん





「・・・・・」

「・・・・」

「・・・・」


全員無言でした。

リフさんとかは私に背中を向けてお腹を押さえてプルプルしてます。



しいて言いますと、投げて1メートルもとびませんでした。

・・えぇそうですよ。

足元に落ちました。


で、今度は魔力で身体強化を行ってからやってみたところ

3メートル届きませんでした。



余りにもパワーがなく、珍しく私が誰の目で見てもわかるほどしゅんとして落ち込んでたらラウさんが慌てて

「だ、大丈夫ですよ!狙うという点はとても素晴らしいですよ。きちんと的の真ん中に向かって飛んでますよ!!全部ですよ全部!ね?ね?」

{ですが、届かないと意味ありませんよね?}

「・・・」

よそをむいて無言になるラウさん



私は数日ほど念話でみんなとお話しをせず、目を合わせることすらしませんでした。




5日後には、一応しゃべることにしました。

理由は、ラウさんたちに思った以上に精神的なダメージがあったらしく、全員が土下座して涙を流して懇願して謝ったからです。


・・鬱陶しかったので許しただけです。

プイ!




で、その5日間の間は誰とも目を合わせずうなづきもせずに一切お話をしなかったわけですが、その間は精霊樹さんとだけお話してました。

ご飯とかも里の方をうろついたらみんな笑顔でくれる(率先して献上されました)から困らないし。


で、精霊樹さんに相談した結果、あっさりと解決しました。

それは、すでに私の技の中の一部に該当するものがあったからです。


それは、【影操作】です。

効果を覚えてますか?

大雑把に言いますと私の影を自由自在に操れるということです。

ですが、どこにも影を伝った状態じゃないとだめとか制限をするような文章はありませんでした。

つまりは、この力を遠くの物を狙い撃つような技を新しく考えればいいんです。


その技はあっという間に完成しました。

どうしてって、石とかナイフを投げるようにすればいいだけですから、触手さんを召喚して小さく小分けしながら私の影から切り離して空中に留まらせます。

そして浮いてる状態から頭の中で飛ばす方向を決めればぴゅんと飛んでいきます。

後は、飛ばすのを球体にしたり、尖った矢のような形にしたりと形を変えればいろんなやり方で出来ます。

他にも硬さを変えればもっといろんなことができます。

攻撃にもいいですし、柔らかくして相手にぶつけてそのまま捕まえる・・なんてことも。


そのためにその5日間は淡々とその練習をしてました。

その結果、【射撃】という技を覚えました。

項目は攻撃技のところですよ?




【射撃】

狙った方向へ飛ばすことができる。

ターゲットと方向を決めるだけのため、魔力以外は何も必要がない。

込めた魔力量に合わせて飛ばす速度が変わる。

集中すればするほど狙い通りにあてることができる。






おかげさまで私が投げなくても飛ばす方向と何にあてるかをしっかりと決めれば後は、飛ばしたい速度に合わせて魔力を込めれば飛んでいきます。

魔力を多くすればするほど早くなりますし、狙い通りの場所に当てようとすればするほど集中しないとだめなんです。



そんな感じで私は戦いのバリエーションを増やしつつも、特訓する内容も範囲も徐々に増やして頑張ってます。



近いうちに出発ですね。

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