不思議生物・・(いつの間にか)ゲット?
-フリージア-
ミネラルゴーレムの討伐依頼を無事に済ませ、その後2日間は食べて寝てをしてしっかり休みました。
おかげさまで元気いっぱい・・のはず。
私の場合は、体調はすっかりよくなったんだけど、産まれてからのあの5年間はかなり私の体に影響を与えているらしく、病気とかはあまりないけど(シャスティたちが初期段階で調合薬で治療してくれる)あまり体は強くありません。
運動とかも問題ないから、特に問題ないよね?
と思うけど、カルナたちが言うには私の年頃にしては他の子たちよりまだまだ体重も軽くて、体がすっごい細い(筋肉も骨も)からちょっとした怪我やダメージが通常よりも大きく影響してしまうんだとか。
だから、カルナが言うところの病弱キャラ?らしい。
怪我とか病気とかしなければ特に問題ないんだけどね。
そんなわけでみんな余計に私のことに気を使ってくれる。
・・だから、ギルマスさんとの模擬戦での件はあんなに怒ってたんだね。
過保護っていうのも否定されないけど。
それはさておき
その後、私たちは街を出て次の町へ向かって出発しました。
その次の町は港町でそこからお船に乗って次の大陸に向かうらしいです。
それまでは、一切町とかがないから大変なんだって。
そこから先はフォレストロードって呼ばれるものすご~い広くて深い森が続いてるの。
普通の森よりも木とか植物の1つ1つが倍以上おっきいんです。
しかも、どこまでも森が続くから普通の森よりも広いから迷子になったりする人は少なくないんだとか。
その分、山の実りは普通よりおっきいのに栄養もあっておいしいんです。
まぁ・・その分お肉が採れる魔物とかはほとんど出てこないんだけどね。
その代わり、植物タイプの魔物とか、虫とか、地面の中を潜ったりするタイプだったり空を飛ぶタイプだったり、木と木を飛び交ったり、木と木の間を素早く移動したりと言った細かい動きとか特殊な動きが出来る動物の魔物とかいっぱい出てきます。
主に、山ならではの魔物が多いんだそうです。
それなら、そこを通らずに行けば良いんじゃないの?という声が以前上がったらしいけど、そこを通る以外では海を渡るしかないんだって。
でも、お船がそう簡単にあるはずもない。
つまり、大陸上ではその森を通る以外に方法は一切なし。
一時期、森の木を伐採して道を作ろうした人がいたらしいけど、とんでもなく成長速度が速いらしく、切った後にそこから色んな植物がわんさかと増殖したり魔物がやってきたりとそんなことする暇がないんだって。
どうやら、種をばらまく植物タイプの魔物さんが多いらしい。
と言うよりも、植物タイプの魔物は大抵、その行動をとることが多いらしく、個体によって種類も成長速度も変わってくるから、そいつらが住み着くと森が出来ると言うよりもジャングルが出来ると言った方が正しい状況になるんだって。
なのに、実際の森よりも外に出てその範囲を広げようとはしないし、必要以上に種を飛ばしてばらまいたりしないから植物タイプの魔物さんたちにも何かしらのルールがあるっぽい。
そして、街を出てから3~4日ほど経過した頃にその森の入口に到着した。
森の中は、いつものように大きくなったシャスティの背中に乗って移動は狭いので無理。
よって、徒歩での移動になります。
そこが、この森の大変なところの1つでもあるんです。
馬車とかを走らせても片道10日以上は軽く通り越せるほどの距離があるんです。
でも、森の中には自然発生したトラップとか魔物とか木々がいっぱいあるので当然まっすぐ進むことは出来ないし、障害物もあれば足下が普通の森よりも不安定だから更に時間がかかる。
おまけに、迷子になりやすいことで有名だし、時間帯によってはとても濃い霧も発生する。
と言うより、単純に普通?の森の何倍も広さがありますからね。
そのために、たくさん町でお買い物して用意しました。
こういうときは翠ちゃんの収納はとてもありがたいです。
後は私の体力ですね。
頑張りましょう。
「ここが、フォレストロードの入口か・・」
「えぇ。入口と言っても獣道すらも植物型の魔物の影響であっという間に消えてしまうので存在しないので、入口らしき場所もないので余計に大変なんですよね・・・ここ」
「マジか・・って言うより、そんなにここは植物型の魔物が活発に活動してるのか?」
「してますね・・・繁殖に力を注いでるのが多いと言いますか、戦闘狂と言いますか、強さ関係なく襲って来ますね。」
「気をつけないとな・・」
「そうですね。では、参りましょうか」
(コクリ)
そして私たちは、獣道すら存在しない森に足を踏み入れた。
言われたとおり、森の中は獣道って言う道っぽく色んな動物たちが通った後によって出来る道もなかった。
それと、潜って10分で早速襲われました。
植物の魔物さんたちはあまりにも多かったけど、どうやら1種類の魔物らしいです。
インクリースプラント
ありとあらゆる動物や人間と言った生物から生気を魔力を奪い取り、自身の仲間を増やすことに長けた植物型の魔物
個体によって植物の種類やサイズが異なり、同じ種類の植物でも大きさも変わる。
姿形は、個体により変わる為、どの個体がどういう形と言った決まりはないため、基本的な種類の特定は出来ていない。
植物の種類は、蔓や蔦から木、草など種類がとても豊富で、個体によってはそれらが混ざったミックスも存在する。
獲得部位:魔石、まれに木の実または薬草
他にも、色々出てくるんだけど出てくる頻度を考えたら8割くらいは普通にこの魔物です。
モグラさんみたいなのとかミミズみたいなにょろんとした魔物が地面の下から襲って来たり、木と木を飛び交ってるお猿さんみたいな魔物とか木の陰に隠れたりしてるのとかいるんだけどその植物の魔物が多いです。
植物の魔物は他にもいるんですよ?
ただ、この魔物さんの種類があまりにも多すぎて区別が難しいだけで。
魔物が出てくる頻度がいっぱいと言っても、ラウさんを中心にシャスティたちが積極的に倒してくれてる現在です。
私は、歩くのにいっぱいいっぱいでそれどころじゃないので戦いは歩くのになれたところでやり始める予定です。
そういうわけで私が原因で進む速度は非常に遅いので、魔物さんたちも普段以上にぽんぽん襲って来ます。
初めは、ラウさんが肩車しましょうか?って言ってくれたけど、足場の悪いところになれる必要もあるし、私自身も運動して体力をつけないとってカルナが言ってたので頑張って歩いてます。
それにしても、あの頃よりは体力着いたから歩けてるけど、相変わらず森の中は歩きにくいですね。
ちょっとでも油断するとこけます。
今は、いつもみたいにラウさんと手を繋いで歩くわけにも行かないので、翠ちゃんが私の頭の上で心配してくれます。
主に、私がこけた時に怪我をしないように体の一部を延ばしてカバーしてくれたりって感じで。
杖さんを使って一生懸命歩いてるけどどうしてもこけます。
大変・・頑張るもん。
で、あっという間に疲れます。
休憩中は、翠ちゃんが私を乗せられるくらいの大きさにおっきくなって運んでくれます。
その間は、体力が回復するまでおやつとか飲み物を食べさせられたり私が魔法を使って襲ってくる魔物を倒したりしてます。
休憩させられる頻度としては、私が肩を上下させるほど息が荒くなったところでストップされます。
そのタイミングなのは、私が少しでも自力で歩くんだと頑張ってる(つもり)のを考慮してギリギリまで見守ってくれるんです。
そんなこんなで進んでいると色んなのに遭遇する。
魔物とは別でってことですよ?
たとえば
「今日は良い餌が採れたな」
ととても楽しそうに植物型の魔物らしきアイテム類(食べれそうな奴と魔石)を片手に掴んで引きずってる熊さんとか
「・・ったく、俺はツチノコじゃねぇっつぅの・・・れっきとした蛇の一種だっての・・毎回ツチノコと勘違いされて捕まえる人間共は何なんだ・・ったく」
とすっごい不満そうにつぶやきながら私たちの前を通り過ぎていく蛇さんにしては短くそして太い生き物とか
「今日はいい月光浴が出来そうだなぁ」
とのんびりと通過していく10メートルサイズの陸亀さんとか
目の前をふわふわ、ふよふよと通り過ぎていくまん丸な綿毛さんたち
ただし、それぞれに目らしきモノがついていて、個体によって色が違ったりする。
確かカルナが、目のついたケセランパサランって言ってたっけ?
ちなみに触ってみようと手を伸ばしてみたら器用に触れるか触れないかの辺りでふんわりと避けられました。
けど、どこかその綿毛さんたちは楽しそうに目を細めてました。
後は
「僕は毒キノコじゃないやい」
とか
「お引っ越しお引っ越し、急がないとタイミングを逃しちゃう」
とか言いながら駆けていくキノコさんたち
森って面白いですね。
色んな生き物がいますね。
それに、しゃべれる子たちは意外といっぱいいますね。
とうんうんと頷いてたら
「いや・・普通にあり得ないだろ・・・」
「そ、そうですね・・そうホイホイ出会える方々ではないのは確かですね・・」
「にゃう(リア様は運が良いですね)」
-カルナたちも似たようなモノじゃないの?-
とそれぞれ呆れたりよいしょされたりカルナたちにツッコミを入れてたりした。
どうやら、あれほどしゃべれる生き物と遭遇するのは珍しいらしいです。
けど、魔物と戦うのが6割で後3割はしゃべれる生き物で、残り1割は歩くのに必死(私限定)って感じですよ?
「なぁ・・ラウ・・・ここってこんな不思議生き物と植物型の魔物がホイホイ出てくるような場所なのか?」
「・・・後半はともかく、前半は聞き覚えがありませんね・・。あればこの辺りは彼らを乱獲しようとするアホ共がわんさかいますよ。それに・・・・」
ラウさんがほらと指を指すと向こうにはネズミさんとリスさんたちがドングリっぽい木の実を両手いっぱいに抱えて私たちの前を通り過ぎながら。
「ねぇ・・良いの?そこに人間たちがいるんだけど・・」
「大丈夫だって。あっちの人間は清らかを通り越して神聖な感じがばんばんするし・・ほら、もう一回見てみろよ」
とネズミさんが言ったらリスさんが私をじっと見た
そして
「ホントだ。それなら・・まぁ良いか。けど、一応みんなにも言った方が良いんじゃない?」
「だな。けど、俺等ですら知ってるんだからあの人たちはとっくに知ってるような気もするけどな。」
「確かにね。・・ほら急がないと、みんな待ってるよ?」
「ホントだ。急がないと飯の時間が遅くなるしあいつらがうるさい」
と言って駆けていった。
「・・・ね?」
「・・・・・リアは誰にでも気に入られてるんだな・・。」
「そう・・ですね。」
その後も、色んな喋る生き物や不思議生き物に遭遇しつつ、襲ってくる魔物を倒しながら進みます。
で、そんな光景を目にしながら進んでいたところいつからかはわかんないけど頭の上に何かひっついてた。
何かと言うよりは誰か?
それに気づいたのは、休憩中にご飯をしてる時にカルナから
「頭に何か乗ってるぞ?」
と言われたからです。
そう言われて、手にとってみるとまん丸でもっふもふの毛の塊でした。
よく見るとつぶらな瞳が覗いてたけど、毛を避けたりして探っても中身?というより本体?にたどり着けなかったです。
すっごい謎生物が懐きました。
・・と言うより、この子は道中でカルナがケセランパサランのまん丸いのだって言ってたのと同じ種族じゃないでしょうかね?
後は、毛深いまりも?っていうやつらしいです。
まぁ、その子たちよりもっふもふだし、私が手にとっても何もせずおとなしいし手触りが良いしなんかかわいいです。
とりあえず気にせずにそのままくっついたままにして進んでたんだけど、その子は離れることはなかったんです。
それでラウさんが
「念のためにギルドカードを確認してはいかがですか?」
って言ってたのでカードさんで確認です。
ランク:D
名前:フリージア・クラリティ・エトワール
性別:♀
年齢:5
種族:半異世界人
職業:賢者、協奏師
称号:絶望を知る者、幻獣の家族、変態紳士ホイホイ、英雄賢者の正統後継者、神子
属性:陰
体力:D
魔力:S
攻撃:F
防御:E
俊敏:E
練度:A
攻撃技:【影操作】【魔力反射】【物理反射】【性質変換】
補助技:【念話】【奉納】【心意加増】【精神統一】
自動技:【圧縮記憶】【思考速度上昇】【並列思考】【心の瞳】
魔道具:賢者の杖、教会の腕輪(EX)、幸運のイヤーカフ
写真:フリージア・エトワール、ペチュニア・エトワール
契約
【幻獣】八咫烏:カルナ
【幻獣】ガルディエーヌ・キャット:シャスティ
【妖精】オニキス・ゲル:翠
【??】ウールスフィア:ラナ
加護
母の溺愛、母の過保護、元英雄賢者/現神様のお気に入り、下位精霊の親愛
・・・増えてますね。
確かに、カルナたちと一緒で何かしらのつながりは感じるけど。
でも、いつの間に?
もふもふさんだから私の髪にくっついてたしそれで何かしたのかな?
多分そうですね。
後この名前は・・・・・なんとなくラナちゃんっぽいなーとふんわりと考えたことがあったけど、その時でしょうか?
まぁ、どうでもいいですね。
とりあえずカードさん、ラナちゃんについて教えて下さい。
ウールスフィア
自我を持つ植物とも、妖精に近い動物とも言われたり言われなかったりするため、実際のところ魔物かどうかも何もかも謎に包まれた生物。
全長14センチほどの真っ黒な毛玉(毛を逆立てると17センチほどになる)。
目はかろうじて確認出来るが、かつてこの謎生物を調べた人物が誰1人として毛に包まれた本体を目視することは叶わなかった。
気に入った相手にくっついてその対象相手の支障が無い程度に魔力を吸い取り、その分その対象相手の体内に存在する不純物や毒物などを吸い取ってくれる。
そのため、全状態異常無効の効果を持ってたりするが、それ以外は特に何もなく、本体も羽1枚程度の重さしかない。
ちなみに、気に入らない相手が無理矢理触れようとすればその毛を針のように逆立て、鋭くし、硬くして相手を貫くと言われてるが、触れられるような状況が基本的にないため、嘘か誠かは定かではない。
なるほど。
で、このことをカルナたちに伝えたところ
「はぁ・・・また変なのが懐いたのか・・あまり増えすぎるのは止めて欲しいんだが・・」
「ま、まぁまぁ・・リア様に関しては大丈夫ですよ。幸運の主なんですから。それに神子様ですし?」
「・・とりあえずは・・・まぁいいか。とりあえずよろしくな・・通じてるかどうかは微妙だが。」
「けど、リア様に関してはすごく良いと思いますよ。」
「そうか?戦えないしくっついてるだけだぞ?確かに状態異常の関係はすごいが」
「そこですよ。リア様自身の能力や加護の関係でそれなりにそう言うモノに関しては耐性がありますが、それはあくまでも補助です。なので、耐性がない場合の対処や、万が一を考えるとそう言う対策には多いにこしたことはありません。」
「そういえば、リアには耐性を作りやすいのと持ってる耐性の強化だったな。無効ではないし、絶対とも書いてなかった。それに、翠も回復補助はあるしシャスティの調合薬もあるが魔法関連での状態異常の対処は言われて見ればなかったんだな。」
「本当に運が良いですねリア様。」
(?コクリ)
よくわかんないけど、私は具合が悪くなったりするようなそう言う類いの耐性をどうにかする技がシャスティのお薬くらいでお母さんの加護はそれを支えたり強くするから万が一大変な時のはなかったらしいよ?
・・まぁ、いいや。
そんなわけで私の肩の上にラナちゃんはいます。
右か左かはラナちゃんの気分みたいだけど、場合によってはうなじのとこに私の髪に紛れて隠れてることもあります。
ラナちゃんはもふもふで触り心地が良いし、翠ちゃんもほとんど重さを感じないほど軽いから全く問題ないので、気にしない気にしない。
ちなみにご飯は食べるのでしょうか?
そう思い、ご飯を食べてる時に私の頭の上にいるラナちゃんを私の膝の上に運んで目の前に果物を渡してみました。
けど、食べませんでした。
好きじゃなかったのかな?と思い、色んなのを並べてみた結果、ただのお水だけは毛から吸収して食べてるみたいでした。
ジュースとかは飲まないので、純粋にお水だけのようです。
あのもふもふの毛がゆっくりとお水の入ったお皿に向かい、お水に毛が浸かったなぁと思ったらゆっくりとお水が毛に吸い込まれていったんです。
見てる側としては、不思議な気持ちでした。
で、満足したらしく2杯目は飲みませんでした。
飲み終わった後に触ってみたけど濡れてる所はないという不思議。
しかも、もっふもふにつやがなんとな~く出てたりする。
う~む。
謎が増えますね。
それで、ラウさんに教えてもらったんだけどラナちゃんの種族はごくまれに森の中で見かけることはあるけどほとんどが風にふわふわと流されて飛んでる(飛ばされてるともいう)くらいで私たち人間には決して触れられることが一切ない存在なんだとか。
飛んでいない時も木のてっぺんにくっついてそこから説明されてたように魔力を吸い取ってるくらいなんだって。
例えると、海の中で漂ってるクラゲさんのお空バージョンらしいですよ?
要するに、今の私みたいに懐かれることはすっごく珍しいんだって。
珍しいって言われてもよくわかんないよ?
そんな謎の多いラナちゃんだけど、もふもふして気持ちが良いし、ほんのりと森の優しい香りがして好きです。
ラウさんも何気に気に入ってるみたいで時々撫でてる。
だとしても、気に入らない相手だとこのもふもふがつんつんでカチンコチンになってグサッと刺しちゃうなんて分かんないよね。
だって、私とラウさんは普通にもふもふしてるし、ラナちゃんもどことなく楽しそうにしてるし。
まぁ、楽しそうだからいいですね。
その時はその時です。
ちなみに、ラナちゃんと翠ちゃんは私に乗っかってるメンバー同士?でそれなりに仲良しなので私の肩の上にいない時はいつも翠ちゃんの上にラナちゃんはいます。
つまり、ラナちゃんは私か翠ちゃんの上にしかいないんです。
まぁ、私から離れることが相当ヤバイ時しかないから私の上にいない時がほとんどないんですが。
それはさておき、森に入って10日ほどでラナちゃんと家族になって、そこから更に5日ほど進んだところ、私の目にとある場所にすっごくおっきなドーム状に張られてる魔力を見つけました。
職業の賢者としてのおかげかどんなのか知りたいと思いながら目に魔力を集めるとある程度分かりました。
アレはあの結界とその内部がその結界の外から先にそんじょそこらの生き物に見つからないようにするような感じみたいです。
内部は中に入らないと見えないみたいです。
すごいその場所が気になってたらカルナたちが私の異変に気づいて聞いてきた。
なので、正直に言った後、数時間ほどその方向を見ててようやく気づいてくれました。
と言っても、私みたいにその結界を目視は出来なかったらしくて、分かったのはそう言う気配がうっすらと感じたからなんだって。
待ってる間は何してたかと?
おやつを食べさせられながら強制的に休憩でしたよ?
んー・・結界自体が見つかりにくいような感じだったのかな?
じゃあ、見つけたのは偶然?
「どうする?ラウ」
「そうですね・・俺たちが一切気づかなかったところにリア様が最初に気づいた・・これは、何かあるのでは?」
「ヤバイ方か?」
「と言うより、リア様本人にって感じですかね。絶対ないとは言えませんが、運命的な何かがあるのでは?ただでさえこれまでこんな感じでリア様が最初に見つけた時は何かありましたし」
「あぁ・・確かに。リア、絶対に勝手に行動するなよ?俺等から離れるなよ?それが向こうに行く条件だ」
(コクリ)
そんな話しをしてる時にどうしてか翠ちゃんをチラッと見てたのは何ででしょうね?
とりあえず、いけることになったから行ってみましょう。
・・・と言っても、思ったより遠いです。
頑張りましょう・・主に体力的な問題で。
そんなこんなで魔物さんたちを倒したり薬草とか山菜とか木の実とかをほどよく採取しながら先に進みます。
ラナちゃんとお話しは出来ないけど、私の考えてることは通じてるし私の念話も伝わってるみたいです。
どうやって分かるのかって?
ラナちゃんの目が色んな感じになったりほわほわと毛を揺らしてるからそれで分かるんですよ?
目がうれしそうだったりさみしそうだったりと。
カルナが言うには、目は口ほどにモノを言うらしいですよ?
よくわかんないけど。
ラナちゃんは戦えません。
けど、気配とか魔力とかそう言う感知するタイプとかはラナちゃんはほとんどないみたいです。
隠すのが上手だったり元々気配とかが薄い(薄いどころかゼロに近い)種族だからなんだって。
そうじゃないとあっさりと敵に殺されちゃうからそういう仕様なんだって。
それに思いっきり動いても毛を私の髪に絡めたりして吹き飛ばないようにしてくれるし、ラナちゃん自体が重さを感じないくらい軽いから多少おっきくても問題ないです。
・・・まぁ・・私の走りなんてたかがしれてるから私の走り程度でそんなことになるなんてあり得ないんだけどね・・はぁ・・。
そんな、戦えないラナちゃんだけど足手まといだのなんだとって言うのは私たちのメンバーは絶対に言わない。
そんなこと言ったら私がお仕置きしちゃうんですよ?
それに、ラナちゃんのやけどや痺れ、呪いなどのような状態異常全般の吸収による治療はすごく大事な能力です。
だって、シャスティの調合薬はすごいけどカルナが言うには調合薬にも限界はあるんだって。
お薬じゃどうしようもないことだってあるから万が一を考えて行動しないと駄目だって。
それと、しばらくして気づいたんだけどラナちゃんは感知と言うよりも敵に対しての危機感知能力関係がずば抜けてすごかったんです。
感知とかはカルナやシャスティが高くて、シャスティがその中でもぶっちぎり。
それは、敵味方関係なくどんな生き物とかがどっちにどのくらいあるかっていうのが分かるっていう能力だけど、その中で誰が敵で味方かなんて分かるのはまた別。
シャスティたちは慣れてるから区別がつくけどその区別がつかないから出会う人全員を敵かどうか判断してから対応するって感じでやるんだって。
けど、そこでラナちゃんの危機感知能力・・つまり敵とか危ない何かが近づいた時に感じるから、シャスティたちの感知と合わせればどのくらいヤバイ敵か、敵なのかどうかって言うのが分かるからすごいんです。
まぁ、ラナちゃんが敵だって思った時は私の髪を毛で軽く引っ張ったり(全然痛くない)ころころ肩の上で転がったりして教えてくれます。
その辺りの動き方とかでどのくらい大変なのかは分かるように今は意思疎通とかジェスチャー?って言うのを確認したりしながら仲良くなりながらそのやりとりに慣れようと主に私が中心に頑張り中。
ラナちゃんはしゃべれないし鳴かないですからねー。
けど、毛は動かせるし目は私たちからは見えるからどうにかなります。
まぁ、翠ちゃんもしゃべれないしね。
今は体に文字を浮かび上がらせたりして分かるようにしてるし、自由に伸ばしたりおっきくなったりちっちゃくなったりと出来るからラナちゃんよりわかりやすいだけで。
私にとってはどの子もどっちの子も普通に分かるんですが。
だって、私よりも表情豊かですもの。
我ながら私は無表情の無感情ですからね。
全く感情がないわけじゃないけど、内心でそう言う感情だって理解してるだけだし、ほとんどのことをスルーするのが当たり前になってるから感情が出る前に薄れてなくなっちゃう感じです。
最近は、それでも豊かになったんですよ?
表情は相変わらず変わらないけど、ラウさんに甘えたり翠ちゃんたちに甘えたりって、甘えるようになったんだもん。
前は、それすらも皆無だったしね。
一応説明しておきますけど、カルナたちとのお勉強も毎日やってるんですよ?
お話ししたりしてる中でさりげなく紛れさせてお勉強したり、しっかり時間をとって集中してお勉強したりってやってますよ?
それに、実戦的な部分も魔法を中心にほどよく魔物と戦ってます。
ここはいっぱい魔物がいるから捜す必要もないほど大量に出てきますからね。
おまけにすっごい頻度ですごい数で。
ラウさんもすっかりカルナとペアで過保護なお兄ちゃんが板についた気がします。
でもいつも私を様づけで呼んで、優しい丁寧な口調で敬語です。
砕けたしゃべり方でも良いのにと言ったことはあるけど、癖だからムリと即答されちゃいました。
そう言う方面で言うとまさしく騎士さん!って感じですね。
夜は私は夜の番をせず(させてくれない)に寝て、翠ちゃんが私のベッドの役をやりながら周囲を警戒(元々寝る必要もないらしいです)して、カルナ、シャスティ、ラウさんたちが交代で見張ってくれる。
すごく家族に恵まれてるなと毎日心の中で感謝しながらお空に浮かぶお月様やお星様を見ながらお休みなさいです。
ちなみに、ラナちゃんも翠ちゃんと同様寝る必要のない種族さんらしいけど私の頭元で一緒に寝てます。
一応目が細くなって寝てるっぽいです。
ムリして寝る必要はなくとも寝ようと思えば寝れるらしいです。
何というか、趣味の範囲らしいです?・・よ?
そして、それから更に数日
私たちはその謎の人払いの巨大結界の元にたどり着きました。