表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
陰の支配者-私の保護者は猫と鳥-  作者: ミコト
最終章-異世界組攻略編-
176/177

卒業

--フリージア--

シルちゃんたち異世界メンバーが私を中心としたメンバーによって開発された儀式魔法”返品魔法”によって無事に故郷に帰ることが出来ました。


それからは、特に大きな事件もなくのんびりと穏やかな日を過ごしています。


そしてついに私とセイちゃん、ユウちゃんの卒業する日が近づいてきました。

「そう言えばリア、知ってるか?」

(?)

お家でリムさんと雑談中です。

「シリルの影響で、各地の吟遊詩人が歌以外にも踊りも学びだしたって話し。」

{扱う楽器の種類を増やそうとしてると言うことは伺ってましたが踊りにも手を出していたのですか?}

「らしい。偶然近衛騎士として働いてるときに耳にしたんだ。」

{学ぶこと自体は悪くないですが、どうしてわざわざ踊りにも?シルちゃんの影響はそれほど大きかったのですか?}

「あぁ・・なんて言うか、シリルのアレを見た後だと、自分で歌いながらなんか物足りないと感じるようになったらしくってな。それで扱う楽器を変えてみたり踊りを加え出したりしたらしい。」

あぁ・・。

確かにシルちゃんの歌と踊りは色々とインパクトがありましたからね。

{それで、路上で演劇をする人も増えていたのですね。}

ついでに言うと、過激なダンスも踊れるように体を鍛える姿も時折目にします。

「あぁ、それも同じ理由だ。吟遊詩人は歌うだけではなく、物語を演じることも吟遊詩人のやるべきことだって思ったらしい。元々吟遊詩人は物語を歌いながら語ることが多いからな。それが歌以外でも実際に演じることで伝えるって考えがシリルと出会うまで思いつかなかったらしい。」

{そう言えば、この国で2~3カ所、劇場を作る計画が進んでいるのはご存じですか?}

「そうなのか?」

{今の段階では、路上でそういうのをするためのスペースをこの国内で計10カ所ほど作ってますが、大がかりなモノを演じるには場所が足りないのと、きちんと稼ぐ場所もあった方が良いのではないかという意見が出た結果、シルちゃんがしていた感じで場所を作ることにしたらしいです。いざというときは、講演会をしたり一時的な避難場所としても使えるので無駄はないらしいですし。}

「確かに。ならますますクラリティ王国はいろんな意味で明るくなっていくんだな。」

{元々書籍や物語、歴史が多く集まる場所ですから自然と吟遊詩人の方も集まりますからね。そこを考えるとそう言う場所を作るのは結果として良いと思いますね。}

「客が集まりお金が動き、吟遊詩人は戦わずとも稼ぐ場所があり、楽しい思い出を作ることが出来る。講習のようなまじめな話をする場所としても使えるなら万々歳だな。」

ちなみに、吟遊詩人という非戦闘職である人たちすらも、鍛え始めるようになったことから、訓練場とは別にトレーニングルームが別で作られるようになりました。


すっごい大規模ですよ?

魔力量を増やすためのトレーニング用の道具(魔道具含む)から、

身体能力を鍛える・・つまりは筋トレ用の道具

精神的部分を鍛えるための道具に

反射神経や視力などの感覚部分とかを鍛えるための道具

って感じでそれぞれの用途に合わせた部屋どころか建物が複数各地にあります。

ちなみに言うと、筋トレに関しては、ガチムチ系から細マッチョ系にダイエット系まで幅広くあります。


何なら、自宅でも気軽にトレーニング!という言葉を添えてそれ用の道具を開発し、売り出す人もでました。


まぁ、そんな感じでとにかくいろんなことがあり、様々なモノが増え、建物が増えたのでクラリティ王国は更に拡大したというわけです。

実際、近いうちに国そのものを大幅に拡大する計画が進んでますし。

うちのルナールみたいな何十丸みたいにはならずに二重丸になるらしいですけど、外側の丸に訓練用の空き地からトレーニングルームなどを中心に配置する予定のようです。

つまりは、今ある国壁はそのままでその外側に更に大きな国壁を作り出すという感じです。


ちなみに言うと、その隙間隙間に食べ物系の露天と、水分補給用の場所を大量に配置する予定となってますし、緊急時もかねて仮眠用の場所や、医療施設も配置予定なので予定がない冒険者などはそちらにとどまることが増えそうな感じです。

食べ物系に関しては、種類は露店の数だけたっぷりと、そして質より量をメインに配置されるようなので、食べ物系だけで売り上げはすごそうですね。

冒険者は体を動かすので結構食べるので。


・・・私もよく食べるので完成したら食べに行きましょう。


まぁ、泊まる場所に関しては拡大予定地には宿屋はない代わりにテントなどの野営はOKと言う予定です。

そのため、野営練習とかに今後利用することが出来そうなので、冒険者としての事前練習だったり学生が練習としてそこで体験してみることも学園長のおじいちゃんも検討してます。

他にも、手持ちのモノで物々交換をする場所も考慮しているところです。

これは、交渉の練習だったりいろんな人との交流だったり、情報交換のついでという感じのを考えられています。

実際、戦いごと以外の面でいろんなことを学べるようにしたいという考えのもと、そう言う施設を増やしているんですよ?

後は、学生が無謀なことをさせないようにする措置でもあります。

たまに簡単な依頼を受けてそのままついでとばかりに無謀な討伐とかをしようとして死に目に会うなんて正直良くあります。

そのため、そうならない・させないために、安全な城壁内で実際はどんな感じだと簡単でも体験させ、その場にいる人たち(冒険者とか)に実際の体験談を聞いたりする場所を設けている予定なんですよ。

まぁ、この国に関してはそう言うバカは滅多にいませんがよその国から我が国の学院に通い出した人だとちょいちょいあるのでそう言うバカに現実を教えるための措置です。

場合によっては、冒険者が実際にあった怖かったことや後悔したことも話したり、実際にぎりぎり死なない程度に戦って現実を教えたりすることも考慮されています。

現実を教え込むことでバカが増えないようにするということです。

そう言う部分をきちんと教えるという部分もこう言っては何ですが、学院の評判に繋がるんですよ?

つまりは、あの国の学園に通えば将来どんな仕事でも苦労しないとか、良い人材が多いから安心だとか、バカをやらかす輩が輩出されることがほとんどないから安心出来るとかね。


で、きちんと泊まりたい人は拡大予定地ではなく現在存在する宿屋さんを訪ねて下さいと言うことになってます。


{そう言えば、リムさんはすっかり仮面をつけて回るのに慣れてきたのですね。}

「まぁなぁ。リアが仮面をつけてたから相棒でもある俺が仮面をつけだしても周りはそう言うモノだって特に気にしてなかったのは良かったんだがたまにつけ忘れて腰にぶら下げたままだったりするんだよなぁ。最近やっとつけて出かける癖がついたよ。」

{リムさんの場合、その仮面をつけていると威圧が一切漏れなくなるのでしたよね?}

「あぁ。わずかに漏れていた分を完璧に防いでくれる優れものだ。この国のメンツはそこまで威圧体質を気にしてないからつい忘れがちだがよそから来た奴だとそのわずかな威圧がかなりダメージ食らうらしいから結構重宝してる。前はそのせいで周りが過剰に反応してリアクションが鬱陶しかったんだよ。」

{後処理が面倒そうですね。}

「まさにその通り。そういや、卒業までもうちょいだな。」

{ですね。学園に通おうと思わなければもしかしたらリムさんと出会っていなかったかもしれませんね。元々パパに呼ばれて立ち寄るだけだったわけですし}

「そう言えば元々はそうだったな。当時はイリスさんのことは名前以外身分とか職業とか一切知らなかったんだろ?」

(コクリ)

「で、そのときにこの国の学園の話を聞いて結果として通うことにして今に至ると。」

(コクリ)

「そうなると、物語で言うところの恋のキューピットって奴は俺らの場合はイリスさんになるんだな。」

{そうですね。私の場合は血の繋がった家族や、親友とも出会うことになったきっかけでもありますからね。}

「そう考えると、俺の場合は恋のキューピットってだけだが、リアからすると幸運を運ぶ神鳥だったんだな。俺以上に人生の大きな分岐点だったわけだ。」

ちなみに、幸せを運ぶ鳥さんの色は、シルちゃんの世界だと青らしいですが、こちらの世界では青ではなく虹色ですよ。

私が進化中にいたスピリット・レスティングにとどまっていたときに集まってたあの虹色の小鳥さんたちのことです。


後に桜華さんにあの鳥さんたちは天界でのんびりと過ごしているらしいので探せばどこかにいるらしい。

まぁ、あくまでも天界内限定なのでそっちに行かないと会えないらしいけど。


{ですね。ですが、リムさんって相変わらずそんな恥ずかしいことをさらっと言いますよね。}

「うぐ・・基本的に言いたいことは口に出して言うようにしてた影響かそう言う台詞がぽろっとでるんだよ・・リアと出会ってから口が滑ってから恥ずかしさが襲ってくるんだ。」

私がぽろっとツッコミを入れるとリムさんが顔を赤くしてそっぽを向く。

{そういうのを自爆って言うんでしたっけ?}

「まさにその通りだ。・・ちょっとは、その羞恥心が落ち着くか、口が滑らないようにしたい。」

{私からすればどちらでも良いですけどね。リムさんは感情豊かなので見ていて楽しいですし。}

「俺は見世物かい。」

私からすればそのぽろっとこぼす台詞はうれしいですし面白いですけどリムさんからすれば精神的なダメージが自分自身にある諸刃の剣になるようです。

{私がそう言う反応がほとんどないので代わりに反応してくれてるんだなぁと感謝してるだけですよ。}

「あぁ・・前よりは感情豊かだが周りからすればまだそういうのは希薄だしなぁ。そう考えればまぁ・・甘んじて受け入れるさ。」

それに関しては本音ですよ。

私は昔よりも感情は多少豊かになりましたがやはり他人と比べると希薄ですから、感情豊かなリムさんは私からすれば私の代わりに思い切り笑ったり怒ったりしてくれる優しい人だと思ってますから。

実際そういう風に行動しているのは確かですけど。





{そう言えば今更ですけど、以前リムさんのステータスを見せていただいたとき、種族が進化しかけてませんでしたか?}

「・・ん?そう言えばそうだったな。」

{あれから何か変化ありましたか?}

「んにゃ、あのときのままだな。まぁ、そのうち変わるだろう。」

{慌ててどうにかなるモノでもないですし今のままで支障ないですからね。}

「そうそう。実際リアの時もそんな感じだったしな」

{それで数年放置されてましたしね。}

「だなー。にしても、これまでが例外なのか知らんが平和だなぁ。」

{ですね。とても穏やかな日が続いてます。}

「まぁ、この国柄、仕事のついでにいろんなのをいろんなところでついでにつぶしてたりするのは別として」

{それは我が家でも同じことをしてますし今更ですよ。}

「確かに。それとリアはすっごいどうでも良いだろうけど、偶然影の親衛隊について情報が手に入ったんだ。」

{良く手に入りましたね。}

「なんて言うか、教会のシスターさんとちょいと仲良くなってな、その延長戦で偶然聞けたんだ。」

{それが浮気って奴ですか?}

「そんなんじゃないって。どっちかというとアイドル談義みたいな感じ。シスターさんからリアのことを聞きまくってくるから教えてやる代わりに噂程度でも情報を教えてもらうことにしてるんだ。」

{なるほど。それでどんな情報なのですか?}

「影の親衛隊は知っての通りリア至上主義だけど、いくつか派閥みたいなのがあるんだ」

{仲違いの延長戦ですか?}

「いや、すっごい平和な感じ。」

聞くと、崇拝対象である私をどういう風に見ているかという部分の違いと言うだけらしい。


種類は3つ

1つは、妹派

私を妹のように愛でたいという人


次に、お姉様派

妹派とは違って、逆に私に愛でられたいと言う人


最後に、神派

言ってしまうと盲目的で、並大抵のことであればどんなことでもすべてYesマンになるって感じ

一応善方面のみらしく、悪方面になりかけるのであればたとえ自身が嫌われようとも善への道へ戻してみせるという人


「って感じらしい」

{私のことをどういう風に見ているのかよくわかりました。}

「それは賛同する。って言うか、影の親衛隊って治安維持部隊って聞いてたけどその話を聞いて平和な組織だなぁって思ったし。これまでは、裏組織と思ってたし」

{存在を出来るだけ隠しているのであれば間違っていないのでは?善か悪かの違いはあるでしょうけど}

「あぁ・・確かに」







それから、しばらくして私とセイちゃん、ユウちゃんは卒業しました。

まぁ、卒業式自体はおじいちゃんがおめでとーと言って、卒業した証を1人ずつ渡して終わりという超シンプルですけど。

「フリージアさんにセイさん、ユウ君、卒業おめでとう」

「改めておめでとう。」

「ありがとうございます」

「ありがとうございます」

{ありがとうございます}

「正直、君たちがいてくれて俺もすごく楽しかったし、助かったよ。君たちと出会ってなかったら今みたいにいろんな人に慕われることはなかっただろうしね。」

そう言えばネルさんは、私たちと出会うまではくたびれたお洋服を着てたせいで周りの人にだらしのないダメな人認定されてましたね。

「そんなことはないと思いますけど、気持ちは受け取っておきます。」

「うん、そうしてくれるとうれしいな。」

「正直わしも、お主らとの学園生活はこれまでの人生で最も面白かったぞ?」

「結構な頻度でSクラスにいましたしね。」

「だねー。」

「ほっほっほ。そこにいた方が一番面白かったならのぉ。」

「あ、そうだった。フリージアさんにはこれもあげなきゃいけなかったんだ。」

(?)

ネルさんに渡されたモノは、1本のナイフ?でした。

「これは、苦無という投擲武器じゃ。」


真っ黒で剣で言うところの柄部分には丸いわっかがあり、刃の部分は菱形状に太いです。


「投げてよし、ナイフ代わりに接近戦に扱うもよしとなかなかに万能で使い勝手はナイフよりも良いぞ?」

「しかもそれ、使用者を登録すれば投げ飛ばしてもその人の手元に戻ってくるんだ。」

{手元に戻るという限定的な転移魔法が組み込まれていると言うことでしょうか?}

「そういうこと。フリージアさんなら、それを解析して他の武器を作ったときに同じのを作れるでしょ?」

{解析に時間がかかりそうですが確かに出来そうですね。それに、投げナイフよりも確かに使う範囲は広そうですから便利みたいですね。}

「そうだと思ってね。」

「だとしてもリアちゃんに渡した理由って何なんですか?」

「あぁ、フリージアさんは主席だったからだよ。しかも入学して卒業するまでの間全部。」

「あぁ、そのご褒美みたいなモノってことですね?」

「そういうこと。この事実は、卒業したって言う履歴に一緒に記録しておくから。」

ギルドカードには、どの魔物をどれだけ倒したと言うことや、どんな犯罪者を倒したか、どういう危機から救ったかなど、いろんなことが記録されるようになっています。

その中で、クラリティ王国の学園に入学したことから卒業したこと、そして主席で合格したことも記録されると言うことです。


この記録は、特定のギルド職員が閲覧出来るのですが、その事実の有無によって指名依頼をする際にギルド側がおすすめの冒険者として安心して提示出来るということ。

そうなれば、自然と信頼度が上がり、報酬も増えるのでメリットは非常に多いです。

後、私は関係ないですが生徒会として在籍していたりしても同じように記録されるので冒険者として活動する際に同じようにメリットがあります。


{ありがたく頂戴しますね。}

「うん、そうしてもらえるとうれしいな。」

「あ、そう言えば卒業したなら今後は学園には無断では入れなくなったってことですよね?」

「そうだね。」

「じゃが、お主ら3人であればいつでも良いぞ?」

「え?」

「なぜに?」

(?)

「フリージアには以前頼んだが、お主ら2人も臨時講師として暇なときで良いから勤めて欲しいんじゃ。」

「僕たちでも良いんですか?」

「うむ。フリージアであれば魔法を。ユウであれば剣術を、セイであれば回復に治癒魔法について実践形式で教えてくれると非常に助かる。」

「君たちに教えてもらえれば、実績もあるし、生徒たちも成長すると思うんだ。特に実践を想定して教えるとなると学ぶことは教科書の何十倍もあるよ。」

「無論、報酬もしっかり出すぞ?腹一杯の食事付きじゃ。」

「あ、それうれしいかも」

「私も・・」

{私は手が空けばという感じですし、するとしたら影さん経由で私自身は顔を出さない可能性が高いですよ?}

「ふむ、それで良いぞ。お主のお人形はこの国では有名じゃからな。」

「そう言えば、フリージアさんはルナールで腰を落ち着かせるって聞いたけど君たち2人はどうするんだい?」

「一度故郷に帰りはするんですけど、その後はちょっと旅をしたいなって思ってます。」

「ほう?」

「数年くらいよその大陸を回って、最終的にルナールに住みたいなって。」

{すぐに来ていただいても歓迎しますよ?}

「うん、それはうれしいんだけど、修行と言うより世界がどんなモノがあるかちょっと見て回りたいんだ。」

「私たち、何かとこの国に来るまではほとんど寄り道せずに来たから旅を楽しむってことをガン無視してたからね。ちょっとのんびりと世界を見て回りたかったんだぁ。」

{そういうことでしたか。いつでも来ていただいて良いようにお家も準備しておきますよ。都の皆さんもお二人のことはご存じですからそのことも言っておきます。}

「わぁ!それうれしい!」

「うん、すごくうれしいよ。その分都に住むようになったら都の経営もしっかり手伝うよ?と言うより、ルナールで教会代わりを勤めようか?」

「神父・・いや、女性だから司祭に?」

「そうそう。そう言う施設ってまだあそこにないでしょ?」

{ないですね。現状は、薬師が数名いますし、魔道具でどうにかしている状態ですからね。}

「だから、まぁ、治療院って言うよりもあの地の教会代表として私が頑張っちゃうよ?どのみちリアちゃんってクテン様だから教会はあった方が色々と連携しやすいだろうし。」

確かにそうですね。

色々とお世話になるときは新しい町だと教会メンバーは特に多いですからね。

そうなると確かにないと困りますね。


それに、都で結婚の儀式とかお葬式とかいろんな行事を行う人が必要と考えると確かにそう言う人は必要ですね。

{確かにそうですね。色々と行事もあるでしょうしそういうこともセイちゃんであれば安心ですしお願いしても?}

「うん!喜んで!」

「じゃあ僕は、あの地の守護をする部隊でも立ち上げようか?騎士団みたいなきちんとしたモノじゃなくて、むしろあの地を拠点にする冒険者って感じになるけど。」

{一応兼任してそう言う立場の人はいますが確かに専属の護衛部隊がいた方が皆安心しますね。お願いしても?}

「まかせて。もちろん、戦い以外でも役立てることがあったら喜んでやるよ?」

{おそらく農作業らしきことが多くなると思います。}

「あぁー、自然が豊富だからねあそこ。」

「けど、それはそれで面白そうだよね。」

「だね。クラリティ王国も色々と拡大する予定が出来てるし、ルナールも同じく拡大する予定があるから僕たちが戻ってくるときにはちょうどその辺りが完成したくらいかな?」

「じゃない?」

{旅に出るときには必ず声をかけて下さいね。通信用の魔道具もお渡ししないとなりませんから。}

「あ、確かにそれ欲しい。」

{他にも、シャワー用魔道具とか野営用とか欲しいものがあったらあらかじめ言ってください。試作品もかねて使い心地をテストしてもらいたいですから。}

「そういうことなら喜んで。」

「そういうことなら、むしろガンガン言った方が助かるんだよね?」

(コクリ)

{シルちゃんたちも同じことをさせましたけど長期間の旅ではなかったので。}

「確かに。」

「せいぜいが数日間だったね。」





「じゃあ、改めて卒業おめでとう。」

「わしらはいつでもお主らを歓迎するぞ。」

「はい!」

「ありがとうございました」

{ちょいちょい会うと思いますのでまたねと言っておきます。}

「うん、またね。」







「リア、お帰り。」

{ただいま帰りました。}

「二人も卒業おめでとう。」

「グリムさんありがとう」

「ありがとうございます」

「そうだ。お前ら二人に魔術師団から渡して欲しいってモノがあったから渡しとくな」

「あ、はい・・・何これ」

「えぇっと・・・」

(?)


リムさんが渡したのは、楕円状の板でした。

黒みがかった透明で全体にはいろんな魔方陣が刻印されてる。

大きさ的には二人が並んで経っても余裕があるくらい。

「グリムさん・・これ何?」

「移動用の魔道具らしい」





ノーブルボード

黒みがかった透明な水陸両用の移動用ボード

海の上でも陸上でもマグマの上でもどんなところでも移動可能で2人乗りで、速度は馬の全力疾走ほどだが、魔力を込めれば速度を上げることは可能。

あらかじめ魔力を込めておけば最長5時間は動かすことが可能であり、移動中に魔力を注げば延長可能

水の上では浮くので水上での休憩も可能

登録者以外が触れると問答無用で魔力を根こそぎ奪い、限定的な全身不随にしちゃう。

並大抵のことでは壊れないが、ヒビが入っても魔力を注げば修復可能。(ただし、かなり膨大な量が必要)

登録者:ユウ・クラージュ、セイ・セイクリッド





「わぁ!!これ、良いの!?」

「これすご・・これがあれば移動に困ることなんてない。」

「世に出すことはないらしいが、身内とかで必要になる可能性があるとかでの試作品らしい。」

「すっごくありがたいです。」

「あ、後イリスさんからこれ2人に」

今度は、腰にくっつけるタイプのポーチでした。

「これまさかマジックバッグ!?」

「らしいぞ。ちなみにイリスさんからの卒業祝い兼、リアと親友って言う証拠だとか。」

ご丁寧に我が家の家紋がど真ん中に堂々と書かれてます。

「ちなみに・・規模は?」

「100メートル×100メートル×100メートルで、中に入れた後の劣化速度は5分の1だとさ。それも同じように盗難防止策として登録者以外が触るとそのボードと同じ目に遭うんだとか。」

「すご・・・」

「こんなにいたり尽くせりで良いのかな・・」

「それだけ期待してるってことらしいぞ?」

「じゃ、じゃあありがたく」

「その分帰ってきたら全力で協力するからね!?」

{期待してますね。}

「なんだ、お前ら旅にでも出るのか?」

「数年くらい旅してから、ルナールに住ませてもらう予定です。」

「私が司祭として、ユウが、あの地の守護部隊として頑張る予定です。」

「そりゃあありがたいな。あの地のメンツは誰もが鍛えてはいるが専属がいるかどうかは結構ありがたさが違うからな。それに都人たちもそうほいほい争いたくはないだろうしな」

「確かに。」

{後で構いませんので、お二人の防具と制服をお借りしても?}

「良いけどどうするの?」

{旅の無事を祈るついでに魔改造しておきます。}

「え!?良いの!?」

「えっと、いくら?」

{ただで構わないのですが?}

「それはさすがに良心が痛む・・。」

{では、技術費を適当にいただきますね。}

「うん、それでお願い。」

「けどホントに良いの?リアちゃんちに正式に依頼したらフル装備で金貨が何十枚どころか百は軽く飛ぶほどって言われてるのに・・。」

{そこらの人が頼めば確かにそのくらいは請求しますがセイちゃんたちに関しては無事であって欲しいというわがままでもありますから。}

「うん・・ありがとう」

「ありがと・・リア」






それから数日ほどして以下のモノが完成しました。




勇者専用装備一式

種類:ヘアバンド、胸当て、肩当て、肘当て、篭手、インファイターグローブ、脛当て、膝当て、インファイタースーツ、バトルブーツ

・神獣の毛、牙、爪から、幻獣の鱗に牙、爪、魔物の鱗、毛皮、爪、牙、魔核など様々なモノを合成し、魔方陣を刻印したことによって完成した一式で、現在がどんな素材になっているのかはあまりにも混ぜすぎて強化されすぎて謎。

・インファイターシリーズとヘアバンドは漆黒であり、他の装備に関しては、黒銀色。

・グローブと篭手は、腕力を強化してくれる。

・布地部分は、動きやすく、疲れにくく出来ており、身体運動の補助をしてくれる。

・金属部分は、頑丈であり非常に軽く出来ており、魔力を込めると硬度を上げることが可能。

・ブーツには、脚の疲れを軽減させ、足音を消してくれるようになっており、足技を使用する際、脚力を増加してくれる。

※おまけ機能として水洗いでどんな汚れも簡単に落ちます。




聖女専用装備一式

種類:サークレット、ローブ、インファイタースーツ、篭手、インファイターグローブ、仕込み靴

・神獣の毛、牙、爪から、幻獣の鱗に牙、爪、魔物の鱗、毛皮、爪、牙、魔核など様々なモノを合成し、魔方陣を刻印したことによって完成した一式で、現在がどんな素材になっているのかはあまりにも混ぜすぎて強化されすぎて謎。

・インファイターシリーズは黒だが、ローブ、と靴は白系統、篭手は白銀。

・サークレットには、脳へかかる負荷を半減させ、魔力操作の補助をしてくれる。

・グローブは、腕力を強化してくれる。

・靴は、脚力を増加させ、脚の疲れを軽減させ、足音を消してくれており、かかと部分に刃が仕込まれている。

・ローブには、魔力操作と身体強化の補助をしてくれて、ありとあらゆる衝撃を激減させる。

※おまけ機能として水洗いでどんな汚れも簡単に落ちます。



聖女の杖

1.5メートルほどの長さの聖女専用武器

・神獣の毛、牙、爪から、幻獣の鱗に牙、爪、魔物の鱗、毛皮、爪、牙、魔核など様々なモノを合成し、魔方陣を刻印したことによって完成した一式で、現在がどんな素材になっているのかはあまりにも混ぜすぎて強化されすぎて謎。

・わずかに緑がかった白い色の杖であり、頭部分には、丸い白金色の魔宝石がはめ込まれている。

・バトルスタッフとして殴ってよし、魔法発動時の魔法の補助としてもよしという万能となっている。

・軽くて頑丈、回復魔法と治癒魔法、浄化魔法発動時に負荷を半減させ、ワザを安定させてくれる。

・武器として使用する際、腕力を強化し、殴った瞬間に衝撃波が発動する。(威力は使用者の気持ちに依存する)

・登録者以外が触れると問答無用で魔力を奪い尽くし、邪な思いの強さに比例して悪運が増す呪いが永続的に付与される。

登録者:セイ・セイクリッド

※能天使(始祖)の羽が使用されているため、すべての聖属性の魔法の威力が2倍となり、天界とのつながりが強くなる。




セイ・ユウ「ぶふっ!!」


おや?

どうして、そんな顔をしてるんです?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ