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陰の支配者-私の保護者は猫と鳥-  作者: ミコト
最終章-異世界組攻略編-
174/177

異世界組 帰還後(地球サイド)

--シリル--

師匠によって無事に俺たち異世界組は故郷に帰ってきた。

そして、自分たちの身体能力のヤバさを改めて実感しつつも無事に家に帰り、事情説明は終わった。



で、それから半年ほど経過した。

師匠との特訓が予想外なところで影響していると知ったのは2~3ヶ月ほど経過したときだった。

まさかの高校卒業用課題を進めるペースがおかしいと言うことだった。

まぁ、気付いたと言うより父さんたちに言われて気付かされたというのが本当だけど。

1年の途中で飛ばされたから軽く2年以上の範囲だからものすごく膨大なはずなのにだ。

思考速度が上昇していたこともそうだが、翠さんによる勉強会はここでも役立っていた。


よくよく思い出すと、あの世界では使わないようなこちらの世界の高校生だと普通に勉強に必要な内容も普通に受けていた。

そのおかげで課題の半分以上は翠さんの勉強会の復習だった。


おかげで、俺たち全員半年経ったここ数日の間で卒業課題を無事に得ることが出来た。


そうそう。

俺の芸能界入りの話だが、シスターズおすすめらしい会社の一番偉い人の名刺に手書きで書かれてあった個人用連絡先にかけると1~2コールで社長さんは出てきて、俺の提案は速攻でOKになった。

後に聞くと、電話終了後、超ハイテンションで飛び上がって喜んでいたとか、その話を聞いて他の人たちも同様に喜び万歳三唱をしばらくやってたとか。

そのことに関しては、義父さんも快く応援してくれることになった。

芸名は、そのまま本名を言うのは辞めた方が良いと言うことで、俺のこっちの世界での二つ名である”ウルスラグナ”と言う名前にしている。

だが、基本はラグナと呼ばれている。

今は、相手方より声優と俳優として良くやるトレーニングやそう言う教育学校で学ばせるような範囲などが書かれた本を卒業後にすぐに活躍出来るようにと貰っており、それも暇つぶしという感じで使わせて貰っている。

何というか、趣味の延長戦だから勉強と言うより遊びの延長戦という感覚なせいで面白いくらいにするするとそれに書かれてあるスキルは身につけていった。

俺自身、実力があるため、同じ場所へ仕事に行く場合も、護衛代わりに一緒にいくことは非常に多い。

何せ俺がいたら、護衛探しも何も必要ないし、俺の演技で相手をはぐらかすのも容易い、何よりいざとなれば自力で相手を伸すことが出来るからお買い得だしな。


それと、他のクラスメイトたちも異世界電話でやりとりとしていたことが幸運となり、たいした説明なしであっさりとその日を終わらせることが出来たと聞いた。


そんな感じで俺は、卒業と同時に声優兼俳優という世間的には珍しい組み合わせで活躍させて貰っている。

元々俺を勧誘する声は多かったこともあり、一度活動を初めて見ると是非!とオファーがくるくる。

そして、終わった後もすごく好評だった。

ちなみにその間、エクレは必ず着いてくる。

と言うか、俳優として演技しているとき以外は常に俺の肩に乗っている。


すっかり、俺とワンセットが当たり前と周囲に認識され、可愛がられている。

一応人目のあるときに異次元収納は使わないように言っているのでただ賢い鳥という認識にとどまっている。

いつもおとなしくしていることと、指定された場所以外で決してトイレをしないことからどの店に連れて行っても怒られないような有様だ。

むしろ自分で人間用トイレでしているのが、エクレにとっての当たり前な光景。

とはいえ、一羽でうろちょろしていたら、ぱっと見はただのライチョウだから、見分けがつくようにと言う理由で、脚輪をつけている。

俺が身につけているバングルと同じ色合いの脚輪で、これも同じく師匠があらかじめ作ってくれていたらしくエクレの異次元収納の中に紛れていたので、ありがたく使わせて貰っている。

エクレも俺とおそろいと言うことで気に入っているようで時折自分でその脚輪を眺めてる光景を目にする。

後、ごくまれに何を考えているのか、エクレに文字や簡単な算数を教えているやつもいたりするのは余談。

・・・そのおかげで、家にいるときに絵本を読んでいたり、父さんの頭に載って一緒に新聞を読んでたりする光景をまれに目にしている。


そんな可愛がられているエクレだが、俺が芸能活動している時も常に一緒にいることから、俺とは別枠でアイドル扱いされていることにしばらくして気付いた。

で、気付いたときにはほんの少しだがエクレにもギャラが入るようになってたのには、驚いた。

こうしてエクレは自力でえさ代を稼ぐようになった。


セリカは、父さんの仕事の補佐をしながらヴァイオリニストとして異世界で貰ったあのヴァイオリンを使ってあちこちで演奏しているようで、扱う曲が趣味まっしぐらなおかげなのか、純粋なヴァイオリニストというよりは、オタクたちや、珍しい物好きな人たちに注目される少々変わったヴァイオリニストという認識になってる。

そのおかげですっかり幻想の音姫としての呼び名は日本全土に広まり、あちこちでそう呼ばれて顔をほんのりと赤くしている。

まだまだ呼ばれ慣れないらしく照れているようだが、そんなセリカも可愛いと思う。

セリカは、なにげに照れることが少ないから貴重だし。


まぁ、時折お馬鹿が迫ってくるらしいが、師匠に魔改造して貰った警棒でしばいているみたいだ。

おかげで、護衛いらずなので安心。

そして、あの小さくなった白いサソリのハルトだが、基本的に家の中でかごにも入らずにのびのびと過ごしているようだ。

セリカのご両親も最初は驚いていたがすぐにハルトと仲良くなっていた。

ハルトの身体能力は体の縮小にあわせて確かに弱体化していたが、野菜や肉を自前のはさみで切ったりするくらいは容易くしているので、普通のサソリよりは身体能力は高いようだ。

ニシキは、護衛としてそう言う体を張る仕事をしている。

まぁ、俺を勧誘していた会社の一部だけどな。

俺がもらった名刺の中で、そう言う関係のから連絡をして、俺が受けることが出来ないことをわびる代わりにニシキを進めてみた。

当然試験を受けてそちらで使えるかどうか判断してくれといった上でだ。

結果としては、是非!と言うことで、日々忙しそうだが楽しそうにしている。

そのため、職種柄、俺と行動を共にすることは多いし、俺を経由して同じ事務所のメンバーもニシキのことを覚えてくれて護衛としてまれに頼むようになったりしてるようだ。

そして、リーベさんが専業主婦としてニシキを支えており、外国人の美人妻としてそして、ニシキとの仲の良さはご近所さんからは微笑ましく思われている。

タクミとカナミだが、それぞれ主武器として扱っていた弓と薙刀の腕前を買われ、あちこちの道場で雇われ、転々と回りつつ、それらを教えているようだ。

この間驚かされたのは、どこから聞きつけたのかタクミの探知能力と弓の実力を買われ、外国のどこぞのお偉いさんが日本に在中する間の護衛として結構な額で雇っていたことだ。

その額には、タクミも顔が引きつっており、落ち着かないから額を減らしてくれと頭を下げて頼む光景は相手さんには新鮮に見えたらしく日本に来たときはまた頼むことにするよってことになった。

本当は、自国に連れ帰りたかったようだが、タクミが日本から離れたがらないことを事前調査で知っていたことでそう言う措置にしたようだ。

まぁ、相手さんも日本観光が趣味らしいので全く問題ないらしいし、それがきっかけで日本で仕事関係を含め、色々と良いことがあったようだ。


それと同様、ニシキも同じように雇われることは多い。

まぁ、ニシキの場合はお忍びで日本に来ていたどこぞのお偉いさんが大型トラックにひかれそうになったときにまさかのニシキはその人を抱えてよける・・ではなく、大暴走して突っ込んでくる大型トラックを真正面から受け止めてしまったのだ。

しかも、トラック側にも衝撃が来ないようにするという妙な気遣いをしている有様。


で、そんな光景を目にした彼は、驚きはしていたが変なモノを見るような目にはならず、純粋にすごいとしか思ってなかった。

ニシキから聞くと、ずいぶんと純粋な人のようだった。

日本に来たときは是非護衛としていて欲しいと頼まれるようになった・・というのが経緯。



他の物作りをあっちの世界でいていたメンバーはそれぞれの得意分野の技術系や刺繍系などの会社に入ったりと、良い意味で注目されているようだ。


みんなあっちの世界で頑張ったことが無駄にならずにいることがすごくうれしい。

そして、そんな力を鍛えてくれるように導いてくれた師匠には頭が上がらない。






それと、あれからしばらく経ってから知ったことだが、師匠はエクレにお金(なぜか日本円に換金済み)以外にも木材や石材、毛皮製品(種類は多数)、工具、絵、絵本等々とにかく大量にいろんなのを渡していた。

おかげでお土産としてクラスメイト全員に配って大変だった。

まぁ、さすがお師匠様と全員が苦笑いしてたけど。




で、そんな芸能人の仲間入りした俺だが、いつも身につけているバングルと自前の演技によって普通に素顔をさらしていても外で普通に買い物も遊びに出かけることも出来ている。

いざとなれば、車よりも速く動けるし速攻で敵をつぶせるから問題ないけどな。


この間、みんなと集まったときに体をたまには思い切り動かしたいと言うことになり、法律違反をしているような組織をいくつかつぶして回ったり、指名手配犯を見つけ出してトラウマを植え付けて警察に提出したりして回った。

殺さないように手加減するのが大変だった。

そのおかげなのか何なのか、それらの慈善活動というかバウンティハンターとして動くのは良い運動と判断した我がクラスメイトはたびたび隣の県とかに日帰り旅行代わりに悪い人たちをつぶしに行ったりしている。

そのため、シスターズからの情報で俺たちの活動範囲に絶対に近寄るな!という裏情報が回り、ものすごくびびって、国外に逃亡したり、あまりにも露骨でそのせいで見つかって捕まったりということがあり、今は日本国内はすごく平和だったりする。


あ、俺を勧誘していた警視庁の人だけど、そんな俺が信用するクラスメイトたちともコンタクトをとって、たまにその力を貸して欲しい、その分報酬は出すからという感じで俺も含め、時折情報交換をとっていたりする。

俺もだが、クラスメイトたちも遊び相手感覚でいるから嬉々として協力してるし、時折軽く模擬戦をしたりしてそんな彼らの実戦訓練をしたりしている。


以前の自分たちと比べるとずいぶんと物騒になったような気はするが、師匠を見習ってスルーすることにしよう。

一応無理はしないように言ってるし。

ちなみに余談だが、シスターズが密かにその警視庁のお偉いさんの娘さん(シスターズの一員)を経由して、その辺りの情報を集めたりしているので警視庁側の諜報組よりも情報収集速度が速くて諜報組は嘆いてると彼女の父親は苦笑いしていた。



そして気付くと、俺たち元異世界組は、様々な方面で超人扱いされ、俺たちが同じグループだと気付かれたかと思いきや、いつのまにか、超人グループ”シュロム”と呼ばれるようになっていた。

当然リーダーは、障害を打ち破る英雄”ウルスラグナ”と呼ばれている俺と言うこともあり、本物の超人グループと認められてしまった。

そう呼ばれるようになってから、更に日本にやってきた外国のどこぞの偉い人たちは俺たちに護衛とかを頼んだりする頻度が増えた。

まぁ、金はあるけどガンガン稼げてしまっている。

バウンティハンターとしての稼ぎも不定期だけどあるしなぁ。


で、貯まりすぎた金に関しては、外国の恵まれない子供たち宛だったり、不遇な運命をたどりそうになっている動物保護宛に募金している。

手元にいつまでも残してたりするよりは、良い使われ方だろう?



まぁ、そのせいで自称下僕が更に量産されたりしたけどな!

もう開き直って治安維持活動やるかまじめに働けと言って放置してるけど。

っていうか、それ以外にどうすれと?ないだろ?



それと、関係があるかないか微妙だが、俺の芸能人としてのプロフィールには既婚済みと書かれている。

あぁ、あっちの世界で結婚したが、こちらに帰ってきてしばらくして生活が落ち着いたところで市役所に婚姻届を出したから正式に結婚したんだ。

金はあったので結婚式はやるかセリカに聞いたところ、


「コスプレパーティ出来ればしなくていいや」


とのこと。

どうやら、彼女からすればウェディングドレスもコスプレの一種らしい。

で、やりました。


関係者を全員呼び出して、広い大部屋を間借りして全員で数時間ごとにいろんなコスプレに着替えつつ、金にものを言わせて様々な料理人にその場でいろんな料理を作って貰って楽しみました。

もちろん、写真はみんなで取り放題。

シスターズも参加を求めてきたので好きにしてくれとOKを出したところ、数分ごとに結構な人数が入れ替わり立ち替わり俺の写真を撮りながらやってきていたので彼女たちのネットワークによって俺のコスプレ写真が配布されているのだろう。

まぁ、色々と情報関係でお世話になってるのでその報酬と思っておこう。


で、既婚済みの話だったな。

一応声優兼俳優として動いてはいるがアイドル扱いな俺だ。

普通アイドルは結婚した段階で芸能界を引退することがほとんどだが、俺の場合は最初から結婚した状態で芸能界入りしたのである意味イレギュラーだった。

社長さんにも既婚済みだけど良いのか聞いたけれど、シリルに関しては、元々シスターズによって既婚済みだと知られている状態だから今更と笑っていたので許されてる。

と言うより、アイドルとして動いてるつもりは俺にはないから問題ないしな。






そんな感じで色々とドタバタしたり、いろんな意味でやらかしている俺たちだが、ある日全員で旅行に行こうと言うことになった。

そこで、チョイスされたのは動物園だった。

動物園自体中学か小学校の頃に数回行ったくらいでその後の記憶がほとんどない。

あったとしたら水族館の方だな。



で、いろんな意味で目立ってはいたが、特に気にせずに団体さんとして入場した。

まぁ、そのときに俺のファンがちょうど受付をしていた女性だったこともあり、嬉々としてサインを求められたのでサインを書いてあげた。

なんか、俺の大ファンだったらしくキャーキャー言いながら喜んでたよ?

後に、俺が中学の頃にシスターズに入会した人だと判明。


その後で定期的にいろんなスタッフからサインを求められて書きながら動物園を楽しんだけどな。

どうやらシスターズがスタッフの中に混じっていたらしい。


後に、そのサインを書いてあげた人の中にそこの責任者というか園長さんが混ざっていたらしく、記念館的なところにそれはそれは大事に俺のサインが飾られるようになるのはここだけの話だ。


・・・よくよく思い出せば、個人宛の分とそこの動物園宛のと2種類頼んできた人がいたな。

その人か。

そこそこ良い年齢のおじさんだったが、俺のサインを貰った後は、その場で飛び上がって喜んでたので、満面の笑みで飛んで喜ぶおじさんという珍しい光景を見たとしみじみとしたモノだ。

まぁ、同席していた他のスタッフのお姉さんが苦笑いしてたけど。


それで、どうせだから適当に口ずさむようにいろんな性別、パターンで歌いながら回っていたらスタッフどころかちょうどいたお客さんも俺たちの後をついて回るような感じとなり結構な団体さんになってしまったが、全員で楽しんだので気にしない。


で、いろんな動物を見て思ったことは


「黄昏さんとかハディさんとかに慣れちゃったせいかな?」

「あぁ・・だろうな。」

「・・小さい頃見たときはでっかいなぁとかすごいなぁとか、襲われたらひとたまりもないなぁとか思ってたけど」

「普通のわんこにゃんこくらいにしか思えないね。」

「だねぇ。今なら普通にライオンとか虎相手にでっかい猫じゃらしで遊べると思う。」

「じゃれつかれても普通に相手出来るな。」

「だね」

すっかり猛獣として見れなくなっていたことだ。


そのおかげで、ちょっとした事件があったが、俺たちとしてはたいしたことはなかった。

他の人からすれば大事件だけど。


と言うのが、どこぞのバカが様々な猛獣の檻を壊したり鍵を開けたりしたんだよ。

当然お客さんたちは大パニック。


そりゃそうだよな。

猫パンチ1つで軽く骨が折れ、爪が当たれば大出血になるんだから普通は。


けれど、運が良かった。

それは俺たちがいたこと。


実際、虎が走ってきたが、セリカが軽く殺気を放って強制ストップさせてから。

「伏せ」

「・・・」

「はぁ//もふもふ。虎をモフれる日が来るなんて最高//」

その場で伏せさせてこれ幸いと全身を撫で回してた。

まぁ、セリカ以外のメンツも混ざって撫でてたけど、周囲の人たちは絶句してたなぁ。

何せ、猛獣を一睨みで従順にさせてるんだからな。


ちなみに、虎はその間借りてきた猫状態ですっごいおとなしかったぞ?

途中セリカを背中に乗せて普通に自分で檻に帰って行ったし。


それと、猛スピードで暴走していたチーターがいたけど、俺が走って追いついてそのままその場に拘束して軽く威圧して同様におとなしくさせた。


そして、タクミには周囲を探索してやらかしたバカを探して貰った。

それに関しても驚かれたなぁ。

何せ軽々と電信柱の頂点までモノの数秒で登って周囲を見回して向こうにそれらしき人を見つけたと数百メートル先の人間の特徴まできれいに当てるんだから。

そして、逃げ道がないように他のメンツで動いて抵抗させる暇も与えずに速攻で捕まえた。


それからは、無理矢理情報を吐かせて関係しそうなバカもついでに捕まえてすっかりメル友になっていた警視庁のお偉いさんに連絡して丸ごとプレゼントしておいた。

まぁ、代表としてやってきたのはその娘さんでシスターズの1人だけど。


あぁ、この子が昔銀行強盗の時に助けた秘書の人がその場でひざから崩れて号泣してた人と一緒にいた子だよ。


まぁ・・捕まえて縄でぐるぐる巻きにしたアホ連中と猛獣たちをおとなしくさせて伏せさせているという光景には目を丸くしてたけど。

ついでだから、好きなように猛獣たちを触らせてあげた。

俺らが見張ってるから借りてきた猫以上におとなしいから心配無用だし。


そのときに同席していた他のお客さんも触ってたけどな。

お礼代わりにお金を渡そうとしてたけど儲けるつもりはないし色々とアレだったから断った。

だから、今回起きたことをむやみやたらとばらさないで欲しいとお願いしておいたら速攻でOKだったし問題ない。

そのときに俺のことを知ってた人が結構いてその場でコンサートもどきをしてすごい盛り上がったぞ?


けど、すべてのごたごたが終わったときに園長さんが泣いて感謝してたのはちょっと驚いた。

まぁ、気持ちはわかるけど。


下手すれば大事件で死傷者が出てた可能性だってあったわけだしな。


ついでのお節介として、メル友の警視庁の方と話をしてやらかしそうなバカは俺らの手で始末しておいたけど、さりげなく周囲の警備も強化をお願いしておいた。

報酬としては、俺オリジナルのドラマCD(作詞含めすべて俺作ということ)数曲分でOKと言うことになり、それを録音して渡しておいた。

そんなので良いのか疑問だったが、セリカたち含めて十分過ぎると言っていたので俺というブランドは思った以上に大物になっていたようだ。


それと余談だが、警視庁のお偉いさんだが、娘さん(名前はアリサちゃん)は、俺が声優兼俳優として本格的に活動し始めると、父親であるマサシさんとともに俺のファンとして活躍した作品は必ず見てくれているらしい。

そして、俺自身歌うことも出来るため、時折出演したキャラのCD(所謂キャラソン)を歌わせてもらい、それを売り出しているわけだがそれらもすべて購入してくれているのだという。

少し前に顔を売るのとあわせてサイン会をしてみたら、必ず来てくれたしその他にもものすごい数の人たちが来てくれたのを見て、改めて俺はいろんな人に良い意味で注目されているのだと実感出来た。

まぁ、シスターズは全員混ざってたらしいが。


で、そのキャラソンを経由して、社長さんからのお願いで俺オリジナルソングを社長さんがひいきにしているお得意さんの音楽会社に依頼して作詞作曲してもらったらしく、それらを俺お得意の虹色の声をフルに活用したオリジナルアルバムも作成したし、

様々な年齢層やジャンルにあわせたドラマCDも対応させてもらった。


どれもかなり好評で一時期はサイン会だけで日本全国どころか世界一周まですることになったりと色々と大変だったが、それだけ楽しみにしてもらえたのは素直にうれしかった。








そんなある日、俺たち元異世界組は毎晩寝るときがすごく楽しみだった。

その理由は、神様である桜華さんの計らいによって夢として師匠たちのことを知ることが出来るからだ。


そのとき見えた光景は、師匠とグリムが結婚の儀式を行い、うれしそうにほほえみあい、国全体で祝福している光景だった。

俺たちの声は届かないけど全員おめでとうと祝福した。

当然、神像(お祈り用にもらったやつ)に祈りを捧げて気持ちを伝えて欲しいとお願いもしておいたのでおそらく伝わってるだろう。


そのことに関しては、食事中に父さんたちにも言うと同じように神像へおめでとうの言葉を伝えて欲しいと祈ってたよ。

俺たち全員の命の恩人だからな。



俺は、本当に幸せ者だ。

可愛い妻がいて、

懐が広くて優しい両親がいて

騒がしくも楽しい友人がいて

可愛くて慕ってくれるファンがいる


そして、命の恩人であり、本当の意味で俺が俺としていることが出来るきっかけをくれた師匠。

師匠のことは、一生忘れないだろう。


師匠

俺はすごく幸せだよ。


だから、師匠

結婚おめでとう


そして、グリムとお幸せに



俺たちの声は届かないけれど、いつも見守っているよ。




最後に。

師匠の歩んできた人生は大変なことがたくさんあったのは知ってる。

けれど、今思えばそのどれも不幸ではあったけれど、無駄ではなかったと思う。


あの産まれて5年間の絶望が絶望ではなく幸福だった人生だったとしても良かっただろう。

けれど、あの5年間があるから不幸じゃない。

あの5年間を乗り越えたことを誇るべきだ。


だからこそ、みんな師匠を慕うんだから。




俺たちは、師匠の弟子であったことを誇りに思うし、

学ばせてもらったことはすべて無駄にしない人生を歩むよ。



どんなときでも全力で






だから、さよならは言わないよ。

またな、師匠。

今度会えたときは、思い出話をしよう。


これで、地球組は最後です。

次は、天界で見送りをした直後の、フリージアたちへ戻ります。

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