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陰の支配者-私の保護者は猫と鳥-  作者: ミコト
最終章-異世界組攻略編-
171/177

アルバトロス消滅後

--タクミ--

無事にアルバトロス殲滅作戦は無事に完了。

そして、被害者さんたちを送ったりルナールの都を改良したり増築したりと言ったことの手伝いをしたりしてドタバタしつつも無事にクラリティ王国に帰ってきました。



で、俺たちの故郷と連絡が取れることに驚いた張りぼてイケメンとクラスメイトたちを放置して現状報告を異世界電話を使って連絡したんだけど、シリルさんの大変身を見てシリルさんのご両親は大爆笑。

そして、あっちの世界ですでに俳優みたいなことをしてたことが判明して、張りぼてイケメンは完全にシリルさんに負け宣言してた。


「まぁ、スタントマン以外でも、俳優としてエキストラとしてでてたこともあるな。それは、俺の特技をスタントマンとしての先輩に雑談程度に話してたのを偶然聞いた監督さんが是非って感じで頼まれてたんだけどな。」

「すでに芸能人?」

「ちょい役さ、ちょい役。」


「で、なんで君はセリカちゃんを自分のモノ宣言してたわけ?セリカちゃんって幼稚園の頃にシリルを目にしてからずっとへばりついてたけど?」

「そうそう。ただの人間に興味ありません!って体現してたのに?全く相手してなかったのに?」

「うぐっ・・・俺が一目惚れして同じ社長の子供なら俺がふさわしいと父様に進言したことがきっかけです。」

「でも、その感じだと無理って言われたんでしょ?」

「は、はい・・ですが、当時の俺はシリル・・は、庶民のくせに社長令嬢であるセリカにまとわりついてる奴と思い込んでました。」

「で、頭の中で自分の嫁と決定した状態で敵認定してた訳か。」

「はい・・」

「一切相手されてなかったのも、まとわりついてたのはむしろセリカちゃんの方だったのも全く気付かずに」

「ぐふっ・・はい。」

「じゃあ、俺たちが言えるのはこれだけだ。」

シリル両親「ざまぁ!」

「ぐはっ!」



うわぁ・・さすがとしか言い様がない。

張りぼてイケメンを言葉責めしたあげく、とどめに最後の台詞。

しかも超良い笑顔。


「それにしても、ホントにやりきったのねぇ。やっぱりシリル。あなた前世の記憶がないだけで前世の経験はそのまま引き継いで転生したんじゃないの?」

「だからそんなわけないだろう。」

「いやぁ、その記憶すらもなく体が覚えてただけだろ?うんうん。」

「はぁ・・。」

「だが、フリージアちゃんってホントに強かったのねぇ。あんなすっごいのをたくさん作り出して国丸ごと何度も爆破出来るようなすっごいのを連発してたし、あんなにすごいペット?獣魔?ってのを連れてたし。」

「まさに世界最強なわけだ!」

「まぁ、師匠は別格だから。」

「だな!家の子をさらなるチートへ進化させたわけだしな!」

「そうね!そして、進化させるほどのね!」

「まぁ、蒼とか紫とかきつい色じゃなかっただけ不幸中の幸いだと思うさ。目の色はまぁ、ごまかしがきくだろうし。」

「いざとなればカラコンをつければいいわ。それか、カラコンですって言い張るかね」

「そうするよ。」

「それで、フリージアちゃんはさっきからものすごい量の書類をパラパラしてるけどどうしたの?」

「あぁ、アレ、あの国が所持していた異世界召喚に関する資料だよ。そのほかの資料も一応目を通してるみたい。」

「あんな速度で、見れるなんてやっぱりチート幼女なのねぇ。」

「だなぁ。見た目に騙されたら地獄を見るわけだ。」


お師匠様は、さっきからものすごい量の資料をエグい速度で目を通してる。

それも全部俺たちのために。



「だとしても、今回の件はホントに反省しなよ?お宅の親父さんなんかげっそりしてたよ?なんて言うか、ゾンビ?」

「ストレスの大半はあんたのやらかしだってみんな知ってるんだからね?」

「はい・・」

どうやら、張りぼてイケメンのお父さんは苦労を背負い込むタイプらしくそれはそれはげっそりとしていて病人以外には見えないという状態なんだとか。



「で、父さんと母さんはいつまで休んでるのさ?有休使ってるとは聞いてるけど」

「ん?あと1ヶ月は軽いぞ?」

「えぇ。過去数年間まるまる有休を使わずにたまりまくってたのよ。私たち2人揃って休め休めーって言われ続けてスルーして、今回のタイミングでたまりきったのを全部消化して来いってセリカちゃんパパに言われちゃったわ。てへ」

「むしろ、これは社長命令だって言われて休まされたな!あっはっは!」

「あぁ、そう・・。確かに、俺の記憶をさかのぼっても有休を使った記憶が確かにほとんどないな。」

「えぇ。だってシリル。あなたはロクな病気はしなかったし、なぜか土日とか祝日とかの休みの日だったりで仕事を休む必要もないタイミングばっかりだったんだもの。おまけに、シリルってば鍛えてるから1晩休めばそれで直るのがほとんどだったし。」

「それで言えば、シリルは手がかからなかったな。まぁ、手のかかる子守を経験したことないけどな!」

「そうか・・・。」

なんか、お師匠様とイリスさんと似たようなことを言ってる。

確か、お師匠様とイリスさんもイリスさんのご兄弟の王様に王権使って休めって言われてたらしいし。





あぁ、そうだ。

あれからアルバトロス消滅作戦の後だけど、あの処刑と罪状の告白を録画した魔道具はクラリティ王国が貿易や、情報交換などで関わったことのある全箇所へばらまかれた。

そして、各地からなぜか大量のお金が届いた。

どうやら、あの国から色々と迷惑をかけられていたらしくそのお礼だったり、つぶしたお師匠様に敵認定された人たちの中には、指名手配されてたり別の事件に関わっていたりなど何かしらの都合もあり、その辺りの報酬とかお礼も兼ねているらしい。

で、超大量に回収した中にある魔道具は、お師匠様たちエトワールファミリーは使わないと言うことでクラリティ王国が全部買い取ってくれることになった。


そんな感じで、集まった大金は今回の被害者さんたちや降伏宣言してきた城勤めの人たちへ分配されることになった。

けれど、どの人たちも受け取らなかったから、城勤めの人たちには金貨10枚ずつ、被害者さんたちには金貨15枚ずつ渡されることになった。

後、お師匠様手作りのマフラーと洋服屋さんのオカマのリーリスさんから買い取ったシャツと下着を3枚ずつと男性にはズボンを3着、女性にはスカートを3着ずつ無償配布された。

おまけに、ルナールで過ごすための家や家具なども全部今回の賠償金から出して用意された。

もちろん、セイちゃんによる治療もお師匠様によるメンタルケアも無償で、だ。


いやぁ、あっという間に忠誠を誓ってたよ。

まぁ、気持ちはわかる。

あれだけ無償で尽くしてくれるなんて普通はないよね。

おまけに、仕事も自分のペースで無理するなだからね。


そうやって、恩返し代わりに頑張ろうってことで、自身をありとあらゆる面を鍛えるようになるからクラリティ王国は実力者が扱っていき、正義に染まっていくんだなぁと実感した。



で、残ったお金は白金貨79枚と、金貨684枚。


それに関しては、俺たちで均等に配れって言われたけど、今回の件ですっっっごいお世話になったし、今も色々と調べて貰ってるからその報酬代わりに全部受け取って欲しいと全員で相談して伝えた。

そしたら、全力で頑張るねって言われ、受け取って貰った。

って言うか、あれだけお金配ったのにまだこんなにあることがすっごい驚き。

そして、そのお金はそのままルナールの都で有効活用されることになった。

城壁1つ1つに防衛用の結界を組み込んだり、硬度を強化したり撃退用の魔法を仕掛けたりと言った部分だ。

おまけ情報だが、城壁にかけている魔法は、どれを強くするか異なっていたりする。

一番外側が物理強度をメインに高め、その次に防衛用の結界という感じで、その周りを囲む川の周り半径数十メートル圏内に撃退用トラップを仕掛けてある。

で、1つ内側は、物理強度と防衛用結界はどちらも平均的で、その周りの川には、都の中の城壁すべての硬度や結界などの威力を高める効果がある。

更に内側は、防衛用結界をメインに高め、その次に物理強度を高めている感じだ。

それぞれの強さにばらつきをつけることで威力がより高まるようになっているらしいからどれも高めれば良いと言うわけではないらしい。

そして最後に精霊樹自身に、魔法と物理をどちらも防ぐ万能結界が張ってある。

それと追加で、悪意あるモノが近寄れば問答無用で魔力を奪い、精神へ直接ダメージを与えるトラップが仕掛けてあるんだとか。


で、この都には誰も気付かないくらいのマーキングがしてあるらしく、それらのマーキングをすべてつなぎ合わせることでそれらすべての結界の威力を倍加させ、内部に潜む悪意あるモノのすべてのステータスを半減させるって言う反則級の魔法が永続的にかけられているんだとか。


ちなみに、これらの結界や物理強度って言うか硬度に関しては、都に住む人たちが総勢で日々改良したり、外付けで更にトラップだの結界だのを追加したりしているので強化はされ続けている。


更に、お師匠様の十八番魔法反射もそれらの結界に込められているらしい。

しかも、何かしら細工をしたらしく、悪意を持って放った人の元へそっくりそのまま跳ね返ってくるんだとか。

おまけで、そいつか他の悪意あるモノへぶつかるまで跳ね返り続けるという超めんどくさい仕様。

それだと、関係ない人が巻き込まれない?

って思ったら、そのときはダメージにならず更に跳ね返るだけなんだとか。




そんな、魔改造されまくりな都だけど、その土地自体が聖地になってるから悪意あるモノが立ち入れば魔力操作の際の負荷が上昇し、善意あるモノだと精神的な癒やしがもたらされる。

しかも、精霊樹の存在によって聖地と同様の効果が重ね掛け状態になるから城壁の結界の効果とあわせればとんでもない威力となる。


何せ、城壁1つ1つが使われてる素材もエグければ使用されている魔法もとんでもないので、そこらの国よりも頑丈だったりする。



後に、癒やしの都と同時に鉄壁の都とも呼ばれるようになるのはここだけの話。



とりあえずは、元敵対組の根性のたたき直しかなぁ。

俺たちだけじゃ難しいからグリムさん・・は、忙しいからユウ君とセイちゃんにお願いしようっと。

特にユウ君は、とにかく経験が積みたいから戦闘系は遠慮せずにガンガンお願いしますってむしろ頼まれてたからお願いする。

ついでに、俺らの特訓も手伝って下さい。




俺たちは慣れたけど、元敵対組からはすっごい頻度で悲鳴が聞こえるけどお仕置きもかねて頑張れー(超他人事)



で、シリルさんのご両親とアレこれ話しているとお師匠様から超絶レアな肉声でぽつりと聞こえた。

「・・まどろっこしい。」

そう聞こえたかと思ったら、お師匠様の半分以下くらいサイズの人形・・通称影さんが現れた。

数は、1000体。


その数の影さんたちは突如として、10体を残して鳥の姿になったかと思いきや、どこかに飛び去ってしまった。

で、現地に残った10体とお師匠様は全部同時並行で同じ速度で資料を読みあさっている。



「え?何?何何?いきなり何が起きたの?」

「師匠が突然影さん・・あの人形って言うか、言ってしまえばゴーレムを作り出したんだ。」

「何でいきなり?」

もしかして・・途中まどろっこしいってつぶやいてたし、その後でいきなり影さんを量産。



「・・お師匠様もしかしてさっき飛び出していった影さんたちって全部教会に行ってたりします?」

(コクリ)

こちらに視線を向けずにただひたすら速読しながら頷いた。


やっぱり。

「なぁ、タクミ・・まさかと思うが」

「シリルさんが考えてるとおり、今あの数の影さんが全部教会の本を読みあさりに行ってる。」

ちなみに、俺たちは知らないことだけど、教会に行った影さんはサイズを小さくして増やせるだけ数を増やして同時並行で読む手数を物理的に増やしていたりする。


改めて思うけど、お師匠様はやっぱりすごい。

1人でとんでもない速度で読んでるのも驚きなのにそれをあれだけの数を同時並行で行えるんだから。











とまぁ、そんな感じで色々とドタバタとした日々を過ごしているんだけど、張りぼてイケメンが何というか妙なことになった。

「やぁ、シリル!今日もさわやかな朝だね!」

「あ、あぁ、そうだな。」

「今日も悪いけれど、模擬戦を頼むよ。午後は、国内で受けられる下級の依頼を受ける予定なんだ。」

「そ、そうか。」


えぇっと、何というかすっごいさわやかな笑みでさっきのやりとりがここ最近の普通です。

どうやら、しごきに扱かれまくった結果、何というか禊ぎ?にあったのか何なのか、余計な雑念が消え去ってさわやかで普通のイケメンにジョブチェンジしました。

ただのなりきりかと思ったけど、ユウ君もお師匠様も嘘はない、アレが本性と言ってたので、ホントに矯正されたらしい。



まぁ、やさぐれたり悪に落ちたりするよりはマシか。


・・ちょっと、胸の奥がムズムズするけど、いつまでもクラスメイト同士でゴタゴタするのはめんどくさいし。

で、他の元敵対組も最初はぎこちなかったモノの、最近は普通に会話が出来るくらいには慣れたと思う。

その分、お詫びなのか何なのか、この国のためになるような人助けというか慈善活動に力を入れるようになった。


誰1人欠けることなく、全員普通に良い人になった(矯正による)ことを考えるとさすが正義に染まる国だと思う。

言わないけど。

いろんな意味で怖いから。





そんな同時並行でとんでもない数の本をえげつない速度で読みあさって数時間。

一通り読み終わったらしく、お師匠様の周りで読みあさっていた影さんたちは全部消えたことから、外に出かけた影さんたちも同様に消したのだろうと判断する。

で、気分転換なのか何なのかセリカさんに視線を合わせたかと思いきや、

{セリちゃん、伸び縮みする棒を持ってませんでしたか?}

「ん?あ、これのこと?」

と言いながら、いつも太ももに取り付けていた伸縮性警棒をお師匠様に渡す。

確かそれ、セリカさんのお父さんが特注で作成依頼した完全フルオーダーメイドの奴じゃなかったっけ?

{後、あの大剣も貸して下さい。}

「良いけど、アレ私以外は持ち上がらないよ?」

{構いません。}

「ならどうぞ。」

そして、お師匠様に伸縮性警棒を手渡し目の前にあの魔剣らしい大剣を置く。

で、警棒を伸ばした後なぜかクルリクルリとバトンのように手首周りや首回り、背中を通したりと演じた後

{かなり大事に使い込んでいるようですね。}

「さすが師匠。これ、私が小学校・・えぇっと、10歳の誕生日に父様がオーダーメイドで作ってくれたんだぁ。」

そして、ジーッと大剣を眺めたりつんつんと指でつついたりした後、警棒と交互に見比べた後

{セリちゃん、この2つを改造しても良いですか?}

「ほへ?良いですよ?」

あっさりとセリカさんは許可出してたけど良いのかな?

と思ったけど、お師匠様のことを信じてるからこそだろうなと思い何も言わない。









それから、5日後

{お待たせしました。魔改造が完了しました。}

アレ?

改造じゃなくて魔改造って言葉に変わってるんだけど?

「わぁぁいぃぃ・・・?」

喜びつつも首をかしげてるセリカさん。

目の前にあるのは、どんな光も吸い込んでしまいそうなほどの漆黒の伸縮性警棒。

そして、セリカさんが手にとってシャキンと振るうと長さが1メートルまで伸びた。

伸びた部分は、黒銀の色に染まっている。

{魔力を注いで貰えば後はわかるはずです。}

「わかるの?・・・お?・・おぉ!」

よくわからないけどなんかわかったっぽい。

すっごい笑顔になってる。


「師匠師匠!これ!これって!」

{できる限りの改造を施しました。基礎ベースはあの魔剣で、見た目はご覧の通り持ち運びもかねてその形です。後、おまけ機能として魔剣の特性を利用させて貰いました。}

「リリちゃん!リリちゃん!鑑定!鑑定して!!」

「Yes!面白そうなので喜んで」







転化の魔剣

基本形態は、最長1メートルまで伸縮可能な警棒。

持ち手は漆黒、伸ばした部分は黒銀に染まっており、名無しの魔大剣へ、異世界産の様々な素材とアダマンタイトドラゴンの鱗と牙、ティグリスリオンの毛と牙を合成して作られた一品。

魔力を注ぐことで、重さを変化させることが可能であり、インパクトと同時に任意で衝撃波を放つことが可能。

衝撃波を突貫・斬撃・打撃・波状のいずれかに変更可能であり、威力の調整は振るう際の威力と並行している。

柄頭または、かしらと呼ばれる部分へ魔力を注ぐことで姿を切り替えることが出来る。

姿は以下の通りとなり、それぞれの形態により、衝撃波の種類の威力が1.5倍となる。

※他の衝撃波に関しては、すべて威力は1倍で均一。

形態:種類:サイズ

大剣:斬撃:2.5メートル

戦鎚:打撃:50センチ×1メートル(頭部分のみ)

鉄扇:波状:1メートル

大槍:突貫:1.5メートル


おまけ機能として、先端部分へ魔力を込めることで、【獄炎爆弾ヘルフレアボム】がすべての形態で使用可能となる。

また、威力に関しては先端部分へチャージした魔力量に応じて強化することが出来る。



獄炎爆弾ヘルフレアボム

基本は、【影爆弾シャドーボム】と同様だが、黒炎と合成することで威力が2倍になっている。






すげぇ・・・。

それ以外何を言えと?

実際にセリカさんが変化させてたけど、そんなに大量に魔力は必要ないようで軽々と変化させていた。

それに、それぞれの形態も使い慣れればかなり使い勝手は良く、基本的には警棒の状態でも十分対処可能みたいだ。

そして、そのおまけ機能を使ってみたところ、お師匠様が使う【影爆弾シャドーボム】に火属性が追加されたから単純に威力がアレより2倍とは言えないほどだった。

けど、魔力消費は威力が強い分高いらしくそんなに連発は出来ないっぽい。

そこを聞いていると改めてお師匠様のすごさが実感する。


しかも、元々は魔剣だったこともあって、セリカさん以外は決して持ち上げることが出来なかった。

と言うか、とんでもない兵器を作り出したのは良いんだけど、俺たちの最大の課題だった元凶アルバトロスの撃破は完了したわけだ。

後は、故郷に帰れるかどうかは正直俺たちでは力不足でどうしようもないから、何にもせずにだらけるわけにはいかないから鍛錬して依頼を受けるくらいだ。



それと、セリカさんは【感情強化】をいつの間にか覚えてた。

おかげで感情豊かなセリカさんがそれを扱うとどれも威力が桁違いに強化されるから今のシリルさん並みに強くなってる。

その証拠として、この2人がタッグを組んで、獣魔のハルトとエクレールで全力で戦うと、お師匠様の最大サイズの龍20体を相手に善戦出来るくらいだ。

特に、おまけ機能として搭載された【獄炎爆弾ヘルフレアボム】がエグすぎる。

魔力を少なく込めても軽く数メートルのクレーターが出来上がるし、時間稼ぎさえすればチャージするだけ威力が上がるから一撃で国と堕とせるし。


しかも、チャージショットはオタクのロマンでもあるからセリカさんが大はしゃぎ。

気持ちはすっっごいわかるけど。



で、合間にシリルさんはライブをしている。

実は、歌を楽しむという娯楽はこの世界だと吟遊詩人が演奏してひっそりと楽しむくらいでこうしてシリルさんみたいに一緒に踊ったり歌ったり歓声を上げるようなタイプはないのだとか。

それに影響して、実は密かにシリルさんみたいにライブ形式を取り入れる吟遊詩人が少しずつ増えだしているのだとこの間、教会のシスターさんに教えてもらった。


それと、シリルさんはライブが終わった後は必ず不確定だけどと頭につけて故郷に帰る可能性があることは告げている。

みんなさみしがるけどシリルさんの幸せを願ってくれるのを見ていると本当にいい人たちだなぁと思う。

そんなこともあり、最近ではシリルさんはサイン色紙以外にも自身の歌と踊りを記録した動画を録画した魔道具も並行して販売している。

値段自体は、銀貨1枚を下回る程度でものすごく安いけど、内包している音楽量は3桁は下る程度とはいえものすごい数だ。

シリルさん曰くほぼ原価で技術料は取っておらず、材料費だけなんだとか。

しかも、同じくシリルさんが出している絵本の利益(手元に来る分)を使用しているから材料費と言ってもそんな値段に出来るんだとか。

実はここだけの話、材料は魔道具のスペックと頑丈さを考慮してかなり良いものを使っているらしく、そうなると値段も跳ね上がるからばれないようにポケットマネーでそうしているんだとか。


・・・だと言うのに、さすがはシリルさんと言うべきか、それらを購入するファン(まぁ、買わない人は現状皆無だけど)は、銀貨1枚どころか2枚3枚と平気で多めにおいていく。

人によっては、金貨を満面の笑みでおいていく猛者もいたりする。

まぁそう言う人は、大抵親子揃ってファンだったり貴族だったりするけど。


とまぁ、そんな感じでここ最近のシリルさんはファンサービスもかねてライブを結構頻繁に行ってる。

それに、この国の魔術師団の団員さんもせっせとその動画の魔道具を量産しては、各地にすっごい大量にばらまいては売っているようだ。

そちらも値段は同様。

まぁ、こっちに関してはシリルさんのポケットマネーではなく、お師匠様が出してくれてるんだけど。

彼女は彼女で、刺繍とかでシリルさん以上に稼いでるからそういうのは容易いらしいし、その他の分で結構稼いでるからねぇ。

なにせ、そこそこの頻度で盗賊というか賞金首の巣をつぶしに行ったり、裏組織壊滅をしてたりスタンピートのなりかけからしっかりとスタンピートだと言えるほど大量発生してたりする魔物の殲滅などをしてるから一気に大金が集まったりすることもあるし。


まぁ・・・その対応も鍛錬の1つとして俺らがやってたりするんだけど。

むしろ、鍛錬代わりにどこぞの組織つぶしてこいとかどこどこの魔物の群れをつぶしてこいが結構多いし。


おかげで、実力はぐんぐん伸びるね!

その分疲れるけど!




そして、そんなアイドル活動に忙しいシリルさんを見て改めてクラスメイトたちはさんざんシリルさんの日本での活躍を耳にしていた部分が真実だと理解したようだ。

なにせ、ファンサービスもファンとの受け答えもすっごい手慣れてるしね。

まぁ、日頃お兄様と呼ばれ慣れてるシリルさんだとファンも自称妹も似たようなモノなんだろうけど。



「シリル君って・・・ホントにアイドルなんだね・・。」

「信じてなかったの?」

「・・と言うより、現実を受け入れるのを私の中の何かが拒否してたというか・・その・・」

「あぁ・・同級生が芸能人もどきだって驚いて現実逃避してたと?」

「うん、そう。」

「と言うか、なんで勇二に惚れてたの?あそこに見た目も中身も超人イケメンがいるのに。」

「えぇっと・・・何というか、今思えばあの自信満々で強気なところと、顔が良いから一目惚れみたいなモノだったのかなぁっと。」

「あぁ、ナルシーで、俺様なところが良かったと。で、シリル君よりも先に見つけたからそっちの方がかっこいいと思い込んで周りを見なくなったと?」

「うぐ・・はいそうです。」

「今度からきちんと周りもみなよ?じゃないと、騙されたあげくに最悪な人生歩むことになるよ?今回は私たちが・・と言うより、シリル君が間に合ったからトラウマを受け付けられるだけで済んだけど下手すれば殺されてるか、奴隷か奴隷もどきになってたか、あの傲慢王の使い捨ての駒として過ごしてたんだよ?絶対ロクなことなかったからね?」

「うん・・ホント気をつける。・・それにしても、お師匠様ってホントにすごいのね・・。」

「でしょ?見た目に騙されたら地獄を見るよ?」

「うん・・見ました。マジで死んだ方がマシだと思った。」

「だろうねぇ。元からチートだったシリル君をあそこまで魔改造したのは、お師匠様だし、この国で最強で天才の魔法使いだし。それとわかりやすいところを言っておくと、ユウ君よりも圧倒的に強いからね?」

「あの勇者様よりも強いんだよねぇ・・。今となってはすごくわかるけど・・何せ、あのとんでもなく強いシリル君とセリカちゃんのペアどころか私たちクラスメイト全員と戦っても1人で勝っちゃうし、とんでもなく強い獣魔が何体もいるし。」

「そのうち1体は神獣だし、別の1体は、緑の災厄パンドラだしねぇ。」

「・・ホントそれ。あの国の本でも見たよその噂。・・・色々あって言わなかったけど、あの傲慢王が・・と言うよりあの国の王族はかつてその緑の災厄パンドラに故郷を滅ぼされた生き残りだったんだって・・しかも、逃げた先で王族になったあいつらは、滅ぼすことになった原因の血縁者だったとか。」

「何で生き延びてたか、書いてあった?」

「偶然留学とかでよそに行ってたところで緑の災厄パンドラによって滅んだと聞いて速攻で家族を捨てて、逃げたんだって。」

「あぁ・・元から屑だったんだ。で、逃げたあげく、その子孫はやはり国ごと滅んだと。」

「未来の先延ばしだったんだね・・。」

「ホントにね。さて、休憩終わり。これから、教会に祈りに行ってからギルドに行くんだけどどうする?」

「あ、私も行く。・・私たちの未来はお師匠様にかかってるんだよね。」

「そうだね。正直こっちの世界でもそこそこ1人で生き残れはするし楽しいし、連絡は取れるからそこまで不安はないんだけどね。」

「うん。私も異世界電話で話が出来たから、少し気が楽だよ。」


画像は基本、作者の気まぐれです。

思いつけば追加されます。


思いつかないと増えません。

ある程度のご要望は受け付けます。


ただし、限度はあるのでクオリティに関してはアレこれ言わないと言うのが条件となりますが(笑)


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