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幸運のお守りと初めての指名依頼

ランク:E

名前:フリージア・クラリティ・エトワール

性別:♀

年齢:5

種族:半異世界人

職業:賢者、協奏師

称号:絶望を知る者、幻獣の家族、変態紳士ロリコンホイホイ、英雄賢者の正統後継者

属性:陰

体力:D

魔力:A

攻撃:F

防御:E

俊敏:F

練度:A


技:【影操作】【魔力反射】【念話】【奉納】

自動技:【圧縮記憶】【思考速度上昇】【並列思考】【心の瞳】

魔道具:賢者の杖、教会の腕輪(EX)、幸運のイヤーカフ

写真:フリージア・エトワール、ペチュニア・エトワール


契約

【幻獣】八咫烏:カルナ

【幻獣】ガルディエーヌ・キャット:シャスティ

【妖精】オニキス・ゲル:スイ


加護

ペチュニアの溺愛、ペチュニアの過保護、元英雄賢者/現神様のお気に入り、下位精霊の親愛





【奉納】

強く祈り願うことで神様とペチュニアへ渡したい品を捧げることが出来る。

強く祈ることが出来れば場所は問わず、品に関しても制限はないが、嫌がらせなどに関しては一切使用出来ず、対象も元英雄賢者である神様とペチュニアのみである。

捧げるとその間、教会で祈った時と同じ現象が発生する。



幸運のイヤーカフ

六芒星の形をしたイヤーカフ。

ブラックシープと呼ばれる真っ黒で、大変頑丈な羊の糸を限界まで紡ぎ、編み込んで作った黒い紐で繋げられている。

糸麻の葉紋と呼ばれる模様の切子であり、色は紫苑色。

破損せず、汚れも穢れもしない魔法が込められている。

万が一、落としてしまっても地面にぶつかる前に身につけた人のポケットやバッグに自動的に収納される。

身につけると心の黒い相手が近寄ると通常より相手の全てのステータスが3割減する。

おまけ機能として、他者から自身のありとあらゆる情報をのぞき見しようとした場合、探りの度合いに合わせて頭痛を強制発動する。(探りが深ければ深いほど頭痛はひどくなる)

悪霊退散!悪意殲滅!!

※既にステータスののぞき見防止の効果を持っている場合は、その威力と同時並行でこちらも行使される。(世間的には倍加とも言う)




ブラックシープ

全長5メートルはある超巨体な真っ黒な羊。

毛は自身の体の2倍はあるので更に巨体に見える。

大変頑丈で、大抵の攻撃は物理でも魔法でも効かない。






おぉぉ~。

よくわかんないけど、悪い人が私とラウさん、イリスさんに近寄ったらそれだけでいつもより弱くなっちゃうんだね。

これはすごい。

これって、神様とお母さんにプレゼントして精霊さんたちに手伝ってもらった(神様同様祈ってお願いしただけ)からその影響って考えた方が良いよね。

かなり喜んでたからなぁ。

まぁ、いいや。

で、カルナからはステータスの偏りが半端じゃないとか職業的に仕方がないとは知ってるがとかつぶやかれてるけど気にしない。




その後、カルナたちにはなぜか苦笑いされた。

でも気にしません。

お母さんが喜んでくれたんだもん。



それからは、お宿に帰ってお風呂やご飯と済ませてお月様や夜空を眺めながら夢の中へ旅立ちました。








-ラウ-

いやー

うん。

色んな意味でフリージア様には勝てる気がしないわぁ。

と言うより、何度心臓を止められたことやら・・・まぁ、最高だったけど。

どこかの誰かが君の瞳は百万の雷とか言ってたけど、分かる気がする。

最初聞いた時はそんな攻撃的な魔眼があるのかあと戦慄していたが、改めてそんな状況に陥るとすっごい納得した・・・確かにそのくらいの威力があった・・・うん。


お兄ちゃんと呼んでもらえたし、あの笑顔を近くで正面から見れたし、おそろいでプレゼントまでもらったし。

なんとなくだが、表情がわかりやすくなった気がする?

一応カルナさんに聞いてみたが、それは俺がフリージア様の表情を理解出来るようになったんだと。

確かに笑顔が以前より増えたのは確かだがと追加で言われたけど、笑顔が増えても無表情がデフォなのは変わらずってさ。

そうか・・気づけば俺・・やっとフリージア様のことを少しは分かるようになったんだな。


それに・・・良い子だよなぁ。

イリス様とおそろいで、ペチュニア様ともおそろいにしたいからってペチュニア様の髪の色を選ぶんだもんなぁ。

それに、無表情でもかわいいんだよなぁ。

結構仲良くなれたと思うんだ俺。

実際、町中では結構な頻度で手を繋いで歩いてるし、フリージア様がお昼寝する時は結構な頻度で俺の膝を枕にしてたり膝に座ってとスキンシップが増えてきたと思う。

あまりにもその行動がかわいくて撫でてしまうのはしょうがないと思う。

抱きしめは、してないぞ?

本当だぞ?

それは、緊急時だけって決めてるしな。


・・って言うより、色々とよろしくないからな・・うん。


って言うより。俺が今のフリージア様くらいだった頃は近所の友人と遊んでばっかりだったからなぁ・・余計にすごいと思う。



・・・・なのは分かるが、最近なぜに俺はフリージア様と一緒のベッドで寝ているのだろうか?

確か数日前にふらりと俺の寝床に潜り込んできてそのまま寝ちゃったのが始まりで、それからと言うモノ、潜り込んでくる頻度が徐々に数日に1回の間隔が狭まっていき、気づけば毎日、そして、最終的には潜り込むどころか最初から一緒のベッドで寝るようになってしまった。

・・ちなみに、野営中は、夜の番もあるからムリ・・・なんだけど、翠さんをベッドにしつつも必ず俺の脚にしがみついてる・・さながら俺の脚が抱き枕という感じで。



・・・良いのだろうか?

カルナさんたちは最初は女の子が~って感じで言ってたが、珍しくさみしそうな表情をしてるのを見て全員が折れた。

で、フリージア様が甘えるようになったって意味でもあったから俺は、自称心の中のみで兄を名乗ってるつもりなので一緒に寝ている。

それで、わかったことはフリージア様は抱き枕派のようだ。

全身で抱きついてくる。

しかも、俺は正面を向いてないとするりと正面に移動してくる。



今は微笑ましいとかかわいいだけで済んでるが・・・成長したら色々とまずいのではないかと思うのは俺だけだろうか?

ん~

カルナさんたちがそれを考慮しないはずないしなぁ・・・まぁ、思春期とかで自然と離れるだろうということで自分に言い聞かせて今のうちにその辺りの耐性をつけてフリージア様に欲情して欲望のままに襲い掛からないように(無自覚含む)しておこう。



で、それは置いといて。


さて、多分いけると思うが。

報告書にこのイヤーカフをくっつける感じで・・・こうやって・・。

よし、送信!

お、いけたっぽいな。

駄目ならこの場に残るはずだし。




よ、よし

心を落ち着けて・・と言うより色んな意味で覚悟を決めて通信の魔道具を起動!


-ふぉぉぉぉぉおおおおお!!!!!!!!-

・・・・・・ヤベぇ。

イリス様が変なテンションになってる・・・って言うより、壊れた。

-リアちゃんマジ天使!!うれしくて国から逃亡したくなる!!-

「止めて下さいよね!?」

やべぇ・・マジヤベぇ・・テンションがおかしくなってる。

-分かってるってラウ。ナイス!-

・・アレは言わなかったらかなりの高確率でホントにやらかす感じだった・・うん。

って言うより、最近報告する時のイリス様・・ってさぁ・・・俺の知ってるイリス様じゃなくてペチュニア様がイリス様に取り憑いてるのかって思うほどなんだけど。

ホントに大丈夫なのか?

「え、えぇっと・・無事に届いて良かったです。理由はそちらに記載したとおりです。」

-うんうん!ホントに良い子に育ってるみたいだね!ナイス!リアちゃんのお兄ちゃん!-

うん・・イリス様はうれしさが一定基準を超えるとペチュニア様っぽくなるとわかった・・うん。

って言うより・・あれ?

「あの・・・リア様というのはフリージア様のことでよろしいですか?」

-そうだよ?フリージアちゃんの愛称リアちゃん!ペチュニアさんならきっと愛称をつけて溺愛しそうだったから僕なりに考えてみたんだ。良いと思わない?-

何かの偶然か?

「良いと思いますよ。それと・・・・きっと考えそうではなく、実際にそうお考えでしたよ?ペチュニア様・・」

-え!?どういうこと!?リアちゃんが神様に溺愛されてるのは知ってるけどその関係?-

俺は、そのイヤーカフが魔道具になったことと、それまでのやりとりを伝えた。

「と、天界へ無事に届いた際にそのように聞こえたとのことでした。」

-なるほどね。ペチュニアさんならそのくらいは神様でも平気でやらせようとするよね・・・きっと。-

「どうやら、神様とは兄妹のようなやりとりになってるみたいだとも聞いております。」

-ペチュニアさんはこう言ったら失礼だけど、この世から旅立った後からすごく活き活きしてるような気がするよ。・・僕としては、ペチュニアさんとリアちゃんと3人で楽しく暮らしたかったと願ってたけど・・・-

俺も、内心ではイリス様の意見と全く同じ気持ちだった。

けど、イリス様が最後につぶやいたことにどう言ったら良いか分からずに何も言わなかった。

-とりあえず、リアちゃんにお礼を言っておいて?これは、十分しっかりしたお守りになるし、普段からつけていても全く問題ないくらい良いデザインだよ。それと、これは表向きラウに僕が注文しておいたのを届けてもらったという理由で周りには聞かれたら答えておくね。-

「かしこまりました。フリージア様にもそのように伝えておきます。」

-よろしくね。本当は僕からも何か贈り物が出来ればいいんだけどねぇ・・-

「実際にお会いになった際にたくさん甘やかしてあげて下さい。プレゼントを渡すよりきっとお喜びになりますよ。」

-そうだね。そうするよ・・そういえば、今はヴェールにいるんだっけ?-

「はい。明日まで観光をし、その後は数日ほど依頼を受ける予定です。」

-そこだったら、どこかから地下に続く採掘場があるらしいよ?-

「採掘場ですか?」

-うん。と言っても、壁を掘ってとか削ってじゃなくて、鉱石とかで出来た人型ゴーレムがわんさか沸いてくる場所なんだけどね。ん~正しくは鉱石の人型ゴーレムだけが出てくるダンジョンみたいなモノかな。-

「何階層なんですか?」

-全部で10階だよ。と言っても1階層でそこの町の半径プラス200メートルはあるくらいすっごい広いところでね。他のダンジョンと違って一気に一番上に戻るような転移の魔方陣なんてないし、ダンジョンコアを壊せばダンジョンが消えるなんてこともないんだよ。不思議でしょう?-

「ダンジョンコアの存在しないダンジョンという認識でよろしいのでしょうか?」

-うん。話しによるとそこからすっごい地下深くにマグマがあるらしくてね?おまけにそのマグマはあり得ないくらい魔力が籠もってるらしいんだ。それとは別にどこからともなく魔力がその空間にのみ溢れてるからそれらが混ざってこうなってるんだって。-

「そうだったんですね・・と言うより、そこからゴーレムが出て行ったりしないのですか?」

-らしいよ?行動範囲が決まってるらしくて一定の場所には近づかないんだって。後、数がある程度増えたらゴーレムの謎量産はストップして、適当なタイミングでまた増えると繰り返してるみたい。それに、ギルドマスターがそこをしっかり管理してるからいざって時も安心だよ。-

「なるほど・・そこを利用することは可能なのでしょうか?」

-これ、かなり内緒なことだからね。多分ギルドマスターとか教会の神父さんとかそう言うレベルの人たちしか知らないから下手に喋ったり聞いたりしたら色々ヤバイよ?あるとすれば向こうから秘密裏に指名依頼をされる時くらいかな。当然、絶対に内緒って誓約書を書かされるけど。-

「では、変にフリージア様たちには言わない方が良いですね。」

-その方が良いよ。あぁぁあぁ・・・早くリアちゃんに会いたい・・-

「せかさないで下さいよ。一応港町までは大陸全体の2~3割を切るくらいのところにはいるんですから。それに隣の大陸じゃないですか。」

-そうなんだけどさぁ・・-

「長く楽しみだという気持ちが続けば続くほど出会った時の感動は大きくなるらしいですよ?」

-そうだね。今はこうして報告を楽しみにしてる程度に止めておくよ。それに、こっちでも色々と手回しをしてるところだから。-

「手回し?・・とは?」

-父上と、兄妹たちにね。-

「・・大丈夫なんですか?家族仲が良いのは知ってるのでアレなんですけど・・・」

-周囲の奴らには言ってないよ。それに内緒だって言ってるし、ペチュニアさんの愛娘だから嫌でも分かってるだろうし。-

「あぁ・・・怒らせたら文字通り町が全部ぼろぼろになりますからねぇ・・」

-それに、僕も常に即効性のある猛毒の瓶を持ち運んでるからね!-

「ちょっ!?」

-あはは!せいぜい僕を殺さないでくれよ?-

その冗談・・・笑えない・・。

でも、マジでやるからなぁ・・イリス様って・・・。

-けど、これまでの報告をダイジェストにまとめて写真付きで見せたらみんなあっさりとリアちゃんの仲間になったよ?-

「さすがフリージア様・・・過去が過去だけにとことん無関心なのでどんなことにも全スルーするんで、フリージア様のそのやりとりがホントのお姫様だとかどこぞのお嬢様だって言われてますからね・・。」

-なるほどね。まぁ、あながち間違ってはいないよ。-

「あはは・・あ、そういえばフリージア様は魔眼を開眼したようで、左目が銀色に変わってました。」

-そんなことに!!?オッドアイのリアちゃん超見たい!!けど、写真は多分次以降はそうそう撮らないだろうしなぁ・・うぐぐぐぐぐ!!!-

思い出したように言ってみたらすっごい食いついてきた。

フリージア様ラブだから、思い返すとこうなるのも当たり前か・・。

-次に会うまでのお楽しみかぁ・・・でも、さすがペチュニアさんの娘だね。-

「はい。」

-どういう類いの魔眼か聞いてる?-

「どうやら、善悪がある程度細かく分かるようです。後は、魔力を視認出来るとか」

-リアちゃんにぴったりだね。それって自動発動の類い?-

「はい。常に自動的に発動してるようです。」

-これからの旅に安心な能力だね。でも、油断したら駄目だよ?-

「もちろんです。」

-あ、そろそろ-

「はい。では、失礼致します。」

と言ったところですっごい大事なことを思い出した。

「あぁ!申し訳ありません!」

-ん~?どうしたんだい?何か報告忘れでも?-

「はい。1件かなり大事なことがありました。」

-珍しいね?ラウが忘れるなんて。-

「それに関しての対処はかなりあっさりと済んでいたのでこちらも忘れておりました。」

-なるほどね。それでどうしたんだい?-

「はい・・実は、フリージア様の名前に”クラリティ”のミドルネームが表示されました。」

-ぶふっ!!-

何かを噴き出した音が聞こえた。

だよなぁ・・俺も多分同じことすると思う。

-ゴホッ!ゴホッ!-

「あの・・・申し訳ありません。・・・大丈夫ですか?」

-あぁ、うん。大丈夫・・ケホッ。どうして出てきたのか教えてくれないかい?アレは、僕が出来る範囲の全力を持って対処させたからそんじょそこらの上級レベルの冒険者が数人程度じゃどうにか出来る代物じゃないんだけど-

「あぁ・・実は・・」

俺は、その名前が出てきた時の状況とフリージア様から聞いた状況を丸々伝えた。

-はぁ・・・・ペチュニアさん・・・そんな楽しそうにどうしてしれっと壊しちゃうかな・・・色々と騒動に巻き込まれるから隠してたのに・・後、僕の身分とかをサプライズに隠してるのに-

まさかの隠してる理由の一部がサプライズだった・・。

それは置いといて・・だよなぁ・・やっぱりそう思うよなぁ。

でも、ペチュニア様だからで納得出来る自分もいるんだよなぁ・・。

-あぁ・・ち、ちなみにリアちゃんはどうだった?-

「普通にスルーされました。とりあえず通常のミドルネームよりも上位のモノとだけ伝え、基本的にはギルドカードの機能で常に隠しておくようにしております。幸いなことにかなり高度ののぞき見防止関係の加護を授かっているようですのでばれる心配もほとんどないかと思われます。」

-了解した。さすがだね。じゃあ、僕のことはまだバレてないんだ?-

「はい。フリージア様が全く気にしない性格でこの時ばかりはよかったと思いました。・・・ちなみに再度表示させないようにそちらで対応していただけるのでしょうか?」

-たぶん無理だね。-

「そうなのですか?」

-僕とその関係者たちの全力でかなり時間をかけてやったのをあっさりと壊しちゃってるからやったとしてもまた同じように壊されるだけだよ。とりあえずは、ラウのその対処でどうにかなってるからそのままって感じだね。-

「承知いたしました。」

-じゃあ、もう大丈夫だよね?お兄ちゃん?-

「・・・はい。報告漏れもありません。」

さりげなくお兄ちゃん呼びはやめてくださいと心の中でツッコミを入れる。

口には出さない。

てか、出せない。

-じゃあ後はよろしくね。-


そう言って切れた。





はぁ・・俺も寝るかぁ。



ちなみにその翌日。

朝食の時間に色々と話をしている内に俺やカルナさん、シャスティさん、翠さんも全員フリージア様のことをリア様と呼ぶようになった。

実は様付けと敬語もやめてくれと言われたけど、既にフリージア様・・じゃなくて、リア様って様付けと敬語ではまったから変えようにもムリなんだよなぁ・・

と、説明してどうにか分かってもらえた。

それと、リア様の敬語はカルナさんが言うところの虚勢術だとか。

・・・過去が過去だからなぁ・・・。





-フリージア-

翌朝


身仕度を整え、朝ご飯を食べてからギルドへ向かいました。


最近、ラウさんに甘えたくてしょうがないという気持ちがいっぱいでちょっと大変。

だって、ある日の朝、起きたらラウさんに抱きついてる状態で寝てたんだもん。

それが数日経つごとにその現象が起きる間隔が短くなってって、最終的には毎日になったから潜り込むくらいなら最初から一緒に寝ちゃおうと言うことで一緒に寝ることにしました。

ラウさんって抱きついてたら心がほわほわするの。

でも、背中は、や!

真正面から抱きしめて欲しいの。

ラウさん大好きなんです。

この好きはどんな意味の好きかは分かんないけど、気にしない。


それはさておき

その時、ラウさんからイリスさんに無事にイヤーカフを届けることが出来て、すごく喜んでたって代わりにお礼の言葉を聞いた。

で、その時にお母さんと同じく私のことをリアと呼んでたらしい。

お父さんもお母さんのことを考えてそう考えたんだとか。

それをきっかけに、みんなから私はリアと呼ばれるようになった。

と言っても、私が家族と思ってる人たち以外にそう呼ばれても返事なんてしないけど。

だって、愛称って仲良しの人にだけ呼ばれるためのモノなんでしょ?





道中、果物屋さんを営むおばさんや串焼きを売ってるおじさんに餌付けされたりしたけど頭を下げてお礼したらなぜか頭を撫でられた。

それはさておき

ギルドに到着しました。

お買い物とか観光をするつもりだったけど、昨日ある程度見て回ったし、朝ご飯の時にラウさんに昨日見たのでどのくらいの範囲なのか聞いたら他のお店は似たり寄ったりって聞いたからもう良いかなってことになった。

このイヤーカフが手に入ったからそれで満足だし。

後は街を出る前に消耗品関係とか食料で買わないと駄目なのを買ったりするくらい。


で、色んな依頼を受けた方が私にとっての初めてがいっぱいって言うのと、お勉強にもちょうど良いってことでこうなった。


現在はラウさんに抱っこされてます。

理由は、文字は読めるけど依頼が書いてある用紙がまとまって貼り付けてあるボード?掲示板?って言うのが高くて見えないからです。

申し訳ないなと思ったけどラウさんはどこかうれしそうだったので気にしないことにしました。

私が基本無表情だから他の人ってすごくわかりやすいんだよね。


「この町ならではの依頼を受けたいんですけどねぇ・・」

「そうなると鉱石や宝石関係・・か?」

「はい。採掘関係か、それに関連する魔物の討伐などがあれば良いと思ったんですけど」

「確かにな。後は、そう言う土地でしか生えないモノの採取とかかな。」

「あぁ、モノによってはありますね。・・なければそっち関係にしますか?」

「だな。後数日はここにいるわけだし。」

ラウさんとカルナが受ける依頼についてずっとお話ししてる。


どうやら、この町だけの依頼を捜してるみたい。

気にしないでどれか適当でも良さそうな気がするけど、私に少しでも多く色んな経験をさせる為に捜してるらしいから言わずにおとなしくしてます。

それと、周りの人たちは私を見て微笑ましそうに見たなと思ったら私の腕?辺りを見て驚いた顔をして私に近づこうとしていた人たちを片っ端から止めて何かお話ししてた。

そのお話を聞いた後、私の腕を見たその人たちはまた驚いた顔をして後ろに下がるを繰り返してる。


私の腕に何があるんだろうね?

・・・・・あ、教会の腕輪ですか。

確かこれをつけてる人を怒らせたら教会の関係者が全員敵になっちゃうっていうのだっけ?

しかも私のは最高ランクらしいし。


まぁ、良いか。

いっぱい来られてもどうしていいかわかんないし。



で、しばらくするとそんな慌ただしい周囲の人たちが静かになった。

表情が何でこの人がここに?という顔をしてる。

その人は私たちに近づいてきた。


細身で40代くらいの男の人。

すごく強そうな人だなって思う。

で、それに気づかないラウさんたち。

私はラウさんの腕をちょんちょんと指で突っつく。

「リア様、いかがなさいましたか?」

私はそのおじさんがいる方へ指さす。

「あっちですか?・・・・・・えぇっと・・・どちら様で?」

ラウさんがその人に質問。

「ほう・・そこのお嬢さんは俺の隠密をあっさりと無視して見つけたな・・これは将来に期待だな。・・で、俺はここのギルドマスターのネクターだ。」

ギルドマスターさんでした。

何でその人が私に?

「それで、いかがなさいましたか?」

ラウさんが警戒する表情になった。

「実はだな。君たちに指名依頼をしたいと思っているんだ。」

周囲がすっごいざわざわしてる。

「どうして俺たちなのでしょうか?俺は、この間Cランクへ昇格致しましたが、リア様はまだEランクです。俺たち以上に優秀な方は大勢いると思いますが?」

「俺はそうは思わないな。」

「なぜですか?」

「まず、君は・・・ラウ君はCランクに認められるほどの実力者だ。しかも、そっちのお嬢さんの獣魔たちはかなり優秀だと見ればわかる。それに、カタクリの英雄パーティほど素晴らしい実力者はいないと思うが?」

またもやざわざわした。

「よくご存じなのですね?」

「ギルドマスターだからな」

「ですが、個人情報を公の場でベラベラと喋らないで頂けますか?」

ラウさんが軽くキレてる。

「これは失礼。では、詳しい話しを向こうで良いかな?報酬は弾ませてもらうよ?」

ラウさんはカルナに目を合わせるとカルナが小さく頷いた。

「分かりました。」





そして、奥の個室に入り、そこに用意されたお茶とお菓子をラウさんの膝の上で私は堪能中。

「では、詳しいことを教えて頂いてもよろしいでしょうか?」

「単刀直入に言おう。君たちに俺の手伝いをして欲しい。」

「どのような手伝いなのでしょうか?」

「とある採掘場のような場所でミネラルゴーレムから採れるアイテム類を大量に仕入れる必要があるんだ。だが、そこは俺が管理し、俺以外の立ち入りはもちろん、関係者以外にはその場所を知られるわけにはいかないんだ。」



ミネラルゴーレム

ありとあらゆる鉱石や宝石類のどれか1種類で人型に構成されたゴーレム

強ければ強いほどその石の質が高くなる。

体のサイズは個体によって異なる。

獲得部位:魔石、魔核、鉱石または宝石



「かしこまりました。我々を選んだ理由をお伺いしても?他にもありますよね?」

「あぁ。お嬢さんが教会の腕輪保持者だから・・・かな。」

「どういうことでしょうか?」

「心が清らかだという確実な証拠だよ。」

「なるほど・・お受け致します。」

「助かるよ。期間は3日間。報酬は、まずフリージアさんのギルドランクをDへ昇格。次に金貨を3枚。ミネラルゴーレムの魔核と魔石を採れた分全てだ。鉱石や宝石に関しては一切渡すことは出来ないが。」

「宝石類に関しては存じておりましたが、至りつくせりですね。」

「3日間連日潜り続けることになるからな、当然、食料や薬剤関係も全てこちらで用意させてもらおう。当然、今回の依頼で行く場所や内容に関しては一切他言無用を誓ってもらう必要はあるが。」

「かしこまりました。」

私も頷いておく。

「出発は明後日だ。今日明日は準備などをしてもらい、しっかり体を休めておいてくれ。」

「ちなみにその間、他の依頼を受けることは可能ですか?」

「それは申し訳ないが許可出来ない。」

「・・理由をお伺いしても?」

「当日中に戻ってくると分かってはいるが、トラブルに巻き込まれたりという部分を考慮する故な・・・申し訳ないが。」

「なるほど・・かしこまりました。」

「だが、その代わりとして今日明日は俺が特訓してやろう。察するにお嬢さんのためだろう?」

「よろしいのですか?」

「構わないさ。もちろん特別ルームでやるからな覗きの奴らはいないから安心しなさい。」

「リア様、いかが致しますか?」

ネクターさんが鍛えてくれるの?

よろしくお願いします

(ぺこり)

「わかった。ではそうだな・・昼食を食べた後に、またここに来てくれ。受付に誰でも良いから言ってくれれば分かるようにしておく。」

「かしこまりました。」



それから私たちは、お昼ご飯を食べた後、再びギルドを訪れた。

言われたとおり受付のお姉さんに話しかけると訓練場に案内してもらった。

と言っても、色んな人たちが使ってる公共スペースじゃなくて、外からは何にも分かんないようになってる結界が張られてるのに加えて、その場所からは死角になってる。





さて、ギルドマスターとの特訓だ。

どうやら、ミネラルゴーレムの大群との戦いに備えた練習も兼ねてるみたいです。

頑張ります。

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