国際電話の更に上位版は異世界電話
--フリージア--
異世界からやってきた・・正しく言うと、冬の大陸にあるアルバトロスという国が勝手に異世界から拉致した世界の少年少女たち。
彼らは、拉致した国の駒になったメンバーと早々に捨てられた者と、自主的に脱走したメンバーが、現在私、クラリティ王国エトワール公爵家令嬢の下につく形で保護しています。
とはいえ、彼らはできるだけ自分自身の力で自分たちを勝手に異世界に拉致したにもかかわらず、ロクな施しをしなかったアルバトロスへ喧嘩を売りたかった。
そのため、私がメインで、鍛え上げることにしました。
「それに、異世界召喚の魔法は、禁忌となっているからどのみちそいつらは処分しないといけないんだよね。」
「イリスさん、そうだったんですか?」
「そうだよ。君たちが言ってたとおり、異世界召喚魔法は、まさしく拉致魔法だ。呼び出すための魔方陣に込める魔力なんてとんでもない量が必要になるよ。端的に言っちゃえば、リアちゃんの保有する魔力量でせいぜい数人呼べる程度・・・そう言ったらわかる?」
全員「・・・」
「ついでに言うと、魔力量がAを上回る人なんて、全体からすると2~3割が良いところだ。それに、その国の状況を聞いていると、そんなに魔力量が多い人がその国にばかり集まるはずがない。」
「もしかして・・・何人も無理矢理・・」
「その可能性が高いよ。おそらく奴隷を利用してるんだとは思うけど、だとしてもろくでもないね。下手すれば、生命力すらも魔力に強制的に変換させて代用している可能性だってある。」
こっちも、禁忌となってますが、生命力を魔力に変える魔法は、自分自身でやるなら自業自得で済ませる程度ですが、他者に勝手にやるのがダメなんです。
これは、下手すれば死にますからね。
「そんな危ないものを・・・」
おまけに呼び出された彼らの人数は20人は超える。
そうなると、言ってしまえば生け贄となった人の人数は計り知れない。
「それで、拉致魔法についてだけど、ただ呼び出すと言ってもこれは、魔方陣に呼び出す人の条件を刻み込むらしいんだけど、その条件に合っている人物がいる世界に無理矢理穴を開けてそのまま引きずり込むような感じなんだ。」
「その・・それって・・なんかヤバいような気がするんですけど。」
「うん、ヤバいよ。何せ、世界と世界が無理矢理繋がったような感じだから、下手すれば片方の世界に引きずり込まれて元の世界にかえって来れない場合もある。そうなると、行方不明者が続出だ。それに、最も危険なパターンだと世界と世界を隔てる壁が壊れて、世界同士がぶつかって消滅・・なんてこともあり得る。」
{世界崩壊については、神様などの天界側で対処するのである程度は大丈夫ですが限度が過ぎれば天罰を与えます。}
「天界って、そういうこともしてるんだ・・そっか、世界を管理して守るんだからそっか。」
「それでわかったかな?」
「はい。俺たちからすれば拉致されただけですけど、下手すれば危険な場所に迷い込んでそのまま・・と言うパターンもあると言うことですね?」
「そういうこと。だから、二度とそういうことが起こらないように微塵も情報と陣を残さないようにしないといけないし、技術者も全員1人残らずつぶさないといけないね。」
{記憶を飛ばすだけではなく、トラウマを植え付けてそういうことを考えないようにさせないとなりませんからね。}
「そういうこともあって、僕たちも君たちに協力するんだ。こっちの世界側の都合と言ったらアレだけどね。」
「いえ、すごくありがたいです。」
「で、ついこの前までニシキは、リアちゃんに師事を受けてたみたいだけど、最近はどうしたんだい?」
「うっす。今は、グリムさんに【威圧】を教えてもらってるんです。後は、実践形式での部分とかも。」
「なるほどね。【威圧】に関して言えば彼ほど熟知してるのはいないだろうし、純粋な火力で言えば、この国のトップだからね。」
「それを聞いて、時々一緒に依頼を受けたりしながら模擬戦をメインに教えてもらってるんです。」
ニッシーが言ってたとおり、今はリムさんに【威圧】のコントロール&強化をメインに、敵を倒す前提の戦い方を教わっているところです。
この間までは、魔力操作について私が教えていました。
と言うのが、私は対象の内部に宿る魔力を目視することができるので、その魔力の流れのムラを指摘して、修正してあげていたんです。
私を含む、エトワールファミリーは確かにこの国トップの実力者集団ではありますが、戦術がどうしてもオールマイティになりがちのため、弱点を克服し、無駄をなくす方面が多くなります。
なので、ある程度の基準を超えると自力で頑張ってもらわないと下手すれば器用貧乏になったりします。
とはいえ、遠距離メインであれば遠距離戦を、近距離メインであれば近距離戦を中心に教えてはいますが、それでも自身の強みを更に高めるという部分は自力で頑張れと言う方針なので、結果的にさっき言ったとおり自身の弱みを減らす師事が多くなります。
で、一方、リムさんはと言うとご存じの通り死神の二つ名を持っているとおり、この国で純粋な火力だけで言うとナンバーワンです。
彼がメインに扱っている長い刀(通称:物干し竿)とサブで小太刀ですが、それを扱う剣士であると同時に、黒炎という闇属性の炎の使い手なんです。
これは、通常の炎よりも火力が非常に高く、同じ魔力消費量でも黒炎の方が圧倒的に火力は上なんです。
そして、彼は威圧体質と呼ばれる常に威圧を纏っているような状態で、感情の揺らぎで魔力を込めずとも【威圧】を発動させたような感じになってしまいます。
戦闘時には便利ですし、意識的に【威圧】を発動すればその体質と合わさって威力が倍加しますし。
けど、私生活においては、そのせいで怖がる人が多いのでものすごく魔力制御を鍛えることによってかなり抑えている状態です。
元々、威圧体質をどうにかするためにこの国の学園に通うことにしており、結果として魔力制御を鍛えることによってちょっとやそっとの感情の揺らぎによって威圧が発動しにくくなりました。
でおまけに、彼は遠距離戦は斬撃を飛ばす程度であまり得意ではないので結果として近接戦闘メインです。
そう言う経緯もあり、魔力制御を鍛えたことで、自然と魔力制御のムラが減り、黒炎の発動時の消費魔力量も減り、感情の揺らぎを利用して黒炎の威力を更に向上させることに成功しました。
更におまけで言うと、幼少期はそんな威圧体質によって、近寄る人がほとんどいなかったこともあり、学園に通うことを決意するまでは魔法をとことん使わないようにしていた代わりに、剣術と体を鍛えることを集中的にしていたそうです。
それも、遊ぶことも一際せずに朝から晩まで毎日欠かさずに。
そして気付くと、学園を卒業する頃にはネルさんに色々と教わっていたこともあり、ありとあらゆる無駄が減り、がむしゃらに依頼を受け、魔物や賞金首と戦い続けたことによって、自身の長所を活かす戦い方を追求するようになりました。
まぁ、その代わりに遠距離戦が斬撃を飛ばす以外にほとんどできなくなったのはアレですが。
そんな感じで、リムさんはいかに効率よく無駄なく敵を倒すか、そして、一撃をどれだけ高めることができるかを追求した現在、この国で最も攻撃力の高い青年となりました。
で、そんなリムさんは経緯とか戦術とかの違いはさておき、どことなくニッシーと似ているところが多いのだとか。
それで、自分と似た経緯を持つことと、実力は確かだとわかっているので師事を受けているのだとか。
「俺の場合は、グリムさんみたいにどうしようもない理由じゃなくて自業自得だったんですけどね。それでも、そのときの経験で喧嘩・・って言うか、この拳と脚で戦うことは得意になったんすよ。今は、その程度の力じゃ兄貴には追いつけないから・・」
「それで、色々と似ているグリムに自身の長所を伸ばすやり方を学んでるんだね?」
「うっす。けど、グリムさんにも言われましたよ。グリムさんに師事を受ける前にお師匠様に基礎を学んだ後じゃなかったら、丁寧に教える気はなかったって。」
「だろうね。グリムの場合は特に基礎をおろそかにしたらどれだけ鍛えても無駄だってことをよく知ってるだろうしね。」
「同じことを言われました。地盤がしっかりしていないとどれだけ丈夫な家を建てても土台から簡単に崩れればすべてが一瞬で終わると。」
うんうん。
さすがリムさん、よくわかってますね。
まぁ、元々そう言う人だったんですけど、私との共闘によって余計に基礎の大事さを実感してたみたいですしね。
私の戦術は、影によって作り、操ることがほとんどになります。
複数を同時に操るには【並列思考】のような考える技が必要ですし、作り出すには作り出した武器や生き物のことを知る必要がありますし、技を出すには細かくどういう現象を起こせばどういう結果が起きるかを理解する必要があります。
そして、それらは魔力制御がおろそかであればどれだけ強い技を発動しても、どれだけ強い生き物を作り出しても簡単にやられてしまいますから。
{それで、ニッシーはリムさんの威圧には慣れましたか?リムさんのことですから、意識が飛ばないぎりぎりの状態で発動してると思いますが。}
「う、うっす・・その通りです。・・アレで全力じゃないなんてマジでやべぇ。後、威圧なしで純粋に模擬戦もしてますけど、マジであの人強いっすね。」
{容赦なく死角を狙ってくるでしょう?刀以外でも拳だろうが脚だろうが彼は扱えますから。}
「えぇ・・アレはマジですごかったです。刀の対処だけでもいっぱいいっぱいなのにいきなり蹴り飛ばされるし、小太刀で刺されそうになるし、燃やされそうになるし。」
{私よりも、色々と攻撃的でしょう?ですが、ニッシーの場合はその方が自分の魔法の活かし方を思いつきやすいのでは?}
「その通りっすね。おかげで俺の魔法は防御型で納まりそうです。」
ニッシーの魔法は、土で、主に硬くすることで拳や脚での威力を向上させています。
で、最近は鎧代わりに体の急所部分も覆うことが増え、今では周囲に浮遊する盾を作り出し、それで死角からの攻撃を補うようになっています。
「それで、お師匠様。俺が周囲に作り出している盾なんですけど、何かアドバイスとかあります?」
{硬くするというイメージをもっと明確にすればもっと硬度は上がるでしょうし、そっちはパパに聞いた方が良いと思います。ただ、私としての意見ですが、ニッシーの戦い方から考えるとただの盾にするには惜しい気がします。}
「シリルさんの分はわかりました。けど、惜しいとは?」
{ニッシーは、守ることよりも攻めをメインにしていますので、その盾を、防ぐためだけではなく攻防一体のものにした方が相手の攻撃を防ぐのと同時に相手にダメージを与えるようなものにした方が合っていると思いますよ。それ以上の細かいところは私にはわかりませんが。}
「攻防一体・・相手の攻撃を防げば勝手にダメージを食らう・・そうか、その手があった!ありがとうございます!考えてみます。」
(コクリ)
何か思いついたみたいですね。
「で、タクミはあれからどう?」
「大変ですけどだいぶ形になってきたと思います。ホントにお師匠様には感謝しまくりですよ。」
{ほとんどムラはなくなっているので、後は経験を積めば自然と伸びますよ。}
「えぇ、それもあってお師匠様との模擬戦はすごくありがたいですし、イリスさんのトレーニング用のスケジュールも助かります。」
「タクミは、僕と戦い方が近いからね。僕の場合はニシキとタクミを合わせたような感じだから、違うところはあるけど、ある程度地盤は固まったから後は経験を積めば自分の強みは自然と向上するよ。」
パパの場合は、結晶による盾を周囲に展開し、結晶の矢で相手を射貫く戦闘ですからね。
そして、それを補うように足技をメインとした戦術を接近戦は得意とします。
タクミンの場合は、扱う魔法が4種の魔法を矢の形にするというちょっと特殊なものです。
なので、矢による攻撃だけで言うとパパよりも応用が利くし、火力も上がります。
その分、防御という点では不安は残るので、最近は【隠密】関係を学び、回避や周囲の警戒、感知を学んでいます。
それもあって、私がメインで教えています。
【隠密】自体は、ラウ兄さんが得意としているので彼が教えていますが実践相手は私です。
なぜか私、どんな高レベルの【隠密】関係の技でも、全部無視してその人を見つけちゃうんですよね。
それもあって、【隠密】関係だけは、私の獣魔メンバーとのかくれんぼと模擬戦で鍛えています。
面白いですよ?
影さんたちによる超不規則な接近戦で回避を鍛え、大量に影さんで取り囲んで、ランダムで威圧を発動してどの子が発動したか当てさせたりしつつ、ガンガン遠距離技で攻撃しまくって回避力を更に鍛え、動き、サイズがバラバラに加えてサイズや形まで変わる的を周囲に展開してそれを的に狙い撃ちさせています。
当然、距離もバラバラです。
それを見てパパが、こんな便利な的が子供の頃にもあればもっと早く強くなれたのになぁと言ってました。
それもあって、すっごいメキメキ強くなってますよ?
そのせいですかね?
彼女であるカナミンがよく押し倒すように抱きついてるのは。
その後はそのまま部屋に引きずり込まれ、しばらくするとつやっつやのカナミンとすっきりしつつもげっそりしてるタクミンが出てきますけど何があったかはいつも教えてくれません。
いつか、何が起きているか見つけてやる!
と思ってますけど、いつも誰かしらに邪魔されるんですよねー。
その筆頭はアルちゃんです。
抱きしめられて、おっきなおっぱいに埋められ、撫でまわされてはぐらかされます。
私個人が持つお仕事も、超頑張ってるリムさんが着々と私のお仕事を引き継いでるのでやることがホントに減っています。
サポートする気満々でリムさんにお手伝いすると言っても笑顔で頭を撫でられてスルーされます。
あっても、お仕事で一部質問をされ、それを答えるくらいでほとんどすることがない状態です。
おかげで、50体をフル稼働してお仕事してたのが、今では30体にまで減っていて、その分20体は、5体は異世界規模の通信用の魔道具作成のための情報収集に回して、残りを脱走組こと現在は、パーティ“シュバルツ”のメンバーの特訓用に回している状態です。
ちなみに、30体の内訳は、5体が公爵家のお仕事の継続、3体が刺繍、2体が異世界規模の通信用の魔道具作成のための調べ物、5体が勉強、5体が自身の特訓、5体が町をうろついて冒険者相手のアドバイス、5体が魔術師団長としてのお仕事です。
まぁ、魔術師団長としてはほとんどやることがなくあっても、質疑応答があったり、私の魔力を目視して魔法を見て判断できる力で確認する程度なので、その5体は手が空いているときは刺繍をしてます。
まぁ、魔道具作成の方に関しては、魔術師団全体が手が空いているときに調べたりしてくれていますし、シュバルツのメンバーからの情報提供もあるので、順調と言えば順調です。
で、そんな私本人はと言うと、実戦訓練はもちろんですが、刺繍をしていることが大半で、残りは情報収集です。
その情報は、言わずもがな魔道具作成のために関わりそうな魔法関連です。
影さんたちを経由しているのは、範囲をかなり広くしているので、魔法関連だったり素材だったり異世界のことだったりとバラバラ。
で、私自身は空間魔法を中心に調べています。
この魔法がメインになるのは間違いないですからね。
後は、複数人が思考していることや、思っていることをため込むことができるものと、それを空間魔法に作用して、空間を繋げる力に変換させることです。
どっちかというと、空間魔法よりも人の思いを空間魔法に作用させることを調べる方が大変なんですけどね。
「・・って感じのイメージと言いますか、考え方もありますよ?」
ふむふむ。
え?
何をしているかって?
空間と空間を繋げるイメージの情報提供をシュバルツのメンツに聞いてます。
異世界には、アニメという空想の物語があるらしく、そこでは様々な魔法があるらしく、その中には空間を転移する類いの魔法は複数種類あると聞いたのでそれを教えてもらってます。
「そういえばお師匠様。空間魔法で2カ所を繋ぐんですよね?」
{イメージは、先ほど言っていた二つに折った紙に穴を開けるイメージがしっくりくるのでそれを採用しますが、座標の固定を皆さんが故郷を思う想いで、座標を固定しようと考えていますが、その想いが曖昧だとうまく繋がらないどころかよくわからない空間に繋がる可能性があります。}
「で、その想いを空間魔法に作用させるっていうつなぎの部分をどうしようってことなんですよね?」
(コクリ)
{通信の魔道具はありますし、想いを込める魔道具も録音の魔道具を応用すれば良いと考えています。基本ベースは皆さんが言っていたテレビ電話?Web会議?と言うのを採用する予定です。それも、作成予定の魔法が再現できればそのイメージと当てはめればいけるはずです}
「そっかぁ・・魔法はイメージが大事だから、いっそのこと空間魔法を使える人が私たちの故郷を強く想えばそのまま繋がるんだけどなぁ。」
・・・・ん?
まてよ?
私の魔法は、影を操るものですが、同時に協奏師でもあります。
これは、獣魔というつながりがあれば自由に私の影を通じて呼び出すことができます。
これは、限定版の転移魔法と言っても良いと思う。
で、アルちゃんの念動という魔法は、自身を中心とした周囲の空間のモノを自在に操る魔法で、空間魔法の一種だったはずです。
と言うことは、私が日本という世界と何かしらのつながりがあれば、私の影を通じて繋げることができるのでは?
そのサポートにアルちゃんに手伝ってもらえば、私の影を通じてではなく、指定したモノを通じてのやりとりに変更することが可能なのでは?
そのために必要なのは、私のイメージをアルちゃんが受け取り、それを操ると言うこと。
{アルちゃん}
「はい」
{アルちゃんは、私の考えていることはわかるんですよね?}
「はい。【限定版以心伝心】で可能ですよ?」
{後、私のイメージする座標に、アルちゃんがその座標に移動させることは可能ですか?}
「それは、例えばリア様が影を通じてシャスティさんなどを呼び出すときにリア様の影からではなく、別の場所に移動させることができるかと言うことですよね?」
(コクリ)
「ん・・試したことはないですけど、感覚で言えば、不可能じゃないと思います・・ですが・・」
(?)
「私の【限定版以心伝心】はあくまでもある程度なので100%すべてわかるかと言われると微妙なところがあります。・・あくまでもリア様とつながりがあるという感じですので。天使(始祖)に仕えし者であることと、私の真の主がリア様だと確定しているからそれらを組み合わせて、もっと明確に考えていることがわかればいけると思います。」
考えていることを明確に・・・・
・・・
あ!
{セイちゃん}
「ん~?リアちゃんどうしたの?」
今日は学園がお休みで私の近くで、私の翼をもふっていたセイちゃんに声をかける。
{セイちゃんは、思考をリンクすれば考えていることが全部丸裸でしたよね?}
「そうだよ?」
{それを例えば、セイちゃんを経由して私の考えていることのすべてをアルちゃんへ伝えることはできますか?}
「・・・・たぶんいける。やったことないけどアレは、あくまでも思考を繋げるだけで私と繋げるって限定されてないから、私以外もできるはず。」
よし!
これでいける!
{シュバルツの皆さん}
シュバルツ全員「はい!」
{皆さんが知っている範囲で構いませんので、Web会議というモノとテレビというモノ、そして、テレビ電話の仕組みを教えて下さい。魔法の概要ができました。}
シュバルツ全員「っ!!はい!喜んで!」
そして、皆さんから教えてもらいました。
{ありがとうございます。これで、作ることができます。アルちゃん、セイちゃん、協力していただけますか?}
「もちろんだよ」
「当然です。」
{翠ちゃん、使える素材はありますよね?}
「あるよ。何でもあるから相性が良さそうなのを出すね。」
(コクリ)
{魔術師団の皆さん、魔道具の作成に協力をお願いしても良いですか?}
「師団長!もちろんだよ!」
「そんな素晴らしいモノの作成に参加出来るのはとても光栄です。」
「もちろんですわ」
「当然だ。」
「是非手伝わせてくれ。」
そして、完成しました。
特に大変だったのは、私もですがアルちゃんとセイちゃんです。
まず、シュバルツのメンバー全員に故郷のことを明確にイメージしてもらったモノを録画してもらいます。
その故郷も、場所を自身が通っていた学園に絞ってもらうことで座標をより正確に固定。
次に、そのイメージを私が閲覧して私自身がその場を強く想いながら今いる場所と繋がるように私の影移動による転移もどきをベースに強く強くイメージ
それを、セイちゃんが思考をアルちゃんと3人リンクさせて正確にアルちゃんへ伝える。
最後に、魔術師団のメンバーで作成した魔道具の核となる部分に座標を私の影から移動させて、座標を定着させる。
魔道具自体は、ぱっと見は両手で抱えるくらいの大きさの直方体の箱です。
シルちゃんたちが言うには、ちょっと分厚いけど小型のノートPCだとか。
当然、使うときはぱかっと開きます。
内部には、私たちが先ほどイメージして定着させた魔法をしっかりと固定させることと、その魔法がより明確に、正確に作用するように補助する魔法が付与されています。
なので、その周りを覆うモノは、全体が漆黒に染まってますが、それはハディちゃんの鱗を加工し、私が魔力を限界まで込めて硬化させた代物ですので非常に頑丈です。
おまけに、内部に使用された核となる部分やそのほかの部品も、かなり希少で魔法の運用を強化したり、安定させたりするものばかりです。
そして、開いた上側は、接続先の映像が映り、下側は隙間なんてありませんと言うくらい魔方陣が刻まれており、それは私たちがイメージした魔法を摩耗させず、きちんと保存し、安定させるためのモノです。
で、蓋を閉じた場合も上も下も側面も隙間なく魔方陣が刻まれているのですが、こっちは周囲からの衝撃やダメージから守るためのモノで、その周りにはぱっと見は気付きませんが透明で非常に頑丈な金属で覆われています。
異世界電話
30cm×15cm×4cmサイズの漆黒の二つ折りの異世界規模で連絡を取ることが可能な魔道具
周囲には、ありとあらゆる衝撃やダメージから保護するための魔方陣が刻まれ、その周りにはその魔方陣を保護するために透明で頑丈な金属に覆われている。
内部を開くと、下側には付与した魔法を保護し、作用を安定させるための魔方陣が刻まれている。
上側には、付与した魔法の座標先の映像を映し、音声を発することが可能。
更に内部に付与した座標に関しては、二度と変更ができない代わりに、その座標であればこの魔道具を発動させる相手の故郷だった場合は、100%作動する代わりにそれ以外が使うことはできない。
尚、目視出来る場所とできない場所には、想像を絶するほど希少なモノを使用しているため、値段をつけようモノなら大国であろうとあっという間に借金まみれになること間違いなし。
※座標 = この魔道具本体:異世界:日本(シュバルツメンバー保護者)
{後は最後に、皆さんの魔力を全体にしみこませるように込めていただければ、完了です。後、そのときに自身の故郷のことを強くイメージしながら込めていただければより強固なモノとなります。}
異世界メンバー全員「ありがとうございます!!!」
こうして、世界規模の通信用魔道具が完成したのです。
はぁ・・つっかれた。