ヴェール-ガラス細工の町-
-フリージア-
不思議な門との遭遇?によって私は魔眼という不思議な力を持つ瞳を手に入れ、オッドアイになった。
ステータスは私が賢者っていう魔法がすご~い職業になった影響・・というより、魔法がすごくなったことの引き替えに身体能力の部分に当たる部分の全てがほとんど伸びなくなっている。
例外として体力は微妙。
端的に例えると、魔力と練度は上昇率が◎で、体力が小さい○、そしてそれ以外のステータスは全て×寄りの△って感じ。
○とか△とかについてはカルナが言うところの通知票の三段階評価と同じ考えで良いって言ってたけど、通知票ってなんだろうね?
まぁ、どうでもいいですね。
いっぱい強くなったけど、その分すっごい疲れたから2泊くらいその場にとどまることになった。
理由としては、散々歩き回ったり走り回ったり、木登りしたりととにかく体を動かし続けてたのに加え、あの中ではずっと魔力を使い続けて集中し続けていたし。
それに、門の中では魔力は枯渇すれば瞬時に全回復するようになってたけど、倦怠感とかはそのままだったし、回復と消費をすっごい回数を繰り返していたからその倦怠感とかが積み重なるのに加え、消費と回復を繰り返すだけでも意外と負担が掛かるモノらしい。
それらが重なりまくった結果、私は大変くたびれております。
そのおかげ?そのせい?でその場所にそれだけとどまることになったのです。
で、ステータスの成長とかに合わせて私の名前にミドルネームって言うのが名前とファミリーネームの間に出てきた。
で、ラウさんが色々と目立っちゃうから見せないようにして欲しいってお願いされたから真ん中に出ていたクラリティってところは表示されないようにしておいた。
ギルドカードには表示させる部分と他人に見せないようにする部分が設定出来るんです。
とはいえ、ステータスを全て表示させてその一部を公開するなんてことは基本的にはあり得ない。
待機状態であるネームタグのネックレスの状態では名前とギルドランクの2つが常時表示されているから出す必要はないし名前とランクが分かれば良いんだから。
それと、名前とギルドランクは必ず見えるようにしておかなきゃ駄目なんだけど、ファミリーネームとミドルネームに関しては表示させなくても良かったりする。
だから、ネームタグの状態では”フリージア E”とだけ表示されている。
門を出てきてからラウさんはこれまで以上に私のお世話を積極的にしてくれるようになった気がする。
後、魔法の特訓とか読書とかのお勉強も。
気を使ってくれてるのかと思ったけど、そういうことをしてる時ってラウさん楽しそうと言うか充実してるっていう活き活きした表情してるんだよね。
ちなみに、翠ちゃんは純粋に楽しそうで、カルナはお世話してくれると言うよりは会話が中心だからちょっと別枠。
で、シャスティは幸せそう。
みんな何気に違うんだよね。
楽しそうならまぁ良い・・・・のかな。
でも、私もお世話されっぱなしは趣味じゃないからそれなりに頑張るつもりだけど・・うん。
それと、ラウさんには町の中で最もお世話になってる。
主に人同士でのやりとりとか交渉?って言うのとか。
カルナだとどうしても喋る鳥がーって言われてそれどころじゃなくなったりしてまともな話しじゃなくなるんだよね。
だからすごく町中でも頼もしいです。
戦いも、シャスティと似てると言えば似てるけど、ラウさんの場合はすっごい早い剣士さんなんです。
早いんだよね~ホントに。
ラウさんが言うには、一撃一撃の威力が軽い分手数を増やして早くしてるだけって言ってたけど、私は魔法関連しか出来ないからそう言う体を使ったあれこれは全然駄目です。
最近ようやくまともに体力がついてきたくらいだし。
ちなみに、ギルドカードに出ているステータスの数値は、子供と大人では同じ表示でも大人の方が強かったりするんです。
理由は、年齢とか種族とか職業とかを合算した平均と比べてその数値だからです。
だから、その基準が人によって違うから単純にAって出てるから誰よりも強いとかじゃなかったりするんです。
うん。
奥が深いですね。
その例外なのが魔力と練度。
それに関しては、年齢とか種族とか職業はほとんど関係ない。
あ、職業は関係あるね。
魔法使いとかね。
あくまでも身体能力と言われる範囲での話しです。
とりあえず、復帰したので森から出て先に進みます。
森の中ではシャスティが先頭を歩き、私とラウさんが手を繋いで一緒に行きながら私の頭の上で翠ちゃん、その上空かラウさんの肩の上にカルナって感じです。
で、森を抜けたら大きくなったシャスティの上に私たちが乗って進むって感じ。
「ラウってさ、フリージアを護ったり世話したりとかがなれてきたせいか騎士じゃなくて兄って感じだよな。」
「え?」
カルナがラウさん見ながらそう言った。
「そ、そういうつもりでしてるわけではないのですが・・・フリージア様を護り、お世話をするのは当然なわけで・・」
そう言いつつもシャスティの上に並んで座りつつ、後ろから優しく抱きしめて支えてくれてる。
私は、ラウさんみたいなお兄ちゃん好きですよ?
「実際、フリージアも嫌がってないし普通に背もたれにしてるわ、寝てる時は枕にしてるしな」
はい。
ラウさんのお膝を枕にしたり抱き枕にしてたり本を読んでる時にお膝に座って寄りかかったりと結構くっついてること多いです。
「だとうれしいです//」
そんなやりとりをしつつ、私たちは先に進む。
で、あの森を出発してから3日ほど経過したくらいの野営をしている時にラウさんが
「フリージア様、1つ提案してもよろしいですか?」
(?コクリ)
よくわかんないけどどうぞ?
「フリージア様は魔力操作は結構得意ですよね?」
(?)
得意かどうか分かんないけど、出来るよ?
「あぁ・・・とりあえず出来ますよね?」
(コクリ)
それなりに出来ますよ?
「では、念話を覚えませんか?」
(?)
「ラウ、念話ってそんなにホイホイ覚えられるモノなのか?」
「基本的には、難しいですよ。けど、フリージア様はその条件を既にクリアしてるんですよ」
「条件ってなんだ?」
「魔力操作に長けていて、練度が高いことが条件です。それも最低でもB以上は必要なんです。」
「確かにな。ちなみに念話って誰に対しても話せるモノなのか?」
「それに関しては、相手の顔と名前がはっきりしていることが条件です。それと顔が見える範囲内限定です。」
「つまりは、フリージアと一緒にいて、それなりに仲が良ければ良いってことか?」
「フリージア様の場合はそうですね。」
「どうするフリージア。声が出るように練習は続けるが、普通にしゃべれるようになるには相当掛かる。それに、俺等みたいに普通にしゃべれるようになることを考慮すれば更に長くなるから、早くとも成人する年頃になってしまう。」
「にゃう(念話を覚えていれば翠を通さずとも私たちと話しや要望を伝えることが出来ますよ。)」
(コクリ)
確かに、シャスティやカルナに直接お願い出来るのはいいかも。
「あ、やるんですね。」
(コクリ)
「じゃあ説明します・・と言っても、自分の声を伝えたいと強く願いながら頭にその相手をはっきりを思い浮かべ、魔力を喉へ集中させるようなイメージです。」
目じゃなくて今度は喉ですね。
それと、強くイメージ・・・まずは練習だから目の前にいるラウさんですね。
じ~っと見つめながらラウさんとお話がしたいと強く願いながら喉へ魔力を集中させる。
「後は、頭の中で相手へ話しかけてみてください。口は動かさなくても大丈夫ですよ。頭の中で思い浮かべるだけで大丈夫です。」
{こう・・かな?}
「っ!今のは・・フリージア様?」
(?)
「も、もう一度やってみましょうか」
(コクリ)
言われてもう一度
{聞こえますか?}
「聞こえてますよフリージア様」
{成功?}
「はい。成功です。慣れてくれば魔力を集中させる量も減らすことが出来ますし、何か対応しながらでも自然と出来るようになります。後は練習ですね。」
{ありがとうございます}
「いえ、力になれて良かったです。」
念話を無事に覚えました。
あの門の中で似たようなことをずっとしてたので結構サクッと覚えることができました。
運がよかったですね・・我ながら。
それから、翠ちゃんを初め、シャスティやカルナとも改めてご挨拶をして色々お話しをしてからギルドカードを一応チェックしてみました。
カードさんお願いします
ランク:E
名前:フリージア・クラリティ・エトワール
性別:♀
年齢:5
種族:半異世界人
職業:賢者、協奏師
称号:絶望を知る者、幻獣の家族、変態紳士ホイホイ、英雄賢者の正統後継者
属性:陰
体力:D
魔力:A
攻撃:F
防御:E
俊敏:F
練度:A
技:【影操作】【魔力反射】【念話】
自動技:【圧縮記憶】【思考速度上昇】【並列思考】【心の瞳】
魔道具:賢者の杖、教会の腕輪(EX)
写真:フリージア・エトワール、ペチュニア・エトワール
契約
【幻獣】八咫烏:カルナ
【幻獣】ガルディエーヌ・キャット:シャスティ
【妖精】オニキス・ゲル:翠
加護
母の溺愛、母の過保護、元英雄賢者/現神様のお気に入り、下位精霊の親愛
【念話】
伝えたい言葉を実際に口にせずとも相手へ伝えることができる。
ただし、話せる相手は目の前にいることと、はっきりとその人物の容姿と名前を知っていることが条件。
おぉ。
ちゃんと覚えてますね。
私は産まれて初めてお話ができるようになりました。
けど、お話をしないことに慣れすぎちゃったから何を話していいかわからないのでとりあえずはみんなが話したことに対する反応をできる限りやってみることになりました。
と言っても大抵は首をかしげるか首を振ったりするだけに慣れちゃったからそっちばかりになって、つい念話を忘れちゃうんだけどね。
仕方がないよね。
とりあえずゆっくりと、やっていきます。
それからさらに3日後に次の町に到着しました。
と言っても、町に入るための順番待ちですが。
シャスティはすでに普通にゃんこサイズに戻って、カルナとラウさんの両肩にそれぞれ乗っかってる。
で、私の頭の上にはいつものように翠ちゃんがいて、ラウさんと手を繋いで、杖さんを握って並んでます。
動物に囲まれた兄妹だけの旅って感じです。
ちなみに言っておくと、ラウさんはおとなしそうと言うか優しいって感じの穏やかな笑顔が似合うイケメンさんです。
ラウさん本人曰く、影の薄い地味な人混みにきれいに紛れ込んだら分からなくなる特徴のない人間だって言ってたけど。
そんなことないと思うけどね?
それにすごく優しいし、いっぱいお世話になってるのに
主に私が。
並んでいる間、ラウさんがこの町について教えてくれた。
この町は、ガラスっていう窓とかに使ってる透明で割れやすいアレを器にしたり置物とか色んな形に作ったりしてるガラス加工で有名なんだって。
と言っても、ガラスにも色々あるらしくて割れやすかったり割れにくかったり、そこらの木よりも丈夫なのだったりステンドグラスに使うような色がついてたりするのとか色々あるんだって。
他にも、人の手ではなく自然界の中で自然に作られたガラスもまれにあるらしくてそれを使ったのもあるんだとか。
確か、テクタイト結晶?って言うらしいよ?
「それと、ガラスとは異なりますがテクタイト結晶経由で水晶を初めとした宝石関係を加工した品も多く扱われています。」
{アクセサリー?}
「そうですね。主にアクセサリー。他にも防具や武器の強化に扱う際の材料をしたり、私生活の中で使う食器やコップと言ったモノ、魔道具、色々ありますので買っても買わずに眺めるだけでも楽しいと思いますよ。」
(コクリ)
で、話を聞いている内にちょうど私たちの順番になった。
「ギルドカードを」
「どうぞ。フリージア様も見せて下さい」
ネームタグの状態で見せる。
「・・・ん、確かに。それとこれに手を触れてもらった良いだろうか?」
これなんだろう?
首をかしげてるとラウさんが教えてくれた。
「このギルドカードが本人のモノか調べる道具ですよ。」
なるほど。
で、順番にそれに触ると白くほわっと光った。
「確かに。通って良し」
「ありがとうございます」
後で教えてもらったんだけど、本人のじゃなかったら黒く光るんだって。
とりあえずギルドに行きましょうと言うことでギルドに行くことになりました。
「はい。更新完了致しました。何か依頼を受けますか?」
今はお昼ご飯の前の時間です。
「今日この町にたどり着いたので依頼はまた今度に」
「かしこまりました。ラウ様はランクアップの報告を受けておりますよ?」
「俺がですか?」
「えぇ。Cランクへランクアップおめでとうございます。」
「あ、ありがとうございます・・・俺、依頼は受けてはいるが上がるほどやったっけか?」
記憶にないらしい。
「ラウ様は仕事がとても丁寧で、期日もこれまで受けてきた依頼全てがきっちりと余裕を持って守られておりますし、依頼の合間に人助けもちらほらと話を聞いておりますよ。その辺りが加点されたようです。」
「あ、あぁ・・・なるほど。ありがとうございます。」
「ちなみにラウ様はどれほどこの町に滞在を?」
「フリージア様にこの町を案内したいので3~4日は少なくともいるとは思いますが」
「フリージア様・・あぁ、なるほど。では、万が一指名依頼が入った際は少なくとも明後日にするように伝えておきますね。今日明日と観光と休憩でしょうから」
「助かります。依頼は受ける予定ではあるので、縁があればよろしくお願い致します。」
「感謝致します。」
「あ、そうでした。換金をお願いしてもよろしいですか?」
「もちろんですよ。」
お野菜と果物の大群以外にも襲って来てたのでそれらを売りました。
お金は銀貨27枚でした。
後、なぜかお野菜とか果物とか多めに余っていないかと聞かれた。
「理由をお伺いしても?」
「実は、ちょうど先ほど至急多く欲しいと依頼が来まして・・。食堂を開くにも材料がどれも傷んでいたらしく、買い直すにはこの町では満足いく量が手に入らないとのこととで・・」
「そういうことでしたら・・どれほど欲しいですか?」
「あるんですか!?」
「えぇ。スカイネイチャーの大群と遭遇して全て討伐したので。種はありませんがそれ以外であればありますよ。」
「本当ですか!?あればあるだけ買い取るそうです!」
「フリージア様いかが致しますか?」
{お野菜と果物、全部売ったら私たち困る?}
「傷まない範囲を考えると1割を残しておけば問題ありませんね。お金として持っていた方が後々よろしいかと。それに、道中で採取なども出来るのでなくともどうにもなりますが、栄養価を考えるとあった方が良いですから、人数的にもそれほどがギリギリかと。」
{じゃあ、問題ない範囲で渡せるだけ渡して良いですよ?}
「かしこまりました。では、マジックバッグを拝借しても?」
「あ、はい。」
で、がさ~っと移しました。
「はいたしかに・・・!?多くないですか?」
「大群でしたから。」
「あぁ・・なるほど。」
空気を読んで詮索はしなかったんだって後でカルナに教えてもらった。
で、お金は金貨1枚と銀貨50枚をもらいました。
「ちなみに、おすすめの宿はありますか?」
「目安はいかが致しますか?」
「セキュリティ方面をお願いします。」
「それでしたら、ギルドを出て道なりに5分ほど歩いたところに見える3階建ての木造の建物がおすすめですよ。」
「ありがとうございます。」
「まずは宿を確保してから町を見て回りましょうか」
(コクリ)
それから、寄り道はなかったけどラウさんは優しいから通りすがりに目に入ったモノをアレはどういうもので~と色々と教えながら通りました。
ちなみに、私の目が黒寄りの灰色に見える人が数人くらい近寄ってたけど、シャスティがさっさと尻尾を振るって吹っ飛ばしてた。
極一部で過剰防衛だって言ってたけど、ラウさんが笑顔で
「では、どのようなご用件でしたか?」
と淡々と質問攻めしてたから相手の心が折れた。
人同士のやりとりではラウさんはホントすごいなぁと思う。
こういうときは大抵シャスティが力尽くで、カルナが説得とか説明とかで周囲の人間を味方につけて相手を負かすやり方をしてるけど。
私?
私はムリだよ。
しゃべれないし。
と言うより、なぜか首をかしげるだけでみんな口を押さえて俯いてプルプルしててお話しどころじゃなくなるのが多いし、なぜか周囲の人たちが積極的に護ってくれるし。
何でだろうね?
まぁ、運が良かったんだねとかそんな感じで思ってるけど。
で、とりあえずお宿に到着です。
ここには5泊くらいするんだって。
それと、お金は銀貨8枚。
場所は一番上の端っこのお部屋です。
広間が1つと寝るためのお部屋が2つ。
シンプルだけどのびのびするには十分だと思う。
みんなでゴロゴロしても余裕があるんだもの。
それと、ここは窓が各部屋のあちこちの方向にあるんです。
しかも、ベッドのあるお部屋だとベッドの上から見れるくらい近くにあるし、広間だと椅子とテーブルもその近くにあるんです。
すごくありがたいです。
私は毎日星空を見るのが日課ですから。
何でと言われても分からないけど、物心つく頃にはお月様と星空を眺めるのが当たり前になってたから。
でも、あの頃と今では気持ちが違う。
あの頃は、唯一の楽しみだったから。
今は違う。
今は、眺めるのが好きだから。
毎日見ると毎日違う姿を見せてくれる。
雲がある時とない時と、流れ星が偶に流れてくるのを見つけたりとかお月様の満ち欠けを楽しんだりってすごく楽しいんです。
後は、私の中の何かが癒されていくような浄化されていくような気持ちになるから・・・かな。
その辺りは感覚の話しだから詳しい説明は無理だけど、そんな気がするんです。
それから私たちは、宿を後にして町を散策することにしました。
後は、お昼ご飯のためです。
私たちは、あちこちを見て回りながら食べ歩きをしました。
色んな串焼きとかカップに入ってるのとか、刺さってないけどパンみたいに持ち運びやすいようなのとかそういうのをいろいろ買いながらみんなで食べ比べをしました。
世間からすれば当たり前で普通のやりとりなんだけど、私からすれば新鮮でたまらない。
だからすごく楽しい。
そんな私の気持ちに気づいてるカルナとシャスティは微笑ましそうに、翠ちゃんは一緒に楽しんでくれて、ラウさんも優しくほほえんでくれる。
で、ここでもなぜか色んな人が私をサービスしてくれたり餌付けしてる。
もらえてうれしいけど、私そんなにたくさん食べれないんだけどなぁ。
大抵は一口食べたらラウさんとか翠ちゃんに食べてもらってる状態です。
にもかかわらずくれます。
それはさておき
とあるお店を発見。
書いてあったのは、”切子”
切子?
「あの店が気になるのか?」
(コクリ)
「ん?あぁ、切子ですね」
(?)
「色つきガラスを削り様々な模様を創り出したりするそのまま飾って良し、使って飲み物と合わせて色を楽しむもよしのとても良い品ですよ。元々は、異世界人が伝えた技術らしいですが。」
「よし、行こうか」
「にゃう(フリージア様、ガラスは割れやすいのでお気をつけ下さい。)」
(コクリ)
中に入るとまるで空気が変わったと思うほど不思議な感じがした。
すごい静かで、どこか神聖な感じがする・・気のせいと分かってるのにそう思ってしまう。
シャスティに言われたとおりむやみに触らないように気をつけつつ順番に見ていく。
杖さんをあまり動かさないように気をつけます。
すごくきれい。
お花だったり、木?っぽい模様だったり、雲とか葉っぱみたいなのとか、風が吹いてるようなのとか、色んな四角を組み合わせた模様とかが色んな組み合わせだったりシンプルに縁だけとか色々ある。
色も青とか緑とかピンクに黄色とある。
色と模様の組み合わせが片方でも違うとまた雰囲気も変わる。
基本的にはコップの形だけど、お皿も合ったりする。
食器にも色々あるんだなぁと思いながら見とれちゃってます。
これを使うなんてもったいないなと思っちゃう。
けど、飲み物によってはまた違うきれいがあるんだろうなって思う。
お
こっちには、ストラップもある。
私にはこっちの方が良いですね。
アレを使う度胸はないです。
ここで眺めたらそれで十分満足です。
さっきまでコップとかお皿にあった模様をシンプルに平べったくした丸にそれらを色んな組み合わせで描かれてたり、丸じゃなくて猫さんだったり犬さんだったりお星様だったりお月様(三日月)だったりとしてきれい。
あ、そうだ。
{ラウさん}
「どうしましたか?」
{イリスさんに贈り物って出来ますか?}
「あまり大きいモノは難しいですが可能ですよ。」
{このくらいのって大丈夫?}
ちょうど私が見ていたストラップを指さす。
「このくらいなら大丈夫ですよ。どうするんですか?」
{おそろいで買って、イリスさんも・・お父さんかもしれないから・・それに、ラウさんにお世話になってるからプレゼントしたい}
「喜んでくれますよきっと。」
{どれが良いですか?}
「フリージア様が気に入ったモノがイリス様は最も喜んでくれますよ。」
じゃあ・・・どれが良いかな。
あ、これにしよう。
ちなみに、シャスティとカルナ、翠ちゃんからはいらないって言われた。
でも、本当は要らないんじゃなくてカルナたちの分まで気にしないでいいってことだってすぐに気づいた。
と言うよりも、ストラップをもらってもどこにつけるのさと言う部分で収納してるだけじゃもったいないしというのが本音だと後々で教えてもらいました。
私が買ったのは六芒星の形をしたイヤリング
正しくは、イヤーカフっていう耳にはめるタイプのです。
色は、お母さんの髪の色である紫色。
模様は、糸麻の葉紋って言うのだってお店の人に教えてもらった。
そして、ストラップのシンプルな黒い紐の部分は何かの魔物の部位を糸みたいに細くして編み込んでるからすご~い丈夫らしい。
これを5つ
他にも色んな色が合ってきれいだったから悩んだけど、イリスさんとおそろいなんだからお母さんも一緒じゃないと駄目だって思ってお母さんの髪の色と同じ色があったからそれにしました。
お金は金貨1枚もしちゃった。
けど、その理由はお店の人が壊れないように魔法をかけてくれて、おまけで色がくすんだり汚れたりしないようにって色々と魔法をかけてくれたから。
しかも、紐が切れても勝手にポケットとかバッグの中に転移する不思議な魔法もかけてくれた。
後悔はしてません。
本当はもっと高いらしいけど、お店の人がすごくうっとりした顔で私を撫でながら金貨1枚で良いよって言ってくれたからです。
当然お礼として頭を下げたら口を押さえてプルプルしながら「ヤバイ・・かわいすぎる」と言ってたから気にしないことにする。
で、2つラウさんに渡す。
「え?二つ?」
{1つはラウさんにあげます。}
「よろしいのですか?」
{私のお兄ちゃんみたいな人だから良いの}
「っ!!・・・・・・・ありがとうございます」
すごく幸せそうな顔でお礼を言ってた。
で早速つけた。
正しくはうっとりした顔のお店のお姉さんにつけてもらった。
片耳だけにつけるんなのだけどね。
ラウさんも早速つけてくれた。
「いかがですか?」
{格好いいです。似合ってます}
「ありがとうございます。フリージア様もおきれいですよ」
{これ、お母さんの髪と同じ色なの}
「え?・・あ、本当だ。」
{お母さんの髪の色は私の目の色と同じですけどね。}
「確かにそうですね。」
{イリスさんとおそろいだから、お母さんも一緒じゃないと駄目だから}
「ペチュニア様もお喜びになられますよ。」
だと良いなと思ってお母さんの喜ぶ姿を思い浮かべる。
「っ!!!」←全員
なぜかその場にいた人たちが全員顔を赤くして固まった。
(?)
どうしたのと首をかしげたら口と鼻を手で押さえてたけど、隙間から血がぽたぽたぽた・・・。
気にしないことにしましょう。
「不意打ちでその笑顔は・・ヤバイですね//」
ラウさんのつぶやきに周囲の人たちも頷いた。
首をかしげたけどラウさんに撫でられるだけでした。
それから、時間もそろそろ夕方になりそうとのことで最後に教会に行きました。
中には、教会の腕輪のおかげでサクッと入れてあっさりとお祈り出来ました。
で、ちょっとラウさんを経由してお祈りする場所で私たちだけで他の人が見えないところはないか聞いてもらったらちょうどあったのでそこを借りた。
私がやろうとしているのは、残り2つのイヤーカフをお母さんと神様がいるところに届けるというすっごいむちゃくちゃなことを考えてる。
私は祈る。
2つのイヤーカフをそっと握って祈る。
私の周りで楽しそうに跳びまわってる下位の精霊さんたちにもお願いする。
お願い。
これを神様とお母さんのところに届けて。
強く強く願う。
-こいこいこいこいこいこいこいこいこいこいこいこいこいこい-
-ペチュニアさん・・怖い-
-やかましい。あの子から初めて送られる贈り物よ!?しかも、私たちにもってこれは手伝わなきゃ駄目でしょう!!そうよ!あなた加護を授けたりとか色々出来るんだからアレ回収してよ!!-
-もちろんそのつもりですよ。・・ふっ!-
-やったぁ!来た!!来たわ!!はい、こっちはあなたの-
-ありがとうございます。私にも下さるとは本当に優しくて良い子ですね。-
-お母さんは受け取ったわよ!!リアちゃん!ありがとう!!すっごい素敵!!イリスもきっと喜ぶわ!!-
-私にもありがとうございます。・・ところでリアさんとは?-
-あの子の愛称よ。かわいいでしょ?-
-良いと思いますよ。さて、仕事の続きをしましょうか-
-分かってるわよ。・・・本当にありがとうね。無理はしたら駄目よ-
祈り終わると私の手にはイヤーカフはなかった。
そしてあの言葉・・・良かった届いた。
喜んでくれて良かった。
「な・・なぁ・・フリージア・・何をしたんだ?」
{神様とお母さんに届けた。受け取ってくれた}
「おぉぅ・・・すっごいコトするなぁ・・・」
「ところでフリージア様・・・」
(?)
「このイヤリング・・何かが込められてるようなのですが・・」
「え?それ魔道具じゃなかったはずだろ?」
「えぇ。ですが・・」
「にゃあ(確かに加護に近い何かが籠もってますね。)」
「ギルドカードで確認してみよう。」
そして、カードさんにお願いして開いた。
ランク:E
名前:フリージア・クラリティ・エトワール
性別:♀
年齢:5
種族:半異世界人
職業:賢者、協奏師
称号:絶望を知る者、幻獣の家族、変態紳士ホイホイ、英雄賢者の正統後継者
属性:陰
体力:D
魔力:A
攻撃:F
防御:E
俊敏:F
練度:A
技:【影操作】【魔力反射】【念話】【奉納】
自動技:【圧縮記憶】【思考速度上昇】【並列思考】【心の瞳】
魔道具:賢者の杖、教会の腕輪(EX)、幸運のイヤーカフ
写真:フリージア・エトワール、ペチュニア・エトワール
契約
【幻獣】八咫烏:カルナ
【幻獣】ガルディエーヌ・キャット:シャスティ
【妖精】オニキス・ゲル:翠
加護
母の溺愛、母の過保護、元英雄賢者/現神様のお気に入り、下位精霊の親愛
おや?
技も何か増えてる・・と言うより、いつの間にお守りになっちゃったんでしょうね?