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フリージアの戯れ(ただし、周囲にとっては命の危機らしい)

ユニークのPV数が、後1500ちょっとで100,000。

・・・・思えば多いのか少ないのか・・どうなのでしょうか?

--タクミ--

お師匠様が無事に目を覚ました・・・のは良いんだけど、突如として俺たちはお師匠様と戦うことになった。



・・・・お師匠様にとっては、お遊びらしいけど狙われた人たち(俺たち)からすると、命の危機になるほどだから、本気で戦わないと冗談抜きで手足の1本や2本は持って行かれるほどヤバいらしい。


その証拠に、国の中にある訓練場ではなく、国の外に出たことと、俺たちにとっては超強いシリルさんとセリカさんが切羽詰まった表情で本気モードになってるから。



で、門番さんはちゃっかり仕事をしながら録画用の魔道具でこっちを撮影してた。

あぁ・・まぁ、見なかったことにしよう。




そして、戦うきっかけの台詞は

「ねぇ、遊ぼうよ。」

でした。


見た目のかわいさと台詞だけ聞くとすごくほほえましいけど、実際はすっごいギラギラした目と、すっごい濃度の威圧がおまけ付きで放たれていて、その視線の先は遊び相手ではなく、獲物でした。

それと、ずっとスルーしてたけど確かにハディさんとかはちゃん付けだったし、シリルさんがシルちゃんでセリカさんがセリちゃん呼びされてた。



全員脊髄反射で、戦闘態勢になったところで、お師匠様はカン!と地面を杖でたたくと、足下の影から突如として、30メートルサイズのヘビ型ドラゴンが20体現れた。


グォォォォォォォォォオオオオオオオオオ!!!!


全員「っ!?」


そして、突如として、そのドラゴンの大群は激しい咆哮を上げ、俺たちを取り囲むようにいきなり襲いかかってきた。

「うぅぉお!?」

「うわぁっ!?隠れる暇がない!」

「マジか!」


「師匠の影の軍勢がパワーアップしてる!?」

「サイズの上限がここまで上がってるの!?」


戦ってると言うより、死なないように避けて攻撃して、かばい合って避けてを繰り返してる有様。

で、どう見ても手加減されてますという感じで俺たちの限界一歩手前の状態を維持するかのように襲われてる。

たぶん周りから見たら、猫がネズミをおもちゃにしてもてあそんでるような状況なんだと思う。


で、すごいところはシリルさんたちや俺たちなど戦術も何もかも違うのに全員の限界一歩手前に調整されていること。


しかも、ただの攻撃はガキン!!というものすごく硬くなり、そしてそんな音を立てて防いだ直後、ポヨンという感じではじき飛ばされ

魔法を放てばすべてが放った人の元へきれいに返却されてしまう有様



で、そしてそんな状態なのに気絶しようにも気絶できない絶妙な力加減で攻撃され続け、その合間にドラゴンの口元に黒い球体がキュイィィンという音を立てて収束されていく。


「ヤバい!!全員伏せろ!!」

クラス全員「っ!」

シリルさんが必死な顔でそう叫ぶので俺たちは瞬時にしゃがみ込んだ。

すると、その球体は俺たちとは違うあらぬ方向へとばされ




ズドォォォォォォォォオオオオオン!!


ズドォォォォォォォォオオオオオン!!



ズドォォォォォォォォオオオオオン!!



ズドォォォォォォォォオオオオオン!!



ズドォォォォォォォォオオオオオン!!



ズドォォォォォォォォオオオオオン!!




6つほどその球体が作り出され、そのすべてがあちこちに飛んでいった後、キノコ雲を作り出し、その発射先に巨大なクレーターを作り出していた。


全員「・・・・」


マジですか・・

アレが、平均Sランクの2万超えの大群を消し飛ばした技ですか・・。


しかも、後々に聞くと、お師匠様のガチモードだと、今の何十倍ものサイズのものを作り出すらしいので俺たちはまだまだ手加減されていたらしい。



で、更に大変なことに、俺たちを襲っていたドラゴンの群れは、突如として俺たちと同じサイズにまで体を小さくしたかと思いきや、数がその分ものすっごい増えた。

その数100体


しかも、扱っている武器は、モーニングスターに剣に刀、槍に斧、ハンマー、盾、杖、棍棒、トンファーなど数え切れないほどの数の武器を扱っていること。


もっと大変だったのは、その軍勢は扱う武器をころころと変えるのだ。

しかも、完全ランダムで、場合によっては武器なしでいきなり投げてくるし、いきなり人の姿から動物の姿になったり、水のように溶けたかと思いきやするりとすり抜けて後ろから攻撃してくるし

半分くらいのサイズになって更に数が増えたり、逆に合体してサイズがでかくなったりととにかく先読みが全く出来なかった。

おまけに獣姿になると、空を飛んだり、かみつきにひっかき、巻き付きによる締め付け等々、人外技も出てきた。


ひどいときには、攻撃が通った!

と思ったら、その部分だけ穴が開いたままでスルーして俺らに攻撃を仕掛けてくることもあった。



そして気付けば、戦っているのは俺たちだけではなく、魔術師団の人たちからグリムさん、イリスさん、騎士団の人たち、順番待ちしていた冒険者、ユウ君たち、アルナさんにリカルさん、獣魔チーム総勢(お師匠様のメンバーとサソリのハルト)と、戦ってる人たちの人数がすごいことになってた。


けど、全員の相手をたやすくしていたことも驚きだけど、本人もそれらと同時並行で自身を守る結界で武器での攻撃は硬くして防ぎ、魔法に関してはすべて発動した人相手にはじき返していた。


更に、お師匠様が持っていた杖は、仕込み杖だったらしく、突如として長い剣になっていた。

しかも、その剣は蛇腹剣で、それを巧みに操り、その蛇腹剣に影をまとわせて、大剣、大鎌、槍、ハンマーなど様々な姿に変えて攻撃し、更に影を弾丸のようにとばして狙い撃ちしていた。





・・これらすべてを同時並行で・・・だ。




結果として数時間後、お師匠様は満足したらしく息が微妙に荒くなっていたくらい(実際は肩で息をするほど疲れてたらしい)で、俺らの場合は、全身骨折が6割、腕か足が1~2本やられた人が3割、残りが全身に打撲と切り傷。

そして全員が、魔力がほぼ枯渇した状態プラスの体力切れだった。



その後、セイちゃんの実戦訓練代わりに回復と治癒魔法が発動しまくったのは言うまでもない。






で、満足したらしいお師匠様から俺たちと戦った人たち全員に何か書かれた紙をぽいと渡され、そのままお師匠様は家に帰っていった。

ちなみに家では、アルナさんを抱き枕にして巨大化したシャスティさんにもたれかかってお昼寝してました。

そして、アルナさんはすごく幸せそうな顔でお師匠様を自分の大きな胸に埋めて愛でてました。



もらった紙を見ると、俺たちの現状の弱点と足りない部分が簡潔に大量に書かれてた。

何が必要かは書いてなかったから、これに書いてあることを念頭に置いて自分で考えて何をするか、何が必要か行動しろと言うことなんだろう。


「お師匠様ってやっぱりすげぇ・・」

「うん・・一方的にぼこぼこにされただけと思ったけど、全部適切で、しかも合ってる。」

「これに書いてあることを読んでたら確かに自分でも思い返せば思い当たることばかりだもん。」


「・・と言うより・・お師匠様冗談抜きで強すぎた。」

「アレで、本気じゃないとか・・。」

「魔法反射も驚きだったけど、あの数の武器を全部巧みに操るなんてそれだけでもすごすぎだよ。」

「思った。魔力と技術で、肉体的な弱さを補ってたのもすごいけど、1つ1つの動作のつなぎに無駄がほとんどなかったのがすごかった。」

と言うよりも、魔法反射が自由自在に操れるってホントだった・・。

「動作のつなぎって?」

「なんて言えば良いのかな?・・たとえば、今剣を使って戦ってたとして、そこからすぐに槍に武器を変えないといけないってなると、どうしても武器の扱い方が全く違うし、射程範囲とかも変わるから動きを所謂最適化?させるのに時間がかかるっていうか、タイムラグがあるのはわかる?」

「なんとなく」

俺も、言葉には出来ないけどなんとなくわかる。

「それがほとんどなかったんだよ。お師匠様は、1つ1つの武器を巧みに操ってるだけじゃなくて、それらを連続で使い回せる技術・・私としてはこっちの方がとんでもないって思う。」

「言われて確かにわかるよ。・・同じことをやってみろっていわれたらたぶん無理・・いや、絶対無理。確実に武器を変えたところで・・下手すれば変えようとしているところの隙でやられる。」

「それもあるけど、あんな大量のゴーレムを操ってるのに全部違う動きをしていたのに加えて、本人もあんなに動けてる・・それだけでも、ヤバいよ。」

魔法のすごさだけに驚いてたけど、言われてみると1つ1つの技や技術がどれも桁違いだった。

「だって、アレ、実際やれって言われたら確実に自分自身が無防備になっちゃうもん。・・アレ、たとえるなら何十台もあるテレビを同時にみて理解させるようなものなんでしょ?体を動かす分それ以上に難しい。」

確かに、右手と左手で別々のことをしろって言われてそう簡単にできるものじゃない。

アレはそう言う技術だった。




と、俺たちがいろんな意味で戦慄している中、同じくぐったりしながらもシリルさんとセリカさんは俺たちに教えてくれる。

「そこに書いてあるとおり、自分たちに足りないところと弱点はわかったはずだ。そして、今回戦ったことで自分の限界も同時にわかったはずだ。それを念頭に置いて、強くなれってことだよ。」

「わかったでしょ?師匠は、弱い部分・足りないところの指摘が完璧なんだよ。体の中の魔力が目視出来るから、魔力操作のムラがある部分もたぶんそれに書いてあるはずだよ。」


確かに書いてあった。

どの部分にムラが多いって。


「それがあるから、師匠と一手戦える人はただの模擬戦とは、何十倍も比べられないほど得るものがあるっていうんだ。それでわかっただろ?」

ホントに実感した。


ここまで、自分たちに足りないところも弱点もわかった。

書いてあることもそうだけど、魔力も体力も絞り尽くされて、感覚で限界を知った。



今回のことを後で書き起こして、考え直さないとなぁ。



「しかも、俺たちの限度がわかるからどんなに強くなっても今のきつさは変わらないんだけどな。」

「それもあって私たちって、どれだけ強くなっても師匠のおもちゃ認定から抜け出せないんだよ。・・あのステータス見てわかったでしょ?あの影の軍勢を対処して師匠の元までたどり着いた上で、師匠に一手入れないといつまでもおもちゃ認定のままなんだよ?」


クラス全員「・・・」


おまけに、お師匠様は実戦経験も豊富なのでステータスの数値を過信しては痛い目に遭うらしい。

先は遠いようだ。

ま、まぁ・・相手は世界最強の賢者様だし、と自分に言い聞かせて、今回の反省をすることにしました。




「とりあえず、みんなお疲れ様。リアちゃんの洗礼は受けたし、さっきのバトルはしれっと録画してた騎士が経由してギルドと教会、僕の弟妹である今の王と王妃に見せるのと同時に君たちの経緯も一緒に伝えているから正式にこの国で何があっても守れるようにするから、安心して。」

クラス全員「ありがとうございます!」


お師匠様が師団長を務める魔術師団の一員としてカウントされてる俺たちだけど、それだけじゃなくてこの国総勢で俺らのバックについてくれることになったのはものすごくありがたい。


「だから、好きなお店で好きな技術を好きなときに学べるから安心してね。生産組のみんなは、自分が作ったものをものによっては販売させてもらえるから、頑張ってね。頑張れば稼げるよ。」

俺たち「っ!」

それはありがたい。

「場合によっては、試作品として着心地、使い心地の感想を伝えてもらえるようにあらかじめ頼んでおくことも出来るからその辺りはそのときにその人に言えば良いよ。」

俺たち「はい。ありがとうございます。」


「それで、リアちゃんからの結果発表なんだけど、君たちの実力は平均Bってところかな。生産組は戦いがメインじゃないから平均Cなのはしょうがないとして、戦闘組は平均ぎりぎりAに届くかどうかって感じかな。この国基準で言うと、ぎりぎり上級に届かないくらいの下級貴族レベルかな。」

ランクは、冒険者ランクを基準にしてるっぽい。

それと、この国の階級的は、上から

公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵、そして、国民

って感じだから、子爵と男爵を行ったり来たりするくらいっぽい。


「ちなみにシリルとセリカは、Sに一応届いてるくらいで、この国基準だと、伯爵かぎりぎり侯爵だね。」

なるほど。

「まぁ、僕とかリアちゃんの場合は、この国で、上から数えた方が早いからその階級基準だと全く当てにならないけどね。」

あぁ・・

「僕たちエトワールファミリーの場合は、それぞれの分野でこの国のナンバーワンだから、ジャンルごとで変わってくるんだ。」


スピードだけだと、シャスティさん

魔法戦だけだと、お師匠様

射程範囲と頭脳戦だとイリスさん

隠密だと、ラウさん

火力だけだと、グリムさん

治療に関しては、セイちゃん

護衛に関しては、アルナさん

騎士としてであれば、ノクスさん


まぁ、そんな感じでそれぞれの分野に関して言えば、この国で一番なんだ。

「で、それぞれの分野を総合してると、リアちゃんが圧倒的に強いんだよね。何せ、魔法というくくりで言ったら最強なんだからさ。他のよりも範囲は広いだろう?」

クラス全員「確かに」

魔法でも、戦いのためと守るため、作るためと色々あるし。


お師匠様の場合は、想像したものを作り出し、操ることに特化してるらしいし、場合によっては自然現象も仕組みが分かれば再現できるらしいし、冗談抜きで最強だと思う。


「と、色々話したけど、君たちの実力はリアちゃんが一番わかってるけど、ある程度はその映像で理解してもらえたと思うよ。」

「お師匠様が理解するのはわかるんですけど、他の人たちが俺たちの力を知って、何か得するのですか?」

ちょっと気になって聞いてみた。

「いざというときの配置決めとも言えるけど、頼み事をするときに限界一歩手前を見極める判断材料かな。」

「なるほど・・お師匠様以外にも俺たちを鍛えてくれるのなら、知っておいて損はないんですね。」

「そういうこと。」


納得しました。


だとしても、今日はもうさすがに動けねぇ!!




って感じで翌日。

朝の身支度とか食事とか済ませたところで、お師匠様は満面の笑みを浮かべたアルナさんのひざの上で愛でられていた。

ちなみに本人は、数種類のパンを食べてる。(グリムさん作らしい)

んだけど、その近くには数体ほどあの影の軍勢で作られていたゴーレムが刺繍をしていた。

サイズは手のひらに乗るくらい。


「シリルさん・・なんでアレが刺繍してるの?」

「ん?いつものことだぞ?アレは、師匠命名:影さんだ。」

クラス全員「影さん・・」

なんか、近所の友人みたいな名前になってる・・。


「それと、目の前にいるのはあれだけだが、実際は50体くらいは軽くこの国中に配置されてるからな。」

クラス全員「なんで?」

「そりゃあ、仕事をするためだ。」

クラス全員「仕事・・」

幼女が仕事・・。

何だろう・・、すごくほほえましい光景とともに、幼女のひもになったような複雑な気持ちが・・。


「師匠の仕事は、身分が身分だからな。人一倍忙しいんだ。文字通り50人分の仕事を行っているんだ。で、影さんが仕事をして、師匠本人は、普通の学生として過ごしているんだ。」

「あの刺繍もそうだよ。定期発注してるからね。」

クラス全員「あぁ・・」

そういえば、お師匠様お手製の刺繍入りハンカチもらったっけ。


と言うか、すっごい手慣れた感じで片手間に操ってるけど、やっぱりお師匠様はすごい。

だって、ぱっと見は何もしてないけど、実際は裏でものすごい数のゴーレムを同時に制御している訳なんだし。

片手間に何十体もゴーレムを別々で操るなんて・・俺たちもいつまでも足手まといになりたくないし、頑張ろう。


それを見て思ったのは・・

「魔法って、使いようなんだね。」

「ね。戦い以外でも役立つんだからさ、私たちも色々使う方針とか考えても面白いかも」

「だね」


・・・って、ふと思ったことがあり、ちょうど近くで魔道具の修理をしていた魔術師団の雷のルミエールさんに聞いてみた。

「あの・・ちょっとお師匠様について聞いても良いですか?」

「んー?良いよ?私でわかることなら」

「お師匠様は、今、何十体も出してあちこちで仕事をしていると聞いてますが、そうなると同時に多くの人たちとやりとりすることになるじゃないですか?」

「なるね。」

「・・同時に何人もまとめて話しかけられて、わかるんですか?」

少なくとも俺は聖徳太子みたいな特技は無理。

「あー、師団長はそれが出来るから。」

「・・・え?」

「師団長ってさ、知ってると思うけどすっごい頭良いし、頭の回転も速いんだよ。そして、すっごい器用なの。」

「わかります。」

あれだけの大群を同時に操ってたし。

「でね?師団長って、同時に何十体も影さんたちを操るのもそうなんだけど、同時に何十人も話しかけられてもすべてを把握できるんだよ。すごいでしょ?一応師団長を真似てやってみた人はいたんだけど、結果としてイリス様が5人相手を同時に聞くくらいが限度で、他の人は出来ても2人だったよ。私なんて絶対無理。そういうことは得意じゃないし。」

「お師匠様のすごさが際立っただけでした・・ありがとうございます。」

「良いよー。私もそれ同感。」

「それともう1つ良いですか?」

「良いよ?」

「そんなに何十体も同時に操って、お師匠様は大丈夫なんですか?」

「あぁ・・前はそれでかなり負担がかかってたみたいなんだけど、師団長人族から天使族に進化したから、あのくらいはほとんど負担にならなくなったみたい。サイズが小さければその分負担も小さいらしいし。」

「なるほど・・けど、それでも無茶はさせたくないですよね。」

まだ、幼いんだし。

「私も同感。あ、もし師団長を喜ばせたいなら食べ物が良いよ。」

「食べ物?」

「うん。師団長って、趣味って言う趣味が食べることと動物とかをもふるくらいだから。」

「なるほど・・。じゃあ、依頼を受けたりしたときはそれを頭の片隅に入れときます。」

「それでいいよ。それと、師団長って見た目にそぐわず超大食いだから。」

「・・・え?」

「まぁ、ご飯の時間になればわかるよ。と言うか、気付いてなかったの?」

「えっと・・・大勢で食べていたのでそこまで気付けてませんでした。」

後、カナミとかイリスさんたちとかと話すのに気を取られてそこまで見てなかった。

「じゃあ、見てみなよ。すっごい驚くから。」



そして、食事の時間になって確認してみたら、ホントにすごかった。



なんであの小柄な体格であんなに食べられるの?

聞くと、現在は10人前くらいは平均的に食べてるらしい。

しかもそれは、この国だと結構有名で、よく食べることを理由に、料理の試食とかをあげて感想を求める人も少なくないんだとか。


あぁ・・お師匠様反則的に可愛いし、大食いなら確かに餌付けしたくなるね。

まぁ、本人は嘘を見抜く力があるらしいし、敵の善悪もわかるらしいし、本人超強いし、必ず護衛代わりの付き添いがいるから心配いらないけど。




ちなみに午前中は、俺たちは全員エトワールファミリーの誰かと模擬戦をして、勉強をしている。

それから午後は、依頼を受けたり、城下町に出かけたり、生産職ならそっちの勉強に出かけたりしている。

人によっては、毎日教会に祈りに行ったり、そのままそこにある本を読んだりもしてる。


俺はと言うと、お師匠様からのアドバイスの情報を元にイリスさんの協力の下、鍛えるスケジュールを決めてもらったから、それを元に必要な技術や知識を学んでるところ。

カナミは、俺と出来るだけ一緒にいたいとのことで、なるべく俺と似たようなスケジュールで行動してる。

とはいえ、戦術が異なるから連係プレイのために一緒にいるような感じ。

でも、俺よりは学ぶバリエーションが少ないから、1つ1つの技術を深めると言った点で言えばカナミの方が実力上がるのは早い。


そんな俺だけど、どうも他のメンバーと比べると学ぶことがすっごい多く出来るだけ無理のないスケジュールをイリスさんが作ってくれたけど、そうなるとカナミと一緒にいられる時間が食事の時と寝るときだけになってしまうのが現実。

だから、ポジション的にはシリルさんが俺たちのリーダーだとすれば、俺がサブリーダー。

とはいえ、シリルさんは俺たちのチームと言うより、そのチームの保護者みたいな感じだから事実上正式なリーダーじゃないから、実際は俺がリーダーを務めるような感じなんだ。


という感じで、カナミといちゃつく時間がすごく少ないせいで、寝るときなんてその欲望を発散するために毎晩すっごい性的に何度も襲われてます。(俺のご褒美でしかないけど)

とはいえ、エロいことはお互い大好きだけど、普通にデートとか、健全ないちゃいちゃもしたいのも現実。

だとしても、そっちを優先すると俺の実力が中途半端どころか器用貧乏になってしまう可能性がある。


そこを察知したイリスさんが魔術師団の人たちと連携してとあるものを作ってくれたんだ。




支援の極みゴーグル

見た目はシンプルな黒いスポーツゴーグル

ありとあらゆる環境下でも、見通すことが可能であり、装着した状態で念じるだけで広角・望遠が可能。

更に、特定の相手限定で【念話】が可能(対象者は、名前と顔を知っていることが条件)

魔力制御の補助を行い、【思考加速】などと類似した技すべての負荷を半減させる。




だとしても、このゴーグルはすごくありがたい。

名前の通り支援の極みで、仲間に念話して状況を伝えられるし、考えることが多いからその負荷が減るのは長期戦ですごく助かる。

しかも、望遠鏡代わりにもなるのはものすごくありがたい。

だって俺の場合、狙い撃つことが主本だからね。

どの効果も、1つたりとも無駄なものはないし、むしろ俺のポジション的には全部がすごくありがたいものだ。

とはいえ、学ぶべきものは学ばないと意味がないから、頑張る必要はある。

けれど、これありきで考えたら、やるべきことはだいぶ減らすことが出来る。


まぁ、最終的にはこれを頼りにしなくても出来るようになる必要があるけど、今はこれでいいんだって。

そこで、ポイントなんだけど、弓を扱う部分の技術と筋力はもちろんだけど、【思考加速】は俺が持つ考えることに対する技。

で、これらと類似した技すべての負荷を半減させるってことは、複数持っていたら全部半減できるってこと。

これは、すごいことだ。


だから俺は、お師匠様に相談した結果、【並列思考】とか【速読】などなどものすごい数の関連技を教えてもらった。

詳細は、知ってる範囲で同じく教えてもらったから、取得条件はまぁ頑張れとのこと。


これらをまとめて手に入れて頑張らないとね。

そうしたら、もっとみんなの役に立てる。

特に俺のポジションは考えることがすごく大事になるからさ・・リーダーなわけだし。



で、俺がリーダーになるということをみんなに聞いたら、全員OKだった。

元々、仮でニシキとカナミが男女それぞれをまとめてただけで、事実上、シリルさん以外にリーダーとなる人がいなかったんだよね。

だから、今回のことと、それぞれの戦術とかをみんなで相談したら俺がリーダーでOKってことになったんだ。




とかそんなこんなで、夕ご飯を食べてるときにイリスさんから一言こんなことを言われた。

「そうだ。例の超大型スタンピートの時の戦いが最初から最後まで録画してある魔道具がカタクリの町から届いたんだけど見る?」

クラス全員「みたい!」

全員がアレはヤバすぎるって口を揃えて言うんだし、今後の参考にしてもみたい。


「って、イリスさん。それ、俺らが先に見ちゃっても良いんですか?たぶん、陛下とか見たがるんじゃないんですか?」

「あぁ、大丈夫。届いたのは1個じゃないから。複数複製してこっちに送ってくれたみたいだよ?」

「なるほど・・って、なんで録画してあるのかと思ったんですけど、あそこの領主様がファンでしたね・・」

「そういうこと。是非勇士を!とかなんとか。で、これのオリジナル品は家宝にするんだってはしゃいでたよ?」

「あぁ・・」

どうも、そのスタンピートが起きた町の領主さんはお師匠様とイリスさんの大ファンらしい。


けど何でだろう・・俺たち、すごく仲良くなれるような気がする。



そして、観戦した結果。


全員「・・・・・・」


その戦いに参加したメンバーを除いて、魔術師団の人たちも含め全員が口をぽかんと開けたまま目を見開いてフリーズしていた。

で、該当者であるお師匠様はというと、全く気にせずにご飯をどんぶりで5杯目を食事中。


「師団長・・私たちの想像の何十倍も実力を普段から抑えてたんだね・・」

「で、ですね・・まさかここまでだとは思いませんでした。」

「マジかぁ・・いざ目にしたらヤバいな。」


どうやら、部下であるこの人たちですらお師匠様のガチの本気は知らなかったらしい。

で、俺たちはと言うと

「どのくらい手加減してたのかと思ったら・・ここまで手加減してたんだ・・」

「うん・・ホントに俺たちおもちゃで遊ばれる程度だよ・・良くても。」

「ホントそれ・・と言うより、思い切り遊ぶほどの実力すらないよ・・私たち。」

「アレはただ人数がいたから遊べてただけだと思う・・これ見て確信した。」

「やべぇ・・お師匠様が予想以上にヤバかった・・俺は、目測を誤ってたか・・。俺の勘も当てにならねぇな・・予想を遙かに上回ってた。」



としか言い様がなかった。

俺たちとの戦いは、おもちゃで遊ぶじゃなくて、弄ぶが正しかったようだ。



普段からどれだけ手加減されてたか、よくわかりました。

それと、アレはステータスの高さによるごり押しだけじゃ絶対に出来ない威力だった。

アレは、多くの経験とそれぞれの技を巧みに操り、それらを組み合わせる知識と技術。


すべてが合わさってないと絶対になしえない究極だった。








余談だけど、この録画をこの国の学園の教師にもセイちゃんが見せたらしいけど、学園長とお師匠様の担任以外全員が、頭を抱えたとか。

どうやら、卒業生予定者相手とは、世間の厳しさを伝えるためにガチバトルをするらしいけどお師匠様のヤバさを甘く見ていたらしい。

まぁ、一応すでに卒業資格はお師匠様はあるらしいけど、それでも自分たちの判断(卒業試験の免除のこと)は、間違ってなかったと神に感謝したとかなんとか。

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