フリージアと仮面
皆様の応援のおかげさまでPV数が50万を突破しました。
本当にありがとうございます。
これからも、「陰の支配者」をよろしくお願いいたします。
・・・正直、50万PVが多いのかどうかよくわかりませんが・・。
それと、後10数話ほどで本作品は完結となり、その続編を書く予定です。
「陰の支配者2」
サブタイトルは見てのお楽しみに。
--タクミ--
お師匠様が無事に目を覚ました!!
と思ったら、周囲のメンツを全スルーしてそのまま寝ました。
で、周囲のメンツは全員揃ってOTL状態でした。
って感じで、いろんな意味で慌ただしかった日の翌日。
結局お師匠様が起きて速攻で寝た後なんだけど、クラスのみんなとアレこれどうしようかと駄弁ってたくらいで、その後は、眠るまでの間、魔力制御とか筋トレとか基礎的なことをしてました。
で、そんなこんなで翌日になったわけなんだけど・・・そこには、ものすごい威圧感をまとってる男性がいた。
見た目的に年は同じくらいっぽい?
「グリム、久しぶりだな。今まで何してたんだ?」
「おう。ちょうど、長期の依頼を受けてたんだよ。で、今帰ったんだ。きちんと土産もあるぞ?」
「マメだなぁ。」
「お前も似たようなことしてるだろうが。」
「まぁな。」
「シリルさんシリルさん・・その人誰?」
「ん?なんかまとう雰囲気がシリルと似たようなのがぞろぞろいるな。・・あぁ、もしかしてこいつらが脱走組か?」
何その脱走組って・・。
いや、確かに間違えてないけど、その言い方だと脱獄したみたいに聞こえるんだけど。
「あぁそうだ。俺の同郷。で、紹介するな。こいつはグリム。SSランク冒険者の死神だ。」
「あ!聞いたことある!正義の死神!」
「それそれ。」
「はぁ・・それ、すごいムズムズするんだが。」
「事実だろうが。で、師匠の婚約者で、次期エトワール公爵家当主で、イリスさんの後継者予定。」
「腕っ節はともかくとして、それ以外がまだ自信ないんだよなぁ。」
「比較対象がこの国で最も頭の良い天才だしな。だが、理想は高い方がやりがいがあるだろ?」
「まぁな。」
マジですか・・と言うか。
クラス全員「お師匠様の婚約者・・・ロリが好みですか?」
ついぽろっと思ったことを口にする俺たち。
「お前らなぁ・・言いたいことはわかるが、わざわざそれ言うか?」
「だってぇ・・」
「はぁ・・やっぱり、それを言う奴がいたか・・。けど俺自身・・リア以外に、そう言う目で女性を見たことはない。年齢とか見た目問わず。」
威圧感まとってるけど、顔を赤くしてそっぽ向いてる。
あ、見た目に騙されそうになるけど、以外と純情さんだ。
「わかったろ?それに、世間では、師匠は中身は俺たちより年上と思われてる節があるからそう言う部分は問題ない。」
クラス全員「え?なんで?」
「まだ話したことがないからわからないだろうが、師匠は精神年齢がものすごく高いんだよ。で、包容力というかそう言う部分がすごいから大抵の人は師匠の方が姉扱いすることが多い。」
「うん、俺もリアが時々俺よりも年上に思うことがあるし。」
「だろうな。アルナさんと並んでると、アルナさんが妹で師匠が姉扱いだしな。」
「ホントそれなんだよな。」
マジですか・・。
「で、なんか騒がしいんだが何かあったか?」
「それが、昨日師匠が目を覚ましたような気がするんだ。」
「マジか!!って、気がするって曖昧だな。」
「としか言い様がないんだよ。目を開けたかと思ったらあくびをしてそのまま寝たんだから。・・アルナさん以外も触れるからホントにただのお昼寝っぽいんだけどさ・・俺らの呼びかけも全部スルーされたし。」
「あぁ・・・リアのスルー力は相変わらずか。・・とりあえず、会わせてくれ。」
「構わないぞ。土産、代わりに受け取っておこうか?」
「あぁ、頼む。」
ちなみにお土産は、ものすごい量のだしとかに使えそうなものの乾物と、海鮮物の干物でした。
川か海が近かったのだろうか?
それと、俺らにもお近づきの印とかでパンをもらいました。
彼は、趣味でパン屋を営んでるらしく、今回はシンプルなロールパンを1人1個ずつもらいました。
ありがたく頂戴して食べたけど、すっごいおいしかった。
今度買いに行こう。
値段もかなり安いらしいし。
「お邪魔します。」
「グリム、いらっしゃい。」
「イリスさん、お邪魔します。」
「久しぶりだね。依頼にでも行ってたのかい?」
「はい。お土産はシリルに渡しているので後にでも、楽しんでください。」
「ありがとうね。」
「さっき、シリルからリアが目を覚ましたっぽいと聞いたんですけど」
「あぁ・・うん。今、ちょうど起きたところだよ。」
起きてる!
じゃあ、挨拶できる!
「こっちだよ。」
そして、案内してもらったんだけど・・・
「リア様~?ここですか~?」
全員「・・・・」
「こっちですかぁ。リア様かわいいですけど、人の姿にならないんですか?そっちの姿気に入ったんですか?」
「にゃぁ。」
「そうですか。まぁ、無理強いはしませんけど、早いうちに人の姿を見せてくださいね?」
「にゃう。」
「良いですよ。リア様のお世話をするのが私のつとめですから。」
えぇっと・・確かに起きてました。
けど、子猫のままアルナさんにひざの上でブラッシングされてました。
アルナさんはと言うと、なぜか子猫状態のお師匠様と普通に会話をしてる。
どう聞いてもニャーとしか言ってないけど普通に会話してる。
「あ、グリムさんお帰りなさい。」
「あぁ、ただいま。で・・リアはなんでそのまま?」
「気分だそうです。」
気分・・
ホントにマイペースだなぁ・・。
「とりあえず、リア。無事で良かった。」
(コクリ)
「無理はするなとは言わない。リアは、そう言う使命を背負ってるのはわかってるからさ。だから、俺はそれを支えられるようにもっと頑張るからさ。」
グリムさんがすごいかっこいいことを子猫に言ってる。
で、子猫はと言うと普通に頷いて聞いてるし、その言葉がうれしかったのか、グリムさんの指先をぺろりとなめる。
「あぁ。無理は言わないけど早いうちに人の姿を見せてくれよ?」
(コクリ)
「で、とりあえず後ろの連中が、話したいっぽいから変わるわ。」
で、唐突に俺たちが話をすることになった。
えぇっと・・いきなりで、どうしよう!
何を言えば良いんだ!?
しかも、すっごいジーッと見てるんだけど!?
穴が開きそうなくらいジーッと見てるからホントにどうしよう。
「え、えぇっと・・」
クラス全員「お兄ちゃんがお世話になってます!それと、俺(私)たちもこちらでお世話されることになりました!よろしくお願いいたしますお師匠様!」
やべ、名前とか言ってないからどこのお兄ちゃんだとか、いきなりお師匠様呼びしちゃったとか、一方的にお世話になることが決定してますってこの家の主に言ったというむちゃくちゃな会話になった!
で、
(コクリ)
なんかわからないけど、納得したらしい・・・
えぇ・・
「えぇっと・・リア様?一応、確認しますけど理解してますよね?」
「にゃあ」
「あぁ・・確かに理解してますね。」
「アルナさん?お師匠様はなんと?」
「えぇっと・・そのまま言いますね?シルちゃんの自称弟妹の脱走組で、私の部下として保護することになったと言うことでしょ?・・だそうです。」
うん・・合ってる。
なんで、あのめちゃくちゃなもので、わかるの!?
天才の娘もやはり天才か。
「にゃあ」
「え?それを聞けば良いんですか?」
(コクリ)
「どうしたんですか?」
「えぇっと・・・道具を作るのが得意な子はこの中にいるか聞けと・・」
「一応います。この国の人たちに弟子入りする予定なのでまだまだですけど。」
「にゃあ」
「リア様が魔術師団全体で作るものがあるから協力して欲しいそうです。この魔道具は、結果としてあなた方のために作るものだからむしろ協力するのは決定事項だから拒否させないとも言ってますけど。」
「え?」
何を作るの!?
「にゃあ」
「え?剛さんに最低でも連絡できるようにする魔道具を作るように約束した?最終的には、帰せるようにするのが最終事項?」
え?
剛さんって誰?
「あの・・そのツヨシさんとは?」
「にゃあ」
「え?セリちゃんのお父さん?」
全員「は?」
なんで、セリカさんのお父さんが出てくるの?
「にゃあ」
「ついでに、シルちゃんのご両親とセリちゃんのお母さんともお話ししたんですか?」
全員「はぁ!?」
シリルさんとセリカさんのご両親とも話をしたってどういうこと!?
「師匠!どういうことですか!?」
さすがのシリルさんも慌ててる。
「・・あの・・リア様・・さすがに私が翻訳するには」
と、アルナさんが苦笑しながらそう言うと、ふわりと子猫が光った。
すると、目の前にはアルナさんのひざにちょこんと座っている”白髪”の美幼女がいた。
ピンと両側に跳ねた髪が、猫耳を彷彿とさせ
淡い紫色と銀のオッドアイ
幼女だけど抜群のスタイル
白系統のワンピースに腰にはバツ印にまいたベルト
ワンピースとは離れてるけど、二の腕の途中から手首近くまでを和服の振り袖っぽいのがある
そして、大きな黒い天使の翼
全員「・・・・」
髪色が違うというツッコミがどうでも良くなるくらいの美少女・・いや、超絶美幼女がいた。
思ったよりも幼女だった。
なんで?
あの頃から結構時が経ってるけど・・って、これが、リアルの合法ロリか!
で、俺らがつい口にした台詞はと言うと
クラス全員「ロリのア○セルさんだ・・・」
で、イリスさんたちは当然誰それってなったんだけど・・・
{私は、白い焔は扱えませんし、武器の名前はカリ○ンテではありませんよ。}
クラス全員「っ!?」
普通にカウンターを食らって、逆に驚かれました。
って、なんで普通にそのネタを知ってるの?
と言う以前に、この子の教育係はどこまで教え込んでるの!?
と思って、教育係らしい人たち数人に顔を向けると頭を抱えて俺のせいじゃないと言ってたので、誰かが吹き込んだ模様。
とか驚いてたら、その俺らのリアクションをスルーして自己紹介をしてくれた。
・・驚かせておいてスルーするのね・・この子。
{改めまして、フリージア・クラリティ・エトワールと申します。ようこそ、シルちゃんの自称弟妹たち。愚かなことをしなければ歓迎しましょう。}
頭に響く不思議な声。
というか、すごい良い声してるよね!
若干ハスキーがかった感じのこの声、すごく良い。
と言うか・・黒髪だとペチュニアさんにすごいそっくりだけど、今の白髪だと・・イリスさんにすごいそっくりだ。
特に落ち着いたところとかを含むと余計に似てる。
「り、リアちゃん?」
(?)
「リアちゃん、その髪はどうしたのかな?それと、腕も戻ったのかい?」
{さぁ?なんか、色々と進化するのに合わせて勝手に腕を治したり代償として色素を抜かれたりとされたっぽいですけど、それでは?}
「あぁ・・世界の声にもそれらしきことはあったけどそういうことだったか・・。」
と言うか、お師匠様って片腕は、義手だったんだ。
「それで、シリルたちのご両親と話したとはどういうことなんだい?」
で、お師匠様から話を聞くと、あのスピリット・レスティングと言うところで、のんびりしてるとテレビ越しで偶然シリルさんとセリカさんのご両親と会話が出来たらしい。
そして、そのときにシリルさんとセリカさんを保護していることと、俺たちがシリルさんめがけて旅をしていたことも伝えたんだとか。
そして、通信が途切れる前に最低でもこの世界から日本のあの人たちへ会話が出来るようにする魔道具の開発をすることを約束し、最終的には元の世界に帰れるようにすると言ったらしい。
それと、あちら側はやはり大騒ぎになってたみたい。
こちらの事情はまずどう説明しても信じてもらえないらしいので、関係者だけにそのことを話すみたいだ。
「そっか・・偶然とは言え、こちらの状況を伝えることが出来たのは運が良かったね。」
それはホントに思った。
「俺たちも是非協力させてください。まずは、その通信用の魔道具の開発を!」
(コクリ)
「で・・・アルナさん・・」
「りあさまだぁ//」
全員「・・・・」
アルナさんは今、蕩けた表情でお師匠様をひざに乗せて後ろから抱きしめてほおずりしてます。
ちなみに、事情というか状況を説明してるときからずっとこれです。
それと、お師匠様のスルー力のすごさを知った。
その状況でも一切気にせずにスルーしてる。
それと、ホントにしゃべらないし、表情もピクとも変わらないね!
いや、十分かわいいけど。
で、アルナさんって胸が大きいからお師匠様普通に胸に埋まってるんだけど・・・それでもスルーなんだ?
さすがだなぁ・・いろんな意味で。
そして、お師匠様の手は、現在獣魔たちを順番になでてる。
その大半はシャスティさん。
・・アルナさん以上にすごい光景が目の前に広がってる。
なにせ、あの凜とした姉御と言いたくなるほどのかっこいい感じだったのに今はマタタビ浴びたにゃんこ状態ででろっでろに蕩けておなかを出してお師匠様になで回されてるし、なでなでを本人が催促してる有様だし。
それから、ユウ君とセイちゃんがやってきて・・
「リアちゃん!・・あぁ、予想通りな光景が」
「リア!・・・うん。と言うよりアルナさんの蕩け具合がすごいことになってる。」
「仕方ないでしょ。と言うか、リアちゃん白髪も似合うね。正しくは、若干紫系統の色が混ざってる感じっぽいけど。」
「ね。ペチュニアさんからイリスさんに近くなった感じかな?見た目。髪の先の方にいくにつれて藍色っぽく色が変わっていくんだね。」
「と言うより、リアちゃんが前よりも幼女になってるんだけど。」
「うん・・すっかり僕たちと見た目年齢に差が出ちゃったね。」
「まぁ、リアちゃんらしいと言えばらしいのか・・な?」
「あぁ・・かも。」
「それで、リアちゃんは翼しまわないの?」
セイちゃんがそんなことを言うが・・あの羽って仕舞えるの?
(ふるふる)
と、お師匠様は首を横に振る。
やはり、無理らしい。
「そうなの?」
「セイ、だってリアの種族は確か・・」
「あぁ・・もう自分の一部って扱いになるから無理なのか。」
よくわからないが納得したらしい。
「それにしても・・」
(?)
「元々可愛かったけど、髪色がこんなことになってからひときわ可愛くなったから・・いろんな意味でヤバいよね?」
「あぁ・・かも。」
「えぇっと、口を挟むようで申し訳ないけど、どういうこと?可愛いのは、わかるけど。」
わかるよ?
すっごい美幼女なのはわかるよ?
「えっと、確かに元々可愛かったんですけど、リアちゃんのお母さんと同じ黒髪で、顔もすごくペチュニアさんそっくりだったからその影響で、リアちゃんのことを知らない人はちょっとやそっとのことじゃ近づけなかったんですよ。・・流星姫の恐怖を知ってるから」
クラス全員「あぁ・・」
セイちゃんが口を濁したように言ったことは理解できた。
端的に言えば、恐怖伝説を築き上げていたペチュニアさんの影響で、その噂が後押ししてゲスな輩は近づけなかったけど、白髪になったことでその噂が当てにならなくなったと。
まぁ、獣魔たちとか護衛代わりの人たちは大量にいるし、本人も強いから大丈夫とは思うけど。
「けど、それって今更じゃないの?」
「それもそうなんですけど。そんな有象無象のためにリアちゃんを狙う屑が黒髪の時よりも増えると考えると鬱陶しいじゃないですか。少しでも、そう言う負担は減らさないと。」
有象無象って・・わかるけど。
「じゃあ、どうする?」
「んー、あ!仮面を作ろう!」
なんだろう。
このすっごい軽いノリ。
で、そのノリに最初に乗ったのはまさかのイリスさん
「それは良いね。外に出かけるときは身につけるようにしておけば、ナンパとかも減るだろうし」
そっか、ナンパを減らすって考えたらそっちが一番めんどくさいね、対処が。
なにせ、ゲスなことを考えて近づく奴だったら瞬殺しても問題ないけど、ただ純粋にお近づきになりたいとか、ゼロとは言わないけど、ゲスな考えがほぼない人相手を瞬殺するのはさすがに良いとは言いにくい。
まぁ、最終的には必殺不敬罪があるんだけど、お師匠様の場合。
でも、ちょっとやそっとの面倒ごとを減らすならちょうど良いかも。
「と思って、部下からこのような品がタイミング良く師団長宛に届いてますよ。」
魔術師団のティアさんがそう言いながら、すごいタイムリーに、仮面を差し出してきた。
「ティア、部下って、魔術師団のかい?」
「はい。師団長のことを案じて、前々から協力して作っていたようです。そして、今回とても良い出来だったらしく、提出されました。」
なるほど・・。
やはり、この国はどんな下っ端でも優秀らしい。
で、差し出された仮面は、真っ黒で、おでこからあごまですっぽりと覆う一般的なもので、シンプルな出来だ。
口の部分は、開閉出来るようになってるようで、つけたままでも食事は出来るっぽい。
後、よくよく見ると中央には猫の顔の中央に肉球マークが描かれたシルエットとその両端に黒い翼が描かれている。
光に当たるときらりと光ってその柄が見える感じだから、ぱっと見は真っ黒で柄が何もない奴っぽく見える。
それと、目の部分は、穴が開いてるように見えたけど、よくよく見たら透明なガラスっぽい何かがはめ込んであるみたいだ。
すごいシンプルだけど、良いと思う。
「ちなみに、その模様は団員たちが、師団長をイメージして作ったオリジナルの模様らしいですよ」
聞くと、お師匠様の元には、必ずカルナさんとシャスティさんがいることは有名だから、
シャスティさんをイメージした猫の顔
カルナさんをイメージした黒い羽
お師匠様のイメージで黒い天使の羽
どうやら、両側の翼は、それぞれ八咫烏の羽と黒い天使の羽と別々のイメージだったらしい。
隠密の仮面
顔全体を覆い隠す漆黒の仮面
口元は開閉可能となっており、目元は透明な金属を使用している。
中央には、黒銀で猫の顔の中央に肉球が描かれ、その両側には翼が描かれているが、光に照らされないと非常に見えにくくなっている。
効果
自身以外の生物すべてに対して非常に強力な隠密状態となる。
空気清浄の魔法が込められているため、息苦しくなることはなく常に清潔な空気が与えられる
仮面全体に魔力を込めると硬化することが可能
目元の透明な金属へ魔力を込めると広角と望遠が可能
汚れても水で簡単に洗い流せる
ちなみにこれが、リリさんが鑑定して出てきた結果。
すごい効果だと思う。
と言うより、効果もすごく魅力的だし、以外とかっこいいかも。
俺も、仮面・・は、なくても良いから、望遠とかそう言う機能がついたゴーグルみたいなの作ってもらうか探そうかな。
職業的には向いてると思うんだ。
「と言うわけで、師団長。こちら、部下からの贈り物ですし、身を守る防具としても有用ですので是非使ってあげてください。」
(コクリ)
そして、お師匠様はその仮面を取り付ける。
すると確かに、さっきよりも気配とかが薄くなった。
顔をふりふりしたりして確認してるところを見ると、ちょっとやそっとのことでは、外れないらしい。
とまぁ、そんな感じでドタバタしてたけど、お師匠様が突然こんなことを言い出した。
「ねぇ、遊ぼうよ」
全員「っ!!」
すごく穏やかで可愛い声なのに、それと同時にものすごい濃密な威圧感が漂ってくる。
そして、仮面から覗く瞳は楽しそう・・と言うか、すっごいギラギラしてる。
それと、瞳にはなぜか魔方陣が現れてる。
何で!?
体に、魔方陣が宿る技なんてこれまで一切見聞きしたことないんだけど!
とか思っていると、
「お前ら、師匠の目にアレが出たときは、師匠が夜叉姫モードになってる証だ。十分気をつけろよ。」
クラス全員「うっす・・・って、夜叉姫モードって何?」
そもそも夜叉姫って、お師匠様の二つ名の、魔境姫ともう1つあるやつだよね?
「まず、師匠には二つ名が2つある。1つは、魔境姫。これは、魔法の反射が自在に操れることから呼ばれるようになったものだ。そして、もう1つが夜叉姫。これは、元々師匠の体質で自身の近くに悪心の持ち主がいれば、1人残らず殲滅せずにはいられないと言う体質の餌食になった獲m・・犠牲sy・・・悪人たちが恐怖の代名詞として呼ぶようになったことが始まりだ。」
「ちなみに、シリルの黒夜叉は、元々は夜叉姫2号っていわれてたのが、シリルは男だからって黒夜叉に改名されたんだよ?で、要するに、夜叉姫モードって言うのは、師匠が戦闘モードになったときのことだよ。こうなったら、師匠が満足するか、敵を狩り終わるまで続くから。」
クラス全員「・・・・」
獲物とか犠牲者とかシリルさんの隠しきれてない本音が聞こえた・・。
それと、お師匠様って見た目詐欺筆頭?
しかも、率先して狩りをしてるらしい。
・・・・で、そのお師匠様の視線は、がっつり俺たちに目がいってる。
あぁ・・今回の獲物は俺たちですか。
で、アルナさん。
わざわざお師匠様の仮面を外して、お師匠様の可愛い笑顔(滅多に目撃出来ないから超絶レアらしい)を見せてくれたのはうれしいですけど、そのギラギラしたターゲットロックオンした状態で、見たくなかったなぁ。
せめて、普通ににこりとほほえんでくれたときの方が良かったなぁ。
「あ、あぁ・・・獲m・・・シリルとセリカ、脱走組は、全員国の外に行きなさい。・・この国の訓練場だと、周囲を巻き添えにしちゃうから。だから、リアちゃんも国のお外に行ってからにしようね?」
イリスさん・・今、俺たちのこと獲物って言おうとしませんでしたか?
「あぁ・・・とりあえず、俺がリカルと教会と城に伝えてくるよ。」
「お嬢様のご尊顔はしっかりと数枚描きましたのでご安心ください。」
「あぁ、カルナ、リカルもよろしく頼むよ。」
とか言って、カルナさんとリカルさんが出かけて行った。
ちなみに、お師匠様が人の姿になってからさっきまでクハハハハハと高笑いしながら絵を描いてました。
それが、お師匠様の自画像でした。
おそらく、それを見せて現在はこんな姿だと伝えに行ったんだと思う。
で、スタスタと大人サイズのでっかい杖を持って、お師匠様が歩き、シャスティさんが隣に、
ハディさんとラナさんがお師匠様の両肩にいる。
一番体の大きい黄昏さんは、家の隣で横になって羊たちとともにのんびりしてる。
基本的に動くことがほとんどなかったりする。
そして、そのお師匠様の隣(シャスティさんと反対側)で、アルナさんがいる。
それから、他のメンバーと俺たち(すっかり俺たちのチームが脱走組と浸透し始めてる)が、後ろからついて行ってるところ。
何だけど・・お師匠様のすごさは、髪色が変わった程度では全く周囲への問題はなかった。
ま、まぁ・・別の意味で問題があったけど・・
「姫様だ!」
「クテン様だ!」
「クテン様だ、ありがたやありがたや」
「より一層、神聖さがましておられる!」
「ありがたやありがたや」
「姫様はやはり我らが天使!」
通りすがりの人たちがほぼ全員、拝んでた。
で、髪色が黒から白になったっていう部分は、周囲のメンツは一切気にしてないらしい。
と言うより、見間違えることはないらしい。
・・・と言うより、今お師匠様、あの黒い仮面をつけてるんだけど、なんでスルーしてばれてるの?
いや、周囲のメンツで気付いたんだと思うけど、なんで仮面?とかそういうリアクションもスルーして速攻でばれてるの?
やっぱり、この国ってすげぇ・・。
顔を隠して髪色が違うのに一切気にしてない。
だと言うのに、そのご本人は、一切スルーして歩いてる。
・・この、光景を全部スルーって・・やっぱりすげぇ。
で、ある意味一番らしいリアクションがあったのは、この国の門番を務めている騎士の人たちだった。
お師匠様が、無言でギルドカードを見せてくいっと杖で門をつついて開けろと催促してたところで
「え!?姫様!?」
「マジだ!姫様だ!色々変わってるけど、姫様だ!ご復活おめでとうございます」
速攻で、片膝をついて頭を下げた。
カードをいつも通り確認して、お師匠様を見た直後にこの状態。
おぉ・・騎士だ!
その態度も騎士らしい騎士だ。
で、お師匠様はなぜかその門番さんたちを順番に頭をなでてた。
えぇ・・子供扱い?
騎士の扱いそれでいいの?
とか思って門番さんたちを尊厳とかの心配をしつつ見てたんだけど・・
「ありがたき幸せ」
なぜか、すっごい喜んでた。
「あ、失礼いたしました。すぐに開けます。」
(コクリ)
「では行ってらっしゃいませ」
(コクリ)
「あぁ・・師匠に頭をなでられるのはとても名誉あることらしい。」
「青い鳥的な認識で良いよ?」
クラス全員「あぁ・・」
縁起物扱いというか、アレ、有名なんだ?
むしろ、うれしいことなんだ?
で、運命は忘れた頃にやってくる。
昨日のアミさんの【危険予測】は、その数秒後にこのことをさしていたのだと直感で気付いた。
「ねぇ、遊ぼうよ。」
クラス全員「っっっ!!」
突如として襲いかかる、超高密度な威圧。
俺たちは、これまでの2年間のおかげか、全員一瞬で防衛陣形を組んだ。
そして、俺たちの前には、真剣な表情で本気モードになってるシリルさんとセリカさんがいる。
その瞳は、ただの模擬戦をするときの雰囲気じゃない。
むしろこれは、殺し合いに近い感じだった。
で、シリルさんが俺たちに目を向けずに話しかけてきた。
「お前ら、全員本気でやれ。じゃないと、一瞬で全員まとめてやられるぞ。」
「冗談抜きで、命の危機だからね?良くて、腕とか足の1本や2本は使い物にならなくなるよ。」
「一応私が治しますけど、セリカさんの台詞、比喩じゃないですから-!全身骨折もしっかり治しますけど、下手すれば死にますよー!」
セイちゃんがすっごい距離を開けて俺たちにそう声をかける。
クラス全員「マジですか・・」
「大丈夫ですよ-!リア様にとっては、遊びなので本気で殺しに来るわけじゃないですからー!・・まぁ、リア様にとってはですけど。」
クラス全員「・・・」
アルナさん・・・最後につぶやいた台詞がすっごい不安をかき立てるんですけど。
俺たちは、突如として世界最強の幼女賢者とマジバトルをすることになった。
仮面の模様は、この作品のタイトルロゴです。
それと、アンセルさんは、「セイクリッド・アンセリス」さん
「このすば」のイラストレーターさんの描くキャラです。
ちなみに、元々、フリージアのモデルにしたのは、アンセルさんだったりします。