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フリージアの目覚・・・・・め?

--タクミ--

クラリティ王国で、色々と充実してるけどその分大変な日々を送っていた。

お師匠様の同級生らしい、セイちゃんとユウ君が、毎日学園からの帰りにやってくるから、ちょいちょい話してる。

いやぁ、ホント優秀だよね。

ユウ君なんて、最初女の子と思ったら男の子だったのは驚いた。

まぁ、女性陣が股間を鷲掴み(というより何度も揉んでた・・何人も)して直接確認してたけど。

それ以降、家の女性陣がことあるごとにユウ君を抱きしめて、同時にセクハラをあいさつ代わりにやらかすから、すっかり恐怖の対象となったらしく、俺たち男性陣は盾代わりにされる代わりに仲良くなりました。

まぁ・・隙をついて毎回セクハラされてたけど・・。

うん・・その涙目の上目遣いやめて?

ボーイッシュな美少女にしか見えないからついクラっとしちゃうから。


で、セイちゃんは回復と治癒魔法のスペシャリストでホントにすごかった。

どんな怪我も病気もすぐに治ってた。

それと、護身術程度しか杖術は扱えないって本人は言ってたけど、個人的には護身術で納まるの?

と言いたくなるくらいは、結構強かった。

まぁ、セイちゃん自身もいろんな人に鍛えられてるみたいだし。

あくまでも、治癒と回復の部分がメインらしいから、ものすごく忙しいらしいけど。


そんなある日、偶然、ペチュニアさんの声をリリさんが聞いて、どんな人か知った。

・・ホントに噂通りのハチャメチャな人だったのは驚いたけど、それよりも驚いたのは、お師匠様があの賢者だったってこと。

ホントさ・・・自画像を見せてもらったときはすっごく清楚で優しそうな美人だったのに中身はきれいに真逆というまさしく見た目詐欺なのは驚いた。

それは、誰もが同じことを思ってしまうのは当然らしい。

おまけに、このステータス




名前:フリージア・クラリティ・エトワール

ランク:SSS(二つ名=魔鏡姫/夜叉姫)

パーティ:ハリーファ(リーダー)


体質:ほぼ不老

性別:♀

年齢:14

種族:能天使(始祖)

身分:クラリティ王国公爵、クラリティ王国魔術師団長、癒しの都”ルナール”領主

職業:賢者、協奏師

副職:刺繍屋

称号:英雄賢者の正統後継者、神子クテン、断罪者、転生者(月神朔)、変幻自在、合法ロリ、隠れ巨乳


属性:常闇

体力:B

魔力:Burst

攻撃:C+

防御:D+

俊敏:D

練度:EX


攻撃1:【影操作】【常闇纏】【影移動】【影爆弾シャドーボム】【影光線シャドービーム

攻撃2:【想像強化】【人形劇(極)】

特性:【魔力の申し子】【防御の申し子】【技の申し子】

補助:【内外念話】【指揮】【変身】

自動:【仮想頭脳】【仮想図書館】【脳内ネットワーク】【神の意志】【氷結地獄フリージングヘル

覚醒:【守護者召喚】【自己強化】


衣類:天魔の羽衣シリーズ

武器:賢神の仕込み杖

乗り物:飛行艇”フルール号”

装飾:教会の腕輪(EX)、クラリティ王国公爵家の証(儀礼剣)

写真:フリージア、ペチュニア、イリス


契約

【幻獣】八咫烏:カルナ(二つ名:守護鳥)

【幻獣】ガルディエーヌ・キャット:シャスティ(装備:黒月)(二つ名:逆鱗)

【妖精王】ロワ・ゲル:スイ(二つ名:緑の災厄パンドラ

【使徒】ウールバイパ:ラナ(二つ名:陰の守護者)

【幻獣】アダマンタイトドラゴン:ハディ(二つ名:堅牢)

【神獣】ティグリスリオン:黄昏


加護

ペチュニアの愛、神々の代行者、天界の愛し子




改めて思った。

強すぎる。

魔力と練度以外は、俺たちでも勝ってたけど、その2つがすでにヤバかった。

おまけに、どれも聞いたことのない技だけど、リリさんが言うには、どの技もものすごい数の技を1つに合体させた技らしく、どれも1つ1つがものすごく応用がきくし、技の威力も想像がつかないらしい。

だから、肉弾戦が確かに弱点だろうけど、それを補う技の量とステータスの高さ。

ギルドランクも最上位のSSSなのもすごく納得する。


おまけに、従う獣魔たちの桁違いな強さ。

唯一、ラナと呼ばれるもっふもふのヘビらしき生き物は非戦闘員らしいから別らしいけど、その子はその子でありとあらゆる状態異常を無効化してしまうらしいから別の意味で桁違い。


それともっと驚いたのは、見た目人形サイズの翠さんだけど、彼女がまさかの転生者だとは思わなかった。

こっちに来てから何百年も生きてるらしいし、日本でも90年以上生きてたらしいからホントにものすごい物知りなんだ。

日本にいた頃から調べ物は趣味だったらしいし、こっちに来てからも知識欲を満たしては旅をしていたらしいからホントに知らないことはないと言いたくなるくらい物知りだ。

・・おまけに本人は、過去にいくつかアホな国を滅ぼした実績があるらしいし、このメンバーの中で最も強いらしいし。


勝てるはずがない。

まさしく世界最強の魔法使い、”賢者”



そんな人の庇護下になれたことだけでも超がつくほどの幸運だと思う。

下手すればそんなヤバい人と戦うことになってたんだから。


それと、確かに母親であるペチュニアさんの加護があった。

それが、神様をも従わせる必死さ?は、お師匠様とは別の意味ですげぇと思う。


だって、俺らで言うところの村人Aが、ラスボスどころか裏ボスの最終形態の魔王相手に言ってるようなものじゃん?

どこからか、ものすごい高笑いとともに吐血してる女性の声が聞こえた気がしたけど、気のせいということにしよう、うん。





「灯台下暗しってこういうこと?」

「うん・・お師匠様、ただものじゃないと思ってたけど、そのまさかを上回ったわ・・。」

「意外と勇者と聖女も近くにいたりしてね。」

「・・・否定できない。」

まさかまさかの、一度会ってみたいと思ってた賢者が目の前で子猫になってるなんて夢にも思わなかったよ。

マジで勇者と聖女もすでに俺たち出会ってたりする可能性もある?


って、驚いてる合間に、お師匠様である子猫の瞳が開いた。


「リアちゃん!」

「リア!」

「リア様!」

「師団長!」



みんなが満面の笑みで名前を呼ぶと






くわぁぁぁ~~~~





スピーーーー






全員「・・・・・」




すやぁぁ




全員「・・・・・」




え、えぇっと・・一応説明すると、確かに目覚めました。

目をあけてました。

一応、目が誰かと合ってたと思う。


で、俺たちの呼びかけなど全く気にもせず長ーいあくびをした後、周囲のことなんて全部スルーして寝ました。




うん。

もう一度言います。

寝ました。

普通に俺たちスルーされて寝ました。


その証拠に、アルナさん以外触れることが出来なかったのに、普通にみんな触れてるのが証拠。



俺たちはフリーズしてたけど、ツッコミはやはりやめられない人は止まらない。


「うぉぉぉい!!寝るのかよ!!寝ちゃうのかよ!!」

「リア様スルーですか!?私たちの必死の呼びかけスルーですか!?」

「リアちゃん!?ちょっとはリアクションしようね!?」


周りは大混乱

だけど、本人は、とても穏やか~にすやすや~っとお休み中。

起きる気配・・というより、リアクションをする気配が微塵もない。



全員「えぇ・・・」



うん、無事に目覚めたのは、目出度いんだけど、素直に目出度いと言えない雰囲気なんだけど。

と言うか、ものすごいマイペースだぁ・・・。

ホントにこの子、最強の賢者様?


見た目通りのマイペースなにゃんこにしか見えないんだけど・・。

いや、嫌でもわかるくらいすっごい高密度な魔力は感じるけどさ。



あの凛々しいシャスティさんや、イリスさん。

いつも穏やかにほほ笑んでるアルナさんとか、

頼りになる魔術師団の皆さんとか



その全員が、慌てふためきOTL状態になってる。



うん・・改めて思った。

そんなすごい人たちを片手間に振りまわすお師匠様やっぱすげぇ・・・。


けど、なんで素直に喜べないんだろう・・



「え、えぇっと・・・」

「あ、あぁ・・ごめんね?僕たちも色々と予想外なんだ。」

でしょうね・・。

口には出さないけど、初めて見たよ?

いつも凛々しいイリスさんが慌てふためいて、最終的にOTLになってる姿。


「軽く聞いてると思うけど、うちの子って、無口無表情が基本で、しゃべったとしても筆談か、念話。おまけに、大抵のことはスルーするから。」

「初対面で会話したことある俺と師匠との初対面でのやり取りを一応教えるな?たぶんそれで、わかるから。・・どれだけ、師匠のスルー力がすごいのか。」


で、シリルさんに教えてもらいました。



巨大な狼の群れに囲まれる

数体倒したけど、やっぱり負けてやられる寸前で、助けられた

互いに自己紹介する前にセリカさんが暴走して抱きしめ撫でまわすが、スルー

なだめた後改めて自己紹介

一応異世界人ということは伏せておこうと思ったけど、速攻で嘘がバレてそれまでの経緯を全部暴露



「で、その後のリアクションが、そうでしたか。遠渡はるばるご苦労様です・・だけだぞ?」


え・・何その、隣町から歩いてきたんだ。

そうかい、わざわざご苦労なことだなぁー。

みたいなすっごい軽いリアクション。


そっちも驚きだけど、初対面の相手に抱きしめられるわ、愛で倒されるなんて普通驚くと思うけどそれもスルーなの?



「師匠は、そのくらいすごいんだよ・・いろんな意味で。普通なら、それなりに驚くのに表情がピクとも変わらずにサクッとその返事だけだぞ?」

うん・・お師匠様のスルー力のすごさを実感しました。







「それで・・どうしましょう。」

アルナさんが、お師匠様(子猫状態)のわきを抱えて持ち上げ、びろーんと伸ばしたまま見せる。

けど、寝てる。

起きない。

「んー・・無理に起こすのもアレだし、下手に刺激して敵認定されたくないからとりあえずそっとしておこう。」

「ですね・・」

困った子だなぁという苦笑した表情でアルナさんからイリスさんへ子猫おししょうさまは手渡される。



・・・ってちょっとまって?

「あの・・その言い方だと、下手に刺激したらここにいるメンバーが誰であろうとも問答無用で攻撃されるように聞こえるんですけど・・」

「うん、すると思うよ?この子、基本的に、味方っていう概念ないから。」

クラスメイト全員「え?」

何その極端な区別。

「敵か、敵じゃないかという区別なんだよ。ここ数年でやっと、敵と味方とどうでもいい人という3つのパターンに分かれるようになったけど、それでも、敵か否かという区別でしかないんだ。魔物だろうが、人間だろうが。」

敵に容赦ないって聞いてたけど、そこまで極端なんだ・・。


マジで、ヤバい子だ・・・。



「だから、気を付けてね?」

クラスメイト全員「はぁい。」


そんな感じで、釈然としないけど、静かに食事などを済ませ、そそくさと自分たちの部屋に戻り、寝ました。

あ、新しく作ってもらった家の方の部屋だぞ?

いやぁ、すっごい快適なんだ。


で、カナミも毎日性的に襲ってくるんだ、うれしいことに。

むしろ、俺よりも襲ってくる回数が多いんだよ?

朝なんて、朝チュンなんて平和で、事後的な朝じゃなくて、性的に起こされる(と言うより目覚めたら情事の最中)のが普通だったりするし。


まぁ、そのまま本番開始は率先してだけどね!




それはさておき・・お師匠様の真の姿はいつになったら拝めることやら。

下手に頼み事しない方が身のためだろうしなぁ・・。




で、朝食を済ませた後、その日は午前中だけまるまる俺たち異世界組は、最低限の訓練と勉強を済ませてから自由時間をもらい、建ててもらった家の1階のフロアに集合していた。

「・・・で、どうしよう。」

「うん・・ホントにどうしよう。」

「お師匠様が予想以上に大物だった件」

「だよね・・しかも、あのイリスさんたちを片手間に振り回してたし。」

「うん・・あの自画像を見て仲良くしたいって思ったけど・・下手なことして敵認定されたくないけど、ちょっとやそっとじゃ怒らないって聞いてる・・・マジでどうしよう・・言葉遣いも含めて。」

ホントにどうしようかねぇ・・自画像だと、母親に超絶そっくりな清楚系の超絶美少女なんだよね。

・・実際は、間違ってはいないけど超マイペース。


「ホントに・・リアクションに困る・・。」

「で、シリルさんとしてはどう?」

「まぁ、大丈夫だろ。」

いや、そんなさらっと言われても・・。

「正直、何かに集中しているときと食べたりとか寝てたりしてるときを邪魔しなければ基本的に妹をかわいがる感じで良いぞ?言葉遣いもスキンシップもそのくらいたやすくて良い。実際、俺たち師匠って呼んでるけど、妹扱いしてる節があるし。」

「私も毎日愛で倒してるよ?それに、この国の住民みんなのアイドルだし、みんな餌付けしながら愛でてるよ?」

え?

良いの?

そんなんで良いの?

と言うか、仮にもご令嬢を餌付けって・・それでいいの?

「まぁ、限度はあるけどな。実際、言葉遣いとか態度とか気にするのは、師匠の周りだから。」

「主な代表は、狂信者シャスティさんだね。」

あの・・セリカさん、そんな笑顔で言わなくても・・と言うより、なんかシャスティさんの名前に妙な文字がかぶってなかった?

「ともかく、時と場合を常識的に考えれば年相応の女の子扱いして問題ない。実際、イリスさんは、元とはいえ第一王子で王族だし、今は公爵家当主・・つまりは、貴族としてもトップなんだぞ?そんな人相手に俺たちは、どんな感じで普段やりとりしてる?」

クラスメイト全員「あ・・」

言われてみればそうだ。

イリスさんは、ガチで貴族だし元王族。

けど俺たちは、平民。


なのに、普段は、友達の父親と話してるような、近所に住んでる知り合いと話すような感じになってる。


「え?そんな感じで良いの?」

「それでいい。あまり気を遣いすぎても師匠に申し訳ない。・・まだ、子供なんだ。普通の子供扱いしてやった方が良いだろ?・・自分が同じ立場になって考えてみろ。」

クラスメイト全員「・・・」

言われてみればそうだ。



年下から年上まで、ありとあらゆる人がかしこまってて、気安い相手が全くないなんて、息苦しいどころじゃないし、嫌だ。


そっか・・それでいいんだ。


「あまり気安くなってもアレだし、イリスさんとかとやりとりするくらいで様子を見てそれから崩しても良いなら考え直すことにする。」

「あぁ、それでいい。」


「だとしても、お師匠様が賢者だったなんてなぁ・・。」

「悪かったな。事情が事情なだけに口止めされてたんだ。」

「いや、それは兄貴のせいじゃないって。アレは、しょうがないと思うぞ?」

「そうそう。」

「けど、一応師匠が賢者だって手がかりは実はすでにあったんだよ?」

クラス全員「え?」

「え?この間ルナールに行ったでしょ?」

クラス全員「うん」

「そこをメインで管理してる人たちって誰だった?」

クラス全員「フォルシェンファミリー」

「そのフォルシェンファミリーって何?」

クラス全員「英雄賢者の弟子の子孫」

「で?そんな人たちの子孫が、そんじょそこらの相手の下につくと思う?」

クラス全員「あ・・」

言われてみればそうだ。


バレクさんたちも、お師匠様の血筋以外に仕えるつもりは誰であろうとも今後一切ないって言ってた。



「あ!じゃあ、勇者と聖女ももしかして俺たちすでに出会ってたりする!?」

「あぁ・・それは、ノーコメントで。」

クラス全員「!!」

どこか楽しそうにほほえみながらそう言ったシリルさん。

当然、賢者の件同様に、口止めされてるとは思うけど、その言い方だと、絶対にいる。


この国にいる!

しかも、俺たちはすでに出会ってる!


これは、自力で探すという楽しみが増えた!



ホントにファンタジー世界って楽しい!

大変なことも多いけどわくわくが止まらない!



で・・・

「うぅぅ・・・・」

「アミちゃんどうした?」

なんかずっと小刻みに震えながら不安そうにしてるアミさん。

ちなみに、本人は安心するらしくしっかりと美羽さんに抱きつき、顔をその大きな胸に埋めてる。

美羽さんは、どうしたという感じで頭をなでてる・・・そのほほえみはお母さんと呼びたくなる。


「なんかすっごい嫌な予感がするんだよぉ・・」

「それ、【危険予測】?」

「うん・・たぶん」


【危険予測】

自身に対して、危険な目にあうことを最長2日後まで予測する。

その危険の内容は、自身が怪我をする範囲内限定。



つまりは、今日から2日後までの間のどこかでヤバいことが起こる可能性があるってことだね。

「アミのそう言う感知系ってさぁ・・外れたことなかったよね?」

「ないねぇ。」

「・・・」

「・・・」

「あ、あのさ・・」

「ニシキさんどうしたの?」

「俺も気のせいなら良いんだが、妙にそわそわするっていうか、落ち着かないんだ。」

「お師匠様に出会って興奮しているだけなのではなくて?」

「リーベ・・だと良いんだが、過去に同じように感じたときもあったんだけどさ・・そのときは、半日くらいしてから50人規模の不良どもと俺の部下とで大乱闘だったんだよ。・・普段から喧嘩ばっかだったけど、いつもはいても数人なんだよ。」

「・・・・」

ニシキさんの場合は、長年の経験というか野生の勘みたいな奴か・・


「で、シリルさんはどう思う?」

「俺はなぁ・・俺自身はよくわからないが、ニシキがそういうときは決まって大規模なバトルが起こるんだよ。」

「え・・そうなの?」

「あぁ。ニシキを教育した後は、ニシキがアホどものとりまとめをしてたからさ、そのまま俺はニシキの上の立場としてそいつらに認識されてたんだ。で、ヤバそうなことがあれば必ずニシキか俺に連絡が来るようになってた。」

「そうそう。で、私はシリルの大切な人ってきちんと認識されてたからシリルが調教した後は、みんなすっごい優しかったよ?」

あぁ・・ボスの上に更にボスが出来た感じなのね・・。

「で、ニシキがそういうときはしばらくしたらそいつらから大勢で喧嘩売りに来た馬鹿がいたり、犯罪者集団がいたりと、かなりの規模の事故があってけが人の数がヤバかったりとロクなことがなかった。」

「あれ?それ聞いてると、シリルさんが数々の事件・・っていうか、犯罪者を成敗したのは、その人たちの連絡があってその対策をしてたから?」

「まぁ、そうなるな。その頃には、ニシキの部下どもは、元不良じゃなくて、不良どもから善良な市民を元不良なりのやり方で守り、犯罪が起これば率先して守るように動くようになったんだ。」

「それ・・しっかり治安維持活動してますよね?」

「まぁな。俺の教育のおかげなのか、過去にさんざんしたことをそう言う形で清算しているらしい。」

「で、結果としてシリルって町の英雄扱いになったし、警視庁のトップからは、スカウトが来るしねー♪」

クラス全員「マジで!?」

「スカウトってリアルにあり得たの!?」

「うん。シリルの場合は、一番情熱的だったスカウトは、警視庁のトップで、次に多かったのは芸能界かな?」

「芸能界!?」

「って、それ、シリルさんの特技の?」

「そうそう。子供たちのために紙芝居をしてたじゃない?しかも、”虹色の声”の特技をフルに活用してさ。それを見た芸能界の人が、是非うちで活躍して欲しいって思ったらしいよ?」

「あぁ・・それもあったなぁ・・。俺自身は、セリカの実家を継ぐって小さい頃から決めてたから断ったが。警視庁に関しては、嘱託扱いっていうか言ってしまえばアルバイト扱いで、協力するってことになったんだ。・・少しでも、助けられる命があれば・・な。」

やっぱり、お兄ちゃんかっけぇ!

「ちなみに、シリルを警視庁の人が評価したところは、きっかけはそのトップの娘さんが事件に巻き込まれて、速攻でシリルが銀行強盗してたアホをつぶしたことなんだけど。それ以外にも強盗とかなんとかやらかしてる犯罪者を単独でつぶしてたことと、周囲の不良たちの手綱を握って、治安維持に貢献させてたことも評価の一つなんだよ?」

「そうだったんだ・・」

「っていうか、それ聞いてるとシリルさん日本でもすでに、チートキャラになってない?」

「なってるね。」

「あいつらが、自分たちで解決できないヤバいことが起きてるって連絡くれれば無視できないだろ?それに、怪我・・下手すれば命を落とす可能性だってあるんだ。俺はそれを見過ごせない。まぁ、鍛えてたから実戦経験にもちょうど良いと思っていたのは確かだがな。俺の苦労で助けられる命があるなら・・・・それ以上にうれしいことはないだろ?」


やべぇ・・・。

お兄ちゃんかっこよすぎる。


ファンクラブが出来るのもわかる。

これは、確かにそうもなる!


と言うかさ・・

「なんでこんな見た目も中身も最強イケメンより王子(笑)がかっこいいとか思える人種がいるの?」

「だよな。」

「あり得ないよね。」

「見た目以上に中身がねぇ?」

「目が節穴なんじゃないの?」

「だろうね。普段のお兄ちゃんの行動を見てたらすぐにわかるし。」


「アレのことなんてどうでも良いよ。私は、幼稚園の頃からシリル以外の男子は全く興味がないんだから。・・何せ、親からは現実世界リアルで、人間に一切興味がない生き物認定されてたし。」

あぁ・・シリルさん以外の男子に基本興味がなさそうだったけど、元からだったんだ・・。

たぶん、アニメとかにハマってて他はどうでも良かったんだろうなぁ。

「で、シリルに幼稚園の頃に一目惚れして私が、お父様に言ったもの。」

クラス全員「何を?」

「國崎シリルをお婿さんにします!って。」

むんと胸を張ってすっごい良い笑顔で言い切った。


お嫁さんになりたいじゃないんだ

とか

しますってすでに決定事項ですか

とか色々思ったけど

「セリカさんってその頃に一目惚れしてたんだ?」

「うん。ちなみに、シリルが鍛えるようになったのは、私がその頃から大好きアピールをして、刷り込むように私と結婚するって言い続けたからだよ?放っておけないから俺が守るって感じで。」

「あぁ・・そうだった。なんかすっごい懐いてくる子がいて、なんか俺が守らないとこの子はロクな目に遭わない気がすると思って、鍛えることにしたんだ。・・そういえば、そのお願いを父さんたちに言ったらすっごいはしゃいでたな・・特に母さん。」

「あぁ・・確か、お義母さんから聞いたんだけど、わがままを一切言わない子が初めてお願いしてきたとかですごいうれしかったらしいよ?」

「それで、あの数のそれぞれの道場とかジムとかを複数持ってきてくれたのか・・」

ちなみに、シリルさんが同時に習ってたのは、空手、柔道、サバット、ボクシング、剣道、少林拳、殺陣、擬闘になるよ。

「たしか、ちまたでも有名なところばっかりだったよね?」

「そうだったな。一部はセリカも習ってただろ?」

「うん。合気道と剣道。」

「息子からのお願いごとで、そこまでも数を揃える親って・・いろんな意味ですげぇ。」

「と言うか、まだ幼稚園生の子供のお願いでそこまでする本気度がすごい。・・・そうとううれしかったんだろうなぁ・・わがままが・・内容は別として。」

「兄貴のご両親は何というか・・・若いよな?」

「あ、あぁ・・俺も直接何度か話したことあるけど、すごい明るい人たちだよね・・。」

「そうなの?私たちは、直接話したことはないなぁ。遠目で見てたくらい。」

「あぁ・・遠回しの言い方で気を遣ってくれてありがとう。だが、ストレートに言って良いぞ。良い言い方でムードメーカー。悪い言い方で、子供よりもはしゃぐ親だって。」

「あ、あぁ・・・」

「義父様は、すごく楽しい方だよ?」

「まぁ、仕事は出来るし空気はきちんと読んでるからあこがれてるのは確かなんだが、父さんたち、会社でなんて呼ばれてるか知ってるか?」

確か、セリカさんのお父さんの会社で幹部的なポジションなんだよね?

ご夫婦揃って。

すごく仕事が出来て、ムードメーカーで密かにあこがれてる人が多いって聞いたけど。


とか考えてると、シリルさんは答えてくれた。

「仕事をしているときと、そうでないときのギャップがひどすぎて二重人格疑惑があるんだよ。」

え・・そこまで、言われるの?

「え?・・そこまで、言われちゃうほどなの?・・えと・・その・・」

「あぁ。ある意味で名物になってるらしいが、初見の人はまず目を疑って、しばらくしたら周囲の人にあの人を病院に連れて行った方が良いという人がいて、それをあの人は正気だから放っておけとなだめられるのが新入社員への教育の一部としてカウントされてる有様だぞ?」

クラス全員「・・・」

教育の一部に加えられるほどなんだ・・。

「けど、仕事は出来るし、何かあれば助けてくれるから、人気が高いのも事実なんだ。」


まぁ、そういうところもあこがれてるんだけどなと小声で言うシリルさんの表情は、しょうがないなぁとほほえんでる。


すごく良い親御さん何だなぁと思いつつ、親と子、逆じゃね?と思ったのは余談。


まぁ、セリカさんのお父さんも同じことを考えてたらしいけど。

「だから、俺個人としては義父さんにすごくあこがれてるんだ。」

セリカさんのお父さんって、社長だからって言うのもあるだろうけど、すごく堅実で貫禄があってかっこいいよね。

仕事が出来る男!って感じで。


俺個人としては、シリルさんのお父さんにあこがれてるけど。


「そういえば、うちの親が言ってたんだけど、セリカさんとシリル君、ご両親を逆に思われてたっぽいよ?」

「あ、それ俺も聞いた。」

「私も。」

シリル、セリカ「え?」


「あぁ・・気持ちはすごくわかる。」

口にはしないけど、セリカさんの性格とシリルさんの性格が、それぞれの親御さんを入れ替えるとホントに中身がそっくりになるんだよね。


それを、シリルさんは察したのか、

「あぁ・・道理で、義父さんの会社に手伝いに行ったときに、社長によろしくお願いします。とか言われるわけだ。」

「私もそういえば、ご両親を見習って頑張ってねって、言われたけど、シリルみたいに社長によろしくって言われた記憶がそういえば薄い。」


あ・・あの会社でもそう認識されてたんだ。



さて、お師匠様・・明日か今日の夕方には起きてくれるかな?

どこまでも我が道を進む主人公

そして、一度動き出した列車のごとく周囲のメンツはあらがうこと叶わず(笑)

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