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異世界人たち癒やしの都”ルナール”(旧名:流星の里)へ向かう

--タクミ--

あれから、クラリティ王国にたどり着き、元第一王子のイリスさんの元でお世話になることになった俺たちです。

で、あいさつ代わりに元流星の里、現、癒しの都ルナールに向かうことになりました。

・・特訓がてら全力疾走で。



「そこ、走りながらでも周囲のことは把握しなさい。」

全員「はひぃ!」


一応護衛として、シャスティさんがついてきてくれました。

今は、巨大な姿の状態のにゃんこだけど、本来の姿はあの小さな普通サイズの方らしい。



彼女が全力で走れば、スポーツカーも真っ青な速度だとシリルさんから聞いてる。


で、本人(本猫?)もとんでもなく強い。

ビームサーベルっぽい愛剣をその長い尻尾で使って的確に敵を瞬殺。

しかも小さい姿だろうが大きい姿だろうがお構いなしで扱えるし、場合によってはその剣を使わなくても普通に強い。

ただの手数を増やすという手段で扱っているだけのようだが、お師匠様からのプレゼントとのことでそれはそれは大切に扱っているのだとか。

なので、胴体に巻き付けたサイズ変更可能なベルトに常に身につけてるし、毎日掃除もメンテナンスもしっかり行ってる。


実際、巨大化すれば速度も威力も倍加すると聞くから、とんでもない。

で、今は想像の通り、ものすごく余裕があるので背中にリーベさんが座ってても彼女は全くしがみつかずにのんびり座ってても問題ないくらい安定感がある。



俺はというと、イリスさんに弟子入りしているような感じだ。

というのは、シリルさんからイリスさんは弓の名手だと聞いて、実際にその実力も目にしたから。


いや・・すごかったよ。

何百メートルも離れてるのにど真ん中に百発百中で、矢を構えて放つまでの速度が速すぎるし、矢を飛ばす途中に障害物があっても全ての隙間をくぐり、場合によっては曲射して狙い打ってるんだもの。

おまけに、頭は良いし、足をメインに使った格闘術(たぶんサバットと思う)も、かなりすごかった。


いやぁ、速攻で弟子入り志願したね。

イリスさんもOK出してくれて、手が空いてるときに手ほどきしてくれることになったからすごくうれしい。

弓の扱い方から、それ以外にもあって損はない技や知識なども教えてもらえるし、すごくわかりやすい。

後、魔術師団の皆さんからも教わることになってる。

主に、俺が扱う属性魔法についてだ。

それぞれの属性を得意とする人たちがあの人たちなんだとか。

属性ごとの強みを俺はまだ活かしきれてないらしいからその部分を教わるつもり。


最終的には、それらの知識を俺の中で良い感じに混ぜ合わせることが出来れば、イリスさん以上に万能な弓術士になれるんだって。


よし!

頑張ろう!


他のメンバーは、大体シャスティさんか、騎士団の方と魔術師団の方に教わってる。

その騎士団の団長であるノクスさんはまじで騎士の中の騎士って感じでかっこよかったなぁ。


知識面は、カルナさんがメインにシリルさんも教わった分を教えてくれる。



で、そうそう。

俺たちを拉致ったあの国での出来事は、俺たちが見聞きした範囲すべてをイリスさんに話した。

そしたら、

「あぁ、やっぱりそんな感じか。ほぼほぼ想定通りだね。それなら、準備は予定通り変更はなしだね。」

と、なんかほとんど推測していたらしい内容のまんまだったようだ。


だから、俺たちの話したことは確認って感じでたいして良い情報ではなかったっぽい?

と思ったけど、確信が持てるか否かの違いは情報戦において非常に大事だと言われたのでまぁ、結果オーライ?


って感じで、俺たちは今全力で走ってます。

あれから、10日は経過したんだけど、数日はなまらない程度に体を鍛え、クラリティ王国でシリルさんが良く通う建物に通って顔合わせをしたり、観光したりしてました。

うん。

裁縫でお世話になるらしいリーリスさんってオカマさんと話したけど、確かに優秀だった。

ちらっと寄って話をしただけなのに、お近づきの印的な感じで、全員インナーと下着を2~3枚ずつ購入したんだけど、すごく体にフィットして動きやすい。

なのに、ちょっとした刃だったら防げるというすごい優れもので、他の装備品の下に着てもすごく似合うんだ。

おまけに俺たちが好む色やデザインを瞬時に何も言ってないのにピタリと当てる。

得に女性陣なんて、ブラとかパンツとか種類とか柄とかもすっごい種類が豊富だったらしく、その中でも全員好みどんぴしゃを瞬時にチョイスしてくれたらしいからすごかった。

サイズもぴったりだったらしい。(人によっては胸のサイズが上がったと喜んでた)

カナミが、おっぱいがすごく安定感があるとか腰とかの他のところがすっきりしてるって言ってたし。

うん。

全員、お店の色がすっごいカラフルだったり、オカマさんだったりすることなんてホントに些細(むしろどうでも良い)なことってことになり、そんな彼?彼女?にお世話になる、アスミさんは嬉々として弟子入りを志願してました。

おまけ程度に教えてもらったんだけど、そんなリーリスさんは実力もこの国のSランク冒険者並みは軽くあるらしい。


アスミさん、非戦闘員だけど、戦闘員並みの実力を持つことになりそうだなぁと思う。



で、出会った記念?ってことで、イリスさんからいろんな道具をもらいました。


・あのシャワー付き個室の魔道具

・調理セット

・調理用包丁セット

・魔道具のマフラー

・浄化魔法付きハンカチ

・魔法付与されてる靴

・調味料専用のレシピ本



シャワーの分は、あのシリルさんが使ってたやつ・・なんだけど、誰が仕込んだのか、使用するときにごく低い確率で部屋の中がピンク色になるんだ。

・・地味な親切により、目に優しいぎりぎりの濃さのピンク色。

で、ただ色が違うだけで特に意味がないというすごく悩む効果だ。

後に、俺たちのだけに設計されたおまけ機能だと教えられる。


調理セットは、いろんなサイズのフライパンとかまな板とか菜箸とかまぁ、料理で使うたぐい一通り

いやぁ、数がすっごい膨大だったよ。

フライパンとか鍋だけでもかなりの数があったけど、泡だて器とかヘラとかその辺りもすごいたくさんあった。

調理用包丁セットは、菜切とか、洋とか、果物など使用用途毎に使いやすいようにさまざまな種類のセットだ。

所謂、マグロだって解体する時に使うようなのもあるんだ。

すごく切れ味良いし、使いやすいのに手入れは簡単。

更に、料理以外では、使えないように何かしらの魔法が込められてるらしく、料理以外で使おうとすると、その人の黒歴史を近くにいる人に問答無用で脳内再生させ、更に、本人はその時の記憶を超鮮明に脳内再生させるんだとか。

怖ぇーー!

しかも、そこらにあるものよりもずっと使いやすくて、上質で、お手入れも簡単という超優れもの。

ちなみに、それらのセットはそれぞれ30センチサイズのアタッシュケースっぽい奴に全部納まってる。

これも、マジックバッグと同じらしいけど、所謂収納する種類を限定的にさせたもので、ある程度の状態保存の魔法がかかっているので、刃物だと砥石が不要とかそのほかのだと、摩耗とかそういうのを防いだり、修復したりしてくれる優れものなんだそうです。


と言っても、全員が1個ずつ持っても持て余すので、一部の人と使う人が所持して、グループで使うような感じ。


で、浄化魔法が込められたハンカチは、名前の通り

魔道具のマフラーと言われて最初は意味が分からなかったけど、聞くと【浄化】【適温】【速乾】【防汚】の4つの魔法が込められたものらしい。

色も刺繍されてる柄もばらばらだったけど、ハンカチ同様肌触りはすごくいいし、かなり丈夫らしい。

おまけに、普通のタオルとしても使えるらしいので使い勝手もいいというすごく重宝しそうなものだった。


ついでで言われたのは、そのハンカチとマフラーはお師匠様お手製で、クラリティ王国の名産品らしい。

一部では、クテン様お手製ということもあり、縁起物という扱いですごく喉から手が出るほど欲しい一品なんだとか。

で、その刺繍もである。

ちなみに柄は、お師匠様のその時の気分次第なのでどの柄になるかはほとんど運任せということもあり、運試し扱いされてるんだとか。


で、魔法付与されてる靴は、靴擦れが起こらないようにするのと、足への負担を減らし、足音を軽減させ、においを【浄化】で消してくれる傑作品。

靴に関しては、俺たちのメンバーは誰も作れなかったこともあり、重宝するだろうということでもらったものだ。

実際、すごく歩きやすいし軽いし、魔力を込めれば硬くできるから武器というか防具にもなるからすごくありがたいものだ。

見た目は、普通の革靴


で、最後にこのレシピ本だけど、内容はありとあらゆる調味料のレシピだった。

なんで調味料だけなのか聞いてみたら、元はペチュニアさんが作ったもので、彼女が作った後、この国で編み出されたものを追加していったものが俺たちの手元にあるこれなんだとか。

普通の料理のレシピはないの?と思ったら、そこは本人の思い付きで作るからレシピが当てにならないから存在しないらしい。


って、彼女何者?

と聞いたら、日本では調味料専門の料理研究家だったんだとか。


で、パラパラっと見てみたら俺たちがよく知ってる調味料がすごくわかりやすく、そして素人でも作りやすいように書いてあった。

おまけに、素材も最低限必要なものと、あればOKなものと何段階か分けて書いてあったから余計にわかりやすい。

それで一つツッコミを入れたいのは、なんですべての料理を”夜の戦闘薬”へと魔改造させるためのレシピもあるの?

しかも、味はおいしく盛れるタイプと、全く気付かせずに盛るタイプとご丁寧にそれぞれのレシピごとに最も最適で効率的と、様々なバリエーションで揃ってるし。


・・・なんか、いろんな意味でイリスさんが大変そうだったような気がするけど、気のせいということにしよう、うん。

ちなみに、そのレシピをたびたび使用する女性陣がいたりするのはここだけの話(男性陣は常に食われる側)


他にも、”これを使えばどんな相手も微妙な不幸に襲われる”レシピもあった。

ちなみに書いてあった場所は、裏表紙に写経かと思うほどどうでも良いことがびっしり書いてあった文章の中に、暗号文のようにひっそりと潜んでたんだ。(オタクとして、本の裏表紙を確認するという癖によって偶然見つけた)


・・正直何それって思ったけど、効果は覿面らしい。

と言うのも、さすがにこれはイタズラ書きだろうと思い、イリスさんに聞いてみたんだ。

そしたら・・

「あぁ、それね。気にくわない相手には使って良いけど、気安い相手とかには絶対やめた方が良いよ。それ、口にした相手に100%効果、発揮するから。・・・一口だけでも効果は5日間、1食完食だと30日は続くから。」

何それ・・

「実際に、それを使った人がいたらしいんだよ。・・・なんか、婚約者が不倫したとかで復讐したいけど血を見るようなことはしたくないって時にこれを使ったらしくてね。」

しかも、たちの悪いことに不倫した側の女性もそれを知っててその関係を続けてたらしい。

だから余計に、被害者の女性はやり返したかったんだと。

「それ・・どうな効果だったんですか?」

「えっとね、効果はバラバラだったらしいけど、タンスの角に小指をぶつけたり、くしゃみをすると腹筋がつる、通りすがりにすれ違う人の服にボタンが引っかかる、欲しいものが目の前で完売になる、情事中にしゃっくりして痛い目に遭ったり、ナニをしようとすると来客とかで始められなかったり、頭に鳥の糞が降りかかったり、自身の黒歴史を夢に見たりと、他にも色々あったらしいけど地味にいやな現象に襲われ続けたらしいよ?それに書いてあったくらいの期間ずっと。」

「うわぁ・・・それはいやですね・・。それ、最終的にどうなったんですか?」

何その、一見命の危機じゃないから大丈夫じゃん、と思うけど、続くとすっごい精神的に痛い不幸・・。

下手すれば命の危機な不幸の方がましな気がする。

「まぁ、当事者たちは全員平民だったそうだけど、被害者は村長の娘さんで、結構ファンが多かったらしいんだ。で、その事実を彼女の友人が慰めつつお酒を勧めて何があったかのか事細かに聞いてたらしいから地味な復讐として”ここだけの話”と頭につけてあっちこっちでしゃべりまくってたらしいんだ。」

うわぁ、それつい他の人に話したくなっちゃう魔法の言葉-。

「で、寝取っちゃった女性はその”ここだけの話”で聞いた噂?によって肩身の狭い状況でも周囲が「不倫と知ってて肉体関係持ってたんだからそれだけ好きだったんでしょ?」という言葉責めで、別れようにも別れられないっていう葛藤が常に襲う状況で、

男性の方は、その噂とともに周囲の視線が嫌で引っ越しても、なぜか彼らの話はどこに行っても知られていて、肩身の狭い状況が続いたんだと。」

噂って怖いよねぇ。

ちょっと油断するとあっという間に話が広がるし、下手すれば伝言ゲームよろしく中身が変わって実際よりもひどいことになってたりするし。

けど、結局そのやらかされた2人もその地味な不幸の期間が過ぎてもずっと地味な不幸は続いたんだね。

・・もしかして、その被害者の怒りが込められて威力というか期間が延びたりしたのかな?


で、話を戻して。

で最後に、初日にシリルさんからもらった浄化魔法が込められた指輪だね。

この指輪、聞いていると他の国にも似たようなのはあるらしいけど、効果とかは圧倒的にクラリティ王国が格上なんだとか。

どうやら、他の国で小型化させたとしても、良くて手のひらサイズなんだとか。

おまけに、1の魔力を込めたときの威力も、他の国と比べものにならないほど強力らしい。

たとえば、他の国にある浄化魔法の魔道具に魔力を1込めてアンデッドへ使った場合、体の一部が崩れる程度なのが、

クラリティ王国の分に同じ量の魔力を込めるとアンデッドは灰になるそうです。


それを聞いて、クラリティ王国の実力主義は、ただの戦闘力だけにとどまらないんだと認識しました。


まぁ、そんな感じで、すごく今後重宝するものを大量にもらえてみんなホクホクです。


もちろん、勉強も訓練もしてるからね?

勉強はほどほどにというより、この世界で生きていく中で最低限必要な情報を教えてもらってる感じだから毎日しているとはいえそこまで難しいものじゃない。

人によっては、詳しく知りたい!ってことで、深くのめりこむのもいるけどそこは人それぞれ。


で、訓練は・・・・ヤバかった。

そりゃ強くなるよと思った。


通称エトワールファミリーと呼ばれるメンバー全員に日替わりで教えてもらってるけど、全員それぞれの分野で強かった。

マジで、シリルさんがおもちゃ扱いである。


最近は、いい好敵手くらいになったらしいけど、シリルさんですらそれだ。


おかげで、全員へろっへろだよ。

まぁ、その分実力は上がっているんだと実感できるから気分のいい疲れだけどね。


ついでに余談だけど、家はイリスさんが頼んだ翌日に作り始め、完成したのは3日後だった。

・・まじではえぇ・・・。


家ってこんなに早く出来るものだっけ?

と思って、聞いたら、あのチームは大体そんなものと言われたので、ファンタジーだしそれもあり得るかーって深く考えないようにしました。


それと、家の前に大量にいたあのでっかい羊はスリープシープという魔物で、近寄ると問答無用で眠らせる何かを纏ってるらしい。

彼らに関しては、きちんとした契約の元、あそこでのんびり過ごしてるんだそうです。

だから、その眠りの魔法をどうにかできれば好きなだけもふれるらしいので、ひそかに眠りの魔法の対処法を調べてるメンバーは少なくない。(俺もその一人)


それで、家だけどぱっと見はシンプルなレンガ造りの3階建てのアパート?って感じで、1階は靴箱、個室でお風呂、キッチンとダイニングはカウンターテーブル越しにつながっており、部屋の7割はダイニングだ。

おまけにすごく広いから俺たちが全員くつろいでも十分な広さがあるんだ。


そして、2階から上は全て個室で、俺たちがそれぞれ使う部屋になる。

中には、トイレとベッド、小さなテーブルとイスがついてるシンプルな部屋で、2人でくつろぐのにちょうどいい広さがある部屋だ。


それから屋上があり、そこは手すりがついてるだけでホントに何もないところだ。

そこは、星空観察でものんびり過ごすにもちょうどよさそうだ。

後、地下室があり、そこは保管庫になってるんだ。

食料用の部屋が3つ(冷蔵・冷凍・常温に分かれてる)と、武具(予備含む)、薬関係(毒草や薬草も含む)、鉱石、魔物のアイテム類、魔道具と部屋が色々あるんだ。

なんか、見た目と中の広さに違和感があると思ったら、マジックバッグの仕組みを応用してるらしく、実際の広さよりも大量にものが納まるらしい。

まぁ?

ちなみに言うと、俺とカナミは、同じ部屋だけどね!

ベッドは、実は2人で使うとぎりぎりで、1人で使うには少々大きいという絶妙な大きさなんだ。

(ここだけの話、それぞれの部屋は全て防音完備になってるからエロいことしても隣の部屋にはばれないんだ)

おかげで、毎日カナミと夜は色々と楽しんでます。


で、ご飯休憩

全員「はぁ・・はぁ・・。」

「情けないですね。体の使い方をまだ熟知していないようですね。」

「まぁまぁ。シャスティさん、俺からするとかなり扱えるようになってはいるんですよ。故郷だと全くできないど素人が普通なんですから。」

「まぁ、そうでしょうけど。そのくらい出来なければ国を相手なんて笑い話ですよ。」

シャスティさんとシリルさんが毒舌を吐いてる。


俺たちは、結構体力とかついた方と思ってたけど、まだ体の扱い方というか、制御がまだできてないらしい。

言ってしまえば、力の使い方に無駄が多いんだと。

だから、体力がすぐに切れてしまうんだそうだ。


そこに慣れれば、自然と近接戦闘でのパワーも上がり、体への負担が減るんだそうです。


頑張らないとなぁ。


で、ふと気になったことを聞く。

「あのシャスティさん、お師匠様も俺たちみたいなことしてたんですか?」

俺たちみたいにひたすら走ったりとか体力づくり。

今、冬眠中らしいし、すごく強いらしいから弱かったころとか。

「何をおっしゃいますか。リア様にそのような危険なことをさせるはずがないじゃないですか。」

全員「え?」

何言ってんの?

「リア様は、超絶的にかわいいのです!魔法が扱えるすごく優秀なお方なんです!体力なんてなくても私が手となり脚となるので問題ありません!それに、あのお方は本来は自ら対処せず、指示を出すだけで良いのです!そのために我々獣魔がいるのですから!!」

すっごい力強く断言されてしまった。


えぇ・・。

だが、それでいいのか?

と言うか、普段と、キャラ違うくね?

「あ、あぁ・・一応言っとくと、師匠は数年くらい旅をしてたから基本的に歩きだったらしいから自然と体力づくりはされてたし、俺たち以上に過酷な実践経験を積んでるからわざわざ走り込みとかをする必要はなかったんだ。それに、身分的にも戦術的にも指示を出すことがほとんどだし。」

基本的にお師匠様は、魔法で全員のサポートと遠距離をメインにしているらしい。

なので、ちょっとやそっとのことじゃ、本人が特攻することはほとんどないのだとか。

言われて納得する。

「それに、師匠のサポートをする獣魔メンバー全員が、肉弾戦特化で、師匠は魔法戦ができるから実際動かなくてもどうにかなるんだよ。・・師匠の場合は飛べるし。」

なるほど・・って、え?飛べるの?


飛べるらしい。


すげぇ。


と言うより、クテン様は、元々黒い天使からの由縁らしく、黒い天使の翼を巧みに操ってるのだとか。


後、こっそり言われたのは、シャスティさんは獣魔メンバーとあのエトワールファミリー全員の中で最もお師匠様を崇拝しているらしく、それは狂信者並だから下手なことは言わない方が良いらしい。

冗談抜きで命のやり取りになってもおかしくないんだとか。


確かに、さっきのセリフを聞いてると役に立つことこそが生きがいって言ってるようなものだったね。

しかも、普通サイズのにゃんこ状態でも、しっぽを振るえば、大の大人くらいは軽く背骨とか折れるらしいし。


・・・気を付けよう。



で・・・

「そして、なぜあなた方は私を撫でるのですか。・・しかも、巨大化したままだなんて・・別にあちらにたどり着くまでに途中途中で本来の姿に戻るのは逆に面倒ですし、早いうちにさせないとあなた方は訓練に集中できないでしょうから、そのために許可しているのですからね?」

女性陣「もふもふこそ我らが望む道」

男性陣「ツンデレ台詞ごちそうさまです」

「黙りなさい。さっさと済ませなさい。」


シャスティさん、俺たち(女性陣がほとんど)にお願いされて巨大化をしてもらい、そのまま尻尾だのお腹だの耳だのともふもふしてた。


俺たち男性陣も女性陣ほどじゃないけど撫でさせてもらった。


で、シリルさんとセリカさんはというと

「あぁ、なんか懐かしい気がする。」

「だねー。師匠が良く埋もれてたもんね。まぁ、シャスティさんの態度は今みたいなツンデレみたいな感じじゃなくてとろっとろに蕩けてたけど」

お師匠様は良くしていたらしい。


その場合は、シャスティさんは嬉々としてベッド代わりになってたんだとか。

あぁ・・お師匠様相手だとデレ成分オンリーなんですね。

今はツンの成分がすっごい多いけど、それが逆に良いというリアクションが女性陣から主に飛び交ってます。

で、たまにしっぽで殴り飛ばされてる子もいるけど、なぜかご褒美扱いされてた・・なんで?



「さて、食べ終わりましたね。腹ごなしにはじめは軽めに走りますよ。しばらくしたら先ほどと同じペースで進みますからね。」

全員「うす。」

ちなみに道中の魔物退治に関しては、訓練初日ということもあり走ることと走りながら周囲の警戒・探知を自然に出来るようになれとのことで、シリルさんとセリカさんが退治してくれてる。


最終的に、その魔物退治も同時並行で出来るようになるのが最初の俺たちの目標らしい。



世間的には、俺たちBランクくらいの実力はあるとギルドで言われたけど、クラリティ王国基準だとまだまだらしい。


さすが実力国家。


それで、ふと気になったことをシリルさんに聞いてみた。

「クラリティ王国のギルドに行ったときにテンプレはなかったけど、それってクラリティ王国の国柄が影響してたりするの?」

つまりは、ガキが来るところじゃねー的な感じとか、たちの悪いナンパとかそんなのが、よその国とか待ちだとそこそこあったけどクラリティ王国だとギルドじゃなくても国の中のどこにいても皆無だったからちょっと気になってたんだよ。

「あぁ。あの国は、別名、正義に染まる国なんだ。集まるんじゃなくて染まるんだ。・・そこまで言えば、もうわかるだろ?」

全員「あぁ・・・」

つまりは、どんな悪人も正義に強制的に染められるか人生からのレッドカード退場の二択でそういう輩は速攻で退治されてると。



良い国だし、治安が守られてるのは良いことだけど、物騒だなぁ・・。

まぁ、嫌なことがあるよりは良いし、細かいことは気にしないことにしよう。


・・それに、そういうことで仲間もカナミも嫌な目に遭うのは嫌だし。



で、シリルさんと再会して10日は経過したのに今の段階でとあることが判明して俺たちクラスメイトは全員で驚いた。

全員「お兄ちゃんの職業って、非戦闘なの!?」

「半分はな。」

「半分?」

「もしかして職業が2つあるの?」

「おう。俺は、軽業師と吟遊詩人なんだ。」

軽業師は、名前の通りだろうからあの素早い動きとか軽やかにアクロバティックに動いてるから納得する。

それと、吟遊詩人かぁ・・。


すごくぴったりだね!

「吟遊詩人はすごくしっくりくるね。」

「だねー」

「お兄ちゃんは、日本にいた頃から吟遊詩人だったもんねー」

「そうそう。初めてお兄ちゃんの特技を知ったとき、私ゾクゾクしたもん。」

「わかる!お気に入りのラノベキャラの妄想してた声が生で聞ける感動が目の前にあるんだもの!」

「そうそう!何というか、生でファンの声優に会って話が出来るくらいの感動だよね!」

「うんうん!しかも、そんな人が私たちのお兄ちゃんとか、もう、いろんなところがきゅんきゅんして、ときめきすぎてやばかったもん!何度おかずにしたことか。」

「だよね!私もシタよ!おまけに本人も見た目も中身もイケメンとかおかずに困ることがなかったもんね。」

・・なぜだろう。

シリルさんの職業の話をしていたのにいつの間にか、シリルさんが女性陣の夜の秘め事のおかずにされてる事実の暴露話になってる。

で、そんな下ネタでキャッキャと盛り上がることが出来る女性陣も世間的には珍しいのではないだろうか。


で、そんな女性陣を目にした男性陣は、というと

「女性陣からすると、お兄ちゃんはまさしく物語の王子様って、感じか?」

「じゃね?俺らからすると、崇める神だし。」

「だよなぁ。テレビアニメ化されるよりもお兄ちゃんにこえを吹き込んでもらうことの方が鳥肌ものだったし。」

「わかるわー。そのおかげで、お兄ちゃんと会ってから俺の小遣いの使い道ってラノベとコミックとボイスレコーダーだったし。」

「ホントそれ。」

と、俺らは俺らで崇拝する対象的な感じでそれをネタに盛り上がってた。


で、全員シリルさんのことをお兄ちゃんと連発していた。


まぁ、当の本人は俺らのお兄ちゃん呼びに対しては諦めたらしく抱きつくセリカさんとエクレをなでつつジト目で見てた。



うん・・シリルさん。

その気持ちはわかるけど、今その視線を向けられても、女性陣からするとおかずの1つに加わるか、ご褒美にしかならないよ?




とか、だべってると走るペースを上げろとシャスティさんから声が上がった。




って感じで、走って周囲を警戒して、途中途中でシャスティさんVS俺らという模擬戦をして走ってを繰り返して俺らの目的地にたどり着いた。



おぉ。

すごくきれいなところだ。

これは、天国ってこんな感じってイメージのまんまの場所がでっかい壁の中にある。


ここに、お師匠様の後見人の方と、ペチュニアさんのお墓があるんだよな。

挨拶も大事だけど、お参りもしっかりしておきたいな。

・・・・勝手にランキングで、ジャンルごとの場合、300位少々なのは・・高いのだろうか低いのでしょうか・・?

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