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異世界人たち、クラリティ王国へ

--タクミ--

シリルさんとセリカさんと無事に合流した。


エクレを経由して、依頼完了の連絡は終わり、あの犯罪者たちの本拠地は、別のチームが殲滅しに向かったらしいので、とりあえずは安心して良いみたい。

で、あの魔物の群れのアイテム類と、犯罪者たちの賞金首の値段と、本拠地の情報で合計金貨70枚はあり、それらは俺たちに等しく分配されることになった。

俺たちは何も出来ていないのに良いのか聞いたけど、お金は足りてるからもらえるときにもらっておけと言われてありがたくいただくことにしました。

「じゃ、じゃあ。気を取り直して、ハディさんお願いします。」

「あぁ。」

「全員大きく離れてくれ。」

そして、50メートルくらい離れたら、ハディと呼ばれる蛇は見上げるくらいものすごくでかくなった。


「これって・・まさか。」

「あぁ。ハディさんは、蛇じゃなくてドラゴンだ。」

全員「かっこいい!!」

「すげぇ!マジでドラゴンだ!」

「ドラゴンと言うより竜?」

「かっこいい!近くで拝めるなんて!さすがファンタジー!」

「まさか、乗れるの!?乗れちゃうの!?」

「あぁ。さすがに飛べないけど、背中に乗ってクラリティ王国まで行くんだ。」

おぉ!

ドラゴンの背に乗るなんて、ファンタジーでやっておきたいことをここで堪能できるなんて最高!



それから、ハディさんはその巨体に似合わず速かった。

馬の数倍の速度で走っててすごい速かった。

それと、途中道中に出てきた魔物は、見事に交通事故状態でひき殺され、それを拾って回収っていう流れでした。








「さぁ、見えてきた。アレがクラリティ王国だ。」

全員「おぉ!」

すごくでかい!

それと、ちらっと見える建物はどれも、文化遺産みたいな感じですごくきれいで立派だ。

「様々な創作の物語や歴史から、ありとあらゆる知識が集まった国で、実力主義の国で、他の国と違うところは、身分は、実力の証と呼ばれているんだ。」

「じゃあ、身分は、言ってしまえば実力階級みたいな扱い?」

「その言い方が正しいだろうな。だから、この国では、守るべき人から守られることが多いから、護衛や侍従たちは、毎日必死になってる。」

「うわぁ・・いろんな意味で大変そう。」

「だが、身分差とか種族差別とかないし、純粋に実力で評価してもらえるから、就職先としてはあこがれらしいぞ?」

なるほど。



それから、城壁の入り口近くでハディさんから降りた後、ハディさんは小さくなり、ハルトのしっぽの上に上ってた。

「アレ?シリル君じゃないか。確か、害虫駆除に行ってたんだよね?終わったの?」

門番さんと知り合いらしい。

そういえばここに住んでるんだから知り合うか。

それに、お師匠さんがこの国の偉い人だもんね。

っていうか・・あの俺たちからすればかなりの規模のアレを害虫扱いするの?

この国って、どれだけ強いの?

っていうより、こんな国に喧嘩売って勝てるとでも思ってるの?あのあほ王。

絶対無理だろ。


俺たちが束になってもシリルさんに勝てないのにそれより強い人たちがごろごろいる国なんだぞ!?

俺なら、速攻で土下座して降伏するね!

「えぇ。」

「アレ?連れが増えてる?」

「俺の故郷の友人たちです。ちょっと前に事件に巻き込まれて俺とセリカは、こっちにとばされたんですけど、心配してここまで駆けつけてくれたんですよ。」

「あぁ、そういえばそう言う話だったね。姫様もイリス様も例の国の情報集めとつぶす準備は着々と進めてるっぽいよ?」

「出来るだけ自力でやりたいところですけど、協力してもらえてすごくありがたいです。」

「気にするなよ。ここの国柄知ってるだろ?」

「まぁ。で、入っても大丈夫ですか?」

「シリル君が、大丈夫って言ってるなら大丈夫だ。あ、報告はエクレちゃん経由して聞いてるけど、一応カードに記録を残すからギルドに顔出して欲しいってさ。」

「あ、わかりました。」

「じゃあ、また歌聞かせてくれよな。」

「えぇ。しばらくは離れない予定なので。」

「楽しみにしてるよ。」



そして、俺たちは国に入れた。


っていうか、シリルさんホント人気者って言うか、すごく親しまれてるのがわかる。

ギルドまで進めば、通りすがりに声をかけられることは多く、そのすべてが信頼している表情だった。

ギルドに行けば、あっさりと話が終わって、処理も俺たちの含めて終わった。


「って、手続き早すぎません?」

「ん?あぁ、この国って優秀だから余計な時間はとことんかけないからすごく早いんだよ。数日かかる儀式が数時間で終わるのがデフォレベルで。」

マジか・・そこまで優秀なんだ。



「とりあえず、今の師匠の状況とお前らの紹介をしないといけないし、これからの住まう場所も確認しないとならないから、ついてきてくれ。観光とかは、その後な。」

俺たちを襲った奴らの分のお金は、好きにしろって言われたから、金貨1枚だけ遊びに使って、その残りで装備品とか整えようかな。

ここだと、良いものが揃ってそうだし。

まぁ、材料を集めて自作してもいいんだけどさ。

錬金できるのがいるし。


通りすがりにある建物はどれもすごくきれいだ。



そして、やってきた場所には、巨大な羊と家がありました。

レンガっぽいものの作りみたいだけど、色がすごくかわいらしい。

そういえばお師匠さんは、幼女だっけ?

その子の趣味に合わせてるのかな。


けど、きれいの範囲に収まるような感じでできあがってるこの家の完成度すごいな。



「アレ?シリルおかえりー。」

「思ったよりも、早かったですね。もう少しかかると思ってましたよ。」

また美人が出てきた。

っていうか、これが生の獣人か!


で、見とれてないから、カナミ・・微妙に抱きしめる腕を関節技で、絞めないで欲しい。

胸が当てられてすごく幸せな気持ちと、地味に痛い気持ちが混ざって微妙な感じになる。


それと、ちょいちょい不意打ちで軽いチューするのは、やめて下さい。

ムラムラするから。

そんなに、大好きアピールしなくても大丈夫だから。


「ハディさんがいてくれたからですよ。」

「あぁ、それなら早いね。」

「それで、その後ろの方々が、例の?」

「えぇ。詳細は家の中で。」

「そうですね。ですが、人数が多いですね。」

「まぁ、ほとんど雑魚寝になるけど、入らなくはないよ。」

「そうですが、後々のことを考えると新しく建ててもらった方が良いかもしれませんね。」

「だねー、あ、とりあえず上がってよ。狭くて雑魚寝で良いなら、師団長のあの家にしばらくはいて良いから。」

全員「ありがとうございます」

宿代は地味にきついからすごくありがたいです。

狭いのなんて全く気にしません。



で、紹介してもらったのは美男美女の集まりでした。

うわぁ・・。

シリルさんとセリカさんもたいがいだけど、探せばいるんだなぁ・・美形って。


そして、俺たちのことも簡単に自己紹介しました。



※戦闘員


タクミ

身長168

魔法で矢を作れる

遠距離攻撃メイン兼、周辺の警戒をしている。

使用武器は、弓、サブでナイフとスリングショット



カナミ

身長170、胸D

結構さばさばした一見ギャルっぽい感じのモデル体型(胸C?)な美人筆頭だけど、さっきの台詞通り仲間思いで優しい人

炎属性で、武器が薙刀、サブで鞭


ニシキ

身長175

ガンガン系の近接戦闘タイプで、硬くすることも出来るから護衛兼、戦闘。

武器は、メリケンサック、サブで斧




ラク

身長180

サッカーが得意なよくいるスポーツ大好き青年という感じ。

風属性の魔法が扱える。

使用武器は、剣。サブで双剣




ヤヨイ

身長175、胸Dと、凜々しく女性騎士ってイメージ

髪は、肩に掛からない程度。

魔法剣(複数の属性で剣を作り出す)

→タクミの剣バージョン

武器はサブで、剣と投げナイフ



リン

身長169、スタイルは平均的でもすごく家庭的で、庇護欲をそそる。

肩に掛からない程度の長さの髪。

威力は弱く、家事など私生活で使用できる程度の出力だが、生活魔法と呼ばれる火や水、風、雷など基本属性すべての魔法が扱える。

だが、身体能力はなぜか非常に高く、バトルスタッフで、サブで短剣と鞭


イオリ

身長173

ぼんやりしていることが多いけど、周りのことはよく見てる

氷属性の魔法が扱える

使用武器は、短剣。サブで投げナイフとスリングショット


ケイ

身長157

身長が低いことを少々気にしており、気が強い

火属性の魔法が扱える

使用武器は、剣。サブで棍


ゴウ

身長180

大きな体格でいかつい表情だが、実はやさしい

雷属性の魔法が扱える

使用武器は、斧、サブで槍


※非戦闘員


ヨシミ

身長158、胸はC

いつも笑顔でムードメーカーみたいな感じの子で、なにげに情報通。

生活魔法と料理魔法が扱える。

使用武器は、バトルスタッフ。サブで投げナイフ、スリングショット


アミ

身長は150切るし、スタイルもBで、すごく小柄

髪は、肩を超える程度

みんなからマスコットキャラ

感知系に特化している

扱う武器は、ハンマーとサブに鞭、スリングショット


カナ

身長160で、胸はBにぎりぎり届かない。

すごく細く肌が白く、病弱。

調合によって、薬も毒薬も様々なものが作成可能

扱う武器はナイフと、自作した毒薬を投擲武器として使用

サブに投げナイフと鞭


アスミ

身長150とやや低めだがで、胸はE

髪は、背中中央くらいまであり、幼い顔立ちで、トロンとした瞳で、ロリ巨乳

裁縫で、様々な種類の衣服を作成出来る。

扱う武器は、弓、サブでスリングショットと鞭


リリ

アメリカかどこかのハーフで肩を超えるほどの金髪でキリッとしたクールな人

身長170、胸はD

高度な鑑定を扱える奴がいるから、毒の有無とか敵のステータスとか色々と調べることが出来るし

武器は、剣と、サブに槍と短剣



ナナ

口数が少ないが、表情は豊かで、身長160で、胸はBとやや小さめ

収納魔法が扱える。

→制限はないに等しく、時間制限もない。

扱う武器は、モーニングスターとサブに鞭


ミウ

おっとりとした人で、身長165、胸はE。

髪は、おしりまである。

傷を治す回復魔法と、重い槍を自由自在に扱える

サブに、剣と鞭



タケル

身長158

錬金により、武器の作成担当

使用武器は、ハンマー、サブで剣、スリングショット


タロウ

身長163

錬金により、防具の作成担当

使用武器は、ハンマー、サブで槍、スリングショット


ゴウ

身長167

錬金により、武器、防具の作成が可能

→主にタケルとタロウのサポートを行うことが多い。

使用武器は、ハンマー、サブでナイフ、スリングショット




基本的に、遠距離戦をメインにしてるのは俺くらいなんだよね。

だから、いざというときのためにサブでスリングショットを持ってる子たちは、多い。

後さ・・なんで、鞭もってる子が多いの?

何気に武器は自分たちに任せた感じだったけどさ・・おまけに、馬とかに使う短いやつとひも状の一般的な奴と数種類あるし・・。


・・

深くは考えないようにしよう、うん。



で、その中でも、あの軍服風のメイド服着てるメイドさん・・おっぱいでけぇ。

言わないけど。

それと、抱えてる子猫の色・・さすがファンタジー。

そんな色のにゃんこもいるんだ。


それと気になるのは・・・



「クハハハハハハハハ!!」


なぁんか、すっごい良い笑顔ですっごい楽しそうに笑いながら超高速で絵をかいてるお兄さん。

なんか、中二病みたいな状態なんだけど、なんでみんなスルーしてるの!?

「ね、ねぇ・・シリルさん・・あの人・・。」

「あぁ、いつものことだから気にしなくていい。彼は、リカルさん。かなり有名な絵師でビルドアーティストと呼ばれてる人なんだ。今は、師匠専属の執事だけどな。」

「あ、それ聞いたことある。」

俺もある。

確か、一度決めたらどんな身分にも屈しない人だったはず。

すごく絵が上手だって聞いてたけど、確かにすっごいうまい。

その人の絵と思われるものが部屋のあちこちに飾ってあるし。


「で、最後に僕だね。僕が、イリス・クラリティ・エトワールだよ。大体のことは、シリルから聞いてると思うけど、何かあったらここにいるメンバー誰でもいいけど、急ぎとかだったら僕に言ってもらった方が早いから遠慮なく言ってね。元々身分とかどうでもよかったんだよねぇ。」

すっごい美女がいる!と思ったら、美青年でした。

なんていうか、性別不明レベル。


それに、俺たち全員が揃って性別を間違えてました。

・・だから、シリルさんのお師匠さんのお母さんと思ったら、お父さんでした。


って・・

「あの・・失礼を承知で・・その・・」

「ん?気にしないで遠慮なく言って良いよ?たぶん、全員が同じこと思ってるから。」

「え?じゃ、じゃあ・・。確か元王族だと聞いてるんですけど、身分がどうでもいいって・・それ、王族として大丈夫なんですか?」

「あぁ。大丈夫大丈夫。僕がいなくなった程度で国が傾くようなら、その程度だったってことだから。」

これが、実力主義の国・・。

1人に支えられてる状態で傾くようなやわな国じゃないってことか・・。


マジですげぇ。


「な、なるほど。」

「まぁ。この国に関していうと、身分が欲しいから頑張るんじゃなくて、努力して努力して国のため、家族のために頑張ろうとした結果、身分が与えられてたって感じだからね。言ってしまうと、気づいたら貴族でしたって感じかな。その名にふさわしい力を持ってるって保証してもらったようなものだから。」

あぁ、根本的に身分のとらえ方が違うんだ。

「結果を出すことと、身分にふさわしくありたいっていうどちらを大事にしているかが、他の国と違うということでしょうか?」

「そんな感じだろうね。大抵は、貴族なんだからこのくらいはできないと!って、切羽詰まった感じだと思うだけど、この国だとこのくらいの身分なんだからこのくらいはできて当然。むしろ、それ以上できるようにしないとこの身分を与えてくれたことの恩を仇で返すことになる!って、感じだね。」

ホントに、優先順位が違うんだ。

身分を落としたくないから頑張るよその国と、

その身分にふさわしい結果を出すことが当然なのがこの国なんだ。



確かにわかる。

この国はホントに良い国だ。


「それと、身分がどうでもいいのは、特に僕はそういう考えが強いんだ。ニアさんの影響でもあるんだけど、リアちゃんも結果として同じ考えだからニアさんの影響は強いね。」

すごく優しい笑みでそういうイリスさん。

「あの・・そのニアさんとリアちゃんというのは・・」

「あぁ、まだ言ってなかったね。まずリアちゃんは、正しくはフリージア。僕の娘でここにいるアルナとシリル、セリカの師匠だよ。君たちがずっと探していたクテン様だ。」

あぁ、娘さんっていうかお師匠様のことだったんだ。

じゃあ、ニアさんって?

「それと、ニアさんは、正しくはペチュニアさん。君たちと同じ世界からやってきていた日本人だよ。まぁ、日本人の血は4分の1のクォータらしいけどね。」

全員「え!?」

「ついでに言うと、シリル君とは遠い親戚にあたるらしいよ?」

全員「お兄ちゃんまじで!?」

「あぁ。俺もこっちに来て、師匠に言われて気づいたんだ。」

全員「マジですか・・・」

「で、その方は・・」

ぜひ挨拶したいと思ったんだけど・・

「うん、落ち着いたら癒しの都”ルナール”に行ってきてごらん。そこで、挨拶してあげてよ。すごく喜ぶから。」

どうしてと言おうとしたけど、シリルさんが目でそれ以上聞くなと言ってきたので静かにしておく。


「ここからハディの速度だと半日くらいだから、君たちの訓練にもちょうどいいし、朝一で走ってそこに行って、そのままこっちに走って帰ってくればちょうどいいランニングだよね。」

え?

そんなさらっというの!?


「君たちは、一応被害者だから、僕が後見人なるよ。事実上は、シリルの弟子ってことにしようか。シリルもそれでいいよね?扱いは、シリルと同じだね。」

「はい。元々そんな感じだったので問題ありません。」

「うん、よろしい。君たちは基礎はできてるし、実践経験はちょっと微妙だね。まぁ、そこは鍛えればいいね。おそらくは、シリルと早く合流したくて先に進むことを前提にしてたからガッツリ鍛える時間がなかったんだろうけど。」

うん、確かにそうなんだけど。

この人マジですごいな。

たいしたこと話してないのに、俺たちのこと丸わかりじゃん。


これが、預言者って言われるほどの天才王子かぁ。


「で、住む場所だけどこの国にするなら、家の隣に建てるけど?いやなら、ルナールに行く?あそこは、すごく自然豊かで静かなところだから過ごしやすいよ。まぁ、ギルドとかの公共施設はないけど。」

俺としては、この国で頑張りたい。

みんなをちらっと見ると同じ気持ちみたい。

「はい。ご迷惑をおかけしますが、こちらでお世話になります。」

全員「お世話になります!」

「あ、お金もきちんと働いて返しますので。」

「あぁ、いらないよ。」

全員「え?」

え?

いや、・・え?

「その程度のはした金は自力で稼いでるし、実は使うことが少なくて余ってるんだよ。だから、君たちを言い訳にしてお金を使いたいんだよね。だから遠慮しないで良いよ。ついでに、装備も整えようか?それとも、素材だけ集めようか?あとは、裁縫でも鍛冶でも弟子入りできるように手配しておくけど。」

マジですか。

それはすごくありがたい。

「装備に関しては、俺たちのメンバーで作れるので素材の提供をお願いしたいです・・それと、弟子入りの件、お願いできるならお願いしたいです。」

「俺たちもっと役に立てるようになりたいんです。」

「良いよ。彼らも君たちみたいに一生懸命な子たちなら喜んで力を貸すと思うから。ついでに、実践の実力も上がると思うよ?」

え?

なぜに?

「この国はね?聞いてると思うけど、身分が高ければそれだけ強くなる。それと同じで、国民は長く住んでいるとそれだけ強いんだ。下手すればこの国の男爵よりも国民が強かったりするね。」

マジですか・・。

「だから、まんべんなく鍛えられると思うよ?たぶんもやし扱いするだろうからついでに鍛えてあげようみたいな感じで。」

あぁ・・。

実力主義の国になるとそういう扱いになるんだね。

「それで、裁縫に関してなんだけど・・」

「はい?」

どうしたんだろう?

「見た目とかは気にしないタイプ?」

ロリ巨乳こと、アスミさんが裁縫をしてるから、彼女にシリルさんは妙な質問をする。

「はい。ちょっとやそっとのことじゃ驚かないですけど・・。」

「ならいいかな?・・まぁ、端的に言うと性別は男なんだけど、心は乙女なんだよね。」

あぁ、オカマさんですか。

「あぁ・・。」

「アスミちゃん。安心していいよ。リーリスさんは確かに筋肉もりもりでフリフリ衣装の人だけど、すっごい優秀だから。何せ、初見で今のシリルに仕立て上げたんだもん。」

頭のヘアバンドを付けさせたのも、シリルさんたちが下に着けているインナーもかなりの優れものらしく、それを選んだのもその人らしい。


って、まじですごい人じゃん。

「ぜひその人にお願いしたいです!」

シリルさんのイケメンにクラっとしてる筆頭だもんねー。

すっごい目をキラキラさせてる。

「うん、じゃあそうしておくね。鍛冶に関しては、一定期間でいろんな人に教わるようにしておくよ。人によって癖とかあるからね。」

「ありがとうございます」


「それで・・そのお師匠様はどちらに?」

ずっと、気になってたんだよ。

シリルさんを助けて、鍛え上げたその幼女様とあいさつしたいのにどこにもいないんだもん。

「あぁ・・そのことをこれから話すよ。」



そして、一通り教えてもらいました。

「じゃあ、その子猫が?」

「うん。今は冬眠中なんだ。近いうちに目を覚ますと思うけどそれまでは、この事実はここだけの話にしておいてね。」

全員「はい!」

いとおしそうにその子猫を撫でるアルナさんの目を見たらわかる。

ホントに大事にされてるんだなって。


っていうか、最低Aランク・・平均SSランクで、数が2万越えの超大群のスタンピートをたった1人でほぼ壊滅させる一撃を叩き込んだのに加えて、そのボスのSSSランクのドラゴンとタイマンで討伐。

おまけに、最後の最後に大陸を1晩で滅ぼすようなヤバいやつを瞬殺。



・・まじで、チート幼女だ。

本気で、敵認定されないように頑張ろう。


で、彼女も、そのお師匠様に救ってもらった人らしいし。

「ちなみに、アルナさんは俺たちの姉弟子で、防御と、護衛に関してはこの中で一番強いぞ。」

全員「!?」

マジで!?

「ちょっとシリル君!私はそんなにすごくないから!ちょっと魔法の軌道をそらして、扱う人と武器を持って襲ってくる人を投げ飛ばしてへし折るだけだよ!?それに、防ぐだけで攻撃できないし・・。」

いや、それだけで十分すごいから。

魔法の軌道をそらすのだって俺たちのメンバーの誰1人として成功してないんだからさ。

「いや、それだけでも十分ですから。」

「でも、リア様にはまだおもちゃ認定なんだもん・・。」

そんなすごい彼女ですらおもちゃ扱いですか・・。


どんだけすごいだよその幼女様。


「まぁ・・。コツコツ頑張りましょう。」

「うん・・」


そして、驚きの事実は更にあった。

「え!?ここにいる獣魔って、ハルトとエクレ以外は全部お師匠様のだったの!?」

あのハディさんも!?

「あぁ。だからハディさんは貸してもらったような感じなんだ。」

「はぁ・・・。」

思ったよりすごい子だった。

というより、あの噂は過小評価だったと実感した。


で・・

「初めてここに来た時のシリルより基礎は出来てるっぽいな。」

「そりゃそうですよカルナさん。俺たち、その時点だと実践なんてほぼ皆無だったんですから。」

普通にしゃべってる・・。

脚3本の八咫烏が目の前にいるししゃべってる。

おまけに、にゃんこもしゃべってるし。

シリルさんからは、これが普通と思うなと言われたけど、そんなイレギュラーを全部獣魔にしてて、単独でも飛んでもチートなお師匠様って、まじで何者!?

って思う。


まぁ、写真・・というより、リカルさんによるお師匠様の自画像を見せてもらったけど、マジで美少女だった。

こういったらあれだけど、セリカさん以上の美少女だった。

「だろうな。こっちに飛ばされて速攻巨大狼の群れに襲われたんだし。」

ちょ!

シリルさん速攻でピンチじゃん!

「あぁ・・あの頃は、ホントに弱かった。セリカと連携して5頭くらいしか倒せなかったんですから。」

「いや、シリルさん。経験ゼロで倒してる時点で十分だから。」

ホントこの人強かったよ。

なんで、飛ばされて数時間くらいのレベル1段階で、いきなりレベル10とかの格上を倒せてるのさ。


「シリル。」

「はい。」

シャスティさんっていうにゃんこがシリルさんに語り掛ける。

「リア様は御覧の通りです。だから、その軟弱共の教育のメインは任せましたよ。知恵に関してはカルナに聞きなさい。翠は、セイとアルナの相手に忙しいですから。」

「わかりました。」

「って、俺かよ。」

「良いじゃないですか。カルナ、その程度できずに教育係を名乗れますか?」

「わかってるよ。まぁ、よろしくな。」

軟弱もの扱いされた・・。

っていうか、このにゃんこ、なんていうか姉御って言いたくなる。




「とりあえず、ディフィスに依頼はしておくよ。3日くらいで出来ると思うよ。」

「ありがとうございます。」

シリルさんにディフィスって何か聞いたところ、建物を建てることに関してエキスパートの集団のことらしい。



それから、他愛ないことを話したりしているうちに夕方が過ぎ、寝る時間になった。

部屋数の問題でほとんど雑魚寝だけど、これはこれで修学旅行みたいで楽しいから問題なし。


「だとしても、あのご飯すごかったね・・。」

「ねぇ・・」

なんか、今にも動きそうな生物が創造されてた。

けど、味は普通においしかった。


アレが、リカルさん作と聞いて、絵師ってなんだっけ?

となったのは俺だけじゃないと思う。


「それで、シリルさん。どうしてそのペチュニアさんのこと聞いたらダメだったんですか?」

同じ異世界人なら色々と有益な情報があったかもしれないのに。


「あぁ・・まず一言いう。その人には二度と会えない。俺も、師匠も直接会ったことはないんだ。」

全員「え?」

え?

シリルさんはともかく、娘さんであるはずのお師匠様も会えないって・・




まさか。

「まさか・・」

「あぁ。難産だったらしい。」

全員「・・・」

道理で、シリルさんが聞くなっていうはずだよ。

で、シリルさんは色々教えてくれた。

「股聞きなんだが、ペチュニアさんは見た目”は”すごく清楚できれいな人だったらしい。」

そうなん・・・だ?

「あの、なんでわざわざ”は”のところを強調するの?」

「それはな?すごく病弱なのに、トラブルのある所へ特攻して、吐血するような人だったからよ。」

全員「え・・」

それ、なんてカオス?

「しかもな。その人、4属性の魔法を巧みに操るすごい実力者でな?敵対されたら周囲の人を巻き込んで人生終了って言われてたんだ。」

全員「すげぇ・・・」

「で、一度キレると町を丸ごとボロボロにして、敵認定された奴に全部丸投げしてたんだ。・・・周囲に巻き込まれてる人がいてもお構いなしに魔法を放ってたらしい。で、ついたあだ名が流星姫」

「え!?あの流星姫なの!?」

「カナミ知ってるの?」

「知らないはずないじゃない!あちこちで話をしてると必ず出てくる二つ名だよ!?魔法を扱う女の子なら必ず憧れ、男性なら必ず目標にするほどの最強の魔法使い!」

確かに聞いたことある。

確かに敵認定されたら町丸ごとヤバかったらしいけど、きちんとしたお付き合いをすれば未来を見通すようなお告げがもらえるとか。



「じゃあ、お師匠様って、そんな天才王子と流星姫の間に生まれたんだ・・。」

「本人の努力もあるが、血筋からすごかったんだ・・・。」

「まぁなぁ・・・。けど、師匠の場合は産まれてから5年間の間は地獄だったんだ。」

全員「え?」

そして、1冊の絵本を渡され、全員で読んだけど・・・・




何この話・・重すぎる。

「これってまさか・・・」

「あぁ。師匠のホントにあった過去だよ。で、その舞台になったのがルナールだ。かつては流星の里と呼ばれてたがな。」

「じゃあ、お師匠様って元からすごかったんじゃなくて、すごくなければ生きていけなかったから・・?」

「そういうことだ。」

全員「・・・」

そりゃあ、全員お師匠様のためにって全力で頑張るのは当然だよね。

俺たちですらそうなるんだもの。



「そういえば、お前らは師匠のことお師匠様って呼ぶんだな?」

「だって、俺たちの師匠はシリルさんでしょ?なら、師匠の師匠は、お師匠様でしょ。」

全員「うんうん」

「なるほどな。まぁいい。・・師匠には、シルちゃん呼びされてるし今さらか。」

「何?なんかすごく気になるセリフが聞こえた!」

シルちゃんってお師匠様から呼ばれてるの?


「あぁ・・師匠だけだけどな。俺はシルちゃんだし、セリカなんてセリちゃんだ。まぁ・・あのハディさんをちゃん付けで呼んでる時点で今さらだけどな。」

全員「・・・」

あのハディさんをちゃん付け・・確かオスって聞いたし、あの巨体と姿を見てちゃん付け・・・いろんな意味ですげぇ。



そんな感じだったけど、とりあえずおやすみなさい。


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