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再会した異世界人の本気

145部:閑話-一方異世界では- ※挿絵有

話中の挿絵を更新しました。

--タクミ--

俺たちは戦った。


けれど、負けて捕まり、女性陣が目の前で犯されようとしている。


絶望したけど、神様は見捨てなかった。


だって、俺たちがずっと会いたくて会いたくてたまらなかったあの人がここに来てくれたんだから。



で、全員で

全員「おにいちゃん!」

と、ぽろっと言った。



「ったく、おまえらは相変わらずだな。」



肩を超える黒い髪を後ろで1つに束ね

黒い防具に包まれた服装

黒い瞳は、俺たちを優しく見つめ

2本の紅と蒼の剣を握り、全身に紅と蒼の光の粒子をまとわせている



しょうがないなぁという優しげな笑みを浮かべるその人は、離ればなれになる前と同じ表情だった。

今のシチュエーションもあるし、吊り橋効果もあるかもしれないけど、あの頃よりもとんでもなくイケメンになってる!

男の俺ですら惚れ惚れするほどの中身も見た目もイケメンがいる。


女性陣だってつい、ほほを赤く染めちゃうくらい。


そして、高さが数メートルは軽くあるのにスタンと軽く飛び降りてきた。

「悪い、遅くなった。」

申し訳なさそうにそう言うけど、誰1人として死んでいないし、犯されてもいない。

十分間にあったよ。


「兄貴・・」

「ニシキ、よく頑張ったな。おまえが率先して戦って、みんなを守ったのは十分わかる。ホントに強くなったな。」

「兄貴!」

涙を流しながら錦さんがそう叫ぶ。


ホントに俺たちのお兄ちゃんは、最高だ。


「とりあえず、おまえら、これを使え。エクレ、シャスティさんの回復薬を出してくれ。」

「にゅい」

肩にいるライチョウらしき鳥がどこからともなくどさっと回復薬を地面に放り出す。

「とりあえず、それを使ってくれ。」

そう言うと、シリルさんは一部の氷を溶かして穴を開け、その穴をくぐっていく。

「シリルさん!」

さすがに1人であの人数は無理だ!

そう言う思いを込めて名前を叫ぶ。

「気にするな。それに俺は今さ、過去最高にむしゃくしゃしてるんだ。俺の弟妹をこうもやりたい放題してくれた屑どもを1人残らずつぶさないとならないからさ。」

強烈な威圧とともにものすごい鋭い視線がそいつらをにらむ。


その視線だけで、そいつらの足ががくがく震えている。


やばい。

初めて見たけど、シリルさんガチギレしてる。


俺たちに向けていないと言ってもこの威圧と殺気は、濃厚なんてもので済まないくらいやばい。



「おっと、何逃げようとしてるんだよ。」

「ぎゃぁぁぁ!!」

「安心しろよ。おまえら全員生かして帰すつもりないからさ、みんなそろってあの世にいけよ。」

「お、おまえら!全員でかかれ!相手はたった1人だ!!」

「シリル1人だけにやらせるわけないじゃん。」

突如として響く女性の声とともに、数人が体を真っ二つにして空を舞う。


そこにいたのは、

「セリカ、思ったより早かったな。」

「うん、ハルトが頑張ってくれたから。」

「そうか。ハルトありがとうな。疲れてるだろうが、一緒に頑張ってくれるか?」

白い真珠みたいな体の巨大なサソリが、任せろと言わんばかりにはさみをしゃきんしゃきんしてる。



ってアレ・・セリカさんの獣魔?


って、シリルさんもだけど、セリカさんもとんでもなく美人になってるんだけど。

それに、あの片手に握ってる巨大な大剣、アレを軽々と振るうって・・マジですか。



「みんな久しぶり!それと、大丈夫?シャスティさんの調合薬である程度は治ると思うけど待っててね。あの屑どもを殲滅するから。」

その瞳には、シリルさんと同等のやばい殺気がこもる。


「でも、さすがに2人だけであの人数は・・」

「大丈夫だって。あの程度つぶせなくて師匠の弟子を名乗る資格はないから。」

「さっきから、てめぇらは何者だ!!」

「よう。自称災厄、クラリティ王国を代表して、おまえらを始末しにきた。」

「たった2人でか?なめてんのか?」

「その程度出来ないはずないだろ?イリスさんから大丈夫だって太鼓判押してもらったからな。」

「だからてめぇらの名を名乗れ!!」

「はぁ、まぁ良い。冥土の土産に名乗ってやるよ。俺は、シリル。クラリティ王国魔術師団長兼エトワール公爵家令嬢、フリージア様が弟子の1人。」

「同じく、私はセリカ。シリル同様、クラリティ王国魔術師団長兼エトワール公爵家令嬢、フリージア様が弟子の1人。」


「は?・・・・ま、まさか・・黒夜叉に砕破!?」

その2つの二つ名って確か、敵認定されたら人生終了の代表格の上位ランク冒険者の1つじゃ・・・。


って、2人のことだったんだ。

音の支配者とは別に二つ名あったんだ。


「な、何でてめぇえらが!!」

「師匠のクテン様に変わり、俺たちが断罪するためさ。」

「そうそう。かわいい師匠が健やかに過ごせるように害虫駆除するのが私たち弟子の勤めだから。」


「ご託は良い!!全員でかかれ!魔物どもも行け!!」

「セリカ、俺は、魔物をやる。そっちは任せても良いか?」

「大丈夫だよ。ハルトもいるし。」

「そうだな。頼んだ。」




それからは、やばいとすごいとしか言い様がなかった。

あのサソリのハルトっていうのは、見えない速度でしっぽを振るい、はさみとともに敵をあっという間に真っ二つだったり、穴だらけにしてたし。

セリカさんなんて、


「ハディさん直伝!グランドブレイク!!」

と叫んだとともに地面に大剣をたたきつけ、超巨大なクレーターを作り出す。

それによって、つぶされ絶命する奴らがいる中、

「それともう1つ!シャスティさん直伝、剛・力・斬!」

今度は、大剣を横薙ぎに振るうと、斬撃が飛び、防御しようがしまいが関係なく真っ二つになっていく。


そして、逃げようとすれば斬撃が飛んで手足がちぎれ飛ぶ。

すげぇ・・としか言い様がない。


で、セリカさんはいろんな意味で絶好調のようだ。

実際、技名とかって叫ぶ必要ないんだよね。

偶に、無詠唱で魔法が出来ないけど、魔法名を名乗って発動させる人もいるけど、セリカさんの場合は、絶対にノリ。



で、こっちもやばいけどシリルさんの方がもっとやばかった。


空を飛んでる?

と言いたくなるくらい軽やかに宙を舞い、敵の上から上にひょいひょいと飛び移りながらあの紅と蒼の斬撃が飛ぶ。

すると、紅の斬撃に触れると燃え上がり

蒼の斬撃に触れると凍り付く


更に紅の粒子に触れると同じく燃え上がり

蒼の粒子に触れると凍り付き、粉となって消える




何?

シリルさんって、ハズレって言われたんだよね?

どう見ても、炎と氷の2属性を巧みに操ってるんだけど?


それに、1つの斬撃で数体は軽くやられ、斬撃をとばしてる間にその剣で敵を切り裂く



しかも、正直目で追うのがやっとというとんでもない速度で敵が次々にやられていく。





「強ぇぇ・・」

「ちょっと見ない間にリアルチートキャラになってる・・」

「やばい・・かっこよすぎる。」

「うん、アレは惚れるわ。」


「ホントにあの2人、ハズレ認定されたの?どう見ても、私たちの何倍も強いんだけど。」

「それは同感・・。」

「と言うより、あいつらが一方的に蹂躙されてる。」

「こっちを襲おうとしてるけど、シリルさんのこの氷壁に傷すらつかないとか。」

「それに、セリカちゃんもやばい。」

「うん。同性の私でもやばいくらい、美人になってるし、あのパワーと技術やばすぎる。」

「それに、獣魔?のあのサソリもすごいよね。」

「うん・・どっちもやばすぎる。」

「単独でスタンピート攻略できるって噂も、嘘じゃなくて真実だね・・うん。」

「同感。それに、その師匠である例の黒髪幼女もたぶんあの噂・・弟子がこれだもん・・全部事実でしょ。」

「これを見て確信した。たぶん噂以上に強いよ。その師匠の幼女様。」



そして、長くても1~2時間ほどで魔物は1匹残らず殲滅され、敵も大将の1人を残して全員絶命している。

「ひいぃぃ。た、助け・・」

「なら、さっさと吐けよ。」

「吐きます吐きます!!」

ものすごい殺気を至近距離で放ちながら2本の剣を左右から首筋と目に寸止めした状態でシリルさんは情報を吐かせていた。


うん・・なんか、すっかりシリルさんは最強の一角を担ってるようです。



「なるほどな。」

その腕輪を拾ったのは事実だったみたい。

で、そいつらの拠点もすべて吐かせてた。

「じゃ、じゃあ助けて・・」

「助かると思ってんの?」

「え・・」

真っ青な顔で絶望してる。

「お前らさ、逆に聞くけど、俺の弟妹に何をした?これまでやらかした被害者たちの同じ台詞に何をした?」

「ま、待ってくれ!金はやる!だから!」

「んなもん、いらねぇよ。自力でお前らよりも稼いでるわ。じゃあな。それに、ここで殺そうが、連れて行こうが一緒なんだよ。拠点はすべてつぶすのは決定事項だし、お前らみたいなゴミを連れて行くなんてめんどくさいこと誰がするかよ。」

「ま、まっt」

そして、そいつは死んだ。




「エクレ、悪いが、イリスさんにこの手紙を届けてくれないか?」

「にゅい。」

「あぁ、頼んだ。俺たちはまっすぐクラリティ王国を目指して進むから。帰ってきたら一緒におやつ食べような。」

「にゅい!」

そして、シリルさんの獣魔と思われるライチョウは、ぱたぱたと空に上がったかと思いきや、ギュイン!って音を立ててすごい速度で飛んでいった。

「相変わらず、エクレちゃん、飛ぶの早いよね。」

「だなぁ。さて、ついでにエクレにアイテム類とかこいつらのタグも死体も回収して、届けてもらうように頼んだし、依頼は完了だな。」

「だね。けど、思った以上に弱かったね。」

「っていうより、あのスタンピートがやばかっただけだろうがな。」

「だよねぇ・・。悪魔の2万超えの大群プラスのSSS以上のドラゴン数体だったもんねぇ。」

なんか、とんでもない台詞が聞こえるんだけど・・。

「けど、アレは師匠がいなかったら絶対に勝てなかった。」

「うん・・。師匠のすさまじさを改めて知ったね。私たちもまだまだおもちゃ認定から卒業できてないし。」

「だが、慌ててもしょうがないから少しずつ強くなっていこう。」

「うん。」

え・・今のシリルさんたちでも足下にも及ばないの!?

その幼女どれだけ強いの!?



「あぁ、とりあえず久しぶり。イリスさんが調査して、お前らが俺たちを目指して進んでることも、あの国:アルバトロスが腐ってることも、あの国がクラリティ王国に攻め込もうとしていることも聞いてる。よくここまで頑張ったな。」

「って、シリルさんなんで、そこまで知ってるの?」

「ん?イリスさんに聞いたからだが。」

「え・・そのイリスさんって何者?」

シリルさんって、あそこにいたのって数十秒だったからほとんど情報がないはずだけど・・。

思えば、その状態で俺たちに伝言を届けてた自体でどうやったの?


「ん?イリス・クラリティ・エトワール。今はエトワール公爵家当主だが、元クラリティ王国第一王子の、通称天才王子だ。」

「え!?って、予言者って言われてる人!?」

「そうそう。よく知ってるじゃないか。」

って、とんでもない人と知り合ってるなこの人!!

「とりあえず、いつまでも血みどろなここにいるのはいやだろ?きついだろうが移動しよう。そこで野営だな。」

「うん・・確かにいつまでもここにいるのはいやだ。」

血だらけだし、俺たちやられたし、女性陣はヤられる場所だったから良い記憶ないし。


「その後は、クラリティ王国を目指す感じで良いだろ?」

「俺たちもそのつもりだったよ?」

「とりあえず、行こうか。」



それから、俺たちはしばらく移動して野営しながらこれまであったことを伝え合った。

で、シリルさんは温度変換って言う属性で、セリカさんは全強化っていう属性だった。

「けど、具体的にはどういう属性なの?ぱっと聞いてると、温度を変えるか、身体強化の上位版ってくらいしかわからないんだけど」

「普通は、自分のそう言う情報は話さないんだが、まぁ、お前らなら良いか。俺の場合は、温度変換だが、上限がないんだ。・・そういえば、もうわかるだろ?」

「それって、灼熱だろうが絶対零度だろうが再現できるってこと!?」

「そういうこと」

マジか・・。

思い切り名前負けしてるじゃん。

っていうか、そこに気付かないあの国はホント馬鹿だろ。

「それで、セリカさんのは?」

「私の場合は、強化する対象が自分で選べるんだよ。」

「え?それって、バフも出来るってこと?」

仲間を強化できるの?

「それも出来るけど、私の場合は身体だろうが、魔力だろうが、視力とか骨とか、どれを強くするか、出力を上げるか、なんでも選べるんだよ。」

それ・・

「下手すればシリルさん以上にそれ・・やばいよね?」

たぶん、身体強化の親戚って意味で、ハズレ扱いしたんだろうけど、ホント馬鹿だろあの国。

「だろうねー。気付いたのはそれなりに後だったけど。」




「なるほどな。ほぼほぼイリスさんの推測通りだった訳か。」

「じゃあ、他のクラスメイトはあっちの駒になったんだ?」

「うん。話し合っても無駄なのは日本にいた頃から知ってたからさっさと切り捨てて俺たちは国を出ることにしたんだ。」

「確かにそれが正しいな。長居しても洗脳されるか、人質を取られるかろくなことにならない。」


「え、えと・・兄貴・・」

「ん?どうしたニシキ。ん?隣の女性は?」

「えっと・・紹介します!俺の妻のリーベです!」

「初めまして、リーベです。戦うことは全く出来ませんが、ニシキの妻になりました。あなたが、ニシキの育て親に近いと聞いてましたので、ご挨拶がしたかったのです。」

おぉ。

ご両親にご挨拶イベントだ。


正しくは、兄貴分のクラスメイトにご紹介だけど。


「そうか。ニシキの・・改めてシリルです。こっちは、妻のセリカ。数年前から面倒を見てるから、ニシキが言ってたように兄代わりをしてる。そいつは、ちょっと荒いが他人思いな奴だ。よろしく頼むよ。」

「はい。」



「って、シリルさん!?さっき、セリカさんのこと妻っていった!?」

「あぁ。」

「どうもー♪師匠に保護された当日にシリルと既成事実をつくって、毎日襲わせてもらい、ついに結婚しましたぁ♪」

「セリカ!余計なことまで言わない!」

「えー、良いじゃん。毎日エッチしてるのは事実なんだし。」

「だとしても、友人とは言え、そういうことは言うべきじゃない!!」

「えー。」

「はぁ・・隠し事はいやだが、オープンすぎるのも問題だ・・。」

頭抱えてるシリルさんを満面の笑みで後ろから抱きついてるセリカさん。


相変わらずだなぁ・・。


と言うか、俺たち全員口にしないけど、そうなるのも時間の問題だって思ってたから実は大して驚いてなかったりする。


で、シリルさんが最後につぶやいてたことに関して、全員思うことがアリそっと視線をそらす。

「それにさぁ、みんなだって処女卒業した子だって、いるでしょ?」

女性陣「ぎくっ。」

セリカさんが俺たちが隠す事実を言って、軽く驚く。

何でわかるの!?


で、シリルさんはジト目でセリカさんを見ながら言う。

「それってアレか?生き物を殺すことになれて、色々と吹っ切れたのと同時に余計なことも軽く言えるようになったと?つまりは、男女同士で猥談も、場合によってはそういうことも普通にしていると?」

全員「ぎくっ。」

なんで、そこまでわかるの!?


実際、俺たちって元々クラスメイト同士で、仲良かったし、こっちで色々とサバイバルなことをしているうちにクラスメイト同士でエロいことしてもあまり気にならなくなっちゃったんだよね。




「まぁ、お前らがどういう関係になろうが自由だし、猥談で盛り上がるのも良いが、世間体とか時と場合は考えろよ。」

全員「はぁい。」

さすがシリルさん。

やめさせるのではなく、きちんと良いときと悪いときとの線引きをさせるようにした。



「で、カナミは、タクミとセフレになったの?」

「ぶふっ!セリカ!そういうこと言わないで!私たちは、エッチする仲じゃないもん!将来を誓い合って毎晩愛し合ってる仲だもん!!」

「おぉ。じゃあ、○○○は試した?」

「っ!?何その高度なプレイ!」

「そう思うけど、実際してみたら意外と負担が少ないし、すっごく良いよ?」

「・・マジ?」

「まじまじ。後、むぐっ。」

セリカさんがカナミさんに何か余計な情報を吹き込んでたら途中でシリルさんがセリカさんの口を封じてきた。

「はいはい。精神的に高ぶってるのはわかったから、あっちに行きましょうねー。みんな疲れてるから。明日また話せば良いだろう?」

「むぅ、みんながどんなエッチしてるか聞きたかっただけなのに。」

「それを聞いてどうするんだよ。」

「今後の参考にする!」

「しなくて良い。」

「えー、私はいつでもシリルと最高のエッチがしたいから全力で知識を集めて、技術を向上させてるだけだよ!」

「そっちは頑張らなくてよろしい。」

「気にしない気にしない♪じゃあ、早速しよう?」

「え!?みんながいるんだぞ!?」

「大丈夫だって。大丈夫大丈夫。」

「あーーー。」

そうして、シリルさんは満面の笑みのセリカさんに引きずられていった。




まぁ、あの2人のこれまで経験したことはホントにびっくりすることが多かったけど、こうして再会できてよかったぁ!!







それから、翌日。

俺たちが目を覚ましたときには太陽は真上にあった。

すっかり昼だったようだ。


俺たちは、色々と消耗してたから起きるのが遅くなったみたいだ。


・・とりあえず、身だしなみを整えてテントから顔を出すと、シリルさんとセリカさんがご飯を作ってた。

「シリルさんおはよう・・ごめん、起きるのが遅くなった。」

「気にするな。あれだけ消耗してたんだ。」

「それと、夜の番も任せちゃったみたいでごめん。」

「良いよ。師匠のおかげで寝てても周囲の警戒くらいは出来るようになったし、敵意があれば寝てても起きれる。」

さすが。

そこまで、進化してましたか。


「みんな、とりあえず体洗ってきたら?イリスさんからシャワー室の魔道具複数もらってるから使えば?」

全員の目がキュピーン!と光る。


何そのうれしい魔道具!


「あぁ、俺たちの師匠って、魔術師団長って、クラリティ王国の騎士団の魔法版みたいなチームのトップなんだ。で、その部下の人たちは普段魔道具を作成したり修理したりしてるんだ。」

「それで、試験をかねて私たちが複数安くして購入してるんだ。で、こうして、私たちが実際に使ってみてその感想を伝えるんだよ。偶に一緒に依頼を受ける子たちにも協力してもらってさ。」

なるほど。

技術に関してもすごく進んでるみたいだな。


「で、お前ら全員全身洗ってこい。装備品に関しては浄化の魔道具を全員に1つずつくれてやるからきれいにしろ。ついでに、においも落としてこい。」

「匂いがすっごいよ?1時間以内には戻ってきてね-。」

全員「う、うっす。」


うぉぅ。

で、それぞれ俺臭う?私臭う?と匂いを確認し合った結果


全員、くさかったです。

後、汗とかほこりとかで色々と臭うのも確かでした。


まぁ・・宿にいるときはともかく、野営してる時って川とか湖が近くにあれば水浴びできるけど、そうでないときは水の魔法で水を出して体をタオルで拭く程度だし、昨日は色々とドタバタしてそれすらも出来なかったからなぁ。


「けど、浄化の魔法?」

「ん?知らないのか?大抵の汚れは、浄化魔法で落とせるぞ?ついでに、軽い病気とか呪いも解除できるからかなり重宝するし。」

「しかもそれ、魔術師団で改良してるから、アンデッド相手にも有効だったりするんだぁ。便利だよ?すごく大量にあるからみんな1人1個ずつプレゼント!」


マジですか・・。

それは盲点だった。

浄化魔法は、アンデッド相手の攻撃手段で、のろいとかの解呪に使うのは知ってたけど、そっちは知らなかったし気付かなかった。



で、お言葉に甘えてきっかり1時間シャワーを堪能しました。

・・・ついでに、カナミとも色々と楽しみました。

他のみんなも似たような感じっぽい。



それから、朝ご飯(時間的に昼ご飯)を食べながら今後のことを話す。

「ねぇ、シリルさん。このシャワーの魔道具って、購入できないかな?」

「俺たち自体は、渡しても良いんだが、一応イリスさんに許可を取ってからだな。」

だよねー。

だって、試験的に・・だもんね。


それと、この浄化魔法が込められた指輪、すっごい。

シャワーできれいにしたけど気になって試してみたら、装備品とか全部あっという間にぴっかぴかになった。

まぁ、魔力は使うけど、整備はすごく楽だし、自分を洗うのも良いと思う。



後、エクレと呼ばれるライチョウもいつの間にか戻ってきてた。

「そういえば、そのエクレちゃんって・・魔物?」

美羽さんが、うれしそうにエクレと呼ばれるライチョウをもふもふしながら訪ねる。

まぁ、他の女性陣ももふってるけど。


あ、俺も後でもふらせてください。


「あぁ。雷鳥のエクレールだ。俺の獣魔で、魔物じゃなくて妖精だ。見たからわかると思うが、収納魔法が使えるんだ。後、全身を雷に変換させて触れる相手を撃退することも出来る。基本的に平和主義だからちょっとやそっとのことじゃ怒らないけどな。」

かわいい姿して意外とやばかった。


聞くと、動物か魔物が、善なる思いを持った状態で進化すると妖精になれるらしい。

そこから、精霊になったり、幻獣になったりするらしい。


「で、こっちは、ペルラスコーピオンのハルトだよ。元々普通の昆虫のサソリだったらしいけど、自力で魔物になったからそんじょそこらの相手よりもすっごい強いんだ。」

「昆虫から進化したら普通の魔物より強いの?」

「らしいぞ。普通に進化した状態の野生よりも、初期の個体から進化させた方が強いだろ?モンスターの育成ゲームの感覚で構わない。」

あぁ、すごくわかりやすい。

熟練値っていうか、努力値みたいなのの差なんだろうね。


それと、このハルト・・すっごい器用だし、感情豊かだ。


特技として、彫刻をしてもらったところ、石の塊があっという間に石像になった。

それに、身振り手振りで何が言いたいのかだいたいわかるっていう。

力も強いらしく、俺たちが数人背中に乗っても平然としてたし、しっぽにしがみつけばそのまま振り回されるという生きたアトラクション状態だった。


だとしてもかっこいいんだよなぁ。

ちょっとあこがれる。

「それと、ずっとスルーしてたけど、その蛇は、何?」

「あぁ、師匠から借りてきたんだ。ここから歩いてクラリティ王国まで行くのは時間がかかるからな。」

全員「え?」

すっごい小さい蛇なんだけど、なんか馬車か何か収納で持ってるの?

だとしたら、エクレが収納して定員だけど・・ん?


「俺はハディ。リア様の獣魔の1体だ。」

全員「しゃべったぁ!?」

「え!?魔物にはしゃべるのもいるの!?」

「いなくはないが、ハディさんは幻獣だ。」

「幻獣なんだ・・」

「マジか」

「それと、どうやって移動するの?」

「後でな。とりあえず食え。」


それから、ものすごく久しぶりにシリルさんのご飯を堪能しました。

なんか、お袋の味がしました。

それと、お兄ちゃん呼びを全員で連発して素でやらかしました。


後、シリルさんの演技も堪能しました。

なんか、日本にいた頃よりも磨きがかかってた。


それと、シリルさん、いつの間にか絵本作家になってた。

「あぁ、そういえば日本にある物語と似たような絵本があるなぁと思ったらシリル君のだったんだ?」

「まぁな。元々は文字の読み書きの練習になるだろうって話で書いてたんだ。今は、純粋に気に入ってくれるファンもいるからそのためっていうのもあるけどな。」

すげぇ。


「で、シリル君!」

「ん?」

女性陣「とりあえず、子種だけ下さい。」

「・・は?」


・・言いたいことはなんとなくわかるけど、いきなりその台詞はどうなの?

で、返事をしたのはまさかのセリカさん。

「ほらぁ!言ったじゃん!シリルはかっこいいの!モテモテなの!みんなシリルとエッチしたいの!ね!?じゃないとこんなこと言わないの!ね!?」

「・・・・うん、これは夢だ。俺は幻術にかかってるんだ。セリカが日本にいた頃よりも頭のねじが緩んでるのは諦めたが、さすがにやばいな。・・エクレ、なんか目覚まし代わりの何かないか?」

マジな顔して、エクレに何か言い出した。

それと、シリルさんが現実逃避しだした!

「カナミどうしよう。シリルさんが現実逃避してる。・・カナミは、シリルさんとそう言う仲になりたかったりする?」

「うん・・みんなの言いたいことはわかるんだけど・・うん、どうしよう。・・私の体は、タクミ専用だから//」

うん、その台詞だけで十分です。

ありがとう。




「シリル-。現実だよ-。帰ってこーい。」

「・・誰のせいだと思ってるんだ誰の。」

「それで?」

「・・なんで、俺の周りには、一夫一妻の連中ばかりなのに俺にばかり一夫多妻を勧めるんだよ。」

あ、セリカさん以外にもそれを進める人いたんだ。

「じゃあ、妻のセリカちゃんとしてはどうなのかしら?」

「美羽?んー、私としては、私が正妻ってことが絶対の条件だし、私と仲良く出来れば基本OKだよ?」

えっと?

箇条書きで条件を書くと


・正妻は、セリカさん

・シリルさんを取り合うことなく、仲良く出来ること


って感じ?


「はぁぁ・・、なぁ、タクミ、ニシキ。お前らからもなんとか言ってくれ。同級生がこんなことになってるのはさすがにいやだろ?イラッとするだろ?な?」

「えぇっと、俺からすると片っ端から全員とかは別として、シリルさんとセリカさんが仲良く出来る人だったら、シリルさんが相手ならOKだと思ってるけど。」

「俺も同じく。兄貴なら、お金も実力も知識も困ることないだろうし、甲斐性は抜群だし、良いと思う。」

「お前らもか・・・」

王子(笑)なら、イラッとするけど、シリルさんなら大丈夫だと思う。

だって、シリルさんなら、ニシキが言ったみたいに、

お金は上位の冒険者だから稼げるし、副業の絵本作家で定期収入あるし

実力はあるから、どんなピンチも問題なし

頭良いからだまされることもないし


ほら、ばっちりじゃん。





で、結果としてセリカさんにやりこまれ、シリルさんはテントに引きずり込まれ、出発は更に翌日の昼になりました。

何でって言うのは、言うまでもないよね?

まぁ、シリルさんすっごいげっそりしてたし、他の女性陣は腰ががくがくしてお肌つやっつやだったけどね!


物語には全く支障のないおまけ設定


影の親衛隊

ルール

1、フリージア様のために身分、職業、種族、問わずどの地でも治安維持活動を行うべし

1、決して自らの存在をフリージア様へアピールするべからず

1、フリージア様から歩み寄っていただいた場合は失礼のないようにすること

1、フリージア様の尊さを世界へ広めよ

1、我ら影の親衛隊の一員と認識させるべからず

1、フリージア様に関する情報はどのような情報でも収集し、メンバーに共有すべし

1、フリージア様の偽物は殲滅せよ

1、フリージア様の敵は影ながら滅せよ

1、フリージア様に対する不埒ものは滅ぼすべし

1、フリージア様に関する情報の真偽は常に確認せよ

1、フリージア様にとって不利な情報はもみ消すべし

1、フリージア様のために常に常住戦陣の心構えであるべし

1、フリージア様のために日々鍛錬を怠るべからず



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