フェアリーフィールド
お内裏様とおひな様
二人並んで・・・・
フリージア「・・いやみ顔?」
カルナ「すまし顔だ!」
ラウ「そんな顔したおひな様は・・・嫌ですね・・・」
-フリージア-
カルナがおっきくなった姿はすごいかっこよかったし強かった。
だからあっという間に魔物はやられちゃったけど、普通に羽ばたいてるだけで私たちは吹っ飛んじゃいそうだったから頑張って踏ん張ってたらいつの間にか終わってた。
そして、私は眠気に勝てずそのままお昼寝をしてました。
気づけば野営準備は完了してご飯が出来ていた。
それからしばらくは、お外で薬草とかは採っても山菜とか木の実とかは採る必要はなかった。
だって、いっぱいあるもん。
しかも、カルナの話しによると元魔物のお野菜とか果物とかは普通のよりもずっと長持ちで栄養もあってしかもおいしいんだって。
おまけに翠ちゃんのおかげで普通よりもいっぱい長持ちするから心配無用。
と言っても、1個がおっきいのにいっぱいあるから食べられなくなる頃には翠ちゃんに全部食べてもらうことになるかギリギリ間に合えば町で売っちゃうかのどっちかになりそう。
で、途中ちょっとだけ雰囲気が他とは違う森を発見。
見た目はどこも違うところなんてないんだけど・・なんて言えば良いのかな?
魔物の気配っぽいのも動物っぽい気配も何にも感じない気がする。
「フリージアどうした?」
不思議な森が気になってたらカルナが気づいてくれた。
-雰囲気が違うから気になったって-
「雰囲気・・・そういえば、生き物の気配を一切感じませんね。」
「ん?言われて見ればそうだな・・・」
「グルル?(立ち寄りますか?)」
ちょっと気になるかも
(コクリ)
「あぁ、頼む」
「グルル(進路方向を変更します。)」
で、森の中に入るわけだけどおっきい姿のシャスティでは入れないので普通にゃんこサイズに戻ってもらってからぽてぽてと私の気になる方向・・つまり、勘と気分でその方向に進みます。
生き物は思った通り1匹もいません。
なので、歩くことに集中出来ます。
あの頃よりも体力はついたからいっぱい歩けます。
途中、ラウさんがおんぶしましょうか?って言ってくれたけど頑張って歩くことにしました。
・・・なんとなく自分の脚で歩かないといけない気がするんだよね。
進んでいくこと1時間
木と一緒に岩も転がってるのが増えてきた。
進めば進むほど木の数は減っていき、岩の数は増え、サイズもどんどんおっきくなっていく。
そして、足下も木の根っこによるでこぼこから色んなサイズの小石がゴロゴロしてたり草がわんさかと伸びまくってたりしてすごく歩きづらくなっていく。
それでも私は頑張って歩き続けた。
更に2時間後
到着したところはぽっかりと半径10メートルほどの広さで土の見える地面しかなかった。
けど、その中央にはぽつんと高さが5メートルはあるおっきな門だけがありました。
なんて言えば良いのかな?
確かカルナがロダンさんって人?の地獄の門っぽいって言ってた。
けど、柄?装飾?とかは彫刻品関係は門を囲ってるところにあるだけで門自体には何もなかった。
のぺってしてた。
後でのぺって言わずにシンプルと言えと言われちゃいました。
で、現在
私は強制的に休まされております。
理由は頑張って休みなく歩き続けてここまでたどり着いたからです。
と言うより、ぜーはー言いながらも休憩を頑固として阻止してラウさんに抱っこされれば杖さんで少々強引に拒否したりしたからです。
で現在は、おっきくなった翠ちゃんに捕獲されてシャスティの尻尾が私に巻き付いてお膝の上にシャスティがいるからです。
そして、もそもそとバナナって果物を食べてます。
というより、食べさせられてます。
皮は翠ちゃんが溶解してくれました。
それからカルナとラウさんはその門だけという不思議なのを調べてる。
「何も感じないし、ぴくともしないな。」
「えぇ。押しても引いても横にずらしても上に持ち上げようとしてもウンともスンともしませんね。後、何も感じませんね。目の前にあるのに存在自体を感じない気がします。」
「ラウはそう感じるのか」
「”は”?カルナさんは違うのですか?」
「あぁ、なんて言えば良いのかな・・すごい清らかと言うかそんな次元の違う何かを感じるんだよな・・」
「神様や精霊様のような神聖なという認識で?」
「多分そんな感じなんだろうな。」
「人である俺と人ではないカルナさんだからこその違いかもしれませんね。」
「そうかもな。それと・・」
「えぇ、この門にフリージア様は惹かれたのでしょうね。」
「俺もそう思う。迷わず一直線だったしな。」
シャスティお手製の果物のミックスジュースを飲みながらカルナたちの話しを聞いてる。
確かに不思議な門だよね。
多分アレが気になってたんだろうなぁって思う。
装飾とかの彫刻品は天使とか茨とかすごいきれいな感じだと思う。
色も全体的に真っ白というか、白金色って感じだし。
すごく見に行きたいけど脚ががっくがくで動けないんだよね。
頑張り過ぎちゃった。
てへ。
けど、シャスティ?
尻尾が私のお洋服の中に入ってもぞもぞするのは止めてください?
くすぐったいですよ?
一通り食べ終わったり飲み終わったりした後、歯磨きをするように言われて済ませてから門のところに行きます。
食べた直後は必ずしろってカルナに言われてるからですよ?
ラウさんが言うには回数が多いらしいけど、気にするなってカルナに言われた。
どのくらいかって?
1日に平均5~6回で1回に10分前後ですよ?
え?多い?
合っても1日に3回で普通は1~2回?
ふぅん。
まぁ、いいや。
気にしない気にしない。
それはさておき、門はどこまでもきれいで不思議な感じがする。
目の前にあるのにないような言葉には出来ない不思議な感覚。
クルリと門を一周して見て回ったけどどこまでも門でした。
門というか扉以外何もありません。
ん~
どうしましょうね?
とりあえず、門なのでノックしてみましょう。
こんこん
-はぁい-
門に文字が浮かび上がりました。
この門は喋るみたいです。
しかし、どうやって返事をしましょうか。
私はしゃべれませんよ?
-ムリしてしゃべらずともよろしいですよ。-
おぉ、空気が読める門さんですね。
-まずはサクッと説明しましょう。この門は、通称フェアリーフィールドの入口で、特別な方しか入ることが許されていない特別な扉です。-
特別?
-そう特別です。きわめて清らかな心と賢者の杖を正式に受け継いだことが条件です。それと、ここには、行きたいと願っても来ることは出来ません。そう言う不思議な場所だと思ってください。-
なるほど
-今回、お嬢様がここに呼ばれた理由は1つ。見る目を養って頂きたいからです。-
目?
-世の中には、いい人も悪い人もいます。それらの区別を本能的にも分かるようにして欲しいからです。-
いいの?
-これは、我々が望んだことでもあり、ペチュニア様へのお礼でもあるのです-
お母さん?
お母さんは何をしたの?
-我らの数多くの仲間がペチュニア様に助けられたのですよ。タダそれだけです。お礼は受け取って頂けませんでした。その代わりに、お嬢様の力になって欲しいとお願いされたので。-
ありがとうございます。
どうすれば良いの?
-この門をくぐってください。中に入ってからはモノ当てゲームをしてもらいます-
ゲーム?
-門の向こうには我らの仲間が数多く存在します。そんな彼らがどんな人物か全員を捜し見つけ、どういう生き物か当ててください。-
どうやら、普通に見ても見えない特別な状態らしく、たとえ見つけることが出来てもそこにいるっぽいと分かるだけでどんな姿かも性別も大きさも年齢も何も分からないみたいです。
だと、私・・・・何も出来ないよ?
-お嬢様にはその素質がその体の中に流れています。願い、魔力制御、この2つを惜しみなく行使してください。-
わかった。
お母さんは特別な目を持ってたらしいし、私も何かの目の力が生まれる可能性があるらしいから、それがその素質ってことなんでしょう?
-左様です。-
うん、頑張る。
あ。
カルナたちは?
-彼らには、待って頂くしかありません。ただし、そこの妖精族のゲル種だけは同行のみ許しましょう。手助けなどは一切出来ません。出来ることは心の支えとなるだけ。タダそれだけです。-
翠ちゃん、お願いしてもいい?
助けてくれる?
-もちろんだよ。-
ありがとう。
それから、私は翠ちゃんにカルナたちへ説明してもらった。
「わかった。どのくらい掛かるか分からないが、待ってるよ。頑張れよ」
「にゃう(応援することしか出来ませんが、頑張ってください。)」
「行ってらっしゃいませフリージア様。応援してますよ」
(コクリ)
そして私は、門に触れた。
すると、ゆっくりと開かれたのでその中へ脚を踏み込ませた。
中に入ると真っ白な空間だった。
天井も壁も真っ白でどこまで続いているかも分からない。
そして、扉が閉まると扉自体がなくなってしまった。
-簡単に説明致します。-
空中に文字が出てきた。
-お嬢様には全部で50体の我らを見つけて頂きます。手探りで探しても触れることは出来ません。能力を使用しなければ感知出来ません。見つける対象は、生き物でも生き物でなくとも全てに持って50体です。これ以上の説明は出来かねますので頑張ってください。-
制限時間とかそういうのはあるんでしょうか?
-制限時間はありません。魔力も惜しみなく使用してください。体力はそのままですが、魔力に関しては枯渇した直後に強制的に回復するようになっております。体へ負荷は掛かりませんが、魔力枯渇による倦怠感はそのままですのでご注意を。空腹も眠気もそう言った部分は一切ございません。-
なるほど・・
-では、開始してください。-
そして字は消えた。
あの文字さんが言うことをまとめるとむちゃくちゃに動き回っても無駄ってことだ。
必要なのは見ることと、感じること。
強く願うことと魔力をメインに使うこと。
とりあえず、その場にぺたんと女の子座りをして目を閉じる。
私は強く願う。
見たい。
目にしたい。
感じたい。
妖精さんを
精霊さんを
私をいつも見守ってくれる優しい存在を
普段は見えない子たちを見たい。
目にしたい。
目にして感謝がしたい。
一緒に笑いたい。
楽しいを共有したい。
強く強く願いながら自身の中にある魔力を溢れさせ全てを目に集中させる。
惜しみなく注ぎ込みながら強く願いゆっくりと目を開ける。
すると目の前にはいつの間にか草原が広がっていた。
あれ?と思い目に集めていた魔力を霧散させて肉眼で確認すると最初に見た真っ白な空間だった。
今度は魔力を目に注ぎ込むだけにして願わないようにしてみた。
すると何も変化がなく真っ白な空間のままだった。
多少、空間がもやに掛かったようになってる程度だ。
そして、再度リセットして強く願いながら魔力を目に集中させる。
広がる草原はどこか不思議な雰囲気と清らかな何かに溢れていた。
そっと私の足下に咲いている黄色いお花を撫でると、
-ぴんぽ~ん-
お花の真上にそんな文字が出てきた。
何?
???
何?何?
-1体目を確認致しました。-
そんな文字が今度は空中に出てきた。
なるほど。
そして、私は足下に広がる芝生や色んな色のお花、色んな形や大きさの石、ツタに木と順番に見つけながらなで続けていく。
現在は20体目を確認出来たところだ。
これは思った以上に大変だ。
心は見たいという気持ちだけでいっぱいに満たし続けないとちょっとでも霧散したり違うことを考えると見えなくなってしまうからだ。
しかも、見つける数が増えていくと増えるほど目に集中させる魔力もより上手により多く必要になってくる。
実際既に10回以上魔力が枯渇して強制的に全快してる。
倦怠感がすごいから集中力も大変だから、だんだんそのきつさは増していく。
翠ちゃんが応援してくれるから私は頑張る。
あきらめるわけにはいかないんだ。
そして、川、雲、空、太陽にお星様にお月様、小鳥にわんこににゃんこ、鹿、狼、ドラゴン、兎と色んなのを見つけていく。
どのくらい時間が経ったか分からない。
見つけて捜すのにどうしても移動しなくてはならないから脚はすごく疲れている。
そして、立ったり座ったりを繰り返しているから意外と全身が疲れる。
おまけに木登りとか山を登ったりとか川を渡ったりとか意外と大変だ。
見つけても実際に手で触れないとカウントされないからもっと大変。
とはいえ、私が全力で走ってギリギリ追いつけるくらいのスピード以上は存在しないらしいからどうにか捕まえている。
と言っても、魔力を使用した身体向上を全力で使った状態でのギリギリという意味だ。
数はついに49まで見つけた。
どんなに捜しても考えても残り1体が見つからない。
その頃には、心を1つ願いだけで満たし、魔力を目のみに集中させることになれてきた。
そして、あちこちを歩き回っている内にふと気づいた。
最初に私は自分で言ったじゃないか。
むやみに動き回っても意味がないと。
私は一旦自分を落ち着けるためにその場で正座して黙祷し意識を集中させる。
今度は魔力を一切使わずに気持ちのみに集中させる。
心の中を願いだけで満たし、その他の願い、雑念を全て捨てる。
私の中がお空のようにどこまでも透き通り、フワフワと浮かんでるような気持ちになる。
すごく心地が良い。
これが無心になるってことなんだね。
近くのことが手に取るように分かる気がする。
-あなたは、その目で何が見たい?-
頭の中にそんな質問が浮かび上がる。
私は、私のそばにいてくれる精霊さんたちみたいな目に見えなくても優しい子たちを見たい。
色んな人たちや、生き物・・魔物とかの心が知りたい。
私の頭と五感だけじゃ分からないことを手伝って欲しい。
-どうして?ムリしてみなくても良いじゃない?-
頑張りたいんだ。
応えたいんだ。
-何に?-
私をいっぱい愛してくれる仲間たちや家族、そして命をくれたお母さんの力が、意思が私の中に眠っているなら惜しみなく使いたい。
お母さんがすごい人だったんだって。
お母さんの娘もすごいねっていわれるようにしたい。
お母さんといつか会った時に頑張ったねって言って欲しい。
カルナたちの力になりたい。
お世話になりっぱなしだから。
私はいつも護られてばかりだから。
助け合って楽しく生きたい。
それが、私だから。
私の意思であり願いだから。
-フフ♪合格よ。フリージアちゃん-
無意識に私は目を開けた。
そこには、
「はぁい♪」
なぜかお母さんがいた。
半透明で。
「合格よ。」
どうしてお母さんが?
と首をかしげる。
「かわいいわぁ//」
お~い。
「あら失礼。あまり時間もないから簡単に説明するわね?」
よろしくお願いしますと頭を下げる。
「この空間は、フリージアちゃんへ唯一私が送ることが出来るプレゼントよ。あの扉は、一時的に死んだ人が最も心残りだったことをその相手に解消してもらうすっごい特別なモノなの。これ以上の説明が出来ない約束なのよごめんね?」
(フルフル)
気にしないで欲しい。
すごくうれしい。
触れあうことは出来ないけど。
喋ることは出来ないけど。
こうして会えた。
会うことが出来た。
お母さんの力をきちんと受け継ぐことが出来た。
それだけで十分だよ。
ずっと叶わないと思ってた。
こうしてお母さんと直接お話しが出来るって。
うれしい。
すごくうれしい。
「私もうれしいわ。あんなことになってごめんね?けど、今こうして触れあうことが出来なくても直接会うことが出来て、お話しが出来てすごくうれしいわ。」
お互い泣きながら笑顔でほほえみ合う。
するとお母さんがどんどん透けていく。
「あら、もう時間ね。」
行っちゃうの?
「えぇ。けど、私はいつも天界から賢者の神様と一緒に見守っているわ。愛しているわよフリージア」
うん
私も愛してるよ。
「あ、最後に一言。ファミリーネームのところ、後で見てごらん?イリスが頑張って隠してたことを気合いで壊しちゃったから♪母親は強いのです!」
茶目っ気溢れる笑顔でそう言いながら消えた。
え?
そう言うモノなの?
何を壊したの?
えぇ?
カードさん
こんなところでごめんなさい。
教えてください。
-大変申し訳ございませんが。この地はもう間もなく消滅致します。自身に残る魔力を全て周囲へ放出することで扉が出現いたしますので頑張ってください。-
え?
え!?
ムリだったらどうなっちゃうの!?
-地上から5メートルくらいのところへポイされます。-
わぁお!?
頑張って魔力を垂れ流しにする。
今までやったことないくらい全力で放出しまくる。
-ご主人様頑張って!!-
頑張るよ!?
頑張らなきゃ空中にポイだもの!!!
そして、倦怠感がやばいことになるけど頑張って放出してしまうと扉が出てきた。
すっごいフラフラするけど、翠ちゃんが支えてくれた。
運ぶことはこの空間の約束としてやりたくても出来ないんだとか。
頑張って私はその扉に手をかけた。
目の前には、満天の星空が広がり、星空を眺めながら雑談しているカルナたち。
そして、ふらっふらの状態で私は無事に扉から出てきた。
私が出てしまうと扉はすぅっと消えてしまった。
倒れ込もうとしたけど翠ちゃんが支えてくれた。
-ゆっくり休んで良いよご主人様-
その言葉に甘えて私は休んだ。
そして翌日
私はこれでもかとカルナたちに甘やかされた。
体をきれいにしてもらい、おいしいご飯を食べてと至り尽くせり。
私がどんなことにあったかは私が寝てる間に翠ちゃんが説明してくれたらしい。
で、聞くと私は丸々1日寝てたらしい。
おまけに扉をくぐって私が出てくるまで5日は経過していたのだとか。
あ、カードさん教えてください。
ランク:E
名前:フリージア・クラリティ・エトワール
性別:♀
年齢:5
種族:半異世界人
職業:賢者、協奏師
称号:絶望を知る者、幻獣の家族、変態紳士ホイホイ、英雄賢者の正統後継者
属性:陰
体力:D
魔力:A
攻撃:F
防御:E
俊敏:F
練度:A
技:【影操作】【魔力反射】
自動技:【圧縮記憶】【思考速度上昇】【並列思考】【心の瞳】
魔道具:賢者の杖、教会の腕輪(EX)
写真:フリージア・エトワール、ペチュニア・エトワール
契約
【幻獣】八咫烏:カルナ
【幻獣】ガルディエーヌ・キャット:シャスティ
【妖精】オニキス・ゲル:翠
加護
母の溺愛、母の過保護、元英雄賢者/現神様のお気に入り、下位精霊の親愛
体力が1段階上がってる。
それと、魔力と練度がいっぱい増えてる。
お?
技が増えてる。
教えてくださいカードさん。
【心の瞳】
自分以外の生物全ての心の色が見える。
善人であればあるほど白く、悪人であればあるほど黒く見える。
また、嘘をつけば色はくすみ、真実を語れば色は澄んで見え、魔力を目視することが出来る。
魔力を目に集中させると、魔力の属性が分かる。
すごいですね。
試しにカルナたちを見てみると白かった。
適当に質問してみたら澄んでいた。
すごいですね。
「すごいじゃないか。かなり強くなってる・・・が・・・名前の部分も気になるが、今はどうしようもないからスルーするとして・・・文字通り目の色が変わってるぞ?」
はい?
翠ちゃんに鏡を出してもらって見ると。
私の目の色が右は以前と変わらない黒っぽく感じるほど濃い紫苑色
けど、左目は、どこまでも純粋で澄んだ色をしている銀色だった。
オッドアイと言うらしい。
これは、ラウさんによると魔眼という特別な目を持つ人がそうなってることは多いけど、絶対ではないんだって。
確率的に6割くらいは魔眼保持者くらい。
で、ご飯をのんびりと食べながら名前のところを教えてもらった。
ラウさんに。
聞くと、名前の最初のところが私で言うところのフリージアって言う名前で、一番最後のところであるエトワールがファミリーネームなんだって。
じゃあ真ん中のは?
と思ったら
「そこは、基本的に属している国や宗教の名称などが入るんです。」
宗教って言うのは、教会とかで例えるとどの神様を中心にお祈りするかでルールとかが違ってくる人たちのことなんだって。
神様の種族?とか属性?とかに合わせるから変わるんだとか。
ちなみに、その真ん中のミドルネーム?とか言われるのはファミリーネームを持っているのに加えて、一定以上の期間同じところに住んでるか、移住が変わったりしないと確定してたり、かなり長い間宗教的に勤めてたりしないとミドルネームとかは呼べないんだって。
・・・あれ?
私、クラリティって国に1回も行ったことないし名前を聞いたのもちょっと前だよ?
どうして出てきたんだろう?
それと、お母さんが笑顔で壊しちゃったって何のことなんだろう?
何かを壊したことであのミドルネーム?は出てきたってこと?
どうしてだろう?
まぁ良いか。
-ラウ-
あの謎の扉から5日かけて戻ってきたフリージア様は俺の目から見ても格段に魔力量が増え、質も上がっていた。
その数値に比例した実力をフリージア様が扱えるようになったら俺・・・多分勝てないかも。
相性的には先手必勝で俺が勝てるけど、将来的にはヤバイと思う。
で、名前について説明しながら思った。
やっべぇ!!
何でイリス様が色々と手を回したりして頑張って封印したのにフリージア様のフルネームに出てるの!?
確か血液によって血のつながりがあるかどうかを調べることが出来る人と誓約とか契約関係に強い人たちと教会のメンバーと協力して作り上げた封印術だったって聞いたぞ!?
そのおかげでフリージア様にイリス様のファミリーネームがバレないようになってたのに!!
い・・一応、微妙にごまかしたから大丈夫だが・・
本当は、あの名前の中央にあるミドルネームとかクリスチャンネームとか言われる部分は、国の名前がまんま載るわけじゃない。
その国が「俺の国のミドルネームは”イル”だ」って言えばそれがミドルネームになる。
それが、国の名前がまんま載るのはその国でもかなりのトップだという証ってことだ・・・。
ま、まぁフリージア様たちはよく分かってないし気にしてないみたいだから気にしないことにしよう。
その後当然、表示させる範囲としてそのクラリティの部分は表示させないようにお願いして、基本的にはフリージア・エトワールとして動いてもらうことを了承してもらえた。
ふぅ。
とりあえずそれでいいよな・・うん。
けど、オッドアイになったフリージア様もかわいいなぁ。
あの銀の瞳もすごいきれいだよな。
どういった能力かは詳しくは教えてくれなかったが、どうやら善悪の判断が出来るらしい。
これはフリージア様に一番必要な能力ではないだろうか?
すごく相性の良いものを選んだと思う。
いや、カルナさんたちがいるからちょっとやそっとじゃ問題ないんだが、それでもと言うことはあるし、今後のことや将来のことを考えるとな。
元々フリージア様はそういうのに敏感だから勘が良かった部分が魔眼として覚醒したって感じか?
と言うより、ペチュニア様も特定の未来が見える魔眼を持ってたってこっそりとイリス様に教えてもらったしその娘であるフリージア様が魔眼保持者でもおかしくないよな。
運が良いことにこの場所は動物とか魔物が全くいないから結構のんびり出来るし、人っ子一人近づくことすらないからすごく快適だ。
まぁ、油断はしないけどさ。
しばらくはやけにくたびれてるフリージア様を養生させてからここを出発なんだろうなと思う。
てか、フリージア様すげぇ・・。
ステータスでAランクをとれるのって中級の冒険者でも上位に近い平均以上のランクの奴らレベルだぞ?
5歳でそれほど・・・
かなり将来は期待出来そうだな・・・・頑張って良い子に育ってもらわねば。
俺も頑張るからカルナさんも頑張って欲しいと思うし、願う。
てか、最初はフリージア様以外は結構このアニマルメンバーに警戒されてたけど最近は大分馴染んできたと思う。
お隣に住む顔なじみか幼なじみ未満くらいに。
だってさ、普通にカルナさんと教育とかに関して色々話し合うことも結構増えたし、模擬戦とかもシャスティさんとちょくちょくやってるし、フリージア様の面倒を見ることだって時々ある。
他にも、フリージア様との模擬戦とか魔法の特訓とか最低限の体作りとかの運動も教えることがちょっとずつ増えてきた。
信頼してもらえるようになったというのもあるけど、フリージア様がようやく訓練でも動けるほど体力とかが出てくるようになったからだ。
よかった。
イリス様に、仲良くしとけって言う指示もあったから良かったと言う気持ちもなくはないけど、俺個人としては血のつながりはなくともフリージア様の保護者・・までは行かずとも兄代わりとして慕ってもらいたいなと思う。
こんな気持ちになったのは、騎士としてイリス様に仕えようと思った時以来だと思う。
ホントそういうそう言う部分はイリス様そっくりだよなぁ。
にしても、あの扉はなんだったんだろうか?
フリージア様が出てきた後はあっという間に消えてしまったし。
まぁ、良いか。
フリージア様がこうして無事に帰ってきてくれたんだから。
とりあえず、俺の今の目標はフリージア様の気持ちを少しでもくみ取れるようになりたいと言うことだ。
だってさ・・・常時無表情の無感情だからさ・・・。
カルナさんとシャスティさんは長年の経験とかで分かるから良しとしても、翠さんの場合はなぜかフリージア様の考えてることが丸々理解してるらしいし。
種族的な理由と獣魔としてのつながりが相乗効果を起こして~とか翠さんに言われた。
・・ん~とりあえずは気にしないようにしよう。
さて、歯磨きとかを終わらせたフリージア様がなぜか俺の膝を枕にして寝たのでその寝顔をこっそり堪能しつつきれいな星空でも眺めましょうかね。
のんびりしたこの時間がフリージア様と出会ってから好きになれたと思う。
こんな穏やかな幸せをフリージア様には出来るだけたくさん味わって欲しいなと思った。
日曜日も投稿致します。