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久方ぶりの平和

--アルナ--

ほんとにいろんなことがあり、あの長期の休みが終わり、学園での生活が再開しました。


というより、あれからしばらく経ちました。

何せ私、すでに卒業済みだからです。


卒業試験は色々と予想外なことはありましたが、無事に終わりました。

卒業用の提出物も何にしようか悩んでいるといつの間にか提出済みになってました。


何もしてないのになぜ!?



と当然聞いたのですが、どうやら私が魔法が使えず、それを解決したそのことが提出物扱いされていたようです。

かなりレアなケースだとは聞いてたので記録を残しておきたかったのでちょうど良かったらしいです。


そして、模擬試験に関してですが、グリムさんと戦うことになりました。

まぁ・・勝てませんでしたが負けませんでした。


言ってることがわからない?


・・でしょうね。


軽く説明すると、グリムさんは攻撃は出来ても私の能力で当たらない

私はグリムさんの攻撃は防げてもダメージになる攻撃がグリムさんに効かない


という状況がず~っと続いたからです。

それも、グリムさんの体力切れと私の魔力切れが起こるまで。

結果としては、ちょうど同時にどちらも切れた感じなんですけどね。




あれから大変でしたよ?

ルナールで、事情を説明しつつぎりぎりの期間までのんびりと過ごし、学園での生活が再開してからはリア様の現状を簡単に説明して回ったりととにかく大変でした。


あぁ、出発時に売り物をたくさん用意していたのは覚えてますか?

あれらに関しては、通りすがりにうまく分配し、結果としてよく売れました。


・・で、ちょっと驚いたのはリア様は、予想以上に大量に作り置きをしていたようでした。

ハンカチにマフラー・・軽く4桁レベルとは思いませんでしたよ。



そして、私は卒業してからは、リアにゃんを抱えていることもあり、家の家事をしたり買い物をしたり、エトワール公爵家としてのお仕事で、事務関連をお手伝いすることがほとんどになりました。

一応私の能力で、やろうと思えば出来ますが、にゃんこ状態のリア様をだっこしてるので万が一・・・を考えた結果がこれです。

それと、リカルさんはそんな私のそばにいつもいてくれます。

販売用の風景画とリカルさんの趣味の絵を描いたりしていることが大半ですが、私と同じく事務仕事などを対応してます。

まぁ、エトワール公爵家のものと、ルナールの領主(リア様が)としてやるべきこともしています。

領主としての部分は、基本的にバレクさんたちフォルシェンファミリーが対応して下さってますが、クラリティ王国の一部という扱いになります。

なので、その現地にいる私たちはそちらでやるべきことをしているんです。

現地でやることと、その大本のクラリティ王国でやることと色々と種類があるんですよ?


もちろん鍛錬は毎日続けています。


グリムさんは、パンの販売と近衛騎士としてのお仕事と冒険者として依頼を受けるのを4:4:2くらいの割合でしています。

特に、実力をもっと上げようとしている向上心があのスタンピート以来すごく高いです。


まぁ、それは全員に言えることですけど。


・・私たちがもっと頼もしければリア様がこれほど消耗することもなかったのですから。



それはさておき、グリムさんの評価はすごく高いですよ?

まじめで努力家、そしてお仕事の評価も高いので密かにグリムさんを好ましく思う人は増えているのだとか。

リア様がお休み中で浮気ですか?と聞いてみたところ

「そんなわけないだろ。全部拒否してるし、俺とリアのことをあっちも知ってるからそもそもそういうことはねぇよ。」

だそうです。


リア様とグリムさんのカップルはこの国だと有名ですからね。

グリムさんの評価は高いですし、リア様もなついてますし、何よりイリスさんが認めてますからね。

最近だと、エトワール公爵家の次期当主としてのお勉強も増やしているそうです。

当然、模擬戦もがんがん増えてます。


この国、クラリティ王国は、実力主義ですから身分は力の象徴でもあります。

なので、その身分にふさわしい力を持っていることが大前提になりますからね。


グリムさんにとっても強くなりたいと思っているので一石二鳥です。




それと、私と同じリア様の弟子であるシリル君とセリカちゃんペアは、模擬戦と依頼を受ける数を増やしていました。

とにかく多くの経験を積んで、力をもっとつけたいんだそうです。








それと、私たちが離れていた間、大丈夫だったのかな?とふわっと聞いてみたところ・・

「あぁ、大丈夫だよ。ちょっとけんか吹っ掛けてきたどこぞの馬鹿がいたけど、心身ともにたたきつぶして絞れるだけ絞ったから良い小遣い稼ぎになったし」

と、ルミエールさんから聞きました。


どうやら、よその大陸からこの国に喧嘩(正しく言うと戦争だけど)しにわざわざやってきたのが数国ほどあったそうですが、全部返り討ちにして、勝者の権利として相手国から二度と喧嘩を売ってこないようにそれはもう徹底的に金品を奪い尽くしたそうです。

ちなみにどんな感じで返り討ちにしたのかな?と思いましたが、殺しはしなかったそうです。

ただ、装備品は徹底的に破壊し、動けないようにしたのに加えて、魔力を動かせないように捕縛して、情報を絞れるだけ絞り取ってトラウマを受け付けたそうです。

で、絞った情報からその国の技術的な部分を聞き出しクラリティ王国の糧とし、くだらないことを企んでる他の国の情報から、ついでとばかりに金品を絞れるだけ絞って、再度情報を絞るを繰り返したそうです。

おかげで、お金に余裕があるらしく、国の城壁の強化とこの国の防衛システムに使われる魔道具の補強・強化をしたそうです。


まぁ、ほんとに徹底的にしたそうなので、国として維持できるぎりっぎりまで、絞り取ったそうですけど。

・・ほんとこの国って最凶だよね。



まぁ、噂ではリア様の親衛隊である影の親衛隊も自主的に動いてたそうですけど。



で、私の最近の趣味は、ラナちゃんに協力してもらって家の周りにいるスリープシープさんたちのブラッシングです。

いやぁ、リア様が毎回もふもふしてる理由もわかりますよ。


ほんとすごい気持ち良いんですよ。

普通なら、そんなことをすればあっという間に寝ちゃうのですが、ラナちゃんのおかげでその心配はなくなります。

ラナちゃんは、進化したおかげでラナちゃんがくっついている対象者全員の状態異常を対処することが出来るようになったそうなんです。

これまでは、1人にくっついたらその人だけでしたが、今はもっふもふな蛇さんなので、その両端にくっつけば2人同時でもそれが可能となったんです。


改めて考えると戦えないとはいえ、ラナちゃんの状態異常吸収能力はすさまじいですよね。

シリル君の温度変換と同じくらいぱっと見は気付かないけど、それが必要な状況を想定するととんでもない力だと思います。

だって、シリル君はどんな極寒地帯でも灼熱地帯でも普段通りのポテンシャルで戦えるんです。

そして、ラナちゃんがいれば、どんな毒や呪いなどありとあらゆる状態異常を完全無視できるんです。


それは、とんでもないこと・・セリカちゃんが言うところのチートだと思います。

ま、まぁ・・・あのスタンピートの時のリア様のがち戦闘モードを見ると、本物のチートっていうのは、リア様のことだと実感しましたけど。


リア様・・冗談抜きで強すぎ。

だって、一撃で最低Aランク以上の数2万超えの大群を7割以上消滅させて、そのまま休みなしでSSSランクの悪魔化したドラゴンと一騎打ちで討伐して、1晩で大陸を滅ぼせるやばいアンデッドを瞬殺(当時は残りかすと思ってた)と魔法の天才、技の申し子、史上最強の魔法使いと言われるだけあります。


まぁ・・私たちエトワールファミリー以外には内緒ですけど、リア様はこの世界で唯一の賢者。

あの、伝説の英雄賢者様の正当後継者なんだもの。


強いことが当然。

この世界で賢者を名乗ると言うことは、魔法使いの頂点であることを指します。

その名にふさわしくあるために、リア様はずっと頑張ってきた。


私は、そんなリア様を支えるために、出来ることを順番にしているだけですから。

まぁ、今は実力を上げることよりも技術面を増やして、知識を増やすことがメインという感じですけどね。

そのため、本を読んだり、翠さんとお勉強することが多くなりました。

翠さんもリア様がお休み中なので暇らしいので。




それと、リア様の親友であり、同い年のユウ君とセイちゃんは、そんな賢者なリア様と対となる聖剣の勇者と聖女なんだから。

接近戦で世界の頂点を指す勇者

癒やしの力で世界の頂点を指す聖女


今ここに、伝説の心技体のメンバーがそろってるわけではありますが当然内緒です。

なぜなら、そんな伝説の存在がいると知られればロクなのが集まりかねません。


で、2人はそんなリア様の足手まといになりたくない、リア様と並んで立ちたいと願い、日々頑張ってます。

それと併せて、2人は肉体的にもすごい成長してますよ。

ユウ君は、身長もぐんぐん伸びてますが、かわいらしさがだんだん抜けて凜々しく、そしてかっこよくなっていくので王子様らしさが増しています。

とはいえ、中性的な顔立ちなのは変わらないので女性服を着せれば美人さんにしか見えませんけど。

で、セイちゃんは、同じく身長もですが、スタイルはほんとすごい勢いで成長してます。


だって、おっぱいがもう立派におっぱいと軽く呼べるくらいは成長してるんですから。


まぁ、それもあってあの2人、学園でモテだしてるんですよ。

2人は付き合ってるのでそんな告白なんて瞬殺でしたけど。


それと、2人に二つ名が出来ました。


ユウ君は、ヴァルキリー

セイちゃんは、冥界の魔女


確かヴァルキリーって戦乙女だったはずだけどなぁ・・。

ユウ君男の子だけど、相変わらず女の子に思われてるので、戦うときの凜々しさと合わさってそんなことになってるらしい。


で、セイちゃんはというと、癒やしの魔法の担い手としては、この国トップなので、どんなけが・病気でも治してしまうので、彼女の前では死は許されないとか言われ、気付けばそんなことになってました。

そんな二つ名をもらい、ギルドカードに立派に記載されてからというものの、2人に感想を聞いたところ


ユウ君「僕男だって毎回言ってたのに・・最近、女性服を着せられても違和感をなくしかけてる自分がいやだ」

セイちゃん「なんで、そんな物騒な名前になるの!?この前なんて私に大鎌が主武器じゃないんですか?って真顔で聞かれたんだけど。」


だそうです。

どうやら、不満が多いようですが、どうしようもないのであきらめて下さい。



あぁ、そうでした。

私、学園の制服を2種類(青と黒)を持ってるのですが、それとハディさんの鱗を合わせて作られた装備をもらいました。




聖者の戦闘用メイド服一式

黒と青の軍服風クラシカルメイド服だが、すべての装備に繊維には限界までアダマンタイトドラゴンの鱗を織り込んでいるので非常に頑丈であり、魔力を流すことによりさらに硬くすることが出来る

黒いワンピース(スカート丈はすね中央まで)

→体の美しい体型を保ち、装着者の防御を1.5倍にする

→どのような体勢になっても下着が見えることは絶対にない

紺色のふりふりエプロン

→体の美しい体型を保ち、装着者の魔力回復速度を1.3倍にする

黒の軍服風マント

→周囲からの視線を集めにくくし、日焼けしにくくする

黒の軍服用帽子

→周囲からの視線を集めにくくし、周囲への危機感知能力を1.3倍増加させる

黒のオーバーニーソックス

→足の美しいラインを保ち、脚力を増加する

黒のガーターベルト

→やましいことを考えている人が装着者に手を出そうとすると触れた瞬間に全身に激痛を走らせる(期限は相手がやめようと意識するまで)

黒の革ブーツ(くるぶしより10センチ上まで)

→疲れを軽減させ、足音を消すことが可能であり、脚力を増加する

姫鎧

→胸当りを覆う防具であり、アダマンタイトドラゴンの鱗のみで作られている

→ただただ頑丈であり軽い。魔力を込めることでさらに硬くすることが出来、胸の美しい形にし、保たせることが可能

小手

→手の甲から肘下までを覆う防具であり、アダマンタイトドラゴンの鱗のみで作られている

→ただただ頑丈であり軽い。魔力を込めることでさらに硬くすることが出来、腕力を増加させる

投擲用鉄針

→鉄で出来た10センチサイズの針で、投擲武器

※上記すべてを同時に装備することにより、浄化の魔法がかかり、装着者の体型に合わせてサイズが自動変更され、すべての装備品の効果を1.3倍底上げする





ぱっと見は、書いてあるとおり軍服を改造したメイド服という感じですが、頑丈さは折り紙付き。

なにせ、ハディさんの鱗を糸状にして限界まで編み込んであるんですから。

それに、あの制服をベースに改造しているので着心地の良さも保証されますしね。

さらに、マントと帽子を外せば普通のメイド服ですし、その2つをつければ私でもちょっとやそっとじゃ見つからないようになるんです。

その効果は個人的にもすごくありがたいです。

・・人は怖いですからね。

それと、投擲武器である鉄針というものですけど、名前の通り鉄で出来た針です。

長さは10センチくらいはあります。

それを防具の内側や、スカートの内側、マントの内側、太ももにホルダーをつけてそこにといった感じでありとあらゆるところに身につけてます。

まぁ、基本使い捨てなので使ったら補充が必要ですけど、私の能力が基本ものを扱った類いになるので一応攻撃用のアイテムを忍ばせています。

それと、とある収納用の魔法を覚えました。

そこには、投擲用の鉄針が3割と保存食と水が3割、薬剤が3割納まってます。

残りの枠には拾ったり討伐した魔物のアイテムを収納する感じです。


なので、投擲用の鉄針はたぶん身につけてる分は全部で100は軽くありますが細かい数はわからないです。

後、バッグにある分だけでも4桁近くはあると思う。

で、薬剤というのは治療用と毒薬です。

毒は、鉄針に塗って使うもので、いざというときのためです。

種類は痺れ薬と神経毒です。


ちなみに言うと、鉄針ですが武器に使わなくても食べ物を刺して食べる時にも使えるので結構便利ですよ?

鉄串みたいなものですけど、私のは串というほど長くないですから針です。

まぁ、針よりは長いですけど気にしない。



で、どんな魔法かって?

えぇっと・・


【谷間収納】

巨乳メイドだけが許される収納魔法

最大容量は、魔力量と胸のサイズに依存する



個人的にはものすごく不本意なんですけど、便利なのですごく複雑です。

名前の通り、胸の谷間を経由してどこかの謎空間に納まります。

おっぱいには夢と希望が詰まってるそうですが、謎にも包まれ、谷間にはよくわからない次元に繋がっているようです。

なので、セイちゃん。

私のおっぱいの谷間を広げても見つからないのであきらめて下さい。




でそれと、ここで言うのも何ですけどその・・またぶ、ブラのサイズが合わなくなってるんですよね・・あはは。

この胸は、どこまで大きくなるんでしょうか。

そろそろ止まって欲しいんですけど。

大きすぎても魅力的を通り越して謎の物体みたいな扱いにあるし・・個人的にもほどほどのサイズが魅力的だと思ってますし。


まぁ・・現状私の胸に埋もれて喜んでるのはセリカちゃんとセイちゃんの2人だけですけどね。

後は、リア様ですね。

今は、お休み中ですけど。



それで、ここだけの話なんですけど、ユウ君が最近私に相談してきたことがありました。

というのが・・・


「あの・・僕とセイは、入学したときからずっと同じ部屋で過ごしてるんですけど・・さすがにお互い成長してるのでベッドをもう1つ用意して別々に寝ようって言ってるんですけど、セイが笑顔で拒否してくるんです。」

すごく顔を赤くして複雑そうな顔をしてユウ君はそう言う。


あぁ・・元々幼馴染みであり、お互い子供だから同じベッドでも問題ないと当初はなっていたものの、最近は成長著しいのでセイちゃんは特に胸もブラがないと絶対だめなサイズになってるし、服の上からもしっかりわかるサイズ。

おまけに、脱ぐと谷間ができはじめてます。


で、そんなセイちゃんとユウ君はおつきあい中。

とはいえ、さすがにユウ君も思春期の男の子なので、寝るときくらいは別々のベッドで寝るようにお願いしたようだ。

まぁ・・セイちゃんからもちょいちょいそれ系の話は聞いてるから知ってるんだけど、セイちゃんとしては・・ストレートに言ってしまうとユウ君と既成事実を作りたいとか貞操をどうすれば奪えるかとかとにかくそういうことをしたいと言ってました。

けれど、ユウ君としてはもっと立派になってから・・本人的にはせめて学園を卒業してからそういうことはしたいと理性を働かせてそういう風に考えてるようです。


ユウ君は、同学年の男の子からするとすごくしっかりした考えだと思います。

大抵の子は、同じ部屋に男女でそのくらいの年だと数日経たずに相手の女の子を襲ってます。


で、セイちゃんはというと周囲のことはどうでも良いからシタいとのこと。



んー・・すごく難しいところですよね。

そう言うのって、結局は本人たち次第ですから他人がアレコレ言ってもあまり当てにならないんですよ。


私は・・ようやくリカルさんに抱きつくくらいは出来るようになりましたけど、さすがにそういうことはまだ無理です。

リカルさんもわかって下さってるので優しく頭をなでてくれるだけです。

リカルさんは、ほかの男性と比べて性欲は薄いようです。(本人と他の男性陣より)

それと、私が対人恐怖症ということもあり、私から抱きつくことはあってもリカルさんから抱きしめることはありません。

まだ特定の人以外には対人恐怖症は残ってるのであまり刺激しないように気を遣ってくれてるんです。

まぁ、してくれるとしたら頭をなでたり手を握ったりするくらいです。

・・リカルさんならそのくらいだと大丈夫ですから・・あはは。



まぁ、周囲からすればお付き合いしたばかりの甘酸っぱい感じに感じるらしく甘いものを食べすぎたような顔になってますけどリア様を見習ってスルーします。

ついでに、リリさんがリカルさんにいつまでも待つ側になってるといつまでも変わらないから頃合いを見て襲えとか吹き込んでましたけど。

リカルさんは引きつった笑顔でしたが、リリさんは容赦無用でリカルさんの懐に謎の液体(後に媚薬と判明)を忍び込ませてましたけど。



・・・・しばらく、飲み食いするものには注意が必要なようです。





で、何でしたっけ?

あぁ、ユウ君たちのことでしたね。

「セイちゃんに、いざそう言う時のことを考えたらいつもくっついているよりもベッドを別々にした方が喜びが大きいとかそういう風に言ってみたらどう?」

偶にだからこそ喜びが大きいとか言いますし、それを逆手に取るのはどうだろう?と提案してみたところ

「実はそれもしてみたんですけど、何を今更と即答されてしまって・・」

「あぁ・・」

この学園に来る前から知り合ってずっとそれで過ごしてきたセイちゃんからすると今更そんなことしても大して変わらないようです。

「それもあってアルナさんに相談してるんです・・。」

「といっても、私自身お付き合いそのものが男女関係なくほぼゼロなんだけど・・。」

いじめられてたこともあり、友人すらもゼロでした。

そんな人間にアドバイスを求められてもねぇ?

「あぁ・・それもそうなんですけど・・その・・他の方だと全員気にせず襲えしか言わなさそうで・・」

「・・・・確かに」

家のエトワールファミリーの女性陣は全員肉食系ですからね。


「それなら、シリル君はどう?彼は、ユウ君とほとんど同じような立場だし」

「実は聞いてみたんですけど・・」

「どうだったの?」

「同じベッドはあきらめろといわれました。」

「・・他に何かアドバイスはあった?」

「後は、相手をうまい感じに甘やかしてそう言う考えを持たせないように意識を誘導しろ・・だそうです。・・最終的にシリルさんはセリカさんの罠にはまって逃れることも出来ずに食われたそうですけど。」

あぁ・・そうでした。

シリル君は幼い頃からセリカちゃんに狙われ続けて、最終的にどうしようもない状況に追い込まれ、襲われたんでした。

しかも、一度襲われて以来、毎日襲われてるみたいですし。


というよりも、今の年まで襲われずに持ちこたえたシリル君は実際すごいと思う。


「なら、大きいベッドに変えるのがぎりぎりのところじゃないかな?後は、シリル君に虚勢術みたいなのを習うしかないんじゃない?」

「そうですよね・・ありがとうございます。それで、妥協させます。」


ちなみに、ユウ君はベッドを大きいサイズに変更することは叶ったものの、その数ヶ月ほど後になんの抵抗も許されずセイちゃんに食われたそうです。

どうやらセイちゃん、ユウ君に媚薬を盛ったプラス媚薬効果のあるお香を部屋で使い、部屋のドアがそう簡単に開かないようにして完全に逃げ道をふさぎ、不意打ちでベッドに押し倒してそのまま・・だったそうです。


その後はというと、ユウ君はすっごいやつれ、セイちゃんはすっごいご機嫌でお肌がつやっつやでした。

ユウ君・・・アレの卒業おめでとうという言葉を飲み込み、シャスティさんのお団子を無言でプレゼントしておきました。




それと、学園の話でしたね。

なのでシスカさんは私と同級生なのですでに卒業して故郷に帰っています。

卒業祝いとして、リクトさんに送ったものと同じ魔法が組み込まれたマフラーをプレゼントしました。

世間に売られてはいますが、これは込められている魔法が少し多いんですよね。


というより、くれるならそれが良いと本人から言われてるんですよ。

それと、今年もSクラスには新入生はいませんでした。

元々いないことが多い特殊なクラスなので下手すればSクラスが0人が数年続くのもおかしくないらしいですし。





で、そんな中、よそからやってくる貴族とかが私のこの国での名声を聞いて家に来い的なことを言ってくることが多々あります。

まぁ、全部瞬殺なんですけど。


私の主であるリア様と比較してどのくらいそっちが良いの?と質問攻めです。

そうすれば大抵はつぶれます。

だって、リア様より上回る人なんてこの世にいるはずないじゃないですか。

それに、こいつらは目先のことしか考えていない。


リア様は違う。

私が魔法が使えなくても全く気にしなかったし、もし今でも使えないとしても一切スルーして今のように私をそばに置いてくれてたと思うし。


こいつらと違って!



「生意気な小娘がぁ!貴様ら!やれ!多少のけがは気にせん。」

今お買い物をしている途中なのですが、実際に逆ギレして雇ったらしい屈強なおっさんたち50人をまとめて私を取り囲んでます。

「へっへっへ。悪いなメイドちゃん。」

と、気持ち悪い笑みを浮かべて近寄ろうとしているおっさんがいるけど


「へぇ?今のあなた方に何が出来るんですか?」

もう、私の支配下テリトリーにあるのに。


そう言うと

「は?」

「リー、リーダー・・」

「どうした、さっさとやれよ」

「動けないんです」

「は?」

「だから一歩も動けないんですよ!全員!」

「何を馬鹿n・・・っ!?おい!貴様何をした!」

私の念動で口以外のすべてを止めてるんだから動けるはずないじゃないですか

「ま、魔力も練れない!?」

全身の動きを止めるついでに体の内部の魔力も止めてますからね。


「小娘!貴様何をした!」

「うふふ。あなた方にわざわざ言う権利ありますか?」

「私は伯爵なんだぞ!貴様のような小娘を一捻りにすることなんて簡単なんだぞ!」

私の主であるリア様は公爵ですし、イリスさんは元とはいえ王族、おまけにこの国は世界でもトップレベルの大国なのであなたの方が確実に格下ですよー。

この人うるさいし鬱陶しいので今は言いませんけど。

「・・・とりあえず、周囲の方々を黙らせますね。」

「何を言って-!」

そのとたん、周囲から絶叫が響く。


すると、その雇われたおっさんたちは全員腕や足があらぬ方向に曲がっていた。

「何をした!」

面倒なので言いませんけど、したのは念動を使って貴族のおじさん以外全員の腕とか脚を曲がらない方向に強制的に曲げてへし折っただけです。

「私に敵対するのですから動きを封じるのは基本ですよね。」

「だかr・っ!」

「はぁ、うるさいので黙って下さいますか?というより黙らせますね。」

鬱陶しいので口の動きも封じてあげます。


さて、この後どうしようかなーと念動でその人の髪を数本ずつ引き抜くという地味な嫌がらせをしながら考えていると、この国の騎士の方がやってきました。

「アレ?アルナさんじゃないか。何かあった?」


ちらりと周りを見ると笑顔でピースする八百屋のおじさん。

あぁ、わざわざ連れてきて下さったんですね。


にこりとほほえんでお礼を告げた後、今の状況を教える。

「-というわけで、うるさいので黙らせたんですけど、この後の処理をどうしようかと思いまして。」

「あぁ、そういうこと。とりあえず、不敬罪としてこれから絞れるだけ絞り取っちゃえば?ちょうど良い小遣いになるよ。」

「罰としてはそれでいいんですけど、お金はそんなに必要ないんですよねぇ。」

「貯めといたらいつか使うときがあるよ。あるに超したことはないし。姫様だって一部は募金しているとは言え、それなりに貯金してるじゃないか。その貯金があるからこそ姫様お手製のアレコレがあぁやってこの国の名産品になるんだし。」

そういえば、すっかりこの国の名産品になったリア様お手製のハンカチとマフラーは元々はリア様のポケットマネーでそろえたんでしたね。

ちなみに現在は、リア様が作ったオリジナル品と限りなくリア様作と近いものの2種類が販売されてます。

これは、リア様の負担を考えての処置ですし、リア様自作が欲しければ別で依頼をするように公開してるので問題なしです。

ちなみに、お値段もリア様自作だと世間で売られてる値段の少なくとも2倍ですけど、大抵の人はなぜか頼んでもいないのに率先して3倍4倍のお値段を積んできます。

「なるほど。」

「後は、予備の武器とか魔道具の強化用の素材の購入とか何かしらと使おうと思えばどれにでも使えるし。」

「あぁ。」

そう言う手もありましたね。

「で、それをとりあえず黙らせるんですけど。その前に、これってアルナさんの主が誰なのかわかってんの?」

「いえ。聞いてると私の噂だけを聞いてやってきたみたいですよ。」

一応、最初にお断りするときに言ってるんだけど、たぶんこの人は聞いてない。

だって、自分に都合のいいことしか聞こえない自分に都合のいい耳を持ってるみたいですし。

「貴族のくせに情報収集も適当とか(笑)」

すっごい馬鹿にした感じで笑ってるけど、黙らせてる貴族のおじさんは顔を赤くして切れてる。

実際、情報収集は貴族の嗜みの1つってイリスさんから聞いてるし、それがおろそかってことは貴族としてもダメダメってことだもんね。

「じゃあ、それを言えば瞬殺じゃない?とりあえず、メンタルを破壊してからの方がその後処理が楽だし。」

台詞は物騒だけどこの国だと結構普通。

実際、最初はその貴族をにらんでた周囲の人も私が瞬殺してからはアホを見るような目で眺めつつ私の魔法で縛り付けてる上から縄とかで縛ってさらに動けないようにしてます。

あ、土で全身と固める人も出てきた。

ついでに、背中とか見えないところに落書きをしだす子たちも出だした。


「はぁ。あんたがどのくらいすごい貴族様か知らないけどさ。このメイドさんの言葉ちゃんと聞いた?この子の主は、この国でもトップのエトワール公爵家のご令嬢直属のメイドさんなんだけど?」

なにせ元第一王子のイリス様の愛娘の姫様だぜ?と騎士さんが告げるとぴきんと固まった。

ついでに雇われてるおっさんたちも


その台詞と飛んでから周囲からひそひそと聞こえる高さの声で色々と聞こえる(わざと)

「はぁ。マジで聞いてなかったのかよ。クテン様の直属のメイドさんだって。アルナちゃんはきちんと言ってたのにな。」

「アホだろ。クテン様のおかげで優秀になったメイドさんだって有名なのに」

「知らない人はいないのが普通だろ。」

「よその国でも知らない奴がアホだろ。」

「言える。というより、アルナちゃんを敵に回すと漏れなくクテン様率いるエトワールファミリー総勢とこの国トップがまとめてやってくるからある意味じゃ、敵に回したらだめな代表なのに。」

「だよなぁ。」

「っていうより、Aランクの守護メイドって本人も優秀なのにこいつらみたいなアホの下につくわけないだろ。うまみがゼロだ。ゼロ。」

「てか、クテン様以上とか皆無だろ。・・・お世話するのはある意味大変そうだけど。」

「まぁ・・表情を読むところがなぁ・・けど、そんなのどうでも良くなるくらいそれ以外が最高だろ。」

「まぁな。我が国の天使だからな。」

「言える。」

表情が読めず、次に何がしたいか察するには難易度の高いリア様にお仕えすることの大変さはさすがこの国の人たちはよくご存じのようです。

まぁ、私の場合は私の能力で可能なんですけど。



と、周囲から言いたい放題な言葉でようやく誰を敵に回したのか判明したらしく顔が青から白に変わってました。

「じゃあ、アルナさん。後の処理はこっちでしとくから。ついでにこれの生息地全体に脅迫状を出しとけば完璧じゃね?」

「あ、あはは・・無理しない範囲でお任せします。」

生息地って・・というより脅迫状って・・このお国柄がよくわかるセリフですね。



その後、雇われていたおっさんたちは1人金貨10枚を罰として強制徴収し、ギルドカードにエトワール公爵家令嬢の直属メイドの敵対者と記載され、

その貴族からは金貨100枚を罰金とし、

その人の国からは、敵じゃないから!という表し?として金貨300枚が追加でやってきて

その人は貴族のランクが落ちたそうな。


どうやら、クテン様直属のメイドさんに犯罪的なことを強要したと一言あったらしくその処理のためにこんな感じでお金がやってきたそうな。

ある意味では間違ってないけど・・不敬罪という罪で、脅迫と強姦未遂(と思う)とかもあったし。


また、お金が増えちゃいましたけど、このくらいしないと余計なことをしでかす人が出てくるので、見せしめとして周囲にわからせないとまた似たようなのが出てくるらしいですし。

とりあえずこのお金、ほぼ全部この国の公共施設の設備用として寄付しとこうっと。

どの建物もきれいだからね。

まぁ、全部はダメって言われたので1割は強制的に手元にありますけど。



これで、平和かと言われると微妙だけど、久しぶりに穏やかな日々が送れてます。

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