表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
141/177

フリージアのこと、アルナのこと

--アルナ--

超大型スタンピートは無事に解決し、色々と得るものはありました。

そして、教会でお祈りをしているとペチュニア様と桜華様と直接話しすることが出来、リア様に何が起きているのかも知ることが出来ました。



で、昼食を食べながら(個室)、教会でどんなことを聞いて、どういう状況なのか細かく伝えました。

と、当然、私がペチュニア様に性的に食べられたことは言ってませんよ!?

せいぜい、弄ばれたとだけ・・う、嘘は言ってないもん。


「あぁ、やっぱりニアさんはアルナをお気に召したんだね。出会い頭に突然襲われたんでしょ?ニアさんのことだし。」

「はい・・イリスさんのおっしゃる通り、いきなり襲われました。」

さすがイリスさん、その辺りはまともに話してないのにあっさりと見抜かれた。

「けど、リアちゃんがそんなことになってたのは納得出来たよ。」

「はい。アルナさんの話を聞いて私の魔法が効かなかったのも納得しました。」

「それで、ギルドカードから情報を呼び出せるんだよね?」

「はい。今回は特例としてペチュニア様も認めて下さいました。その代わりに条件があるそうですけど。」

「うん。何かな?」

「もしも、今ここにいるメンバー以外にバラすようなことをすれば全員の黒歴史をありとあらゆる場所に実名と所在地、顔写真を添えてばらまくそうです。天界から常にそういうことをチェックしているので物理的に天罰を下すのも可能らしいですが、それだと面白くないとのことです。」

実は、ペチュニア様と桜華様からリア様が実際どんなことになっているのか、”世界の声”の情報を閲覧出来るように許可して下さったんです。

それは、ギルドカードに一応情報として残っているんだそうですが、普通は閲覧出来るのはギルドマスターとしての権限のみらしいです。

けれど、ギルドマスター権限があっても本人が許可しなければ閲覧すら出来ないとても制限が強いモノなんです。

しかも、本人はそんな情報がギルドカードに残ってることなんて知らないし、公に堂々と見せて!なんて言えないので、事実上ギルドマスターですら知らない人の方が多いのが現実。


で、今回はさっき言った条件(という名の脅迫)を元に、桜華様が私たちにだけ見えるようにして下さったんです。

まぁ、みた後はその情報はバラさないように消し去るそうですが。




あ、”世界の声”って言うのは、何かしらの条件を満たすと該当者にだけ聞こえる声らしく、どこの誰なのかもさっぱり分からない謎の声だそうです。

けど、種族進化したときは大抵聞こえるそうですが・・どんな声なんでしょう?

聞くと、無機質な無感情な声で男性なのか女性なのか年齢すらも読み取れない謎に包まれた声だそうです。

・・言われて余計に分からなくなりました。





「さ、さすがニアさん・・全員の脅し方をよく分かってるあ、あはは。」

引きつった顔でそう言ってるイリスさんと他全員は絶句してる。

改めてペチュニア様の恐ろしさを知ったようです。



「じゃ、良いね?フリージア・クラリティ・エトワールの進化情報の閲覧開始」

全員が首を縦に振ると、リア様のギルドカード(にゃんこの首輪みたいな感じでくっついてましたので、私がとりました)から見たい情報を取り出しました。





≪賢神:月神桜華より承認を受諾。情報を開示致します≫



≪エクストラミッションを達成!これより完全回復・治癒、成功報酬の獲得、最適化を行なった後に進化を開始します。その後再度最適化を図るため、期間は、不明。負荷を軽減させるため【変身】を強制発動し、スリープモードを開始致します≫



≪称号:英雄、悪魔殲滅者、変幻自在、一騎当千、合法ロリ、神々に愛されし者、精霊に愛されし者、アイテムマスターを獲得≫

≪称号:狩人、アームズマイスター、アイテムマスターが変幻自在へ統合されました≫

≪称号:英雄、悪魔殲滅者、一騎当千が断罪者へ統合されました≫

≪称号:母の溺愛、流星姫の過保護を統合し母の愛を獲得≫

≪称号:幻獣の家族、変態紳士ホイホイ、神々に愛されし者、精霊に愛されし者が統合され、天界のアイドルを獲得≫


≪属性:破邪を獲得≫

≪属性:陰、破邪を統合・・成功しました。属性:常闇を獲得≫

≪属性:常闇の獲得により【氷結地獄フリージングヘル】を獲得≫

≪技:【影爆弾】【影光線】【怒号】【爆撃強化】【魔重力】を獲得≫

≪覚醒:【自己強化】を獲得≫


≪技:【並列思考】から【立体交差並列思考】へ進化≫

≪【精神統一】から【悟り】へ進化≫

≪【圧縮記憶】から【仮想図書館】へ進化≫

≪【思考速度上昇】から【思考加速】へ進化≫

≪【人形劇】から【人形劇(極)】へ進化≫

≪【影纏】から【常闇纏】へ進化≫


≪武器系統技、を全て統合し、【全武具】を獲得≫

≪【全武具】【武器舞踊】【武器舞踏】を統合し、【武具の申し子】を獲得≫

≪【武具の申し子】【暗器】【合気】【アクロバティック】【騎乗】【射撃】を統合し【技の申し子】を獲得≫

≪【切断強化】【貫通強化】【硬度強化】【束縛強化】【圧縮強化】【心意加増】【爆撃強化】を統合し、【想像強化】を獲得≫

≪【思考負荷軽減】が【思考負荷激減】へと進化致しました≫

≪【考察緩和】が【考察負荷激減】へ進化致しました≫

≪【ショートクさんの耳】【読唇】【速読】【視力適用】【思考負荷激減】【思考負荷軽減】【考察負荷激減】【悟り】【立体交差並列思考】【一点集中】を統合し、【脳内ネットワーク】を獲得≫

≪【魔力反射】【物理反射】を統合し【防御の申し子】を獲得≫

≪【衝撃波】【性質変換】【覇気】【威圧】【怒号】【魔重力】を統合し【魔力の申し子】を獲得≫

≪【侵食】【拡張】が覚醒なしにより通常状態でも使用可能となりました≫


≪全てのミッションクリアによる報酬獲得を終了≫

≪進化開始前に異物を確認、対象者:フリージア・クラリティ・エトワールの最適化に合わせ、統合・進化致します。≫

≪ウールスフィア、精霊のストール、幸運のイヤーカフを統合進化し、【使徒】ウールバイパへ進化致しました。≫


≪精霊樹のローブ、魔の羽衣、その他の下着を除く装備品を統合し、天魔の羽衣シリーズへ進化致しました。≫

≪聖華の杖、邪滅の蛇腹剣を統合し、賢神の仕込み杖へ進化致しました。≫


≪異物の最適化が完了し、フリージア・クラリティ・エトワールの進化を開始します。≫

≪進化へと必要な素材を確認・・・

称号:絶望を知る者、天界のアイドル

技:【心の瞳】【心の歌】【影翼】【侵食】【拡張】【奉納】【鉄壁の心】【月翼】

武器:聖木の義手

加護:元英雄賢者/現神様のお気に入り、月神桜華の子孫、下位精霊の親愛、上位精霊:リフの溺愛、精霊樹の巫女

体質:悪心撃滅

悪魔討伐

多くの魔物の討伐

人類の救済

崇拝者の存在

救済による助言

称号:絶望を知る者を持つ者の救済

異なる世界の人物の救済

SSS以上の魔力・練度

乙女の純潔を保つこと

真実の愛を知ること

強い家族愛

幻獣、神獣との繋がり

血筋より神へと至りし者:月神桜華、月神朔を確認

全てが揃っていることを確認致しました。≫


≪半異世界人より天使族へ進化致します。≫

≪属性:常闇を確認し、天使族より天使族(始祖)へ進化先を変更致します。≫

≪エクストラミッションを含む全てのミッションをクリアした為、天使族(始祖)より能天使(始祖)へと進化先を変更致します。≫


エクストラミッション

・悪魔の殲滅

・悪魔結晶の末梢


≪必要素材に関しましては、種族特性として吸収統合されます。≫

≪片腕の消失を確認・・復元致します。それにより、色素の喪失を確認・・生命への支障が無いことを確認し続行≫

≪片腕の復元が完了致しました。それにより肉体の若返りを確認、見た目年齢が更に低下・・生命への支障が無いことを確認≫


≪外部より膨大な回復・治癒魔法、浄化魔法を確認・・吸収・・長寿の願いを多く確認・・承認、体質:ほぼ不老を獲得≫

≪能天使(始祖)への進化特典にて、肉体を急速成長致します。寿命への支障を確認し、問題がないことを確認、肉体のみ変化が可能と判断し続行・・成功致しました≫

≪称号:隠れ巨乳を獲得≫

≪神:月神桜華より加護:賢神の加護を獲得≫

≪元神:月神朔より加護:月神の加護を獲得≫

≪天界より加護:天界の愛し子を獲得≫

≪各精霊より加護:精霊の愛し子を獲得≫

≪加護:精霊の愛し子を天界の愛し子へ統合されました≫

≪加護:賢神の加護、月神の加護が統合され、神々の代行者を獲得≫


≪能天使(始祖)への進化が完了致しました≫

≪肉体年齢を全盛期まで成長させることに成功。体質:ほぼ不老により肉体年齢はこの状態で永久凍結されます≫

≪対象者:フリージア・クラリティ・エトワールの疲労、怪我、自己治癒能力の低下、進化による疲労を確認し、完全回復するまでスリープ状態を維持致します≫

≪完全復活させる際の条件として、自己治癒能力の向上も必要となるため、他者からの全ての魔法を含む干渉を拒絶≫

≪自己治癒能力の向上を含めた完全復活の条件として対象者:フリージア・クラリティ・エトワール自身の魔力のみを使用します≫

≪必要量の魔力が不足しています。待機し、回復次第即時使用する為、常時魔力枯渇状態となることを確認・・・・技:【仮想頭脳】を獲得≫

≪【仮想頭脳】により負荷の軽減による肉体の安定化を確認≫

≪魔力回復まで待機し、回復次第続行を継続します≫


≪対象者:フリージア・クラリティ・エトワールより詳細の提示を要求・・承認致しました≫




名前:フリージア・クラリティ・エトワール

ランク:S(二つ名=魔鏡姫/夜叉姫)

パーティ:ハリーファ(リーダー)


体質:ほぼ不老

性別:♀

年齢:12

種族:能天使(始祖)

身分:クラリティ王国公爵、クラリティ王国魔術師団長、癒しの都”ルナール”領主

職業:賢者、協奏師

副職:刺繍屋

称号:英雄賢者の正統後継者、神子、断罪者、転生者(月神朔)、変幻自在、合法ロリ、隠れ巨乳


属性:常闇

体力:B

魔力:Burst

攻撃:C+

防御:D+

俊敏:D

練度:EX


攻撃技1:【影操作】【常闇纏】【影移動】【影爆弾】【影光線】

攻撃技2:【想像強化】【人形劇(極)】

特性:【魔力の申し子】【防御の申し子】【技の申し子】

補助技:【内外念話】【指揮】【変身】

自動技:【仮想頭脳】【仮想図書館】【神の意志】【氷結地獄フリージングヘル

覚醒:【守護者召喚】【自己強化】

衣類:天魔の羽衣シリーズ

武器:賢神の仕込み杖

乗り物:飛行艇”フルール号”

装飾:教会の腕輪(EX)、クラリティ王国公爵家の証(儀礼剣)

写真:フリージア、ペチュニア、イリス


契約

【幻獣】八咫烏:カルナ(二つ名:守護鳥)

【幻獣】ガルディエーヌ・キャット:シャスティ(装備:黒月)(二つ名:逆鱗)

【妖精王】ロワ・ゲル:翠(二つ名:緑の災厄)

【使徒】ウールバイパ:ラナ(二つ名:陰の守護者)

【幻獣】アダマンタイトドラゴン:ハディ(二つ名:堅牢)

【神獣】ティグリスリオン:黄昏


加護

母の愛、神々の代行者、天界の愛し子



≪全ての情報の提示が完了致しました。≫

≪進化・最適化が完了致しました。≫

≪精神・肉体の回復を開始致します。≫


≪情報の開示が完了。3時間後にはこの情報は抹消されます。≫






何これ・・何気にリア様のステータスを丸々みちゃったんだけど・・予想以上だった。

というより、統合されたスキルの数がえげつない・・。

おまけに、その1つ1つのスキルはかなり自由度が高いから使い方次第では何十通りでも何百でも思いつく限りの手段が出来る・・これ、単純に出来ることという概念だけで言ったら統合されたりされなかったりしたスキルを合計した数の何十倍も手数があるってことだよね?


それに、ものすごい膨大な量のスキルが統合されただけじゃなくて、それらのスキルが全部強化されたとか、リア様冗談抜きで強すぎでしょう。

しかも、この桁外れのステータス・・がっつり魔法戦特化だって分かるけど、凄すぎるでしょう・・。

後、何気にラナさんが進化してるだけど・・巻き込み事故で。


そりゃあそうだよねといいたくなった。

スタンピートを一度遭遇して解決して見せたことでより一層強くなったシリル君とセリカちゃんペア相手にリア様は面白い遊び相手として認める程度だった。

私に対しても、魔力制御の良さを認めて同じく遊び相手として気に入られた。


実際、本気をぶつけ合うライバル認定されることはあり得ないことを改めて理解した。

というより、リア様に遊び相手として認められることの誇らしさというか、名誉だと言える理由を改めて実感しました。

元々知ってはいたけど、それは、これまで見聞きしてきた経験などからそう理解しているだけだった。

けれど、このステータスをみて私はリア様のことを甘く見ていたらしい。

・・実際は、想像を遙かに上回る実力でした。


・・・リア様に敵認定されなくてホントに良かった。

これ、ステータスが万が一、私がリア様より上だったと仮に考えても負ける・・というか、勝てない。


リア様のステータスは本当に魔法を使うと言うことに関していったらすごくバランスが良いと思う。

攻撃や防御、俊敏などは別として、魔力量があっても練度が低ければ魔力の無駄遣いになってしまう。

逆に練度が高くても魔力量が少なければ扱い方次第ではどうにかなっても持久戦に持って行かれれば負ける。

・・接近戦などは素の分低いのだから。


いやぁ・・ホントリア様は接近戦は体内の魔力を視る力で先読みしてあの手数の多さでどうにかなってるけど単純な身体能力だけで言うとすっごい弱いんですよ。

だって、私がリア様を抑えつけることが軽く出来るんですから。

実際は、抑えつけると言うより抱き締めてほおずりして拘束してるだけですけど。


リア様を押し倒して抑えつけるなんておいs・・失礼なこと恐れ多い!

まぁ・・リア様は多分・・いや、絶対に押し倒されてもその後どんな目に遭うのかは分からないだろうからリア様自身は焦らないと思うけど。


・・あ、今思えばリア様の場合手足を押さえつけても魔法で一瞬で押し倒して狼藉者を始末出来ますね。


「師匠・・ホントにあのとき見せてくれたのは一部だったんですね・・。」

「うん・・見せてくれなかった部分のが予想を遙かに上回ってる。・・けど、師匠に敵認定されないように本気で頑張らないと・・勝てる未来が欠片も見えない。」

「あぁ・・同感だ。・・師匠の実力を引き出せるだけ引き出せるようにもっと頑張らないとなぁ。俺等のランクは、まだまだお気に入りの玩具程度だろうし。」

「だよねぇ・・。私も同感。」


「というよりも、リアちゃんは天使族に進化したんだね。うちの歴史書とかを含めてもここ数百年どころか数千年は天使族に進化したって記録はないよ。」

「イリスさんそれホントですか?しかも、これ、天使族の中でもトップレベルですよね?」

「うん。始祖ってだけでも凄いのにその中でも階級持ちだからね。」

「あの・・始祖って何ですか?」

「うん、端的に言うと、開祖であり、初代でもあるよ。」

「天使族として産まれた時にいた一番最初の天使様ってことですか?」

「そうだよ。種族によっては、初代よりも次第のほうが凄くなっていった経歴もあったりするけど、天使族の場合は、初代が圧倒的に強かったらしいんだ。それだけ、天使族にとっては始祖という存在は憧れの存在なんだよ。」

「そんな凄いのに階級持ちだなんて・・というより階級とは?」



熾天使:最上位の天使で、六枚の翼を持つ

智天使:第二位の天使で、エデンの園の東を守る

座天使:第三位の天使で、神の戦車を運ぶ者

主天使:第四位の天使で、神の威光を知らしめる

力天使:第五位の天使で、奇跡を司る

能天使:第六位の天使で、神の掟を守らせる

権天使:第七位の天使で、国家の守護を司る

大天使:第八位の天使で、天使の中でも偉大な天使

天使:その他、階級のない天使たち


「まぁ、大まかにしか伝えられてないからこのくらいしか分からないけど、リアちゃんの階級である能天使は、掟を守らせるのと同時に悪魔と戦うことをメインとした階級でね。全体的にみると対して高くないけど、単純な実力で言えばあまり階級は関係なかったりするんだよ。」

「しかも、そのランクの中でも始祖級ということは事実上その階級最強・・という意味ですよね?」

「まぁ、そうなるね。しかもリアちゃんはまだまだ幼い。これからもっと経験していくからまだまだ発展途上だよ。」

「何と言う・・」

改めてリア様の恐ろしさを知った気がします。


「けど、単純に数値だけで言うと負けるなぁ・・。」

「確かEXはSSSの上でしたよね?」

「そうだね。」

「そのもう1つのBURSTってなんですか?聞いたことないんですけど」

「それ、簡単に言うと測定不能。」

「そ、それ・・つまりは・・」

「うん、はかれる程度の数値を軽く上回るってことだね。まさに魔法の天災。」

「師匠やっぱり凄い・・。普段、技術や経験を学ぶために実力をかなり抑えてたんだと改めて理解しました。」

「それよりも、よく師匠はこんな無茶ぶりな条件を全部達成したよね。おまけに合格値を通り抜けた100%合格どころか150%合格とか・・。例え条件が分かってたとしても普通にムリゲーでしょ。」

「今振り返るとどれも偶然って感じだったんだよなぁ・・。意図して手にしたモノは何1つないし、後からそうだったんだって気づいたのも1つや2つじゃないしな。」

「後、何気にラナさんが凄いことになってるんですけど・・。」

「うん・・まさか、使徒になっちゃったとはねぇ・・。」

「あの、使徒ってなんですか?」

「ん?簡単に言うと眷属だよ。忠実なる僕というか、絶対的な相棒みたいなモノかな。」

「つまりは、天使の中でも階級持ちになったのに加えて、始祖になったリア様専属の補佐官みたいな感じですか?」

「補佐官・・そうだね。その例え方が一番近いよ。多分今回の巻き添え進化でこれまでの実績がそのまま使徒として扱っても問題なしと判断しちゃったんだろうなぁ。」

確かにラナちゃんは、ずっとリア様の体調管理をして下さいましたし、危険なときはいつも最初に気づいてくれたらしいですし。

何でらしいなのかって?

ラナちゃんと普通に会話出来るのはリア様だけなんですよ。

というより、喋ってるか風に揺られてモフモフしてるかの区別すらリア様以外気づかないんですから。


「けど、やっぱりリアちゃんムリ無茶してたじゃないの!!もう!アレだけ無茶したら駄目って言ったのにぃ!!」

「まぁまぁ、落ち着いてよセイ。けど、リアの新しい体質のおかげでその寿命の部分はクリアしたっぽいし・・何か先送りにしたような気もしなくはないけど。」

「そうだよね!圧倒的に私たちよりも長生きすることになったっぽいけどそれが一番の収穫だよね!」

「うん、それはホントに良かった。」

そう!

リア様は、ほぼ不老っていう寿命をのばす・・というか、成長速度をすっごく遅くしたような体質になったみたいです。

まぁ、肉体年齢は固定されたみたいですけど・・どんな感じで成長したのか見るのが楽しみです。

見た目は固定されてもある程度肉体は成長した状態になってるって情報に出てましたし。



けど、中身は変わらないで欲しい・・いや、ホント切実に・・。

本物のペチュニア様と遭遇エンカウントしてそのめちゃくちゃさを知ったので余計に・・うん。



「・・って、アレ?」

「セイちゃんどうしたの?」

「いや・・リアにゃんの頭に黒いニット帽が・・」

リアにゃんって・・凄いかわいい名前になってるのも気になるけど、膝の上で撫でていたリア様をみると確かに黒いニット帽を被ってました。

きちんと仔猫サイズ。


・・・て、もしかして

「もしかして、ラナちゃんですか?」

可能性がありそうな部分を言ってみると、するりとニット帽はふわっふわの細長い生き物になり、その端をふりふりしてくれました。

って、あまりにもモフモフすぎて気づかなかったけど蛇だ。

「って、それがラナ!?」

「マジで!?」

「・・そういえば、ウールバイパに進化したって書いてあったね・・あぁ、蛇、なるほどね。」

バイパーって蛇のことを言うんでしたっけ。


私は、リア様に巻き付くモフモフで記憶にあったのがラナちゃんだけだったからある意味当てずっぽうだったんだけどね。

当たってた。


というより、前のまん丸のモフモフの時よりもわかりやすくて助かるかも・・。

あぁして尻尾で肯定か否定か知らせてくれるし。


けど、あまりにもモフモフしてるからお顔がどこなのかよくわかんないけど。


そして、ラナちゃんは眠っているリア様のニット帽としてくっついていることにしたらしくその状態がデフォルトになりました。

で、食事は相変わらずきれいなお水だけでした。

・・ホントにエコですね。




「アルナ」

「あ、ハディさんどうしました?」

小さな黒い蛇の姿になったハディさん。

あのスタンピートでの活躍によって魔物から幻獣へ・・しかもドラゴンに進化したらしい。

より頑丈に、より強くなったんだから凄く頼もしい。


で、今は自身の技で小さい姿になってるんだそうです。

じゃないと、大きすぎて家の1つや2つは潰しちゃうからだそうです。

「リア様を連れて行くなら俺も連れて行け。今の姿だと小さいからポケットの中でも首元に巻き付けるでも出来るだろう。」

「ハディさんをですか?」

小さい蛇さん状態だとどのくらい出来るんだろう?

「失礼ですが、今の姿でどのくらい出来るんですか?」

「本来の姿よりは落ちるが、進化する前程度ならたやすい。」

それは凄い・・そのミニマムサイズで大の大人を十数人軽く振り回せるなんて・・。

おまけに、それで弱い方とか・・ハディさんすっごいパワーアップしてるじゃないですか。


「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらいます。」

何気に、獣魔メンバーの中だとハディさんに私一番お世話になってたりします。

お買い物に行ったりと言ったあちこち動き回るときにナンパを含む余計なトラブル避けのために護衛として。


そして私は、ハディさんを首に巻き付けることにしました。

その状態で周囲に威圧を垂れ流しにしてくれる(私は素の対象から外しているらしく全く私は問題なし)ので、世間では私は威圧を垂れ流しにした状態で歩いてると思われるようになるのはまぁ、ある程度想定出来た展開ですかね。

それでどうして、私が女王様?呼ばわりされるのでしょうか?

おまけに、対人恐怖症ぎみできょどってるところは、嘘か誠か!?っていう会議があちこちで行なわれてたりという謎。


・・・うん、リア様を見習ってスルーしましょう。

私は知らないうん知らない。


まぁ、近くで偶然見ていた果物屋さんのおじさんが私の首に巻き付いているハディさんから威圧が垂れ流されていることに気づいてその謎会議は終わったけど。






そこから私は、ハディさんを首に巻き付け、となりにリカルさんがいる状態でニットラナちゃん装備のリアにゃん(セイちゃん命名だったけどすっかり定着した)を抱っこ状態がデフォルト状態になりました。


あ、そうそう。

マルスさんですけど、護衛依頼として港町に向かって数日前にこの町を出ちゃいました。

しっかりと、あのスタンピートでの活躍分と退職金を感謝しまくっていた領主さんからたんまりともらって。

それと、護衛としての依頼料ももらうことになるらしいし、その道中の食事とかは基本的にサバイバルだけどそれ以外のサバイバルでは手に入らないような部類は、道中鍛えてあげることの依頼料扱いとして共に護衛している冒険者さん(マルスさんに護衛のいろはを教えてもらうことになってるらしい)が受け持つそうです。


私は、リア様を救ってくれてありがとうございましたと最後に一時のお別れの時に頑張って伝えたところ。

「その礼はいらないさ。だから今度お前さんの近くで困ってるのがいたら助けてやれ。それでチャラだ。それに、既に礼はもらいすぎた。」

リア様からマフラーとハンカチ

リカルさんからスタンピート中に活躍しているマルスさんの姿絵

イリスさんからはエトワール公爵家のコイン

ハディさんからは、鱗(本来の姿時)を数枚

セイちゃんからは、実家産の栄養剤

シャスティさんからは、治療用の調合薬を数種類

グリムさんからは、焼きたてパン



まぁ、そんな感じでホントに色々と渡されてました。

「ギルマス・・いえ、マルスさん、本当にお世話になりました。」

「アリスか、クラリティ王国の方に出世して元気にやってるか心配だったが、心配するだけ無駄だったみたいだったな。良い旦那も捕まえたみたいで良かったよ。」

アリスさんは元々この町のギルドで働いていたところを今のクラリティ王国のギルドへ出世して今に至るわけですし、元を正せば今のアリスさんの優秀さを育て上げたのもマルスさんになるんだよね・・。




アレ?

リア様を救って魔鏡姫として覚醒させ

クラリティ王国ギルドの次期ギルドマスター予定のアリスさんを育て上げ

この町の私生活を守り

この町を救った(マルスさんのお願いがあったから私たちが総出で動いたからそのきっかけとして)




マルスさんが今回のスタンピートどころかこの町の英雄であり救世主じゃない?

この人がいなかったら解決してなかったよね?

リア様が今強いのはこの人が魔法反射を扱えるようになったきっかけを作ってくれたからだし

リア様が魔法を使えるようになったきっかけを作ったアリスさんを育て上げたわけだし

そんなリア様が感謝してこの町に偶然来たから今回のスタンピートを解決したんだし



一番の功労者じゃん!!

「よくよく考えれば今回の件も以前の件もマルスさんがいなければ全て成り立ってませんでしたね。アルナさんを救えたのもマルスさんがお嬢様に戦い方を教えたからですし。」

なぜか考えてたことをリカルさんが普通にそれに対してのリアクションをしていた。


あれ?

声に出してないのに・・


「え?・・リカルさん、どうして私の考えてることが分かったんですか?」

「口に出してましたよ。」

「え・・・・・うぅ。恥ずかしい」

声に出てたなんて・・うぅ//

「全員が思っていることですから大丈夫ですよ。それに、俺しか聞いてませんから。」

「・・本当ですか?」

「本当です。・・・・私もマルスさんには感謝してもしたりない。」

最後にぽつりと呟いたリカルさんの台詞がちょっと気になる。

「あ、今のリア様のきっかけですし、その当時がなかったらリア様もリカルさんと出会えなかったからですからね。」

そうだよね。

リカルさんはリア様が大切だから一緒にいるんだもん。

そう考えるのが当然だよね。


と言うと、なぜか顔を赤くしながら苦笑していた。

アレ?

なぜ苦笑?

「それもそうですが、アルナさんと出会えたことですよ。」

「・・・え?//」

ちょっと待って?

それ・・その・・期待しても良いの?//

「え、えと・・その・・ふぇ?//」

顔が熱い・・うぅ//

「えと・・実はアルナさんの笑顔が俺が生きてみてきたどんなモノよりも一番美しいって思ったんです。それに、貴女の絵を描くことが一番心が穏やかになれる。//」

お嬢様は、別ですけどねと言いながら照れながらそう言うリカルさん。

「えと・・それは・・その・・・そう言う意味として・・あの・・考え・・も?//」

期待しても良いの?

私のうぬぼれじゃない?


いつも優しくて笑顔が素敵なリカルさんが私は好き。

けど、私はどんくさいし迷惑かけてばかりなのに・・ホントに?

と思っていると考えていることが読まれたらしく。

「そんなことはありません。いつも一生懸命で楽しそうにしている姿を見るだけでも私はいつも幸せです。だから・・これからの人生ずっと隣にいてくれませんか?//」


わ・・わぁ//


告白!

告白されちゃった!!

大好きなリカルさんに!!!


で、いつもの対人恐怖症がその時だけはすぽーんとすっぽ抜けて私はリカルさんに抱きついた。

リアにゃんは大丈夫です、抱き潰してません。

「アルナさん!?」

「私もリカルさんが大好きです。貴方の笑顔が好き。優しいところが好き。楽しそうに絵を描いている姿が好き。好き、好き好き好き。」

私は心から溢れる気持ちをそのまま口から垂れ流しにしていると優しく抱き締め返してそっと私の耳元で囁いた。

「これから、俺の恋人としてよろしくお願いします。もちろん、お嬢様専属侍従のパートナーとしても」

「はい!」



私。

アルナは、人生で初めて恋人として大好きな人が出来ました。

来週は主人公のステータスとスキル一覧を投稿します。

ストーリーの続きは翌週になります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ