表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
136/177

カタクリの町での久しぶり~その4~

カタクリの町で宿、ギルド、協会と主要メンバーが揃った場所への顔見せを済ませ、再度ギルドへやってきました。


で、現在ギルドの訓練場はコンサート会場のようなことになってました。



一応経緯を伝えますと、確かに訓練はしました。

準備運動に魔力操作の基礎訓練、メンバー総勢ごちゃ混ぜ状態で”普段と同じ”模擬戦(乱戦とも言う)をしていたらなぜか周囲で悲鳴が聞こえたり絶句しているようでした。

まぁ、悲鳴に関しては、私たちの模擬戦の余波に巻き込まれたんだろうとは思いますけど。

そのおかげで、個々人の訓練よりも私たちの流れ弾とか余波に備える方がずっと実戦的と思われたらしく全員凄い真剣な顔で私たちに向かって待ち構えています。


とはいえ、迷惑になってるのかと思いきや、そんな状態でも私たちの戦い方で学ぶべきことも多かったらしくすごい真剣な表情になりつつもワクワクした顔で観察していたのでスルーすることにしてます。


で、そんな模擬戦(乱戦)が終わった後、シルちゃんが吟遊詩人として歌い始めました。

そして、その一部で私の【心の歌】と喉のためにデュエット?って言うのをしました。

まぁ、2人で歌うことをそう呼ぶらしい。

ついでに言うと、運動代わりにダンスもしました。

セリちゃん達の故郷に伝わる踊りらしい。

まぁ、オタクさん?って人たちの数種類らしいけど。


そのおかげで、周囲の人たちも楽しそうと判断したらしく私も含めて全員を巻き込んでストリートダンスをしている状態でした。

楽しかったですよ。



で、どうして、それが私の喉のためになるのかと言いますと、私のワザ【心の歌】はご存じとは思いますが喉に負荷が一切かかりません。

歌自体の効果は、私の感情に左右されますが、歌うことに関しては言ってしまうと喉に負荷が一切かからない状態で鍛えることが出来ます。

つまりは、負荷・・と言うより負担のようなマイナス要素がゼロで筋力などのプラスだけなので安全に喉を鍛えることが出来るんです。

例えると筋力を鍛えるとすると一定の負荷を越えると筋肉痛や肉離れ、ひどければ神経がぷっつんしちゃうこともあり得ちゃう。

で、私の場合喉が極端に弱いのでちょっとでも無茶をするとあっという間に吐血します。

そのため、普通に喉を鍛えようとすると出来ることが極端に少ないので鍛えて1増やそうとしてもプラス値は0.1以下となるのでゼロとほぼ同じ。


なので、私にとって【心の歌】はある意味では唯一喉を鍛えることが出来るワザだったりします。

まぁ、喉以外にも肺活量だの何だのとその他諸々を鍛えることが出来るけれど。

とはいえ、地声で喋ることがほぼ皆無なのは変わらないような気もしますし、今のように念話で喋るのに慣れたのでムリして喋られるようにならなくても良いかなーと思ってたりもします。


けどまぁ・・・リムさんから少しでも多く私の地声が聞きたいってお願いされたので頑張ってます。

えへへ//





で、話を戻しますがその中で1人の男性が凄い楽しそうです。

年齢は30くらい?と思われる茶色い髪のお兄さんが目をすっごいキラキラさせてシルちゃんと私をみてます。

もう、キラキラが凄くておめめからお星様が飛び散ってる幻視が見えるほどです。

そのとなりには、40才くらいのお兄さんは主に私をみてます。

と言うより、特訓中が一番楽しそうな感じのお兄さん(年齢的におじさん?)。

どうやら、私が影さんをたくさん出して私も特攻して戦ってる姿に感動した模様。


そういえば、パパってお年は30くらいだった記憶がありますけど、見た目はどう見ても10代後半なんですよね。



「はぁ。師匠、ありがとうございました。」

(フルフル)

一通り歌い終わった後、その茶髪のお兄さんが超興奮状態で私のところにやってきました。

「あなた様がフリージア様ですね!?」

(コクリ)

いつものように淡々と返答してる私と大興奮(半分暴走状態)のお兄さんとの温度差がひどいとアルちゃんがパパの後ろに隠れてつぶやいてる。

「領主様、落ち着いて下さい。」

「え?あぁ、失礼しました。私、この町の領主を務めてますルアンと申します。6年前、この町を救って頂きありがとうございました。」

{私は何もしていませんよ。それを言うならあっちのシャスティとカルナに言って下さい。}

「それでも!それでも、お2人の主はあなた様だ。故に、あなた様に感謝を告げるんです。」

{分かりました。2人の代わりにそのお気持ちを受け取ります。}

「はい!そして、そちらが音の支配者シリル様ですね!?」

はい、次のターゲットはシルちゃんになったようです。

そのキラキラビームでシルちゃんはお顔が引きつってます。

それでも、気にせずにシルちゃんの腕に抱きつくセリちゃん。

「え、えぇ。そうです。」

「そして、あなた様があの天才王子イリス様ですね!?」

「そうだよ。今は公爵だけどね。けど、あなたはとても良い領主だ。ここは凄く良い町だと思うよ。」

ちなみに、パパはそのキラキラビームを平然と受け止めていつものように穏やかにほほえみながら返事をしており、動じないところはさすが親子とつぶやかれましたけど。

「っ!!はい!ありがとうございます!あ!お三方にサインを頂いてもよろしいですか!?」

まさかのサイン頂戴来ましたー。


えぇ、書きましたよ一応。

リリさんとセリちゃんが戯れ程度に私にサインの練習をさせていたことが功を成しましたよ。



「わぁぁ!!ありがとうございます!汚れがつかないようにして、劣化しないように依頼しないとなぁ!あ!額縁に硝子ケースも収納・・いや、設置スペースも考えなくちゃね!」

超大興奮したままこんなことになってます。


で、その大興奮に軽く疲れた顔をしたおじさんが私に話しかける。

「あぁ・・領主様はあなた様方3名の大ファンらしく、ずっと思い焦がれ続けてその思いがバーストしてしまったようです。申し遅れました、この町のギルドマスター予定のテームと申します。」


「おや?マルスさんから変わるのかい?」

パパが不思議そうにそう尋ねる。

この町のギルマスのおじいちゃんの名前はマルスさんでした。

「えぇ。まだからだが動くうちに引退してあちこちを見て回りたいんだそうです。」

好奇心旺盛な人ですからね。

実際、私たちの模擬戦にしれっと混ざってましたし、最初から最後まで凄い楽しそうでしたし。

「なるほどね。頑張ってね。」

「はい。マルスさんは長年この町のギルマスを勤めていた猛者です。そんな方の恥にならないように頑張ります。」

聞くと、この町でギルマスになることはそこらの町のギルマスになるよりもずっと大変なんだそうです。

他の町と違ってギルドと領主との結びつきが非常に強いので、ギルマスとしてギルドを維持管理、冒険者の扱いに加えて、領主のお勤めのサポートとして町の経営も行なう必要があるんだとか。


で、そんなところに30年以上勤めていたマルスさんはそのどれも高評価なので凄いお仕事が出来る人なんです。


{マルスさん、ギルマスをやめるんですか?}

「あぁ。色んなところをみたいんだ。と言うよりも、お主の都に行きたいし、クラリティ王国へも行きたいんだ。お嬢ちゃん達のような面白いのがゴロゴロいるのだろう?と言うよりも、ワシはお主の都に住みたい。」

あぁ。

好奇心がそっちに偏ってたんですね。

{そうですね。私の都も種族は様々ですし、私の後見人の方々もいます。それに、クラリティ王国はマルスさんのような方は、歓迎ですよ。大抵同類が集まってるので。マルスさんなら私の都に住んでも構いませんよ。}

「おぉ!そうか。それはありがたい。それに、タダで住み着くわけじゃない。ここで学んだことをお主の都で役立てようではないか。町の経営に人々を統率し、鍛え上げることはワシの得意分野だ。」

{よろしくお願いします。今は後見人の皆さんがして下さってますが、都としての経営は素人なので。・・私も名前ばかりの領主ですし。}

「お嬢ちゃんはまだ幼いんだ。大人に任せておけ。それに、お嬢ちゃんが大人になった頃には楽出来るようにしっかりとして地盤を調えておいてやる。」

それは、ありがたいですね。

マルスさんはこの町の領主さんのサポートもかなり優秀だったそうですし、何より実力者ですからね。

「リアちゃん同類って・・否定しないけど。」

セイちゃんが何か言ってるけど否定は出来ない時点であなたも立派な同類です。

「それは楽しみだ。」

「それで、ここからはどうやって行くんだい?」

「急ぐモノでもないからな。気楽に馬でも借りて行くさ。」

「どうせなら家の飛行艇で送っていこうか?」

「それも面白そうだが、まだ回る場所があるのだろう?」

「では、私が港町まで送りますよ。」

「なんだ。シャスティ、お主喋れるようになったのか?」

「いえ。魔道具で翻訳されているだけです。」

「だが、良いのか?くそ面倒くさいフォレストロードもあるんだぞ?」

「えぇ、その程度であれば2時間もあれば港町までたどり着きます。成長したのはリア様だけではありません。」

「で、その主としての意見はどうだ?」

シャスティは、おそらく自分でお礼がしたいんでしょうね。

{シャスティの気持ちに応えてもらっても良いですか?}

「り、リア様!」

あら、シャスティ恥ずかしがってかわいいですね。

「む?どういうことだ?」

{シャスティは、自分自身でマルスさんへお礼がしたいんですよ。}

「・・お礼ならマフラーをもらった分で十分だったんだがなぁ。まぁ、もらえるものはもらおう。シャスティ、よろしく頼む。」

「え、えぇ。それでいつ出発するのですか?」

「引き継ぎなどは済ませているからな。明後日の朝だな。」

「かしこまりました。こちらはいつでも構わないので準備が出来たところでお声がけ下さい。」


「それにしても、ずいぶんと強くなったな!まさしく影の軍勢だ。それに、イリス様の精密射撃はすさまじいし、そこのメイドも珍しい魔法を扱えるようだ。他のメンツもとんでもないな!」

凄い楽しそうです。

私たちのファミリーは、それぞれの分野で我が国を誇っています。

魔力量とワザの数では私

精密な制御ではパパ

純粋な威力ではリムさん

純粋な剣技ではノクスさん

癒しの力ではセイちゃん

って感じです。

ちなみに、護衛として最も優れていると言われているのはアルちゃんです。

なので、魔力制御や技を磨き上げたりするときはパパが一番なんですよ?

基本的に私が対処しますが。

「マルスさんマジで強ぇ。」

「師匠の軍勢30体を相手に普通に対抗出来るとか・・。」

「がははは!まだまだ若いもんには負けんさ。」

えぇ、そうですよ?

超変則的な私の軍勢相手に普通に相手出来てました。

おまけに時折不意打ちよろしく私が射撃しても対処してたんですよね。

ホントマルスさんは強いです。

「とはいえ、ホントにクラリティ王国って凄いんだな。かなりギリギリだったぞ。」

「ギリギリと言う割に師匠の軍勢相手に軽い息切れで済んでましたよね?」

「慣れだ慣れ。それで、シリルにグリムは早速ワシの意見を取り入れたみたいだな。」

「なんとなく俺は察していたが、マルスさんのおかげでそれが確信に変わったからな。炎の扱いが多少楽になった。」

「俺の場合は、温度の上昇と俺の感情の関係性が分かっただけでかなり魔力の節約が出来たのでありがたいです。」

マルスさんが教えてくれたのは火の魔法の仕組みについて。

聞くと、火の魔法は感情に左右されやすい属性らしく、感情が高ぶると同じ魔力量でも火力は上がり、逆に気持ちが沈んでいると火力は下がってしまうんだとか。

で、氷の魔法については、逆に冷静であればあるほど威力は増し、感情が乱れていると氷は脆くなってしまうんだそうです。


マルスさんは教えるのが上手でとても楽しそうなところは、みんなの兄貴って感じですね。

それにしても、どうして私はここ最近ノラネコ扱いされることが多いのでしょうか?

まぁ、どうでもいいですけど、この獣耳みたいな髪は、猫さんではなくキツネさんのですよ?

だって、その加護をくれたのはキツネさんの精霊さんだったのですから。



で、ちょっと前から考えていたことを丁度良いので聞いてみた。

{マルスさん}

「ん?どうした?」

{遠距離技で何か良いワザはありませんか?}

「む?必殺技的なモノと考えても良いのか?」

(コクリ)

私の属性と言いますかワザは、形作ることに特化しているので万能型です。

なので、必然的に近接系のワザばかりになってしまいます。

一応射撃は扱えますが数でカバーしているだけでワザ単体で言うと牽制適度ですし、遠距離の大技が欲しかったんです。

「そうさなぁ・・。お嬢ちゃんは確か色んなのを作るのが得意だったな?」

(コクリ)

「で、それは影を具現化させているだけと」

(コクリ)

「なら、ドラゴンブレスだろう。」

(?)

「例えば火や雷のように実体に触れないが現象として発生している事例はあるだろう?だが、お嬢ちゃんの場合は実体を作り出している。ならば、実体がない状態で現象として発生させるようにイメージすればまたバリエーションが広がると思ってな。」

「確かに、ドラゴンはトップを誇る最強種ですし、そいつらが得意とするブレスを再現出来れば十分遠距離技としての脅威となれますね。」

{火炎放射みたいなモノですか?}

マルスさんの台詞の後、シルちゃんがそう答える。

「みたいな感じですね。実際ドラゴンのブレスって火の属性が多いですけど、師匠の場合は闇属性をイメージすれば良いとして・・どんな感じになるんだろうか」

「シリルの言う通りだな。実際水のブレスや雷のブレスと言ったそれぞれの属性のドラゴンは自身の属性のブレスを吐くことが出来る。その中でも光属性の場合は、ドラゴンブレスの威力にまで昇華すると対象を消し飛ばすほどの威力となるからな。おまけに、恨み辛みなどは問答無用で強制浄化だからな。アレは、太陽そのものを作り出しているほどの威力だと言われている。」

「そんなに凄いモノなんですか!?光属性って」

「あぁ。故に、一部の説では光属性には火と雷の属性を併せ持つと言われているのだ。」

「あぁ・・太陽そのものを作り出せるほどの威力と言われるほどの火力が火などと特徴が似ているんですね。」

「そういうことだ。元々光と闇は特殊だからな。複数の属性を合わせたモノだという説が最も濃厚だからな。」

そこで、セリちゃんが尋ねる。

「それで言うと、闇属性って太陽の反対だと・・月?それか氷と風って感じですか?」

「よく知っているな。まぁ、そう例えられているだけでどちらもまだ実例と証明されたわけではないのだがな。」

「どうしてですか?」

「扱える者が少ないと言うことも事実だが、それほどの威力にまで昇華出来る実力者がいないんだ。」

「あぁ・・なるほど。」

「とまぁ、色々と言ってみたがアドバイスになれたか?」

(コクリ)

ドラゴンのブレスは実際に見たことないですけど、イメージは理解しました。

「そうか。ならば良かった。」

プニプニ素材の影をメインに作り出してましたし、戦闘時はカチンコチンにもしてました。

けど、霧をイメージした実体がないようなものはあってもそれ自体に破壊力をのせるのは初の試みですね。

とりあえず、火炎放射をイメージして、火とか雷などの属性自体はガン無視しましょう。

で、それぞれの威力で発動した後の結果のみを混ぜてみたら良い感じでは?

ふむ。

良い感じですね。

後は、実戦でやってみればなんとかなりますね。

その時の気の高ぶりで細かい部分の仕様は完成するでしょう。

私のこれまでのワザはどれも実戦でその時の感情によって作られてきましたからね。



と考えつつうんうんと頷いているとなぜか周囲が戦慄してました。

「なんてこった・・また恐ろしいワザが追加されたぞ。」

「美幼女の頭に最恐って単語がくっつくぞ。」

「・・敵認定されないように頑張ろう・・いや、ホントマジで。」

まぁ、気にしない気にしない。

それを見ていたマルスさんは面白いと言いながら爆笑してましたけど。




そこから、休憩して落ち着いたところでお宿に帰りましょうと考えていると凄い勢いで警備のお兄さんたちがやってきました。

「領主様!あ、良かったギルマスもご一緒でしたか!緊急事態です!」

「どうした。」

さっきまで大興奮していた領主さんはキリッとして返答してました。

お仕事が出来るって感じで凄く格好いいけど、さっきまでとのギャップが凄いですね。

「万を越える魔物の軍勢を確認しました!」

「何だと!?」

「種類は!」

「ど、陸と空それぞれにドラゴンが・・それに、獣型、昆虫型です。」

「なんてこった・・」

「その獣と昆虫の種類は分かるか?」

「おそらくですが、犬のような感じで、もう1つはアリでした。」

「どちらも群れを成すタイプだな。それにスタンピート・・トップがドラゴンか・・しかも2種。」

「急いで非戦闘員は地下シェルターへ避難を!戦闘員はこの町を守るために力を貸して欲しい。そして警備に関してはこの町の防衛を強化せよ!」

「そういうことだ。申し訳ないが力を貸してもらえないか?報酬は出せるだけ出す。今この町には最高でBランクなんだ。おそらくはそのアリどもの対応でいっぱいいっぱいだ。」

マルスさんと領主さん、次期ギルマスさんが頭を下げてお願いしてきました。


「うん、良いよ。」

パパがそう答えるとどこか驚いた表情でパパをみてました。

「よ、よろしいのでしょうか?」

「構わないよ。君たちの強い想いは僕たちが総勢で動く価値がある。ね?」

パパが私たちに向かってそう言うと全員で笑顔で頷く。

「あ、ありがとう!ありがとう!!」

「だが、あなた方は先程まで激しい訓練をしており、他の皆もそんな有様だ・・大丈夫なのだろうか?」

「家の治癒・回復師は優秀だから大丈夫だよ。後、栄養剤もあるからね。それに、このくらい問題ないよ。」

お家でしている訓練と比べるとちょっときつめのウォーミングアップ程度ですからね。

そして、セイちゃんがメインで教会側より多くの治癒師と回復師が派遣され、バックで構えてくれることになりました。

また、シャスティのお団子も配布されてそれぞれ食べます。

このお団子は、だが栄養がたくさんというわけではなく、疲労回復にも効果があります。



「凄いな。これはありがたい。それで、そいつらはいつ頃ここに?」

「夜明けになるかと。」

「そうか。ならば、今のうちに休んでおく必要があるな。警備の者たちは交代で監視を継続せよ。」

「はっ!」



こうして、私たちは万を越えるほどの超大型スタンピートを相手にすることになりました。








そして、翌日

それぞれの魔物の情報が判明しました。



デモンスカイドラゴン

悪魔化した全長50メートルのドラゴン

その巨体で地上戦よりも空中戦を得意とするドラゴンだが、その体格にふさわしい力と頑丈な体を持っている

獲得部位:魔石、魔核、鱗、骨、牙、爪、肉、皮膜、大悪魔結晶



デモンアースドラゴン

悪魔化した全長70メートルのドラゴン

空を飛ぶことが出来なくなった代わりに頑丈さと力強さが他のドラゴンと比べても圧倒的

獲得部位:魔石、魔核、鱗、骨、牙、爪、肉、皮膜、悪魔結晶



タイラントワイバーン

10メートルサイズにまで巨大化し、半悪魔化していることも影響し、爪と牙、鱗が通常種よりも強化されている

非常にどう猛であり、1体いるとタイラントワイバーンとワイバーン関係なく集まってくる

獲得部位:魔石、牙、爪、鱗、皮膜、骨、肉、、悪魔結晶の欠片、稀に火炎袋



アーミーグラフィシ

5メートルサイズのハイエナであり、最低でも500体規模の群れを作る。

また、非常に子だくさんであり、群れから離れることもないため、3日放置すると数は軽く倍加することで有名なので数はあまり当てにならない。

また、半悪魔化しているため、通常種よりも動きが素速くなっている

獲得部位:魔石、毛皮、牙、悪魔結晶の欠片



アーミータイラントアント

3メートルサイズのありであり、非常にどう猛

半悪魔化しているため、通常種よりも体は非常に硬くなっている

群れの規模は、最低でも3000体であり、数が増えやすく、群れ同士が1つにするため、最低数はあまり当てにならない。

獲得部位:魔石、甲羅、悪魔結晶の欠片




悪魔結晶

負の感情と様々な状態異常、呪いの塊が結晶化したモノ

上手く活かそうとしてもどれも呪いの品になり、そのまま放置していても魔物ホイホイになるので破棄する以外どうしようもない困ったアイテム








なぜか悪魔になっている個体が非常に多いようです。

数は、

デモンスカイドラゴン   1

デモンアースドラゴン   1

タイラントワイバーン   8000

アーミーグラフィシ    5000

アーミータイラントアント 10000



ただし、下の3種類は端数を切り捨てた数なので、細かく言うとまだまだいます。

どうやら、元々群れる個体が集まっていたことも原因のようですが、運が良いのか悪いのか長い年月生きてる個体のせいで更に群れが巨大化していた模様。

悪魔化していると、通常の個体よりもずっと強力になるのに加えて、凶暴性が増すんだそうです。

その分、アイテムの質は良いようですが、悪魔結晶というモノを落とすようになるらしい。

端的に言うと悪いモノ、ことが結晶化した代物で、完全破壊する以外どうしようもないアイテムなんだそうです。

道具を造れば必ず呪われた一品になり、放置すれば魔物ホイホイとなり、下手に持ち歩くと悪魔にはならずとも悪の心に支配されて魔人に強制進化してしまうんだとか。

何と言うはた迷惑な・・・。

で、その結晶の欠片ですが、効果は結晶よりも低いらしいですが数がそれなりに揃うと結晶になるので同じ扱い。

むしろ、欠片のままだと周囲から負の感情などを集め、結晶になろうとするので場合によっては結晶よりもたちが悪いらしい。

また、稀に悪魔結晶の更に上位である大悪魔結晶というモノがあるらしい。




「なんて数だよ・・」

「イリス様、この場の指揮を頼んでもよろしいでしょうか?ワシもイリス様の軍門に降ろう。」

マルスさんも出陣するようです。

「うん、分かった。じゃあ、全体の指揮を僕がとるよ。冒険者のみんなも良いね?」

全員「はい!」

「で、僕たちのファミリーに関してはリアちゃんお願いね。」

(コクリ)

私たちエトワールファミリーは少数精鋭部隊ですからね。



「リア様、ご指示を。」

{出し惜しみ無用です。最初から全力でやります。私も奥の手を使います。}

「っ!かしこまりました。」

{シャスティたちは全員全力状態でお願いします。全員前戦で全力を尽くして下さい。セイちゃんはパパと一緒にいて下さい。リカルさんとアルちゃんはセイちゃんのフォローをお願いします。}

「私は、イリスさんのところで治療すれば良いんだね?」

(コクリ)

{その方が全体の見回しもしやすいでしょう?}

「まぁね。」

「で、貴重な回復要員でもあるセイちゃんを私とリカルさんで守るんですね?」

(コクリ)

「そうだ。教会から治癒師と回復師が来る。セイ、お主が指揮をとれ。」

「分かりました。」




「けど、なんで悪魔化したのがこんなにも・・・」

「偶然・・と思いたいけどね。」

「イリスさん、何か心当たりでも?」

「んー、と言うよりも何十年に数回は地獄から悪魔が悪さしにやってくるそうなんだよ。で、その余波で悪魔に変化してしまう固体もいるんだ。」

「じゃあ、今回はその余波を受けて・・と言う可能性が?」

「十分高いと思う。」

{と言うよりも、あのデモンスカイドラゴンはあの中で群を抜いて禍々しいモノを感じるのですが、その悪魔を食べちゃった可能性はあります?}

「あぁ・・うん。その可能性が高そう。・・・・これは、本気で頑張らないとこの町どころかこの大陸が滅ぶね。みんな!全力で勝つぞ!!」


全員「おう!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ