写真撮影と散策
ラウさんの提案によって私たちは町の散策を行ないながら写真を撮ってもらうことになりました。
撮るのは、ラウさんを除いた私とカルナ、シャスティ、翠ちゃんだけのようです。
町には色んなお花がありました。
隙間たる隙間に色んな種類のお花が植えてあったり、壁全体にツタ系のお花を張り巡らせてたり、お花のトンネルとか敷地内を見えないようにするためのもお花だらけで見えなくしてたりと。
他にも、アクセサリー系とかお洋服に髪飾り系とか。
魔道具でわざわざ空中にお花が空からヒラヒラとふってくる幻覚を保存してるのとか。
そして、そのお花だらけは食べ物にも影響されてた。
食べ物をわざわざお花の形に切ってたりとかがほとんどだけど、偶に本物のお花みたいにすごく細かく作ってあったりって言うすごいのもあった。
それで私たちは適当に露店でお買い物して食べたり色んなのを見て回りながら写真を撮影してくれる人を捜してます。
と言うより、そう言う人たちが集まる場所がいくつかあるらしい。
とはいえ、数人ずつの小グループで町中のあちこちにいるんだとか。
それは、お客さん争奪戦とかになるからばらけてるんだって。
普通は、写真を撮る人たちは色々とこだわりがあるらしいから自分たちからこの値段で写真を撮りましょうか?っていう売り込みって言うのをするのはほとんどない。
と言うよりそんなことするのはゼロに近いらしい。
・・・・で
「私なら銀貨1枚で人数分の写真をサービスでお渡し致しますよ!?」
「こちらは、2枚、銀貨1枚で本日中に写真をお渡し致しますよ!」
「はぁ・・・・なんで滅多に集まらないはずの野郎共が集まるんだろうなぁ・・・」
「まぁ・・気持ちは分かりますがねぇ・・・」
なぜか、その自分を売り込む人がわんさかと集まってきます。
途中から翠ちゃんが私の両耳を自分の体を使って塞いでるのでほとんど聞こえてないけど、両耳と頭がプニプニしてます。
で、カルナとラウさんがその売り込みメンバーとなんかお話しをしてる間、私は聞こえないし暇なので翠ちゃんとシャスティをもふもふプニプニして時間を潰す。
そして、カルナが話が終わったらしく私に話しかけて来た。
「~~~~~~~!~~~っ!!!」
なんて言ってるか分かりませんね。
翠ちゃんによるプニプニカバーによって何も聞こえません。
と言うわけでちょっと耳から離れて下さい。
「と言うわけで、あの姉ちゃんに銀貨5枚で写真を3枚、即日で渡してくれるってことになった。んで、ギルドカードに好きな写真を保存してくれることになった。」
最初辺りは分かったけど、最後のカードに保存ってどういうこと?
首をかしげてるとシャスティが教えてくれた。
「にゃ~にゃ(ギルドカードにはステータスが表示されますが、それと同じように写真の映像を見たいと願うだけで見れるように出来るらしいですよ?)」
なるほど。
じゃあ、お母さんの写真と一緒に出来るかな?
-大丈夫みたいだよ?10枚も20枚とかはムリみたいだけど数枚くらいなら-
なるほど。
じゃあお願いしましょう。
「よろしくお願いしますねお嬢様?」
写真のお姉さんは、スレンダーな人でした。
なんというか格好いいです。
カルナが言うには姉御系で、口調は優しい系らしい。
(コクリ)
「では、こちらへどうぞ」
そして、お姉さんに連れてってもらった場所は喫茶店みたいな感じで、静かな雰囲気が似合う雰囲気のところでした。
と言っても、飲み物がでるわけではなくあちこちに色んな人たちの楽しそうな様子の写真が壁に立てかけられていた。
すごく楽しそうで幸せそうな笑顔に溢れていてすごく良い写真だと思う。
素人の意見だけど。
「壁に掛かっているのは私がこれまで撮ってきた人たちの中ですごく笑顔が素敵な人たちのを特別に飾らせてもらっているんです。・・と言うのが表向きで本当は、私自身が上手くとれた分なんですけどね。それでお願いしたいことがあるんです」
「どうした?」
「お嬢様の写真をここで飾らせては頂けませんか?当然、ここに飾ってある人たち同様ここで見た写真の人たちに関しては一切詮索しないと言うことが約束ですが。」
「フリージアどうする?」
別に構いませんよ?
(コクリ)
「良いらしい」
「ありがとうございます。」
「けどさ、よく俺等の依頼をOKしてくれたよな?他の奴らがあんたはなかなかOKを出さないって有名だって言ってたぞ?」
「あぁ・・理由は、その人たちの本質を見てしまうからなんですよ・・どうしても人を撮る仕事なので。人によっては情報が漏れて余計なことをする人だっている場合もありますから。」
「人を選ぶ・・というより、選別するからなかなかOKを出さないわけか」
「はい。ですので、お嬢様ほど私が撮りたいと心の底から思う方は初めてです。あ、早速ですが始めても大丈夫ですか?」
(コクリ)
「あ、俺はどうしましょうか?俺は一緒に映りませんから」
「よろしいのですか?」
「えぇ、俺は同行させてもらってる身ですから」
「無理強いはしません。なので、静かに邪魔をしなければ好きにして頂いてよろしいですよ」
「では、端の方から見てますね」
「構いませんよ。こちらへどうぞ」
案内された場所は地下室
壁は真っ白で何にもないとこです。
「何にもないんだな。」
「実はこの部屋全てに魔法が掛かっているんです。えい!」
ぽちっていう音がすると部屋が変わった。
真っ白だった天井は満天の星空
壁側と地面には色んな色の透明感がすごくきれいな水晶と、様々な色の種類のお花がたくさん咲き誇っていた。
なのに暗いと思わないほど明るい。
その水晶がふんわりと光っていることと、天井のまん丸で、通常の何十倍も大きな青いお月様、白い虹である月虹とお星様が明かり代わりとしてキラキラと光っていた。
きれい。
毎日眺める星空よりもはっきりと見えていてすごくきれい。
水晶もお花もどれもきれい。
すごい好きだ。
私が見惚れているとカシャカシャとものすごい回数の音が部屋全体であっちこっちから聞こえていた。
でも私はその音すら気にならないほど見惚れていた。
カルナがここに来るまでに色んな自然の軌跡を見せてくれたけど、これが・・この光景が一番私好みかもしれない。
私は不意に懐からお母さんの写真をとりだした。
お母さん。
見てる?
見えてる?
神様も一緒に見えるかな?
すごくきれいだよ。
もう叶わない夢かもしれないけど、いつかお母さんとこんなきれいな景色を一緒に見えたいな。
天国から見守ってるんだよね?
私頑張るから・・・いつかお母さんと会うことが叶うのなら
すごくきれいだったねって思い出話がしたいな。
すっと私の瞳から涙がこぼれる。
知って欲しい。
伝わって欲しい。
私のこの気持ち・・天国にいるお母さんに知って欲しい。
私は今初めてお母さんを亡くした悲しみを心の底から感じている。
こんなにきれいなのにどうして一緒にいられないの?
でも駄目だって知ってるし分かってる。
お母さんだって必死に生きたんだ。
体が弱い中私を産んでくれたんだ。
死ぬかもしれないって知っていたのに産んでくれた。
だからお母さんありがとう。
私一生懸命生きるよ。
いっぱい生きて
いっぱい楽しいことを、思い出を作っていつかお母さんと直接お話しする時にいっぱい話を聞いて欲しいな。
だから、今は天国から見守っててね。
さみしいよ。
悲しいよ。
でも、私は負けない。
いっぱい生きるから。
精一杯生きるから。
カルナとシャスティと翠ちゃんたちと一緒に。
私、もっとお母さんのことを知りたい。
もっと世界を見たい。
お母さん、大好きだよ。
改めて、お母さん私を命がけで産んでくれてありがとう。
これからずっといっぱい頑張るから見守っててね。
私はそっと胸にお母さんの写真を抱きしめて写真を再び懐にしまう。
ふんわりと杖さんが光って私を応援してくれた気がした。
うん
いっぱい頑張るから杖さんも手伝って、一緒に頑張ろうね。
すると、翠ちゃんが私からそっと涙を吸い取ってくれた。
私はお礼を込めてすりすりとほおずりをする。
それからシャスティとカルナがやってきたのでなでなでと撫でる。
あぁ
私は幸せだ。
幸せ者だ
こんなに優しくて頼もしくて素敵な子たちがそばにいてくれるんだから。
私は生まれて初めて心の底から自然に笑顔を作り出していた。
-ラウ-
色んな意味で言葉を失った。
この部屋の仕掛けもとんでもなかったし、映し出される映像もすごくきれいだった。
けど、その後のフリージア様がどこまでもきれいだった。
溢れる涙もどこか遠くを見つめる姿も、その全てがきれいだった。
その姿はペチュニア様との思い出が自然に思い出させるくらいすごく似ていた。
あの幼い姿なのにペチュニア様と重なって見えたほどだ。
そして、涙が流れ終わった後、俺は初めてフリージア様の笑顔を見た。
見ることが出来た。
その笑顔は言葉に言い表すことが出来ないほどきれいで素敵だった。
そして、写真を撮ってる女性も見惚れて固まりそうになる前にすごい必死に撮影していた。
手で持っている写真を撮るための道具と、部屋中にあちこちに仕掛けられているらしい撮影用魔道具によって。
それから、撮影はフリージア様たちが満足するまで続き、部屋の映像もそのまま続いた。
と言うよりも、フリージア様の笑顔と涙を見た後では途中で部屋の仕掛けを途中で切るのを非常にためらわれたというのが本音だったらしいが、時間を忘れるほど夢中になれたと後に教えてもらった。
・・・そういえば、写真の女性は元々フリージア様のことをお嬢様というのは冗談とかで笑いをとるためにやってたとこっそりと教えてくれたけど、フリージア様のスルー力がすごすぎてさらっと聞き流されてた。
個人的には、そのスルーして普通にそのまま返事(と言うか反応とか、リアクション)をしてる様子は、本当のお嬢様のような感じだったと思う。
-フリージア-
周囲の光景に見惚れていて撮影のことをさっぱりと忘れていたことを途中で思い出し、写真のお姉さんの元へ向かった。
「スマン。マスター同様見惚れていて写真を撮ってもらうのをすっかり忘れてた・・」
カルナが申し訳なさそうに話した。
けど
「いえ、既に十分な量を撮ることが出来ましたから大丈夫ですよ。」
「え?そうなのか?」
「えぇ、結構な数のカシャカシャという音が聞こえていたと思うのですが・・」
「あぁ・・そういえば聞こえてた気がする。あれか」
「もうよろしいのですか?」
「何がだ?」
「この部屋の映像ですよ。とても気に入って下さってたようなので・・」
「フリージア・・どうする?」
もう十分見たから大丈夫。
(コクリ)
「分かりました。」
そして、再度ぽちって言う音がして部屋は元の白い部屋に戻った。
それから、この部屋から出て面の喫茶店みたいな部屋に戻った。
「それで、写真は3枚と言ったのですが、お礼としてたくさんプレゼントしますね。」
「お礼?」
「はい。あれほど見惚れる光景は生まれて初めてです。そんな光景を撮ることが出来たお礼ですよ。ありがとうございますお嬢様」
(?)
「お嬢様の笑顔も涙もあのとき限定のようですね。」
「フリージアは見ての通り過去に色々あって無表情無感情なんだ。だから、相当強い感情が芽生えないと表情に出ないんだよ。」
「そうでしたか。」
「では、2~3時間ほどお待ち頂けますか?それとも、どこかを散策しますか?」
「いや、ここで待たせてもらうよ。こうして待つ時間も悪くないからな」
「わかりました。ではごゆっくり。あちらに飲み物があるので好きに飲んでくださって良いですよ」
「ありがとうな」
「いえ」
それから、待っている間シャスティのブラッシングをのんびりとしてたり、カルナと翠ちゃんを撫でたり他愛ない話をしたりしながらのんびりとした時間を過ごした。
そして、2時間後お姉さんは戻ってきた。
「お待たせしました。どうぞ」
写真は数種類あった。
どれも撮影するアングルとかが全部違っていて、私の表情も様々だった。
見惚れている姿、
涙を流しながらも笑顔だったり、さみしそうにしていたり、遠くを見るような姿も。
そして、私ですら驚くほどの自然な笑顔。
それらがバックに映るのがどれも被らないように全部バラバラだった。
一通りの写真を3枚ずつもらうことが出来た。
元々は全部で3枚だったけど、1種類3枚ずつで全部で10種類・・つまり合計30枚もらいました。
予定よりいっぱいもらったのに渡すお金は最初に約束したお値段で良いのは、お姉さんが建物の中に私の写真を飾るって言うことに対してのお礼とか等価交換?っていうことらしいです。
そして、それらの写真を収納するためのアルバム型の魔道具をもらった。
それは、一見ページのない見開き2ページ分だけの本だが、その中には写真と手紙のみが保存出来るもので、そこに入れたのはきれいなまま保存され、見たい時に取り出すことも取り出さずに見ることも出来る優れもの。
大きさは、はがきサイズより3分の2くらいの大きさってカルナが言ってた。
写真自体ははがきサイズなのにその中に収まるのは不思議ですね。
魔法だからそんなモノだって言われちゃったけど。
それから、
「では、この中でギルドカードに登録したい写真を選んで頂けますか?」
「フリージア」
私は、自分なりに一番笑顔で良いかなって思う1枚と、お母さんの写真を渡した。
私が選んだ写真は、背景には上にお月様が半分ほど、中央から下にかけて、水晶とお花があり、私が自然な笑顔でカルナとシャスティをなで、翠ちゃんが私の頭の上で楽しそうに弾んでる光景だった。
「良い写真だと私も思いますよ・・・それと、こちらの女性は?」
「あぁ、フリージアの実の母親だ。」
「すごくおきれいな方なんですね。」
「フリージアの唯一の宝物で、形見だからな」
「あ・・そうでしたか。では、この2枚をしますね。」
お姉さんは瞬時に私のお母さんが既に亡くなっていることを察してくれて聞かなかったことにしてくれたんだってカルナが後で教えてくれた。
そういうのがさりげない気遣いなんだって。
そして、ギルドカードを渡すとそれと写す写真2枚を重ね、ハンカチっぽい魔道具をかぶせて魔力を流すと
「終わりましたよ。はい。写真です」
写真には何も変化はなかった。
写真はとりあえずもらったアルバムの魔道具に収納しました。
ぱっと見は、ギルドカードに変化はないですね。
・・いや、ちょっと違うかも。
ランク:E
名前:フリージア・エトワール
性別:♀
年齢:5
種族:半異世界人
職業:賢者、協奏師
称号:絶望を知る者、幻獣の家族、変態紳士ホイホイ、英雄賢者の正統後継者
属性:陰
体力:E
魔力:C
攻撃:F
防御:E
俊敏:F
練度:C
技:【影操作】【魔力反射】
自動技:【圧縮記憶】【思考速度上昇】【並列思考】
魔道具:賢者の杖、教会の腕輪(EX)
写真:フリージア・エトワール、ペチュニア・エトワール
契約
【幻獣】八咫烏:カルナ
【幻獣】ガルディエーヌ・キャット:シャスティ
【妖精】オニキス・ゲル:翠
加護
母の溺愛、母の過保護、元英雄賢者/現神様のお気に入り
カードに登録した私とお母さんの写真の部分が表示されてる。
と言うよりも、私が写っている写真の隣で優しくほほえんでいるお母さんが一緒に並んで映っていた。
まるで一緒に写真を撮ったかのように。
データとして保存出来る人は少ないし、普通に写真をもらうよりもお金が掛かるらしいけど、その代わり、いつでも見れるというのもあるらしい。
そして、複数登録した写真は良い感じに1枚の写真のように自動的に統合されるようにされるらしい。
故に、今回の私のように親と一緒にいることが出来なかったり、他にも離れ離れにすごしてる人たちからすれば、写真のデータだけでも一緒にいたように感じさせることが出来ると密かに人気が高い。
そして、感謝される度合いが半端じゃない。
お姉さんは、そんな私みたいな人たちが幸せそうにしてる姿を見るのが密かに楽しみなんだそうな。
お姉さんありがとう。
写真だけでもお母さんと一緒にいることが出来たよ。
それに、お母さんのことを改めて考えるというか、思い出に浸ることも私自身のお母さんに対する気持ちを呼び起こすことが出来た。
無意識に抑え込んでいた気持ちが今回をきっかけに呼び起こすことが出来た。
カルナが後に、私が気持ちを表に出す(表情に出す)ことが出来るきっかけになって今回はとても良い機会だったって言ってた。
それと、ネームタグの時だと、フルネームとギルドランクだけだったのが、さりげなく銀が白に染まった色・・えぇっと、白銀色っていう色で縁取りされていた。
縁取りされるのが写真を登録したという証拠らしい。
「はい。これで完了です。」
「あ、これ料金な」
「確かに頂きました。では、これらの写真を飾らせて頂きますね。」
「全部か?」
「えぇ、選別してお渡しした10枚全部ですね。」
「贔屓っぽく見えないか?」
「大丈夫ですよ。人によっては数枚だったりするのは結構ありますから。それに、同じ場所に飾りませんよ。地下室へ向かう途中の壁だったりこの部屋でもあちこちにしたりと」
「そういえば、バラバラだったな。」
「気分と言えば気分なんですけどね。」
「良いんじゃないか?気に入ったようにして。俺等のことはあまり他人に言いふらさないようにしてもらえれば良いよ。その写真もここで見るだけに止めてもらう程度だからな?」
「当然ですよ。それに・・・」
「それに?」
「こんなにかわいくてきれいな写真!!これを超える作品を撮影するチャンスと!!運と!!何より私自身が巡り会う自信がない!!これを超えることは皆無!!そして!!お嬢様以上の被写体はこの世に存在しないと私は自負します!!!フンス!!」
胸の前で両手をぎゅっとグーにして元気よく叫ぶお姉さん。
そして表情はとても晴れやかで満足そう・・・と言うより、自信いっぱいっていう感じ?
今回の写真はかなり自信があるらしい。
「あぁ・・・・これは・・相当だな・・良い感じにとれてるのは分かるし、フリージアの心のそこからの笑顔は俺もシャスティも産まれて初めて見るから気持ちは分かるが・・」
「気持ちは俺も分かりますよ・・と言うより、カルナさんもシャスティさんも初めてだったんですか?」
「あぁ。見ての通り無表情無感情が通常モードで、ちょっとやそっとの感情じゃ表情に出ないからな。本人がその感情だけで心がいっぱいになるほど強い気持ちじゃないと表に出ないんだよ・・ってか、わからん。」
「なるほど・・じゃあ、アレは相当うれしかったってことなんですね。」
「そういうことだ。」
そして、写真館を出ました。
建物を出る前にお姉さんにいっぱいお礼の言葉をもらいつつ優しくぎゅっと抱きしめてもらいながら頭を撫でてもらいました。
お姉さんは白っぽい水色の髪をしたおとなしそうな雰囲気の人で、おっぱいはC寄りのBくらいでした。
大きさは関係なく気持ちが良いですね。
ふよふよとする感触とお姉さんの優しい気持ちがすごく心地が良いです。
私も大人になればおっぱいおっきくなるかな?
お母さんはEくらいですごいおっきいから将来的には期待出来るらしいので頑張りましょ-!
と密かに決意してみる。
その後は、普通に町の中をのんびりとマイペースに観光することが出来ました。
主に私のペースにみんなが合わせてくれて。
ちなみに、その後からはあの写真を撮ってあげましょうのラッシュは来ることはなかった。
理由は、私が首に下げているギルドカードであるネームタグが白銀で縁取りされているから写真を登録済みと分かったと言うことが理由。
つまり、ギルドカードが縁取り→写真を登録している→写真を撮った→どこかの誰かに既に撮ってもらっている→2人以降はさすがに受けないだろう・・
って言うこと。
けど、ちょっとお店を覗いただけなのになぜに私はお花の小さなストラップとかキーホルダーとかそう言うタイプのだったり、食べ物をくれたりする人が多いのだろうか?
まぁ、カルナが大抵いらないと言って、ラウさんもやんわりといらないと伝えて受け取り拒否してるけど、大抵はその隙に他の人が渡して返そうとする前に去ってしまったり、気持ちだから!とか言って強引に押しつけて逃亡とかが多かったりする。
むぅ・・
何気に翠ちゃんの収納空間にそういうのが増えちゃいます・・。
それに、私いっぱい食べれないから持て余しまくってるので、ほとんど翠ちゃんがメインで食べてくれてる今現在。
と言うより私は一口食べれば後はムリって感じなんだよね。
タダでさえ、前よりは食べるようになったと言ってもそれでも私の年頃の子たちの平均の7割くらいしか食べれてないから。
まぁ・・翠ちゃんは一番いっぱい食べるから気にしなくていいかな。
くれる人たちもシャスティが強襲をかけないほどにはいい人っぽいから。
後一番多かったのは花束でした。
人によってその花束は飾られているお花の種類も本数もラッピングされてるリボンとかも違っていました。
それと、お花がいつまでもきれいに保たれるようにする為らしく(いつものようにカルナ談)どのお花も全て乾燥されてました。
お花とかの植物は中に存在する水分とかを抜いてあげると物理的に壊れない限りはきれいなまま枯れずに長持ちされるんだそうです。
だから、この町はお花が中心に栄えているからお花を売ってる人たちのほとんどはお花を乾燥させる魔法が扱えるかそのための魔道具を持っているんだって。
なんでみんな私に色んなのをくれるんだろうね?
カルナもラウさんも私の代わりに要らないって言ってくれるのにね?
そして、翠ちゃんの収納空間にいっぱい増えちゃいます。
どうしましょうね?
アクセサリー関係もお花関係も持て余しちゃいますね。
お金もちょいちょい受けている依頼とか特訓で倒してる魔物のアイテム類を売ってどうにかなってるからそれらを売る必要もないんだよね。
っていうより、町でお買い物したり何か食べようと注文しても大抵の人がサービスしてくれたりついでに買ってくれたりと意外とお金を出したとしてもかなり少なくてすんでたりする。
カルナたちがそれに対して頭を抱えてたりするけど、シャスティは
「にゃあにゃ(当然ですね。貢ぎ物は喜んで受け取っておきましょう。)」
って言ってた。
気にしないでいいみたいです。
そんなシャスティの反応もカルナにとっては悩む種の1つだったりするのは私が知らない話し。
まぁ、とは言っても私がアクセサリーとかで着飾るなんてことはないし、する気もない。
それに、翠ちゃんに【溶解】で食べてもらおうかとも考えたけど、いざって時のためにとっとけってカルナに言われたので翠ちゃんの胃袋に収納してもらったままです。
たんすのこやしになるって言うらしいよ?
翠ちゃん自身も強くなってるから収納する量も増えてるらしいから良いらしいしね。
とりあえずは気にしないことにしましょう。
でも何でみんな私に色んなのをくれたり安くしてくれるんだろうね?
私の称号のおかげみたいだけど、それでも不思議。
ん~
私はたいしたこと出来ないからプレゼントされても損しちゃうばかりなのにお返しは何もいらないって本当に本心から言ってるから余計に不思議。
ラウさんも苦笑いしてるけど、素直にお礼を言ったらそれだけでも十分お礼になるからと言われてるのでカルナたちの要らないアピールを無視して渡す人たちには一応頭を下げてお礼をしてます。
でも、その時ってどの人もすっごいうれしそうなんだよねぇ。
プレゼントしてくれるのも男女問わずって感じだし・・・とりあえずこの話はここまでにしておきましょう。
悩んでもどうしようもないもののような気もするし。
-ラウ-
いやーフリージア様への貢ぎm・・コホン!プレゼントする人たち多いなぁ・・・
しかも、割引してくれるのは買い物したところでは9割は普通だったし、割引せずにサービスしてくれるのはほぼ全部だったし。
やっぱりホイホイ系の称号は持ってるって感じで確実っぽいな・・うん。
と言うよりも、渡すのが男連中は分かるが、女性連中もって言うのがフリージア様さすがって感じか?
とりあえず、イリス様へ報告書と一緒に写真を送信した。
俺がちょくちょく使ってるこの送信してる魔道具は、紙媒体とそれに関連する記録用の魔道具のみを指定された場所だけに転送出来る代物で、世間的には結構高価で金貨数枚するとかしないとかっていわれてるやつだ。
で、運が良いことに俺自身もフリージア様の貴重な笑顔と、とてもきれいだと素直に思ってしまった涙の写真を手に入れることが出来た。
おまけに結構な種類を一通りだ。
それらを、俺がもらって、別にイリス様へ今回の報告書と一緒に送ってしばらくしてからイリス様へ口頭でも報告するために通信用の魔道具を起動させた。
-すごいね!すばらしいね!まさしくペチュニアさんの娘だよ!!すごく良い感じに撮ってるね!!その写真を撮ってくれた女性には密かにお礼を渡しておこう!!そういう風に手配はこっちでしておくよ!!ラウ!よくやってくれたよ!!!絶対に間違いなく確実にフリージアちゃんはペチュニアさんの娘だよ!!正真正銘!!僕が保証するよ!!-
なんとなく察してたけどやっべぇ・・・テンション高すぎだろ・・
やっぱり、数日くらい時間を空けてから報告するべきだったよ。
「あ、あぁ・・・気持ちは分かりますが落ち着いてくださいよ・・・」
-あ、そうだったね!失礼失礼!とりあえずラウ、報告を聞かせてもらおうか?-
「はい」
そして、今日の1日のことを一通り話した。
けどさ・・相づちを売ってくれるのはうれしいし、気持ちも分かるけどさ・・・イリス様・・テンションがあらぶりすぎて落ち着いてくれねぇ・・・。
これ、絶対明日のイリス様の業務でフリージア様のことを知らない連中は何があったか相当気になるくらい妙なことになってるかテンションが高すぎるって思われるよな?
大丈夫か?
・・まぁ、イリス様はそう言う部分・・ていうか、感情を隠すのは上手だから大丈夫だろうけどさ・・・うん。
とりあえずは気にしないでいいか。
「というわけで、フリージア様はペチュニア様のことを考え直していたそうだと、カルナさんを経由してこっそり教えてもらいました。」
-なるほどね。極端に感情が高く、1つの感情だけで心が満たされて初めて表情に出る・・・と-
「えぇ。それほどしなければ表情には出てこないらしく、カルナさんたちがフリージア様のことを分かるのは長年の勘がほとんどらしく、翠さんに関してはカルナさんたちよりも心のつながりが強いのか、種族的なモノなのかは分かりませんが、最もフリージア様のことが理解出来るようです。」
-教育係のカルナ、身の回りの世話をシャスティ、メンタルケアと全体のサポートの翠。そして全員が護衛であり、家族か・・・うん、良いチームだね・・いや、家族か-
「俺もそう思います。」
-ラウ自身はその中ではどうなんだい?-
「カルナさんたちにはどれに関しても敵いませんが、カルナさんのサポートと人同士の対処などをメインにやらせてもらってますよ。後は、世間的なモノや・・こう言ったら失礼になるかもしれませんが、動物ではわかりにくい人としての・・世間的には一般的な知識などを提供してます。・・・カルナさんたちは確かに優秀ですが、世間的に・・と言うより、一般市民や冒険者としての当たり前の部分の知識は得意とは言いにくい部分がありますから。」
-その辺りは仕方がないだろうね。じゃあ、カルナが教育係、ラウが教育係のサポートと、世間一般的なごく普通に該当される知識の提供って感じかな?-
「えぇ、そんな感じです。」
-ラウはポジション的にはお兄ちゃんだね。-
「お、お兄ちゃんですか・・・」
うれしいけど、フリージア様にそう言われたら俺・・正気を保つ自信がないんだが・・。
-まぁ、少なくとも邪険にはされてないから、これからもフリージアちゃんを僕の代わりに護って、支えてあげてよ-
「もちろんです。」
-じゃあ、またね-
「はい、お休みなさいませ」
さて、俺も早く寝るか。
明日はたしか、教会でお祈りをして簡単な依頼をいくつか受けるんだっけな。
次回は普通に日曜日に投稿します