2年生
--シリル--
巨大サソリのハルトとライチョウのエクレールを連れてきた経緯を伝えた。
「と言う感じで、何をどうしても離れてくれずにそのまま連れてくることになりました。それで、これが今回のお土産です。」
ちなみにエクレは、俺が名を呼ぶようになるまではしきりに頭の上にいたが、呼ぶようになった・・つまりは、正式に獣魔として認めたところで頭にはあまり乗らないようになった。
・・全くではないのはもうあきらめているが、基本的に肩の上にいる。
で、座ったりしていると基本的に膝の上に移動してくる。
俺の近くにいると落ち着くようで、どことなく表情が穏やかだ。
・・多分俺の属性のおかげで無意識に温度を丁度良くしているから俺に触れていると居心地が良いのだろう。
あの大量の果物と肉は、おいしく頂いた。
ホントにおいしかった。
だが数が余りにも膨大だったこともあり、お世話になったので師匠の故郷の都へ送ることにした。
おまけに1体1体がアホみたいにデカいし・・通常の種よりもデカかったんだよ。
多分変異種って言う通常の個体よりも強くなった奴だったんだと翠さんから教わった。
あの果物の種もな。
魔石と魔核、後木材しか売ってないし。
ちなみに木材は、クランのディフィスが買取募集の依頼があったのでそっちで売り渡しから普通にギルドへ売るよりも多く金を受け取ることが出来た。
「そんな感じで色んな意味で多くの経験をすることが出来ました。」
「結局討伐数はどのくらいあったの?」
「確かミートマンが186体、ツリージャイアントが247体でした。しかも、通常の個体よりもどれも1.5倍くらいは大きかったようです。」
「結構いたね。大変だったでしょ。」
「それはもう・・。」
今回倒した奴らは、範囲の拡大はあっても自ら侵攻することがなかったからEランクの依頼に留まってたらしい。
数だけで言うとほぼ確実にスタンピートだったし。
で、村人達も殲滅と言うより少しでも数が減ってくれれば・・と言う思いで依頼をかけたからEランクだったんだそうな。
そこで俺等が殲滅したからあの村の英雄扱いになってしまったと・・まぁ、気のせいということにしておこう。
「それでこれがジャイアントウッドマンが落とす籠手だね。どうする?ジャイアントウッドの魔石も魔核もあるけど」
見た目はホントにただの木製の籠手。
凄くシンプルなデザインだ。
けどこれ、剣で軽く叩いてもカンカンと金属っぽい音がするほど硬い。
「セリカ用で対応をお願いしても良いですか?」
「うん良いよ。」
「シリル良いの?」
「俺はすでに籠手はあるしな。それに、少しでも防御が高い方が俺も安心するし、その籠手は木製だから軽いし、頑丈さは折り紙付き。それならセリカにぴったりだろ?籠手だから防御でも攻撃でも使いようはある。」
「うん、ありがたくもらうね。」
セリカは、攻撃手段として拳を使うこともあるだろうし、防御として盾代わりとしても問題ない。
むしろ盾よりも場所をとらないし、頑丈さはさておき、木製だからものすごく軽いし使い勝手も良いだろう。
そんな俺とセリカのとんでも依頼は無事に終了した。
ちなみにあの3人とはギルドで分かれている。
彼女たちもいい経験ができたと報酬も大量で果物も肉も手に入ってホクホクだった。
うん、思い出もお土産もしっかり手に入っていいこと尽くしだな。
その分疲れたけど。
で、その日の夜にステータスを確認する。
ランク:D(二つ名=音の支配者)
名前:シリル・クニサキ
性別:♂
年齢:16
種族:異世界人
職業:軽業師、吟遊詩人
副職:絵本作家
称号:異世界に攫われし者、みんなのお兄ちゃん
属性:温度変換
体力:B
魔力:A
攻撃:A
防御:D
俊敏:S
練度:S
衣類:混合岩の装備セット(胸当て、肘当て、肩当て、籠手、臑当て、腰当て、ブーツ)、演者のヘアバンド
武器:吟遊詩人の魔双剣(炎・氷)
装飾:クラリティ王国公爵家の証
攻撃技1:【体術】【感情強化】【切断強化】【貫通強化】【豪脚】
攻撃技2:【凍結】【炎熱】【冷気操作】【熱気操作】
武器1:【剣】【短剣】【二刀流】【双剣】
補助技:【アクロバティック】【虹色の声】【威圧】
自動技:【武器舞踊】【武器舞踏】【絶倫】
契約
【妖精】雷鳥:エクレール
【切断強化】【貫通強化】【双剣】が増えている。
二刀流は違う扱いらしい。
どう違うかはわからんが、説明書きをみれば何か分かるかもしれんな。
他にも技が色々と増えている。
【二刀流】
2つの武器を同時に操る際の練度が上がりやすくなる
【双剣】
2つの剣を同時に操る際の練度が上がりやすくなる
【豪脚】
脚の筋力が日々の鍛錬により鍛えられやすくなり、身体強化で他の部位よりも1.5倍強く出来る。
【凍結】
自身の領域を自由に凍らせることが出来る。
凍らせる温度は魔力操作と自身の想いに左右される。
【炎熱】
自身の領域を自由に炎上させることが出来る。
炎上させる温度は魔力操作と自身の想いに左右される。
【冷気操作】
自由に冷気を操ることが出来る。
その際、冷気は蒼い光の粒子となることで自身の支配下に置くことが出来る。
【熱気操作】
自由に熱気を操ることが出来る。
その際、熱気は紅の光の粒子となることで自身の支配下に置くことが出来る
なるほど。
二刀流とはいえ、双剣は剣限定であり、二刀流は槍でもハンマーでも2つ扱えばそれが二刀流なわけか。
【豪脚】があれば、足による攻撃も移動速度もさらに高めることが出来る。
それと、俺があの光に包まれていたのはこれが原因か。
それに、冷気や熱気を操作して、それを経由して凍らせることも炎上させることも出来るからすごく相性がいいと思う。
それから俺は、少し意識するだけで俺の魔法を操ることが出来た。
証拠として寝転がりながら指先に冷気と熱気を人差し指と中指に集中させてみるとキラキラとして2色の光の粒子が指の周りをクルクルと回りながらまとわりついてきた。
それを指揮棒を動かすように指を動かしながら冷気と熱気を操ると、意識した通りに指から離れて部屋の中をクルリと1周させることが出来た。
飛ばす距離は俺のイメージと練度みたいだ。
よし、これからも頑張ろう。
と言うより、武器の名前が変わってる。
確かミスリルソードが、俺の魔力を登録してたモノだったはずが、魔剣になってる。
吟遊詩人のミスリルソード(炎・氷)
白銀の刀身の全長50センチの直刀の2振りの剣
使用者:シリルを主として認めたため、深紅とディープブルーがマーブル状に刀身に描かれ、それぞれ赤と青の割合が異なる。
定期的に使用者の歌か物語の語りを求めてくる
使用者:シリルの感情の高ぶりに比例し、深紅に多く染まっている側では深紅の光の粒子が溢れ、ディープブルーに多く染まっている側は蒼い光の粒子が溢れるが、
特に自他共に影響はない。
↓
吟遊詩人の魔双剣(炎・氷)
白銀の刀身にそれぞれ深紅とディープブルーがマーブル状に染まっている全長50センチの直刀の2振りの
双剣
それぞれの剣の色は、それぞれ深紅とディープブルーの色の配合が異なる
※2:5:3の割合で白銀:深紅:ディープブルーか、白銀:ディープブルー:深紅となる
定期的に使用者の歌か物語の語りを求めてくる
正式に使用者:シリルを認めたことと、膨大な魔力を込められたことによって魔剣へと変化した。
そのため、契約者:シリル以外が触れるとその者は触れることをやめるまで凍結させるか炎上する。
あぁ、あの戦いで結構の量の魔力を込めたし、俺の気持ちもそれに併せて込めてたからな。
それに、剣が俺のことを助けてくれてたこともあって出力もかなり高まってた。
それが原因か。
それと、俺以外が触るとものすごいやけど・・で収まるか分からんがとんでもないことになると・・つまりは盗難防止機能か・・かなり過激だけど奪おうとするバカが悪いんだし気にしないでいいか。
特に見た目は変わらないんだが、纏う雰囲気というか内包している魔力というかこの剣の強さ的なモノは確かに強くなってる気がする。
ランク:D(二つ名=砕破)
名前:セリカ・アマクサ
性別:♀
年齢:16
種族:異世界人
職業:武闘家、アイテムマスター
称号:異世界に攫われし者、ギャップ萌え、恋は盲目
属性:全強化
体力:S
魔力:C
攻撃:S
防御:A
俊敏:D
練度:C
衣類:魅了の下着、混合樹のローブ、木製の籠手(極)
武器:名無しの魔大剣
装飾:クラリティ王国公爵家の証
攻撃技:【体術】【魔力強化】【切断強化】【貫通強化】【硬度強化】【腕力強化】
攻撃技:【指定強化】【疲労軽減】
武器:【剣】【大剣】【棍】【棒】【槍】
補助技:【鷹の目】【合気】
自動技:【愛欲吸収】
契約
【魔物】ペルラスコーピオン:ハルト
【腕力強化】
腕の筋力が日々の鍛錬により鍛えられやすくなり、身体強化で他の部位よりも1.5倍強く出来る。
【指定強化】
自分自身が指定した対象を強化することが出来る。
強化する対象はそれなりに仲の良い相手限定
【疲労軽減】
疲れにくくなり、疲れが取れる速度が早まる。
木製の籠手(極)
ジャイアントウッドマンが落とす籠手にジャイアントウッドマンの魔石と魔核を込めた代物。
シンプルな見た目の木製の籠手だが、頑丈さはそこらの鉱石を余裕でしのぐ
一見地味だがセリカが新しく覚えた技はどれもセリカの戦い方を知っていると非常に良いものだと思う。
どれを指定させると記載がないみたいで、セリカ曰く魔力でも筋肉でも骨でも精神でも意識すれば強化出来るらしい。
ただ、自分自身ならともかく自分以外を強化する場合はある程度明確なイメージが出来ないと成功しにくいらしい。
それに俺とセリカどちらもステータス自体もかなり伸びた。
だが、伸びた方面は大分俺とかけ離れてきたな。
攻撃部分が高いのは同じだが、俺は主に魔力と俊敏などだが、セリカは体力や防御方面。
文字通り戦法の違いだな。
ちなみに今回の件で金額は金貨30枚になった。
木材もかなりの量があったし、それなりに良い値段で買い取ってもらえたからだ。
で、そのお金を全てイリスさんに渡してマジックバッグを改めて買い取った。
エクレがいるとはいえ、荷物入れはあった方が良いからな。
だが、お金は受け取ってもらえなかった。
仕方がないので貯金することになった。
そして、今回の功績を認めてもらえて俺とセリカはDランクに上がることが出来た。
それと、あの子たちも無事にランクアップ出来たようだ。
討伐数自体は少なかったモノの、あの大群全体の陽動をしたんだ。
それがどれだけ大変なことか分かるだろう。
1体を倒すよりもずっと難しいし大変なことだ。
その点を村人達もしっかり把握していたしそのことも報告と共にしてくれたらしい。
そして、ギルドカードには討伐数が載るのは知っているがこうした戦闘時の全体の陽動だったり村のバリケードの強化など討伐数以外で、ある程度実施した内容が高評価だった場合はそれも載るらしい。
つまりは、貢献度と満足度が評価ポイントという感じのようだ。
・・ホントギルドカードって便利だな。
これまで受けた依頼での満足度の高さと今回の活躍と・・あの村の人たちの崇拝さ具合のすさまじさによる結果のようだ。
・・あの村で俺の石像とか出来ていないことを祈ろう。
ちなみにあの村で俺の石像はなかったモノの、俺の活躍をセリカがいつの間にか事細かに村人達に教えていたこともあり、村の歴史書にそれはそれはホントに凄かったんだという気持ちがこれでもかと込められたかのような文面で書き記され、村全体の教育方針に俺のようになれるように頑張れ、頑張るんだと言われるように・・と言うか使われるようになってたりする。
そして、俺は音の支配者ではなく天使の御使いになっていた。
その理由は、あのとき俺は幼女の弟子と言ったが、それが村人達はクラリティ王国のクテン様、魔鏡姫とは考えずに天使のことだと認識したらしく、今回あの村に俺が行ったのも天使があの村を助けるために遣わせてくれたという扱いになった結果がそれらしい。
その事実を知るのは、大分先のこと。
けど、助けることが出来てホントに良かった。
色々あったし大変だったけど強化出来たし、師匠にお土産も渡せたし俺自身強くなったんだと改めて実感出来たことは幸運だ。
・・その分疲れたし。慢心するつもりはないけどな。
それからしばらくして俺とセリカは師匠に自身のレベルアップを評価してもらったからなのか不明だがニックネームで呼ばれるようになった。
シリル→シルちゃん
セリカ→セリちゃん
である。
尚、そう呼ぶのは師匠だけである。
師匠は性別の有無関係なくちゃん付けで呼ぶことが多い。
実際、あのハディさんや翠さんをちゃん付けしてる時点で相当だと思う。
・・・まぁ、好きに呼んで下さい。
--フリージア--
シルちゃん、セリちゃんとあの2人を呼ぶようにしました。
と言うのも、スタンピートと言ってもいいレベルの数に加えて1体1体はそれなりに強いのがいっぱいいたそれらを殲滅出来ているから実力を評価しただけです。
最近分かったのですが、私は一定レベル以上だと認識・・つまりは認めた相手に対してはちゃん付けで呼んでいるみたいです。
後は、結構親しい人ですね。
それからしばらく時が過ぎました。
リクトさんが卒業しました。
卒業式と入学式は、この学園はものすごくあっさりしてます。
と言うのも、初代学園長が「無駄に長いのって面倒じゃん?ならサクッと終わらせようぜ。」と言うことでものすごくシンプルにしたそうです。
主に卒業した証であるブローチを渡して、おめでとーで終わりです。
普通なら数時間はかかる式なのだとシルちゃんは言ってましたが、ここだと人数によりますが30分もかからず終わります。
下手すれば10分前後で終わります。
ちなみに、この経緯を学園長のおじいちゃんに聞き、家でお話ししたところシルちゃんが頭を抱えてました。
で、ぽつりと「どう考えても俺等の同郷・・何やってんだ・・・」と言ってました。
どうやらシルちゃんと同じ異世界人だった可能性が高いようです。
けど、セリちゃんは凄く良い笑顔で分かる分かるという感じで頷いてましたけど。
それも、シルちゃんが頭を抱える要員の一つだったりするんだけど、まぁいっか。
「リクトさんもう行くの?」
「まぁ、慌てるモノでもないんだけど思い立ったが吉日って言うからね。」
あれから数ヶ月が過ぎ、私たち1年生は2年生になりました。
リクトさんは卒業してからこれまで貯金していたお金で旅支度を調えてました。
リクトさんは考古学者として世界中の遺跡などを調べたり見て回ったりしたいとのことで旅に出るんだそうです。
「それで、フリージアさんホントにこれもらって良いの?」
(コクリ)
リクトさんが今首に巻いているマフラーです。
{そのマフラーは我がファミリーの最高傑作ですよ。}
そう言うと全員が私をガン見します。
(?)
「いや、かわいく首をかしげられても・・。とりあえずどういう効果があるの?」
そのマフラーは、リクトさんの旅の内容を聞き、私たちファミリーが総出で作り出した代物です。
見た目は、クリーム色のシンプルなマフラーですが、隅に私の家の家紋であるペチュニアのお花を刺繍しています。
で、込められた効果は端的に言うと【浄化】【空気清浄】【適温】【疲労軽減】【速乾】【防汚】
軽く説明すると以下の通り
【浄化】
魔力を込めることできれいにする
対象はマフラーのみならず身につけた本人やその本人が身につけた装備品を含む
【空気清浄】
身につけることでどのような環境でも快適に過ごすことが出来る。
対象は、周囲に漂う毒にも有効
【適温】
身につけることで自身が心地良い温度に保ってくれる
【疲労軽減】
身につけることで肉体、魔力、精神などあらゆるモノの疲労がたまりにくくしてくれる
【速乾】
乾くまでの時間が短くなる
【防汚】
汚れが付きにくく、汚れても水洗いで軽く落とせる。
おまけにこれ、修理も軽く編み物とか縫い物が出来れば簡単にできるので、自分で対応してもどこかのお店で修理を頼んでもそれで軽く治せます。
それと、使い勝手の良いサイズにしているので巻き方次第では覆面代わりにもなります。
更にこれ、普通のタオル代わりに扱ってもマフラー代わりにしてもどっちでも使える代物なので非常に使い勝手が良いです。
込められた魔法は、我がファミリー全員がそれぞれの分野で協力して編み出したモノなので世間でそうホイホイ手に入らない超貴重なモノです。
1つ例を挙げると、【適温】はシルちゃんです。
【空気清浄】だと風魔法と浄化と解毒を組み合わせてあります。
【速乾】だと乾かすために火魔法と風、雷魔法
【疲労軽減】の場合、回復と治癒、その他にも水と雷、風の属性の治癒、回復
それぞれの属性の魔法でも回復や治癒の魔法は存在します。
ただ、通常の回復や治癒魔法より劣りますが。
【防汚】は、浄化に土、風、水魔法
と言う感じでぱっと見では気づきにくいですがものすごく精密な魔力制御と威力の調整が必要となるのに加えて、それを1つの魔法を編み出すために複数人で協力する必要があるので更に難しさはドンとアップ。
と言うのを説明しました。
それを聞いて全員が絶句してるけどスルー。
で、リクトさんはそれを聞いて驚きつつも大事そうに首に巻き付けてお礼を告げた。
「確かにこれがあればどんな遺跡にも潜れる・・ホントにありがとう。大事にするよ」
(コクリ)
ちなみに、他のメンバーもうらやましそうにしてたのでちょっとしたご報告
{この作品は、ここまで大量に効果を込めてはいませんが後に販売する予定ですよ。}
「そうなの!?」
「効果はどのくらい込めるの?」
{【浄化】【適温】【速乾】【防汚】くらいですね。}
それに2つ追加されているリクトさんのマフラーはホントに特別製。
正しく言うと数種類出します。
お値段で段階を分ける感じですが、まずその4つの効果が1つずつだけ込められているモノ
次にそれらがそれぞれ2種類ずつ込められているモノで6種類。
で最高ランクで4つ全部
お値段は、1種類だと銀貨2枚、2種類だと5枚、4つ全部だと13枚となります。
また、浄化は銀貨1枚です。
1種類で1枚だと2種類で4枚じゃないのかと思うかもしれませんが、複数込められているモノはその分凄い代物なので純粋に倍にはならないんです。
技術費用がその分かかるし大変なんです。
・・・とパパが言ってました。
後、刺繍の部分は私の趣味でその時次第でコロコロ変わります。
「確かにこれは欲しい。」
「だよね。」
所謂魔道具扱いになるわけですが、どうやら縫い物・編み物を魔道具にするという考えはない模様。
防具代わりにお洋服にすることはあってもマフラーやニット帽などの小物類にすることがないんだそうです。
だから余計に私の特許扱いにあったわけですね。
ちなみにこのマフラーも同様に特許扱いされるようになるのは余談。
と言うより、私たちのような実力者が総出で協力しなければ作り出せない魔法ばかりなのでちょっとやそっとでまねして作ろうとしても大けがするだけです。
後、縫い物に私の家の家紋が付いたモノは世間では特別な扱いになっているらしい。
まぁ、家紋を縫い付けること自体が貴族としてはよくありますがそれは自分の家系の一員かその家族と懇意な関係だと言う意味でもありますし。
そんな感じでリクトさんはクラリティ王国から出発しました。
実家がある場所とは反対方面へ向かい、世界をぐるっと回ってからお家に帰るんだそうです。
ご実家の方々にはそう言ってるので問題ないそうです。
と言うより同類が集まってるから言わずとも察してくれるとはリクトさん談。
「今年はSクラスには誰もいなかったな。」
「毎年いるモノではないんですね。」
「まぁな。グリムさんの時なんて俺等が入るまですれ違う感じでいた程度で他はいなかったらしいし」
「そうだったんですね。」
「そうなると私たちみたいに3人まとめてってかなり珍しいんですね。」
「まぁなぁ。軽くこの学園の過去をさかのぼっても一握りじゃねぇの?」
「それほどなんですね」
「それくらいこの学園のSクラスは特別なんだよ。」
「にしても、シリルさんたちあれからずいぶんと人気者になったな。」
「そうよね。ミートマンとツリージャイアントのスタンピートを壊滅させてから拍車をかけてるわよね。」
シルちゃん達が自分でわざわざ自慢をするような人たちじゃないので言ってませんが、周囲はちょっと聞きつけると嬉々として言いふらしたくなるモノ。
主に、私の弟子と言うことで注目されてるのに加えてシルちゃんは音の支配者という吟遊詩人として人気絶頂中。
おまけに、シルちゃんとセリちゃん達のファンクラブはそんなお兄様お姉様に憧れているのでそう言う情報は欠かさず聞きつけ、嘘か誠か調べ上げてるわけです。
まぁ、今回だと一緒に同行してたらしい子たちがその一員だったから嬉々としてメンバー内で喋りまくったようだけど。
そこから、シルちゃん達と一緒に依頼を受けるメンバーが増えました。
それも複数メンバーで1つの依頼を受けることもよくあったりする。
そんな感じで関わることでシルちゃんの世話焼きさんな部分に気づいて更にファンが増えると言うループになってるわけです。
「確かこの間Cランクに上がってたよね?」
「確かそうでしたよ。」
「まぁ、だろうなぁ。」
相変わらず色々と人助けの現場に巻き込まれてるのでそれを救出してるので注目度も依頼の達成度というか満足度も非常に高いですからね。
「そういえばアルナさんはランクはどのくらいなの?」
「私は、おかげさまでBランクですよ。」
「確かもうそろそろランクを更に上げようという声が上がってませんでしたか?」
「あぁ、そういえばそうでした。・・・ホントに自分でも信じられませんよ。」
どこか懐かしむような表情になるアルちゃん。
私を出会う前までは魔法が使えずにいじめられてましたからね。
そのせいで出来る依頼も限られてしまいなかなかランクアップも出来ずと言う状況だったそうですし。
「それで、アルナさん、対人恐怖症の方はどうですか?」
「リア様のおかげで大分・・ですが、やはり怖いです。初見の方だと一応会話は出来ますが近寄ることは出来ません。」
アルちゃんのことをよく知る人たちはアルちゃんのこともよく知ってるのでほどよい距離感で優しくしてくれてます。
そのおかげで1人で買い物も出来るようになってます。
まぁ、自力でそこらの奴らは軽く殲滅出来る程度には鍛えてますから実力行使も可能ですしね。
ちなみに、おっぱいはあれから更に成長しており、EからFになってます。
正しく言うとその更に上のGに届かない程度です。
「けど、リアちゃんは抱っこするんですか?」
「私の癒しで愛しの天使様ですから。」
にっこりとほほえみながら私を膝にのせてるアルちゃんは私を抱き締めてほおずり。
えぇ、そうですよ?
基本的にアルちゃんが私を抱っこしてるのでここ最近自力で歩いた記憶がほとんどないですよ?
おまけに、アルちゃんが抱っこしないときはハディちゃんの背中の上だったりパパに抱っこされてたりと常に誰かに抱えられてますから。
最近だとリムさんも私を抱っこしてることが多いです。
リムさんの場合は片腕にのっける感じですけど、他の人たちはみんな後ろから抱える感じです。
「あぁ、やはりリア様は最高の癒しです//抱き心地もサイズも良い感じです。」
ほおずりしつつうっとりとしてるアルちゃんがそんなことを言う。
・・そうなんですよねぇ。
セイちゃんも最近凄く背がにょきにょき伸びてるし、ユウちゃんなんて関節が痛いとか言ってるし、下手すれば数日みない間に伸びてると分かるくらい伸びてたりすることもあるほどの成長期です。
だというのに私は、あまり背は伸びてません。
おっぱいは一応順調におっきくなってますけど。
・・・このままだと私ロリ巨乳だというモノになりそうな気がします。
{ホントに皆さんは背が伸びるのが早いですよね。}
「んー、人それぞれとしか言い様がないけどリアの成長速度はゆっくりだよね。」
「種族的なモノが原因だったりするのかな?」
「フリージア、今種族はどうなってんだ?」
{相変わらず読めませんよ。}
種族によっては早熟だったりゆっくりだったり背丈の平均が異なったりしますからね。
小人族と巨人族がわかりやすい例題です。
後は、獣人だと成長は早いです。
下手すれば私くらいの年で3~4才くらい上に勘違いされるほどだったりします。
「そうか。まぁ、慌ててもしょうがないしマイペースに行こうぜ。」
(コクリ)
リムさんなんて、そろそろ成長が止まるとか言いつつ、190近くはあります。
おまけに、しっかり鍛えてるらしいのでぱっと見は細身ですが全身あちこちが筋肉でがっちりしてます。
細マッチョってやつですね。
それと最近リムさんのパンは、この国で結構話題になってます。
主に私と関わってるせいなのか何なのかリムさんの威圧を纏う体質をもろもせずに購入する人が増えつつあります。
人によっては、お店に数個限定でも良いから出したい!とのことで定期購入を依頼するところもあったりします。
リムさん自身はそういうのを受けつつも作り方やコツを伝授したりしてます。
・・そんなことをすると儲けがなくなりませんか?
と言ったのですが、趣味で作ってるから問題ないそうです。
それと、どんなに上手に作れるようになっても同じ手順、同じ材料、同じ調理施設でも全く同じ味にはならないから面白いらしくそれを堪能するモノ楽しみなんだとか。
所謂癖のようなモノが出るらしいです。
・・・あれから私はリムさんと正式にお付き合いしているので、所謂カップルなわけです。
で、ちょこちょことリムさんのお店に行ったり、一緒に読書しに教会へ行ったり、一緒に依頼を受けたりお買い物したりしてます。
場合によっては、お家でのんびりゴロゴロすることもあります。
・・・やましいことなんてないです//
せいぜいチューするくらいです。
まぁ、やましいことがどんなことか分からないですけど、せいぜいチューぐらいしか知らないですし、みんな教えてくれません。
で、どこにチューするかというと
ほっぺに。
主にリムさんがほっぺで精一杯だからだそうです。
私もそうですけど、リムさんは私以上にお顔を真っ赤にしてますので、みてると面白いです。
で、年齢は詳しくは覚えてませんが、5才くらい離れてるとは言え身長差がすっごいのでロリコンさんに思われないか心配してましたがそんなことはありませんでした。
一応世間では、私とリムさんは付き合っていることは既に知られてます。
リムさんの実績も有名なのでとやかく言われることはなかったりします。
まぁ、現王様であるお兄ちゃん直々に近衛として雇われてるのに加えて、厳しいことで有名な宰相さんにも頼りにされてますからね。
けど、ロリコンさんに思われないのは何でだろうかと思ってると私の精神年齢?がリムさんよりも年上と思われてたらしくそれが原因らしい。
・・まぁ、リムさん以外ともよく私が姉でアルちゃんやリムさんが妹弟と思われてることもしょっちゅうらしいですけど、何でか説明されても分かりません。
まぁ、けどリムさんの為にもいっぱいおっきくなります。
身長もおっぱいも。
・・・だってリムさん絶対おっぱいおっきい方が好きなんだもん。
アルちゃんのおっぱいをチラ見しては速攻で目を逸らすを繰り返してますし。
自ら見ようとしているわけではないようですが、アルちゃんのおっぱいはあらゆる視線を集めることに長けているらしく普通にお話ししていても無意識にそっちに視界を奪われるんです。
ちなみにリムさんのお家で家捜ししてみましたが、エッチな本はありませんでした。
まぁ、途中でリムさんにバレて抱っこされたままでしたけど。
それからは家捜ししさせないようにずっと抱っこされたままだったりします。
それと、リムさんからそんなモノはない!と速攻で断言されました。
・・嘘はなかったです。
つまんないですね。
ちょっとリムさんの好みが分かれば良いなとかエッチなのってどんなのか気になっただけなのに。
まぁ、それはさておき。
2年生になってからはお仕事は忙しくてもとても穏やかに過ごせています。
1年生の頃の1年間が逆に慌ただしすぎただけと思わなくはないですが気のせいと言うことにしてスルーします。