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シリルたちの特訓とフリージアへのご指導

--シリル--

癒しの都”ルナール”に到着し、自己紹介をしつつ都人の皆さんや師匠の部下の皆さんや友人たちと和気藹々としながら楽しく過ごしています。

あ、師匠とはフリージアさんのことです。

主に彼女に弟子入りしている状態だし、彼女のすさまじさを改めて実感したので敬意を称してって感じだな。

それは、セリカも同様。

とはいえ、呼び方が師匠になっただけで実際は妹を扱うのと同じような感じになってたりするのは気にしない。

本人も好きにしろとのことだったし、セリカも師匠と呼びつつも抱き締めたり撫で回したりしてるし。



そんな彼女はただいま恋の真っ最中らしい。

お相手は、俺より少し年下・・まぁ、ほぼ一緒だが、グリムっていう青年だ。

とても威圧感があるが、威圧を纏う体質が理由らしい。

とても真面目で非常に努力家で俺個人も師匠との恋に応援したい。

と言うより、グリムが師匠に告白して現在はそのお付き合い真っ最中のようだ。

彼といるときの師匠はとても幸せそうだ。

周囲の皆曰く、師匠の表情が変化するのは凄く珍しい光景らしいが、彼の前だと結構動いてる。

まぁ、それでも他の人よりも変化は薄らとしているが、それでも彼女は美人というか超絶美少女だ。

だから、その破壊力はすさまじい。

彼女のかわいさになれていない都人のみんなはその余波で鼻から赤い熱意を流してたりするが皆スルーしてた。




・・で、彼女と特訓をしていて改めて思った。

師匠強すぎる!

手数が多すぎる!

1人軍隊とはよく言ったモノだ。

まさしくそれだよ。


彼女は、基本的に器用で万能型のようだが、基本的には使役するタイプのようだ。

獣魔であるシャスティさんたちや、自身の魔法で作り出す自活する人形、つまりはゴーレムだ。

獣魔の中でも、個人的に感動したのは・・

「にしても異世界ってペチュニアさんに聞いてたけどホントに色々あるんだな。」

「魔法とかがない世界なので想像力が豊かな人が多いんですよ。」

彼はカルナ。

八咫烏だった。

脚が3本のカラスだったことでぽつりと八咫烏だとつぶやくとよく分かったなと普通に答えられた。

喋る鳥は珍しくはなかったけど、ここまで普通に会話が出来るほどのおしゃべりはあり得なかった。

だからこそファンタジーは素晴らしいと思った。

それに、凄く賢く、頼りになる。

主に子守や教育を始め、考え方などとにかく俺が欲しい情報を彼はもっており、凄くありがたい存在だった。

そんな彼は、師匠の教育係筆頭であり保護者筆頭らしい。

彼女はペチュニア様が亡くなられた後から5才を過ぎた頃にクラリティ王国にやってくるまで父親であるイリスさんの存在を知らなかった。

だからそれまでは、カルナさんとシャスティさんが彼女を守り、育てていたんだそうだ。

他にもでっかいライガーもいた。

凄く多く使役しているんだなと改めて師匠のすごさを実感した。

まぁ、どれも凄いんだが色んな意味で驚いているのは500年以上長生きしてるらしい翠さんとか見た目厳ついハディさんを平然とちゃん付けして呼んだり、大抵のことをスルーしてるあのメンタルの強さがすさまじいと思ってる。


聞いてはいないが、周囲の反応から軽く推測しただけで師匠の過去は相当重いようだ。

そのことが原因で師匠は感情に乏しいようだ。

だから俺はあえて聞かない。

彼女を傷つけたくないから。





「だとしても、異世界は争いがこっちほどないって聞いてたが、お前やセリカは普通に動けてるよな。」

「あぁ、確かに争いのない穏やかな国だったよ。けど、俺とセリカは自衛のためとセリカを守るために幼い頃から武術とか色々と学んでたんだ。」

「そういうことか。結構苦労しただろ。」

「否定はしませんけど、そのおかげでセリカを守れるなら安いモノですよ。」

「なるほどな。目的がある人間はホントに強くなれるぜ。」

「その期待に応えて頑張るよ。」

「しばらくステータス確認をしてなかったが、みてみたらどうだ?おそらく向こうで色々していたことがワザとして出ていると思うぞ。」

「わかった。」

ステータスと小声でつぶやく。

何と言うか、声に出した方が個人的にステータス表示をさせやすいんだ。

ちなみにセリカは、ただのノリ。












ランク:F

名前:シリル・クニサキ

性別:♂

年齢:16

種族:異世界人

職業:軽業師、吟遊詩人

称号:異世界に攫われし者、みんなのお兄ちゃん

属性:温度変換

体力:C

魔力:D

攻撃:B

防御:D

俊敏:C

練度:D


衣類:混合岩の装備セット(胸当て、肘当て、肩当て、籠手、臑当て、腰当て、ブーツ)

武器:吟遊詩人のミスリルソード(炎・氷)

装飾:クラリティ王国公爵家のコイン


攻撃技:【体術】【感情強化】

武器1:【剣】【短剣】【二刀流】

補助技:【アクロバティック】【虹色の声】【威圧】

自動技:【武器舞踊】【武器舞踏】






【体術】

ありとあらゆる武術の集大成

鍛えれば鍛えるほど、体を効率よく動かすことが出来る


【感情強化】

愛する人に対する想いの強さに比例して魔力が強化される。

魔力が強化されることで通常よりも発動する魔力量が少なくて済む


【アクロバティック】

全身を使った軽やかな動きを出来るようになる。

だが補正なので、自身の意思で動かなければ上達しないが、頑張ればその分上達しやすい。


【虹色の声】

男性の声も女性の声もどのような感情もたやすく発することが出来る。

喉への負荷が減り、自身の思いにあわせた効果が仲間に対して発揮する

つまりはバフ系


【威圧】

自身の怒りの感情と共に周囲へ魔力を流すことで発動する。

魔力量と感情の強さによって威力が異なる。



【武器舞踊】

様々な武器を扱い、舞い踊る。

その動きは他者を魅了し、戦闘では無駄な動きが減り、連続攻撃時の隙が減る。

上半身を使った動きを重点的に行なう範囲を指す


【武器舞踏】

様々な武器を扱い、舞い踊る。

その動きは他者を魅了し、戦闘では無駄な動きが減り、連続攻撃時の隙が減る。

下半身を使った動きを重点的に行なう範囲を指す




ランク:F

名前:セリカ・アマクサ

性別:♀

年齢:16

種族:異世界人

職業:武闘家、アイテムマスター

称号:異世界に攫われし者、ギャップ萌え、恋は盲目

属性:全強化

体力:B

魔力:D

攻撃:B

防御:D

俊敏:E

練度:E


衣類:魅了の下着、混合樹のローブ

武器:名無しの魔大剣

装飾:クラリティ王国公爵家のコイン


攻撃技:【体術】【魔力強化】【切断強化】【貫通強化】【硬度強化】

武器:【剣】【大剣】【棍】【棒】

補助技:【鷹の目】【合気】



【体術】

ありとあらゆる武術の集大成

鍛えれば鍛えるほど、体を効率よく動かすことが出来る


【魔力強化】

魔力を込めることで、込めた箇所が強化される。

魔力量によって威力が異なる


【切断強化】

自身の武器と魔法の切断時の威力を増加させる。

イメージにより威力が依存する。


【貫通強化】

自身の武器と魔法の貫通時の威力を増加させる。

イメージにより威力が依存する。


【硬度強化】

自身の武器と魔法の切断時の硬さを増加させる。

イメージにより威力が依存する。


【鷹の目】

目に魔力を集中することで遠くのモノをはっきりと見ることが出来る


【合気】

相手の力を利用して、受け流すワザ

日々努力することで自身の体力の消耗を減らすことが可能となる。







確かに10日ほどあれから経過しているがその短期間ですごく強くなってる。

ステータスもかなり伸びた。

俺は、全体的に平均的で攻撃が高いが、セリカは俊敏が低い代わりに体力と攻撃が高いという感じだ。

技も色々覚えた。

確かにカルナさんが言う通り俺等がこれまでしてきたことが正式に技として出たようだ。

で、武器関連に関しては、表示されることで強くなるわけではないようだが、鍛えれば表示がない頃よりも成長しやすいんだとか。

なるほど、つまりは表示された武器関連限定の経験値増加って感じだな。



そして、装備品だ。

装飾にあるコインは、師匠たちとの繋がりを現す証であり、俺たちが師匠たちのエトワール公爵家と懇意の存在だという証拠でもある。

イリスさんが言うには、この証はいざと言うときに出せば自身のことを信じてもらいやすくなるんだそうだ。

それは凄くありがたい。





混合岩の装備セット(胸当て、肘当て、肩当て、籠手、臑当て、腰当て、ブーツ)

様々な鉱石を混ぜ合わせて出来た黒い装備品一式

複数の鉱石が混ざっていることにより、あらゆる魔法や物理攻撃に強い。

軽く、非常に頑丈であり、破損しても修復しやすい

サイズは装着者に併せて自動的に変化する




混合樹のローブ

様々な植物を繊維状にし、編み込んで作成した焦げ茶のローブ

複数の植物を混ざっていることにより、あらゆる状態異常に対抗する抗体を即座に作成し、対処してくれる

軽くて着心地は非常に良いが、頑丈さも折り紙付き

サイズは装着者に併せて自動的に変化する




この2つは、この都で作成された自慢の一品らしく、樹人族という、様々な植物を作り出す種族と岩人族という様々な鉱石や宝石を作り出す種族に素材を提供してもらった。

他にも竜人族という種族と角人族と言う角が生えている種族、鱗人族という鱗がある種族、爪人族という様々な爪が生えている種族と、毒人族という様々な毒を作り出す種族にも色々と提供してもらった。

それらを、クラリティ王国魔術師団である師匠の部下の皆さんとドワーフの皆さんが協力して作成した一品だ。

見た目は、凄くシンプルだが性能は折り紙付き。

様々な鉱石や宝石、植物など提供してもらった素材1つ1つに備わっている凄い効能を無駄なく発揮するように作られているからあらゆることに対して頑丈だ。

たくさんの人たちに俺たちのために作ってくれた装備品に俺とセリカは凄く嬉しくなり、その場で満面の笑みで頭を下げてお礼を言ったらみんな頑張れと笑顔で言ってくれた。


この人たちの思いに応えるためにも頑張ろうと改めて思ったんだ。






「そういえば師匠。」

(?)

相変わらずよく食べる師匠は、朝食にラーメン茶碗サイズの器山盛りで数杯ほど食べたというのに現在は、カットフルーツをもぐもぐしている。

「俺とセリカはそれなりに強くなったと思うのですが、師匠とどれほどの差があるか教えてもらえませんか?」

年下と分かってはいても敬語が抜けない相手である。

{私のステータスがみたいと?}

「端的に言えばそうなります・・。他者のステータスを見せることは基本的に厳禁だと分かってはいるのですが。」

そう伝えると小さくため息を吐いた後

{誰にも話さないことを誓うのなら一部を公開しましょう。詳細は見せませんよ}

「それで構いません、ありがとうございます」

そう言って師匠は一部を見せてくれた。



名前:フリージア・クラリティ・エトワール

ランク:S(二つ名=魔鏡姫/夜叉姫)

パーティ:ハリーファ(リーダー)


体質:悪心撃滅

性別:♀

年齢:11

身分:公爵、クラリティ王国魔術師団長、癒しの都”ルナール”領主

称号:絶望を知る者、変態紳士ホイホイ、神子クテン、狩人、アームズマイスター


属性:陰

体力:C+

魔力:SSS

攻撃:D+

防御:E

俊敏:D

練度:SSS


攻撃技1:【影操作】【射撃】【影纏】【影翼】【人形劇】【影移動】【衝撃波】

攻撃技2:【魔力反射】【物理反射】【性質変換】【切断強化】【貫通強化】【硬度強化】【束縛強化】【圧縮強化】【覇気】

武器1:【刀】【大剣】【剣】【短剣】【槍】【薙刀】【鎌】【斧】【かぎ爪】【弓】【蛇腹剣】【鎖鎌】

武器2:【杖】【鞭】【棍】【棒】【槌】【盾】【扇】【星球モーニングスター】【投擲器スリングショット

補助技:【内外念話】【奉納】【心意加増】【精神統一】【アクロバティック】【合気】【威圧】【暗器】【鉄壁の心】【月翼】【指揮】【変身】

自動技1:【圧縮記憶】【思考速度上昇】【並列思考】【一点集中】

自動技2:【心の瞳】【ショートクさんの耳】【心の歌】【騎乗】【武器舞踊】【武器舞踏】




職業や一部の称号は出していないらしいけど・・・。

開いた口が塞がらない。

確かに俊敏や防御だけで言うと俺等とどっこいどっこいか下手すれば下だ。

けど、それを軽く覆すほどの魔力と練度のすさまじさと大量の技。

と言うより、彼女はSランクだった。

・・・強いに決まってるよ。

マジで強すぎる。

チートだ・・。

マジモノのチートだ。

と言うよりも扱う武器の種類の量がすさまじい。

「強い・・」

「ねぇ師匠・・。師匠って例えるとどれくらい強いの?」

{災厄とか国をいくつか滅ぼせるとか言う魔物をカルナたちと連携すれば殲滅出来ますよ。}

「それって・・他のメンバーは不要ってことだよね?」

(コクリ)

マジかぁ・・。


冗談抜きでこの子に敵認定されないように頑張ろう。

勝てる未来が一欠片も見えない。

獣魔1体だけでも勝てる気がしないのにそれが複数いるのに加えて、師匠本人も桁違いに強い。

と言うより、どんな技かは見た目で分からないのも多いけど、この称号にある”絶望を知る者”。

名前の通りだとしたらこの子は過去にものすごい地獄を経験したと言うことになる。

感情の乏しい原因となったその過去は俺たちが想像するよりもすさまじいのだろう。

・・間違いなくこの案件は地雷だな。

後でセリカにもキツく言っておかないと。

それと・・この体質って何だ?

聞いたら駄目だと予め言われてるから聞かないが、悪心撃滅?

これって、名前の通りに推測したら正義の心って感じか?

悪なる心を持った相手は自分の前で生きている資格なし!とかでとにかく殲滅したくなるとか。



・・・なるほど。

敵認定された時点で人生終了なんだな。

クラリティ王国が正義に染まる国と言われる理由を体質として受け継いだわけだな。


それと師匠に嘘が通じないのは名前からの推測だが【心の瞳】が影響しているのではないだろうか。


と言うよりも、早速この都の領主って出てる。

イリスさんが領主じゃないのか?

そんなモノか?



「師匠、これからもよろしくお願いします。」

「お願いします」

(コクリ)

「そういえば師匠はパーティ名の言葉の由来はご存じだったのですか?」

(?)

首をかしげてる。

どうやら分かってないようだ。

「確か俺等の世界のどこかの言葉で後継者という意味だったはずですよ。」

{そうなのですか?}

「えぇ。詳しいことは分かりませんけどね。」

純粋に感心しているようだ。

{1つお願いがあるのですが}

「俺に出来ることでしたら。」

お願いとはなんだろうか。

{シリルさんは声を出すことが凄く優れています。その技と言いますか、技術を教えて頂けませんか?}

そういえば喉が弱いんだったな。

出来るだけ喉への負荷を減らしつつも長期間しゃべれるようにする技ってことだな。

「そんなことでしたら喜んで。」

それから俺は、師匠から鍛えて貰い、師匠へ俺が知る声を出すというありとあらゆる技と技術に関して教えた。





で、結果だけを言うと予想外なところに反映された。

彼女は俺と同様・・と言うか似たような技を持っている。


【心の歌】


これはどうやら俺とは少し違い、感情に合わせた威力を持った歌になるようだ。

キレたときにすれば相手は何かしらのダメージを食らうとか、穏やかな気持ちだと心が癒されるとか


で、その歌は歌詞がない歌だった。

と言うより師匠はラーとかアーみたいな歌詞のない歌を歌うことで有名らしい。

それに歌詞がついた。

その技の威力が上がったかどうかも不明だが、その歌を聴いて喜ぶメンツが更に喜んだだけだった。

で、肝心の喋る方だが1日に喋れる量が微妙に増えたらしい。

元々1日に数言喋れる程度だったのがその1言2言の数が微妙に増えたようだ。

まぁ・・本人は念話で喋るのがデフォっぽいしあまり気にしてなさそうだけど。

と言うより、それほど喋りたいとも思ってないようだ。


それからしばらくして気づいたことだが、彼女の片腕は義手だった。

長手袋を片方だけ着けていたからやけど跡か何かを隠しているかと思ったら義手だった。

とにかく出来が良かったから気づかなかった。





それと余談だが、俺は師匠との特訓の後に出来た数時間ほどの暇な時間は大抵昼寝をするようになった。

理由はセリカだ。

なにせ、毎晩セリカが性的に襲ってくるからだ。


彼女は、ホントはサキュバスではないだろうか。

何で俺のをアレだけ搾り取った後、1滴残らず部屋を汚したくないという謎の理由(分からなくはないが・・)で完飲するのだろうか。

おまけにおいしいとか、絶品だとか・・・アレは凄くまずいとネットで聞いたんだが、セリカは本音のようで嘘などはなかった。

彼女は味音痴?

それとも、愛があればそう感じるような技か何か持っているのだろうか。


・・コホン。

だからセリカ。

どの女の子の胸がどれだけ大きかったかとか師匠のスタイルが幼女ながらに凄いとか報告しなくてよろしい。




ちなみに、彼女の技にこんなのが増えていたことに気づくのはしばらくしてからだったりする。

そして俺は、【絶倫】という説明不要なファンタジーのエロ定番技を手に入れてしまった・・。





【愛欲吸収】

愛する人のあらゆる体液を摂取することで自身の魅力が愛する人限定で増し、スタイルに磨きがかかる。

摂取した体液の量や濃度に比例して性欲と感度が高まる。

互いに望むとき限定で妊娠可能で、嫌う相手から無理矢理された場合は、される寸前で相手の全身に激痛が走る呪いに永久的にかかる。

※稀に相手への思いの強さによっては感度上昇が愛する人にも影響されることあり






言い換えれば望まなければ妊娠しないで済むと・・で、どれだけ中に放とうがセリカのスタイルがより良くなり、俺限定で更に美人に見えるようになると・・。

で、その量にあわせてセリカがよりサキュバスになり、俺も稀に巻き込まれると。




良いんだか悪いんだか!!

確かに良いんだと思うよ?

レイプ予防にもなるし、そんな屑の処分もよりたやすくなるんだから。


けどさ・・けどさ!

俺は今の段階ですらセリカに性的に襲われて寝不足なのにそんなことすれば更に寝不足じゃないか!

ただでさえ食事量が増えてるのに!


・・まぁ良いけどさ。

俺も嬉しいし、気持ち良いし・・。

だが、どこをみても味とかの記載はない・・ってことは、それはセリカ自身の問題か・・気のせいということにしよう。





コホン。

とにかく、師匠は誰よりも強かった。

まぁ、ここにいるメンツは誰もが強いんだけど。

誰1人にすら勝てる気がしない。

その中でグリムも強かった。

本人はまだまだだと言っていたがあの長い刀を扱う技術も射程距離を補うための体術もどれも凄かった。






とはいえ、技に磨きがかかるのは良いが、俺とセリカの魔法をどう扱えば良いのだろうか。

今のところ俺は歩くエアコン状態で、セリカは体力切れがなくなると言った戦闘向けではなく便利アイテム扱いしていた。

バレクさんたちが言うには、上限がない的なことが書いてあるのが気になるらしいけど。

まぁ、それで今のところ困ってないから気にしてないけど。




とまぁ、こんな感じで特訓と勉強漬けの日々ではあるが、ご飯はおいしいし環境は最高なのでとても穏やかに過ごせている。

そんな中、この都の中は別の意味で慌ただしかった。

と言うのも、師匠が依頼した建築業のメンバーが到着し、その建築を着々と進めているからだ。

それとあわせて荷運びのメンバーも建築のために必要な材料や、その他で購入するように依頼していたモノなどを順番に運んでいた。

で、ただでさせるわけには!とか自分たちも手伝う!と言う感じで都人たちが率先してそんな彼らに混じって手伝っている。

そのおかげなのか、元々ハイスペックだったのかものすごいペースで作業が進んでいるのは正直みているだけでも凄いと思うし面白い。

とはいえ、1つ言いたい。

「建築ペースがハイペースすぎないか!?」

「あぁ・・あのクランに関してはそんなもんだ。」

「グリム?」

グリムがそう言う。

彼と俺は似たような立場で、その影響で呼び捨てにする程度には仲良くなっており、よく模擬戦をしている。

クランは、ギルドでチームを作るとパーティで、そのパーティが複数集まるとクランになるようだ。

つまりは学校で言うところのクラスがパーティ、学校全体がクランみたいな感じのようだ。

「あのクランは、とにかく建築に関することそのものに人生を捧げてるメンツが揃ってんだ。だから、建築に関する熱意と気合いは誰にも負けないし、それにふさわしい技術に力は折り紙付きだ。」

「それほど熱心なクランだったのか。さすが建築と言えばこのクランだと言われるほどはあるな。」

「まぁな。それと、彼らは気合いが入れば入るほど建築ペースと完成度は上がることで有名だ。」

「あぁ・・なるほど。ものすごくやる気に満ちあふれてるみたいだな。」

「だろ?そういえば、シリルは学生なのか?その年で?」

「あぁ。ってそうか。この世界だと大抵15才を過ぎる頃には卒業するのか。」

「あぁそうだ。大体10才から5年間学ぶ感じだからな。とはいえ、全員じゃなくて極一部のメンツだけなんだがな。」

「俺等の世界では、6~7才の頃から6年間と、3年間と3年間と3分割して学ぶんだ。」

「そんなに幼い頃からそんなに長い間学ぶのか。へぇー。で、何で分けるんだ?」

「何と言うか、初級中級上級って感じで分割してるんだ。学ぶ方向性とかで道が分かれる可能性もあるからな。」

小中高だし、この言い方で伝わるよな?

「なるほどな。」

「ちなみに言うと、そこに更に3年か4年かプラスして更に学ぶルートもある。」

「争いがない代わりに知識合戦がメインって感じなんだな。色々と住みにくそうだ。」

「否定はしないさ。けど、だからこそ楽しいこともある。」

「例えば?」

「歌や踊りを好むメンバーが多いのもそうだが、誰かが演じる物語をテレビって言う映像と音声を流す道具を経由して楽しんだりするな。それに本も学ぶことよりも創作した物語を書いた娯楽用の方が普及しているし。」

「そんなに娯楽に溢れているのか。いつか見てみたいモノだな。」

「その時は案内するよ。」

いつ来る未来か分からないし、来ない未来かもしれない。

グリムも分かっているようだがあえて前向きな意思を俺が持ち続けるように言ってくれる。

「それで、師匠のことはいいのか?」

現在、その師匠はセリカとリリさん、アルナさんの3人に撫で回され、抱き締められて愛でられている。

「そ、それは・・良いんだ。・・あまり構い過ぎても鬱陶しいとか言われたら嫌だし。」

「見た目と纏う威圧感とのギャップが相変わらず凄いな。」

顔を赤くしながらそっぽ向くグリムに俺は微笑ましく感じる。

「しょ、しょうがないだろ!は、初恋なんだ。」

「ほうほう。」

初恋か・・。

俺の知り合いの中で初恋になった奴は男女あわせても見たことも聞いたこともないな。

俺の場合は、初恋とかじゃなくて幼馴染みとしていたのが最初で気がついたら好きになってた感じだったしな。

ある意味初恋と言えるのかもしれんが。

「お、俺のことは良いんだよ!お前こそどうなんだよ!」

顔を赤くして必死に話を逸らそうとしてるのかその話を俺に仕向けてきた。


だが、甘い。

「俺は良いんだよ。幼馴染みで恋人で許嫁だからグリムとは微妙に違うから。それに・・セリカが肉食系なんだ。」

軽くそう言うモノの最後の一言が微妙にぎこちなくなる。

「あぁ・・すごい積極的だよな。」

それにグリムも気づいたらしく同情気味の視線を向ける。


「そういえば、お前らはついてくるのか?」

「どこに?」

「ん?クラリティ王国に。」

「なぜ?」

「今は夏休み中で長期の休暇期間なんだよ。で、リアとセイ、ユウの3人はその休みを利用してここに帰って来てるんだ。他のメンバーはここに観光しに来たのもあるけど、全員基本的にクラリティ王国が本拠地なんだよ。」

「そういえば、あの国の魔術師団のメンバーだったな。イリスさんとかの公爵家のメンバーは辺境伯だと思ってたんだよ。」

細かいことは分からないが、国からは慣れた土地を管理してる貴族だと思ってる。

「んにゃ、違う。聞いただろうがこの都は出来てから日が浅い。この都にイリスさんたちと来た当初は純粋にただの私有地だったんだよ。バレクさんたちが住んでるだけだった。」

「そうだったのか。」

「で、お前らはここに残るのかそれともついてくるのか?」

「ついていくさ。師匠にきたえてもらいたいって言うのもあるけど、普通の冒険者として依頼を受けて自分で金を稼いで少しでも何か恩返しがしたいからな。」

「それは良いな。お前らなら全く問題ないだろうよ。あの国はアホは速攻で消される国だから真面目で向上心のある奴は好まれる。せいぜい頑張りな。」

「あぁ、すぐにグリムのランクまで追いついてやる。」

「おうおう、威勢の良いことで。」

楽しいな。

こうして真っ向から様々な意味で全力が出せる相手がいるのは凄く嬉しい。

あっちの世界では、俺はある意味では浮いていた。

武術を学んでも気づけば師範を倒してしまうほどの技術を身につけてしまった故に全力が出せる機会がなかった。


だが、グリムもそうだがこの国の人たちはホントに強い。

だから全力を出してもまだ届かない。

なのに凄く優しくて頼もしい。

俺は、そういう機会と友人を求めていたのかもな。




口には出さないが、こんな素晴らしい人たちがいる場所に導いて下さったのが神様だとすれば感謝します。

この思いが届くは分かりませんが、届けば良いな。

そして、これからも頑張るから見守っていて欲しいな。

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