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スリジエの町と清い心のストーカーさん?

あっちこっちに寄り道をしまくりながら魔物討伐をしたり魔法特訓と体力作りをしながら先に進む私たち。


で、私がちょっと前から感じる視線はやっぱりありました。


なんとなく視線を感じる方に意識を傾けてみたらやっぱり感じました。

誰かいるっぽい感じを。

数日間かけて気にかけてみたらやっぱり感じるので誰かついてきてるっぽいです。

けど、嫌な感じはしないしむしろいい人な気がするからとりあえず気にしない。


でもどうして、私は気づいてるのにシャスティたちは気づかないんだろう?


って感じで町に到着しました。

スリジエの町って言うところらしいです。

ここは、色んなお花がいっぱいのすごくきれいで華やかな町です。

あっちこっちにお花が植えられてたり、花柄のがいっぱいだったりとお花でいっぱいです。


きれいだなと思うから私は結構好き。

シャスティや翠も良い香りがするって言ってどこか楽しそう。

カルナは、穏やかで良い町みたいだなって言ってた。

何でもなさそうにしてるけど、お花がいっぱいできれいだって感じてるみたい。

素直になれば良いのにね?

カルナらしいけど。



で、初めての自分で入門です。

今はシャスティは元の普通の猫さんの大きさに戻ってます。

そして、町にはいるための順番待ちをしてるらしい人たちのところに一緒に並んでるんだけど、すっごい注目されてる。

主に、幼女と動物だけ?

保護者は?って感じ。

けど気にしない。

いつものことだし、あの町でもしょっちゅうだったし、保護者どこだとわざわざ捜してくれて説明して捜す必要はないと分かってもらうというのも結構ありました。



そして、私の番です

「え・・・えぇっと・・・お嬢ちゃんとその子たちだけかな?」

(コクリ)

「そ、そうか・・じゃあ、ギルドカードを見せてくれるかな?」

言われたので渡します。

「ん~確かに・・保護者さんはいないのかな?」

(コクリ)

いませんよ?

人間には

「え?」

「あ、あ~・・俺が代理で説明する」

「鳥が喋った!?」

「そう言う種族だ気にするな。」

「そ、そうか・・で、説明って?」

「この子は、両親を幼い頃になくしてるんだ。今は俺たちが保護者であり教育者でもあるようなモノだ。カタクリの町でも普通に俺たちだけで過ごしてたから問題ないし、そっちに確認してもらえれば分かる。」

「カタクリの町・・あぁ!そういえば幼女の獣魔が町を救ったって話があったな!それか!」

「まぁ・・間違ってはいないな。」

「そうかそうか!何かあればすぐに呼んでくれ。助けになるさ!ようこそ!」

(ぺこり)

「賢いなぁ・・ってか喋らないんだな?」

「喋れないんだよ。」

「あ・・そうか・・スマン」

「いいよ。本人は不自由はなさそうだしな。」

・・・ん~あの人はどうするんだろう?

「フリージアどうした?」

ん~よし!

翠に伝言をお願いしよう。

-ちょっと待っててだって-

「何でだ?」

-ひろいもの?らしいよ?問題ないよ安全。着きそうから-

「そうか・・何かあればすぐ呼べよ?」

(コクリ)

「あ・・なんかスマン。先にそっちのメンツの対応をしててくれ」

「俺等のことは気にするなよ。待つのは嫌いじゃないし、あんたたちは見てて楽しいからな。」

「なんか悪いな」

「気にするなよ。しばらくこの町にいるから何かあれば言ってくれよ。俺たちも力になるぜ?子育て、大変そうだしな」

「助かる」







-??-

スリジエの町に入るみたいだな。

適当にタイミングをずらして入るか

あぁ・・ここでもその説明をせざるを得なかったか。

それもそうだよな。

幼女と動物だけだもんな。

普通は聞くよな。


お、問題なく入れるみたいだ。

よかったよかった。


ってあれ?

なんで、フリージア様はこっちに来るの!?

き、気のせいだよな!!

偶然だよな!


まっすぐ俺のとこに迷わずに来てたり、視線がばっちり合ってる気がするけど・・・って・・え・・・まじで?


あぁ・・間違いないわ・・ばっちりロックオンされてるわぁ・・主様すまん。

こっちから接近する前に幼女から接近されて、捕獲されました。


あ、相棒は幼女に捕獲される前に自ら国に帰ってくれました。

空気が読める子でよかった。

というより、俺にそこまで懐いてるわけじゃないしな・・はぁ・・。





-フリージア-

ひそひそしてる人がじっと隠れて待ってたし、私のことを見てたから一緒に町に入った方がいいかなと思って捕獲しました。

翠に-一緒に行きましょうね?-と伝言をお願いしたらなぜかがっくりと肩を落としてうなづいたストーカーさん



なんか普通っぽい?

けど、細い剣を2本右左の腰に挿してて、胸とか肩とか大事なとこだけ守るタイプの鎧を身に着けた茶髪のお兄さんです。


とりあえず、ストーカーのお兄さんをゲットしました。




当然カルナからは

「今度は人間拾ってきたのか!?」

と言われた

で、なぜか一緒に並んでる人たちもギルドカードのチェックはしてもらってるのに町に入らずにここにいたりする。


「なぁ、今度はってどういうことなんだ?」

「あぁ・・頭に乗っかってるのがいるだろ?」

「ゲル種のか・・あれか?」

「あぁ・・・アレ、実はバッグを買いに行ったらアレを持ってきたんだぜ?本人は珍しいバッグを選んだつもり。あ、どこで買ったかとかは内緒な?」

「あぁ、信用云々だろ。わかるわかる・・って、バッグ探してそれを拾ってくるのか・・・大変だなそちらさんは」

「わかってくれてうれしいよ・・」

「で、その幼女に拾われた兄ちゃんは何者だ?」

「あぁ・・・旅人です?」

「あからさまじゃね?」

「ですよね・・・なんていえばいいんでしょうかね・・向こうで荷物整理とかいろいろやってるうちになぜかこの子に捕獲されたんですよね・・・あはは・・」

「あぁ・・とりあえずは一緒に行こうぜ。」

「良いのか?保護者」

「あぁ、翠が問題ないって言ってるしな」

「翠?」

「そのゲル種だよ」

-△-

「あの記号は?」

「信用度って感じかな。良ければ〇、ダメなら×ってことで、あれはダメじゃないが不思議ちゃんってとこだな」

翠は、実はすっごい長生きで既に百年とかは軽く生きてるから多くの人を見てきたこともあり、嘘をついてるかホントかくらいの善悪を普通に察知出来るんです。

後は、カルナとシャスティが獣として、幻獣として?の分で分かるらしい。


よくわかんないよね?私には説明されたけどさっぱりです。


「なるほどな。それに善人の塊ッポイ嬢ちゃんが攫ってくるんだ。少なくとも悪いやつじゃねぇだろうよ」

「俺も同じ意見だ。とりあえず、カード」

「あぁ、ハイ」

そして、拾ったお兄さんもチェックしてもらい、町に入りました。







「とりあえずギルドに行こうぜ?換金とか互いにあるだろ?」

「一緒に来てくれるのか?」

「説明とか面倒だろ?他の連中も余計なちゃちゃを入れるのもいるだろうしな」

「助かる。」

「とりあえず、そこの兄ちゃんは自己紹介は後でそっちの保護者にしてくれ。」

「はい」



ギルドに到着して、予想通りのやり取りが行われた後にカードの更新と換金をお願いしました。

カードの更新を行うのは、どのくらい魔物を倒したとか、人助けをしたとかがいつの間にか勝手に情報として残ってるらしくそのあたりを確認するためなんだって。

それは、ギルドの人たちしかわからない特別なものなんだとか。

そのあたりを確認して、場合によってはランクを上げたりするんだって。



で、換金してもらって銀貨70枚でした。

いっぱい寄り道したからそれなりに魔物と遭遇したもんね。

けど、変異種とかはあまりいなかったです。

数体くらいだったよ?



私がそういうことをしてる間に、一緒についてきた他のお兄さんたちが周囲の人たちに私たちには優しくしろとかそういうのを言ってくれたのでカルナが言うところの面倒ごと?はありませんでした。


「じゃあな!カルナ!」

「サンキューな」

「かわいい子がいるんだ。そのくらい当然だ」

「そうか、じゃあな」

「おう!」


そして、お兄さんたちとお別れした後、ちょうどお昼ご飯の時間なので攫ってきたお兄さんと一緒に個室のあるところでご飯です。





「じゃ、とりあえず自己紹介をしようか。俺はカルナ、こっちから順にシャスティ、翠、マスターのフリージアだ。」

「あ、俺はラウって言います。」




-ラウ-

やっべぇ・・・何を言えばいいんだ?

素直にこの子のことを前々からひそひそと陰から見守ってました!

とか?


・・普通に危ないやつだよ!!

それは無理!!

あってるし間違ってないけどムリ!!


じゃあ素直に言ってしまうか?


いや、素直に言ってはいたんだけどさ・・?


てか、変にうそをついたり隠しごとしたらそっちの方がピンチじゃね?

だって、あのにゃんこ・・すっげぇにらんでるんだもん・・尻尾の動きがやっべぇもん。


それと、あのぷにぷにした生き物がさっきから

-話せ♪話せ♪話さないと着ている服を溶かしてすっぽんぽんのまま外に放置しちゃうぞ♪-

って文字を出してるんだよ!?


すっごいノリノリで楽しそうに書いてあるけど、出てくる食べ物を溶かして食べてるのを見たら冗談じゃないってすぐわかる。



・・うん

命大事

素直が一番

じゃないと主様が言ってたフリージア様と仲良しになれないしね!

作戦よりも仲良しが優先って念押しされたし!




-フリージア-

しばらく悶えてたらお兄さん・・ラウさんは話してくれた。

攫ってきた私が言うのもあれだけど誰なんだろうね?


「実は俺、主様からの依頼でフリージア様のことを陰から見守り、とあることを調べてほしいと頼まれたんだ。」

「ストーカーかよ」

「否定できないけど!違う!!この子のことっていうより、とある人物に似てるからそれを調べてほしいって言われたんだよ!

それと、フリージア様とは仲良くしたいんだ!主様もフリージア様を陰から守れってそれを第一優先させろって言われてるんだ!本当なんだ!」

「翠」

-〇-

「ホントみたいだな。てか、その似てる人って誰だ?」

「じゃあ・・ペチュニア・エトワールっていう女性のことを知ってるか?」

「はぁ!?」

え!?

お母さんのこと!?

「え?え?え?その反応・・・知ってるのか!?」

「あぁ・・教える代わりに一つ教えてくれ。」

「あぁ」

「その主さんはどうしてその人のことを知りたがってるのだよ」

「・・・・・・わかった。教える。だから・・宿をとろう。・・ここじゃ漏れる可能性がある」

「そうだな。ちょうど食い終わったしな。」


「宿はどこにする?一応主様からそれなりに代金をもらっているからどこでも問題ないぞ?」

「あぁ・・じゃあ教会が運営してる最高ランクのとこを頼んでいいか?ランクはセキュリティの部分で」

「わかった。」


そして、教会の真隣にある4階建ての壁にツタのお花が巻き付いていて不思議な建物のお宿に泊まることになりました。

1つの大部屋で中で部屋が3つそれぞれあるタイプです。




「じゃあ改めて・・俺はラウ。クラリティ王国の騎士の1人で、主に情報収集とか隠密としての対応をしている。」

「クラリティ王国?」

「あぁ、隣の大陸にあるその大陸では一番デカい国なんだ。書籍とか本を主に扱ってたり歴史とかおとぎ話とかそういうのにあふれた国なんだ。」

「へぇ~それで?」

「で、俺はその国のとある人物がかつて愛したペチュニア様のご息女であるフリージア様の噂を聞き、真実かどうか確認するために来たんだ。」

「そうか・・どうして昔愛したってそれだけの理由でフリージアを見守っていたんだ?」

「これから話すことは誰にも言わないでほしい・・かなりの重要機密なんだ。」

「わかった・・てか、話してもらうが俺たちに話していいのか?」

「それは問題ない。主様からは情報機密を守るよりフリージア様と仲良くしとけと言われてるからな」

「そうか・・それで?」

「あぁ、その主はイリス様だ。」

「・・・・は?って言われても、知らないんだが」

「あぁ・・・貴族・・のような方だ」

「ようなってどういうことだよ・・」

「つまりはそれなりに高い身分なんだが、口では説明しづらいんだ」

「学園で言うところの学園長とか教会で言うところの神父様とか、図書館で言うところの司書長みたいなモノだが、貴族とははっきりと言いづらいようなとこの偉い奴ってことか?」

「そう言う認識で構わない」

「あぁ・・続きを頼む。」

「で、フリージア様はイリス様とペチュニア様、お二人の娘の可能性が非常に高いんだ。」

「え?」

え?

あいつは?

「ま、待ってくれ!どうしてそうなるんだ!?フリージアはあの屑領主の娘なんじゃないのか!?すっげぇ気にくわないけど」

「あぁ、そのことだがそいつは町で謀反とかがあって今は奴隷として落とされている。死ぬまでな。」

「あの強面兄ちゃんまじでやったのか」

私を救ってくれた顔の怖いお兄さんは頑張ったらしい。

「で、そのやり取りをイリス様が筆頭に対処してくださってな。今は、だれの人眼にも見られないところで一生を過ごすことになるから、フリージア様と遭遇することはないから安心してくれ。」

「で、どういうことだ?父親って」

「あの後わかったことなんだが、あのカルナたちが言っている領主は実は1回もペチュニア様と夜を共にしていなかったことが判明したんだ。つまり、子を宿すようなことは皆無。そして、フリージア様を身ごもったタイミングと、ペチュニア様とそいつが政略結婚したタイミングは会わないんだよ。70日丸々な。」

「つまり、妊娠している状態でペチュニアさんはあの屑領主と婚約したってことか?時系列としては」

「そういうことだ。そして、イリス様はペチュニア様以外とはただの一度も女性を抱いていない。これは真実だ。」

「だ、だが・・・血縁者だと証明することはできるのか?それに、ギルドカードには何も出てなかったぞ?何かしら出てくるだろ?」

「わが国には血のつながりによって実の両親かどうか調べるすべがある。・・フリージア様、出来れば我が国に遊びに来ては下さいませんか?何も頼むことはありませんが、一度だけ、一度だけでいいんです。イリス様に顔を見せてあげてください。そして、ペチュニア様のことを話してあげてください。」

「急いでいく必要はないんだろ?」

「あぁ、ついでによる程度でいいと聞いている。」

「翠」

-嘘言ってないよ-

「わかった。じゃあ、フリージア。見せてあげてくれ」

私は、お母さんの写真とあの手紙をラウさんに見せた。


写真を見た瞬間目を見開き、手紙を読んで驚きつつも泣きそうな顔でうれしそうな顔をしている。

「あぁ・・間違いない・・ペチュニア様だ・・見間違うはずがない・・ペチュニア様だ・・。」



「ぐすっ・・すまない取り乱した」

「気にしないでくれ。」

「じゃあ・・ペチュニア様は・・」

「あぁ、難産でな・・」

「そうか・・でも、死んだ後なのに生き生きしてるのがペチュニア様らしいなぁ・・」

「あの人のことを知ってるんだな?」

「あぁ、幼いころは我が国にしばらく滞在していらしたんだ。」

「そういうことか。俺らはフリージアが産まれる前からペチュニアさんによくしてもらったんだ。」

「そうだったのか。そういうわけで、これからの旅に同行させてほしい」

「わかった。よろしく頼むな。」

「にゃう(まぁ、良いでしょう)」

-テキトーによろしく-

(ペコリ)

ラウさんが仲間になりました。



「で、申し訳ないんだが、フリージア様のことと・・その・・ペチュニア様のことを教えてくれないか?」

「イリスさんって人に報告する為ってことか?」

「端的に言えばそういうことになる・・そう言う任務だからな。で、俺の知っていることと事実が間違っていないかの確認でもあるんだ。」

「確かに嘘の情報は止めて欲しいな。わかった・・とりあえず、フリージア寝る前に風呂に入って歯磨きを済ませてからにしろ。シャスティ、翠、頼んだ。俺は説明しとくから」

「にゃ(わかりました)」

-りょーかい-







-ラウ-

カルナさんに言われて無表情だが半分くらい寝てるっぽい感じで目がトロンとしてフラフラしていたが、シャスティさんと翠さんに半ば支えられる形で風呂へ行った。

・・大丈夫か心配になったが二人は器用で頼りになるみたいだし問題ないな。


それから、俺はカルナさんにペチュニア様がカルナさんたちと出会った辺りから今現在までを聞いた。

ある程度の内容は端折ってあったが、ものすごくわかりやすくまとめられていたと思う。

さすが教育係だな。

一つの単語で色んな意味を込めている部分とかもあったし、それに対するあらゆる気持ちもカルナさんを見ていれば嫌と言うほど分かった。


聞いて改めて思った。

フリージア様・・・メンタルつえぇ・・・。

だってさ、俺だったら間違いなく自殺してるか、ぐれてるぜ?

普通は生やさしくてぐれてると思う。


それほどまでにひどかった。

それと同時にカルナさんやシャスティさんたちの気持ちが痛いほど分かった。

俺だって出会って数時間でフリージア様に幸せになって欲しいと、幸せにならないと駄目だと確信したし、そのためにどんなことでも出来る限り協力したいと思った。

そして、今は奴隷になってるあのクズに対する殺意も浮かんだ。

俺でさえこれなんだ。

カルナさんたちは産まれる前から今にかけてずっと見守って護り続けてきた。

これほどまでに大事に護っているのも頷けるし、あのクズに対する殺意もかなりのモノなのも頷けた。


噂とかで聞いた分はまだまだ生やさしいと分かった。








ちなみに、カルナさんから一通り話を聞き終わった後

「フリージアに卑猥なことをしたり教えたり、あられもない姿もちらりとでもそういうことがあれば俺の毒爪で即、殺すからな?シャスティは常に殺す気満々だし、翠も食い殺すつもりだからな。フリージアのあってこそのその命だって言うのを忘れるなよ?

俺たちはマスターを護るためにはマスター以外の人間は全員1人残らずどんな奴だろうとも100%信用することも、信頼することもない。マスターのためなら国だって世界だって敵に回す気だからな?だから俺たちは力を求めるんだ。。。あの子には幸せにならなきゃ駄目だ。それがペチュニアさんとの最初で最後の約束だからだし、俺たちの大事なマスターだからな。」


どこまでも真剣でどこまでも本気だった。

俺は、何も言うことも頷くことも出来なかった。

たとえ分かったとかはいって言う意味で首を振ることさえも駄目だとその真剣な表情を見ればわかった。




それとさ・・気持ちは分かるけど、5歳児の全裸も下着姿も見る気はないからな!?

確かにかわいかったけどさ!

無表情でもとんでもなく美少女・・いや、美幼女だけどさ!!


それに反応してたら冗談抜きでヤバイ奴だよ!?





コホン。

そして俺は、カルナさんがフリージア様と交代で風呂に行き、フリージア様たちが寝室へ向かい、眠った頃、自分自身用の寝室に向かい、音消しの魔道具を発動させて今日の報告を行なった。



-そうか・・それほどまでにひどかったのか-

「はい。詳細は先ほど転送した報告書をご覧頂ければご理解頂けるかと」

-あぁ、今見ているよ。思った以上にひどい・・獣魔たちの気持ちも相当だったのだろう?-

「えぇ、怒りも護りたいという気持ちも本気でしたよ。」

-ところで・・・-

「は・・はい」

真剣な声になった・・どうしたんだろうか?

や、やっぱ・・・全部げろっちまったのがやばかったか!?

い、一応イリス様の身分についてはギリギリはなしてないぞ!?

-ふ、フリージアさんはかわいかった!?-


「・・・は?」

予想以上に気が抜ける言葉がすごい真剣な声で元気よく言ってきた。

-は?、じゃないよ!!どうだい!?どうなんだい!?-

やべぇ・・・変なスイッチ入ってペチュニア様っぽくなってる・・普段はすごくおとなしいというか清楚って言うのか?

って感じですごくいい人なんだが・・なんでフリージア様のことになるとこうなるんだ?

「えぇ・・容姿はペチュニア様にそっくりですよ。ただ、内面としては過去が過去なだけにどこまでも好奇心やそう言った自己がほぼゼロ・・いや、ゼロでしたので、とんでもなくおとなしい・・と言いますか、大人すぎます・・そう言う部分で言うと、性格とかはイリス様に似ているのでしょうか?」

うん

自分で言って納得する。

フリージア様は無表情だが、かなり優秀で頭が良い。

年齢からすると感じる魔力量も多いし、それなりに戦えるのも分かる。

それに、カルナさんの教育もあってか年齢からするとかなり頭が良い。

無表情の無感情だから、かなり冷静に物事をとらえることが出来るし、自分自身を第三者としてとらえられる柔軟さもあるからイリス様の優秀な頭脳をそのまま引き継いでいるといった方がわかりやすいと思う。

-そうかそうか!ペチュニアさんそっくりかぁ・・それでいて賢く自制心も大人顔負けと・・素晴らしいね!よほど教育係が優秀なようだね!はぁ!!見たい!!!すっごいみたい!!会いたい!!ギュッてしたい!!写真!!写真送れない!?早く来て欲しい!!分かってるんだよ!?嫌われたら僕は死ぬ気満々だから、ついでによってもらう感じで納得してるからせかす気は一切ないし出来ないんだけどさ!!!見たいんだよ!!会いたいんだよぉ!!-


うわぁ・・変なスイッチがやけに深めに入ってるっぽい。

てか、踏み抜いてね?

ん~

「いや、気持ちは分かりますが落ち着いて下さいよ・・・」

-・・・えぇ・・・はぁ。今どこの町にいるんだっけ?-

「今はカタクリの町を抜けて、スリジエの町に滞在しております。数日ほどこの町を観光してから先に進むようですね。カルナさんたちは現在は教育をしつつ、フリージア様に好奇心とか自己の欲望を年相応に我慢せずに表に出すようにしてもらうためにいろんなものを見せながら回ってるみたいです。」

-あぁ、それでちょいちょい滅多に出会えない自然現象にぽんぽん遭遇してたり寄り道が多かったんだね。うんうん、良い考え方だと思うよ。それに、その光景も僕も見ることが出来たからね-


・・・あれ?

「どうして見れるんですか?」

-あれ?言ってなかったっけ?君が連れてた子がいただろう?-

あの鳥か・・

「はい。」

-アレが首につけていたのは、契約してる証でもあるんだけどね?アレは色々と改造してるから周辺の光景を保存することが出来るんだよ。音は無理だけどね。-

「そういうことですか・・・」

-それで一応チラッと姿は見えてはいるから大体は知ってるんだけど、遠目だろう?だからちゃんと近くで正面から見たいんだよ。ペチュニアさんの写真は持っているから良いんだけどね。-

「そういえば、フリージア様に見せてもらった写真・・イリス様がお持ちの写真と全く同じだったのでおそらく同じタイミングで作った後、フリージア様に1枚、イリス様に1枚送ったのではないかと思います。」

-あぁ、彼女がやりそうだね。-

「と言うわけで、すみません・・まさか観察対象である幼女に見つかって捕獲されるとは思いませんでした。」

-あぁ・・僕もそれは予想外だったよ。いつかバレる可能性はあるかなとは思ってたけどね・・優秀だねぇ・・-

「えぇ・・あ、そろそろ・・・」

-そうだね。じゃあ、僕の代わりに人間の保護者役をよろしくね?-

「かしこまりました。お休みなさいませ」

-あぁ、お休み。写真よろしく!!その町は花が有名だろう?だから、写真に収めた方が素晴らしいっていう人間が集まるからね。他の町で撮るより微妙に安いからおすすめだよ。だからよろしくね!経費で落としといて!値段は自重しちゃ駄目だからね?見た目重視で!よろしくね!じゃ!-


って感じできれた。


・・・はぁ。

さりげなく写真を撮るように促すかぁ。


フリージア様って・・どこまでも好奇心のこの字もないからなぁ・・別の意味で大変だけど・・カワイイしなぁ。

もったいないよなぁ。

笑ったら絶対かわいいのに・・いや、分かってるんだよ?

知ってるんだよ?

無表情でもとんでもなくかわいいから笑ったらその破壊力はモノすんごいって言うのも知ってるんだよ?


けど、1回でも良いから見てみたいなぁと俺は思うわけよ。



とりあえず、俺自身もフリージア様の写真は欲しいです。


ちなみに次の朝、フリージア様のありとあらゆる面で無自覚で全く気にしない部分が思う存分に発揮されていた。

それと同時にシャスティさんのご奉仕ぶりにも拍車が掛かっていた。


髪が寝癖などでぼさぼさになっていようが、パジャマとしてきている猫の着ぐるみパジャマ姿でウロウロしてたがシャスティさんによってきれいに整えられ、歩くのに微妙にフラフラしてるところをサイズをでかくした翠さんとシャスティさんの尻尾によって軌道修正されと。


寝ぼけてはいないっぽいけど、3割くらいは寝てるような気がする状態だった。


シャスティさん・・・ご奉仕する時すごい活き活きしてるな・・。

楽しいならまぁ良いか。


ちなみに、フリージア様の猫パジャマ姿はとんでもなくかわいかったです。

無表情なところがまたその良さを拍車に駆けてたりするなと思ったのは俺の心の中に止めておいた。


写真については、カルナさんは了承してくれて、翠さんとシャスティさんも一緒に写真が撮れることに喜んでくれたのでどうにか写真は手に入りそうだ。

フリージアさんはこくりと頷いただけだった。


されるがままかぁ・・・分かってたけど。

次回は22日にも投稿します

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