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ライガーさん、そして大暴露大会・・あれ?出発は?

--アルナ--

神獣であるティグリスリオンのライガーさんが目覚めたかと思いきや、リア様のことを桜華さんと言う名と呼び、しかも、あの賢者だと爆弾発言をしているのを聞いてしまった。









「はぁーーーーーーーーーー。言い逃れが出来なくなっちまったじゃねぇかよ。」

カルナさんのものすごい長いため息が降り注ぐ。


「翠さんがとっさに結界を張って下さったのが不幸中の幸いでしたね。」

「けど、さすがに間に合わなかったからここにいるメンバーには聞かれちゃったんだよね・・。」

「む?どうしたのだ?」

「どうしたのだじゃねぇよ。なんであんな大声であんなこと言っちまったんだよ。個人情報を暴露するな!」

「何を言うか。桜華様は世界の頂点に立つお方だ。あの程度のことでどうにかなるお人ではない。」

「そう言う問題じゃない!無駄に注目を集めるとそれだけ日頃の生活でも周囲の視線にさらされることになるんだぞ!そうなると気を抜くことすらままならなくなる。神獣だろうが俺よりも格上だとか知るか!リアを心労で殺す気か!病は気からって言うほど心労は馬鹿にならないんだぞ!分かっているのか!お前はリアの人生を壊すところだったんだぞ!!」

「っ!?わ、我はなんて言うことを!!桜華様!申し訳ありません!久方ぶりにお会い出来た喜びに・・我は・・・我は・・・」

カルナさんがブチ切れて神獣さんを叱りつけ、その神獣さんは人生の中で最も絶望してますと言う顔でリア様に謝っていた。


「はぁ・・もう今更だし、一応バレたメンバーに関しては問題ないメンツだったのが幸いだったから良いけどさ。けど、今後は気をつけてくれよ?ただでさえリアは注目の的だって言うのにこれ以上注目されたら絶対に面倒くさいのが集まる。クラリティ王国が身分関係なく良い奴らが揃っていたのが良かったよホントに。」

「そうか・・確か翠と言ったな。本当に助かった。」

「次からはホントに気をつけてよね?じゃないと食い殺すからね?」

「うむ・・。」

・・・姿形では、カラスとライガーなんだけどやりとりをみていると兄弟にしか見えない。

当然兄はカルナさんで弟がライガーだ。

で、翠さんがカルナさんよりも上で姉。

・・そうなるとシャスティさんはカルナさんの双子の妹?

・・うん、それっぽい。


その中でハディさんは一番上の兄だと思う。

静かに見守ってるし。



「・・・で、そのー。」

「はぁ・・。分かってる説明する。その前に待ってくれ。なんでお前はリアのことを桜華様と呼ぶんだ?性別も背丈も全く違うだろ。」

「それはあのときも言った通り我の瞳はその者の魂と宿る魔力を視てどういう人物かを知っているのだ。故に、肉体としての姿は逆によく見えない。」

「大雑把に言っちまうと内面が優先的に見えちまうから外見は認知しづらいということか?」

「うむ。それで合っている。」

「だが、この子はフリージアだ。確かに桜華さんとの血のつながりはあるが別人だ。」

「そうか・・では、桜華様は既に・・。」

「あぁ、普通の人間よりは、かなり長生きだったらしいが結局は人間だからな。」

「そうであったか。だが、今こうして桜華様と繋がりのあるお方とお会いすることが出来た。・・桜華様は幸せだったのだろうか。」

「本人からは聞けないが、幸せだったんだと思うぞ。悔いのない人生を送ったそうだからな。」

「そうか・・。では、桜華様・・ではないな、フリージア様とお呼びすることにしよう。」


「それで、割り込みするようで申し訳ないけどどういうこと?」

「あぁ、みんなが聞きたいのは桜華さんって人物とリアとの関係だろ?」

うんうん。

そうですそこです。

「月神桜華・・かつてこの世界で、はびこる悪を仲間と共に戦った。賢者と名乗ることを唯一許された人物のことだ。そして、桜華さんは、異世界に飛ばされる直前には許嫁がいた。そしてその許嫁には、既に新しい命を宿していた。そして、その子供はすくすくと育ち、更に子を生んで何十年、もしかしたら何百年も経っていたかもしれない。そんなある日、その子孫である女性はこの世界に幼い姿になって飛ばされてきた。」

桜華さんって人があの英雄賢者さんだったんだ・・。

けど、異世界人だったなんて初耳。

だとしても、許嫁の人と離れ離れなんて・・・。


けど、その人の子孫とリア様に何の関係が?


「そして、その女性はこの世界で生きるには非常に大変だった。魔法の才はあれど体が非常に弱かったのだから。それから様々な出会いを繰り返し、多くの人を助け、助けられながら幸せに過ごした。だが、様々な思いと決断によって愛した人物と離れ、とある貴族へと嫁ぐことになった。」

どうして!?

政略結婚って言う奴なの!?

ひどすぎるよ!

「だが、彼女は体が弱くともおとなしくはなかった。」

・・ん?

「結婚したのになぜか、その夫となる相手とは一切触れあうことがなかったのだから。自身の部屋に鍵をつけ、トラップを仕掛けるほどに徹底的に。だが、彼女のお腹には新しい命が宿っていた。」

なんで!?

家の中にトラップってどんなの仕掛けたの!?

と言うより、一切触れあってない(握手もままならずとのこと)のにどうやって!?

「嫁ぐ前に愛した男性との子供だったらしいんだ。」

私を含むみんなの心の叫びを察したカルナさんが答える。

そこで、イリスさんが目を見開いている。

「で、子供は無事に生まれたが彼女は体が弱かったことでそのまま・・。」

アレ?

この話しどこかで聞いたことがあるような。

「そして、残された子供は生まれて5年間の間、幸せを一切知ることなく、むしろ絶望と負の感情のみを知って育ちました。そこで、ある日、その貴族の男が裏でやりとりしていた悪事に関する情報を集め終わり、行動に移ったとある家族によって救出され、ランダム転移の魔道具を使い、逃がすことにしました。」

「ちょっと待ってカルナさん!それって・・それって・・・」

「あぁ。かつて英雄賢者と呼ばれた男の子孫であり、現代の英雄賢者の正統後継者として認められた唯一の存在なのが、フリージアだ。」


驚きと共に納得している自分がいました。

リア様の魔法の才能についても凄く納得しました。

それと、バレクさんたちがイリスさんよりもリア様を優先していることも、信仰や信頼では済まされない強い意志も。

だって、バレクさんたちはフォルシェンファミリー。

あの英雄賢者様の唯一の弟子なんだから。


「アレ?じゃあどうして英雄賢者様の名前である桜華さんって名前が知られてないの?」

「それは勇者と聖女も同じなんだが、職業で呼ばれていたせいもあって自身の名前が広まることがなかったんだ。結果としてその関係者以外は知られなくなってしまったんだ。」

「なるほど。」

しいて言うなら、名前を知らない人でそう言う職業を名乗る人は偽物だって判断出来るってことだね。

「それで、あんたと桜華さんとの関係は何なんだ?」

「我は、幼い頃に桜華様に救われ、我1人でこの世界を生きていけるようにと育ててもらったのだ。」

「なるほど、それで独り立ちってことか。」

「うむ。だが、よくよく視るとフリージア様は桜華様よりも別の誰かに似ているのだ。」

「誰かって誰だ?」

「それがな・・桜華様にも感じたことのある気配なのだが、その気配は桜華様よりも強い。もしかするとその気配の生まれ変わりがフリージア様ではないかと思うほどその気配が強いのだ。」

「そうか・・何か問題とかあるか?」

「ない。どこまでも善に溢れたモノ故。」

「なら良いか。」

「フリージア様、我と契約をして下さいませんか?さすればあなた様のことがより詳しく分かるかと思われます。」

おぉ!

神獣から契約をお願いされるとかさすがリア様。

{契約すると言うことは私に縛られると言うことなのですよ?よろしいのですか?}

「構いません。我は、桜華様に救われ、フリージア様にも救われた。桜華様には恩を返すことが出来なかったのでその分もフリージア様へ返したいと思っているのです。」

しばらくリア様はじっと神獣さんを眺めた後、静かに頷いた。

{わかりました。血と名でしたね。}

「おっしゃる通りです。」

そしてリア様は指先を傷つけて血を流し、それを神獣さんへ飲ませ

「名を授けましょう。その名は、黄昏」

リア様からの超絶レアな肉声でその名は授けられた。

「拝命致します。我は黄昏。ティグリスリオン:黄昏である!この身はあなた様のために。」

ふわりと2人は数秒ほど光った。

どうやら契約が完了したらしいです。






--フリージア--

ライガーさんに思いっきり暴露された。

おかげで私が賢者だとバレてしまった。

お仕置き代わりに全身をモフモフしてます。


その結果、黄昏はマタタビを与えられた猫状態になってます。



で、気にせずにカードさんお願いします。










名前:フリージア・クラリティ・エトワール

ランク:S(二つ名=魔鏡姫/夜叉姫)

パーティ:ハリーファ(リーダー)


体質:悪心撃滅

性別:♀

年齢:11

種族:能**(95%完了)

身分:公爵、クラリティ王国魔術師団長

職業:賢者、協奏師

副職:刺繍屋

称号:絶望を知る者、幻獣の家族、変態紳士ホイホイ、英雄賢者の正統後継者、神子クテン、狩人、アームズマイスター、断罪者、転生者(月神朔)


属性:陰

体力:C+

魔力:SSS

攻撃:D+

防御:E

俊敏:D

練度:SSS


攻撃技1:【影操作】【射撃】【影纏】【影翼】【人形劇】【影移動】【衝撃波】

攻撃技2:【魔力反射】【物理反射】【性質変換】【切断強化】【貫通強化】【硬度強化】【束縛強化】【圧縮強化】【覇気】

武器1:【刀】【大剣】【剣】【短剣】【槍】【薙刀】【鎌】【斧】【かぎ爪】【弓】【蛇腹剣】【鎖鎌】

武器2:【杖】【鞭】【棍】【棒】【槌】【盾】【扇】【星球モーニングスター】【投擲器スリングショット

補助技:【内外念話】【奉納】【心意加増】【精神統一】【アクロバティック】【合気】【威圧】【暗器】【鉄壁の心】【月翼】【指揮】【変身】

自動技1:【圧縮記憶】【思考速度上昇】【並列思考】【一点集中】

自動技2:【心の瞳】【ショートクさんの耳】【心の歌】【騎乗】【武器舞踊】【武器舞踏】

覚醒:【侵食】【拡張】【守護者召喚】


衣類:精霊のストール、精霊樹のローブ

武器:聖華の杖、聖木せいぼくの義手、破邪の蛇腹剣

装飾:教会の腕輪(EX)、幸運のイヤーカフ、クラリティ王国公爵家の証(儀礼剣)

写真:フリージア、ペチュニア、イリス


契約

【幻獣】八咫烏:カルナ(二つ名:守護鳥)

【幻獣】ガルディエーヌ・キャット:シャスティ(装備:黒月)(二つ名:逆鱗)

【妖精王】ロワ・ゲル:スイ(二つ名:緑の災厄パンドラ

【??】ウールスフィア:ラナ(二つ名:陰の守護者)

【魔物】クロコディルガーディアン:ハディ(二つ名:堅牢)

【神獣】ティグリスリオン:黄昏


加護

ペチュニアの溺愛、流星姫ペチュニアの過保護

元英雄賢者/現神様のお気に入り、月神桜華おうかの子孫

下位精霊の親愛、上位精霊:リフの溺愛、精霊樹の巫女







称号

転生者(月神朔)

かつて断罪者と呼ばれ、神へと成り上がった人物の生まれ変わり

視力と聴覚が強化され、記憶力が向上する。


補助技

【変身】

称号:転生者の効果により、柚子葉色の仔猫の姿になることが可能

速度が増し、魔力・身体・精神全ての回復力が通常の2倍となる代わりに、魔法を行使することが出来なくなる。


自動技1

【一点集中】

1つのことに集中することで器用さ・命中率が増加し、疲労しにくくなる。


契約

【神獣】ティグリスリオン:黄昏

全身が10メートル、尻尾だけで6メートルはある純白の体に黒のしましまの入った体

首回りをクルリと長い白銀の毛で覆われたたてがみ

若干白みがかった透明度のある鋭い爪に黄金の瞳を持ったライガーの姿をした神獣

強靱な肉体を持ち【プラズマ】を扱うことが可能



【プラズマ】

自在に氷と雷を扱うことが出来る

効果範囲と威力に関しては周囲の天候によって威力の強化が可能






おぉ。

契約が増えてるだけではなく、他にも色々増えてますね。

ふむ?

仔猫に変身出来るんですか・・回復力が高まると、まぁいいや。

スルーしておきましょうスルー。



それと、黄昏は氷と雷どちらも扱うことが出来るんですね。

体がおっきい分力もスピードも凄いみたいですし、楽しみです。



後・・・種族のところのは何なんでしょう?

{カルナ}

「ん?どうした?」

{この種族の部分のこれ、何だと思います?}

何パーセントとか書いてあります。

「種族?・・・翠、どう思う?」

「ん~、流れ的には進化するための条件がほぼほぼ完了したってことじゃないかな?推測だからこれ以上は分かんないけど描かれてる場所的に。」

「んー、確かにそうとしか言いようがないな。」

種族進化する為にやるべきことがほぼほぼクリアしちゃったってことですか・・なるほど。

さっぱり分かんないですね。

やった記憶なんてさっぱりですもの。

とりあえずスルーしましょう。



「む?そういえば今更だがイサムにヒジリではないか。」

黄昏がユウちゃんとセイちゃんに向かってそう言った。

で、2人はビクン!と体を揺らしながら目がすっごい泳いでる。

「やはり桜華様の傍にいたのだな。お主らは幼馴染みで同い年だというのに兄として慕っているからな。いや、フリージア様の場合では今は姉か。」

「だ、誰のことかなぁー」

「そ、そうだよ。」

凄いきょどってる。

{黄昏、イサムさんにヒジリさんとは?}

なんとなく想像がつきつつも聞いてみると予想通りでした。

「む?イサムとヒジリは桜華様の幼馴染みであり、それぞれ”勇者”と”聖女”と名乗ることを唯一認められた御仁のことですぞ?」

ユウ・セイ「あ"-------」

すっごいうなだれてますね。

{話していただけますね?}

ユウ・セイ「はい・・・」

「黙ってたわけじゃないんだよ?伝えるつもりだったんだよ?」

「そうそう。ただ、どのタイミングで伝えるべきかすっごい悩んでたんだよ?」

{その感じでは私が賢者だと見抜いていましたね?}

「っ!」

「だ、だって・・リアちゃんの目を見たらわかるもん」

目・・あぁ、魔法陣ですか。

「じゃあ、改めまして・・私はセイ・セイクリッド。かつて聖女と呼ばれたヒジリ様の子孫であり、聖女の正統後継者です。」

「僕はユウ。ユウ・クラージュ。かつて勇者と呼ばれたイサム様の子孫であり、勇者の正統後継者です。」

{他の方々よりも回復や治癒に関して優れていたことや、遠隔で対処ができたこと。それに、剣にすさまじい才能があり、普段技を磨くために力を抑えていたことも全てその職業のおかげということですね?}

ユウちゃんが力を抑えていたのはなんとなく気づいてたんですよね。

それに、セイちゃん以外に誰1人として遠隔で回復したことがなく、みたことが1回もなかったんですよね。

「その通りです。」

「今まで黙っててごめんね?」

{私も同じですのでお気になさらず。}

「じゃあ、ここに心技体のメンバーが全員揃ったわけだね。」

「そうなりますね。」

「2人はそれぞれ役目とか役割とはあるの?」

「一度世界をまわって強大な敵がいれば潰せと言われているだけですね。強くあること、技を磨き続けることが我が家の家訓ですので。」

「うちも似たようなものですね。あらゆる難病を、怪我を治し、技を磨き、心を磨けと。」

「じゃあ、リアと出会ったときに言ってたことは?」

みんなを見返してやるとかなんとか言ってましたね。

「それは嘘ではないよ。僕の村ってちょっと特殊でね、僕はその中でも剣にしか才能がなかったんだ。」

{魔法と言うより、遠距離技が苦手でしたよね?最近では斬撃が飛ぶようになりましたが。}

「うん。うちの村の人たちってイサム様がその村に住むようになってからその住民全員に稽古をつけてたんだ。」

「で、それは習慣化して村のみんなは先祖代々鍛え続けてるから、やけに戦闘力の高い村なんだよ。まぁ、ある意味では目立つから公益として麦や米を売る以外での他の町や村との繋がりは少ないから所謂隠れ里みたいなモノなんだけどね。」

「繋がりのある村や町と言うより、僕の村の住民以外は誰1人として僕が勇者の正統後継者だってことを知らないし、村の中でも知っているのは極々一部だけなんだ。」

{ユウちゃんのご先祖様のことを知っているのなら言わずとも村人なら気づいているのでは?それと見返すというのとどのような繋がりが?}

「そのことなんだけど、正統後継者ってその子孫なのは確か何だけど、それがどの世代かは分からないんだ。事実、僕やセイ、リアは2代目でしょ?あれからかなりの年月が経ってるのにも関わらず。で、正統後継者だって秘密ではあるんだけど、ステータスは高くても、技は優れていても接近戦と遠距離戦のどちらも出来て当たり前なみんなからすると、接近戦に優れていても遠距離戦が出来ないのは落ちこぼれだって認識になっちゃうんだよね・・。」

そういえば、そんな話しをバレクさんたちから聞きましたね。

勇者は、剣技に優れている代償なのか何なのか遠距離に関する攻撃の類いが全てにおいて超苦手なんだと。

そして、聖女は回復や治癒関連であれば天才だがそれ以外の攻撃手段がほとんどない。

あるとすれば過去に治療したことのある怪我を指定した相手に再現することと、自身で体を鍛える程度。

それで、私は2代目だったんですね。

だとすればどうしてお母さんは2代目にならなかったのか不思議でバレクさんに聞いてみたところ、性格的に合わないからだろうとのこと。

あぁ・・・お母さんはゴーイングマイウェイですからね。


「で、僕がそうだってことは秘密なんだ。どこでバレるか分からないから。それで、遠距離戦が出来なくても強くなれるって証明がしたかったんだ。」

「ちなみに私も同じで、正統後継者だって内緒になってるよ。それと、ユウの家族やユウが正統後継者だって知ってる人たちはユウが勇者だから遠距離が出来ないのは仕方がないって分かってるんだけど、その事実を知らない人はねぇ・・。」

{なるほど。では、お二方のご家族は互いに正体を知っているからこそ繋がりがあるんですね?}

「うん。まぁ、世間的にはセイの家に仕えているってことになってるんだけどね。貴族ではないけどファミリーネーム持ちだから正当性は貫けてるよ。」

{まぁ、お二人がどうでアレとやかく言うつもりはありませんが、これからもよろしくお願いしますね。}

「うん!」

「こちらこそよろしく」

「で、お主らはリア・・いや、今代の賢者になにかようじゃったか?」

「特に重要な用事がってわけじゃないんだけど、うちとユウの家が繋がりがあるのに賢者の家系の居場所がヒジリ様の世代からずっと分からなかったから、居場所だけでも知りたいって思って探してたんです。」

「心技体のメンバー繋がりでもあるけど、いつか世界を揺るがす何かがあったときにすぐに連携がとれるように互いの居場所を知っておくことと、互いに仲良くしようっていうのが理由ですね。」

「なるほどな。バレクたちとの交流でも良かったんじゃないか?」

「うん・・そうなんですけど、弟子とは言えその話ってイサム様とヒジリ様と別れた後のやりとりなのでどれほど親密だったかが分からなかったので不用意に接触するわけにはいかなかったんですよ。・・実際知って考えすぎだったんだけどね。」

「それで、ご先祖様も誰1人として桜華様のあの後のことを知らないんだけど、リアちゃん知ってる?」

{詳細は分かりませんが、上位精霊との交流で寿命が延びて、1人で世界中を生涯かけて彷徨いながら多くの人を救って回っていたそうですよ。}

「そこは、聞いてた通りだ。それで?」

{で、亡くなられた後、その功績が天界で認められたらしく、世界を管理する立場に就任することが出来たそうです。}

「それって・・神様って言わない?」

{言いますね。}

「ご先祖様が言ってた通りの人だった・・」

「まさか、ヒジリ様の勘が当たってたなんて・・。」

2人揃って項垂れてる。

なぜに?

(?)

「いや・・ね?イサム様・・と言うよりご先祖様から代々言われてたんだけど、兄のように慕っていた幼馴染みの桜華様は、人助けが擬人化したような人で、死んでも人助けか仕事をしてそうだって・・。」

「うん・・ヒジリ様から代々私も聞いてたんだけど、頑張りすぎて神様にでもなりそうだわとか死んだ後もおとなしく生まれ変わらずに仕事か人助けしてそうとか・・まさかピッタリ当たってるなんて・・。」

桜華さん、頑張り屋さんだとかお仕事人間という扱いされてますよ?


「それで、ユウの見返す意思は分かったけど、セイも同じような理由か?」

「うん、カルナさん。回復や治療以外出来ないし、聖女だって内緒だからね・・家の場合は貴族だし、戦うことって基本的にないから回復に専念してても全く問題ないんだけど、家の一族の中でも知ってるのは極一部だからそれを知らない人間からすると攻撃手段のない人間はいい的だとしか言われないのよね。」

「お前らも苦労してるんだな。」

「リアちゃんには負ける。」

「うん、リアには負ける。」

「あぁ・・アレは例外だ。」





「とりあえず、2人の正体は分かった。・・どこぞのライガーが口を滑らせたおかげで。」

カルナのジト目から微妙に視線を泳がせて逸らしている黄昏。

「まぁ、反省しているようだしいい。じゃあ、その事情を知ってるなら力のセーブはやめて良いんじゃないか?」

「え?どうして?技術を鍛えるには力はセーブした方が良いと思ったんだけど。」

「それももっともだが、自分の全力の力のコントロールが出来なくなる可能性だってあるし、いざと言うときに全力が出せなくなるぞ?」

「あ、その心配があった。・・訓練場所探しからだなぁ。」

全力を出すと周囲が戦場跡地になるからのようです。

「セイの場合は、知識と実戦経験くらいか?」

「そうね。まぁ、目立たないようにさりげなく治す速度をワザと遅くさせてたのは確かだけど。・・今は、リアちゃんの治療が優先だし、それが目標だから。あ!リアちゃんに対しては全力だったからね!?」

セイちゃんもこれからは全力で動くようです。

「リアの?喉は筋力を鍛えるしかどうしようもないぞ?」

「え?あ・・・」

セイちゃんがやべって顔になった。


あぁあ。

「セイ?話してくれるよね?」

「は、はぃ・・」

パパのにっこり笑顔(妙に威圧感あり)にセイちゃんは折れました。








「はぁっ!?リアの寿命が10年ちょっとしか残ってない!?」

「ちょっ!?何でそんな大事なことを内緒にしてたの!?大問題じゃないの!!」

「しょうがないじゃないですか!!リアちゃんに口封じされてたんですもん!!」

ちなみに口封じとは、翠ちゃん直伝ワザの実験台です。

怖いことはありませんよ?

ただ、お顔が赤くなって寝ちゃうだけですから。(気絶してるとも言う)


「リアちゃん?」

{私は5才になる前にはとっくに死んでいた身です。その先の人生である今こうして生きているだけで幸運です。それ以上を求めるのはいけないことです。}

「何でだよ!長生きしたいというのは人として、生物としての当然の気持ちだろう!」

「そうだよ師団長!私もだけどみんな師団長には長生きして欲しいって思ってるよ!」

{生きることのどこが幸せなんですか?過去のあれこれをずっと抱えたまま生かされているんですよ?}

「そんなことない!その気持ちは確かに抱えたままかもしれない。リアちゃんの場合は特にひどかったって知ってる。けど、それ以上に幸せな気持ちを知って欲しいのよ!」

セイちゃんたちの言いたいことは分かります。

けれど、私からすると既に生きたいという気持ちはなくしている。

そこで、リムさんが叫ぶ。

「じゃあ、俺のために、俺たちのために生きてくれよ!」

{リムさん?}

どうしてそんなに悔しそうな顔をしてるんですか?

涙が・・

「俺は完全に部外者だし、貴族でもないからリアの気持ちはほんの少しも分からないかもしれない。それでも、リアには生きていて欲しいんだ。俺は、リアがいないと生きていけない。リアのいない人生は考えられない。それに、俺は決めたんだ。」

{何をですか?}

「俺は・・俺が生涯かけてリアを幸せにしたいって。例えリアに嫌われても、世界の敵になっても構わない。リアが幸せになれるなら、リアが自然に笑えるような人生を俺が歩ませたいんだ!」




・・・どうしましょう。

お顔が熱いです。

それと、リムさんがかっこよすぎて・・キラキラしすぎて目視出来ない。


この気持ちは・・・何?








--アルナ--

衝撃な事実・・というより、暴露大会になってる中、一番の爆弾を炸裂させたのはグリムさん。

リア様があと10年と少ししか生きられないなんて嫌だ。

リア様にはもっと長生きしてほしいし、もっと幸せになって欲しい。

それに、リア様はもっと笑って欲しい。


同じ気持ちなのにグリムさんの言葉はすごく心に響いた。

それに、グリムさん・・思いっきり俺”が”って言いましたよね。

誰がどう聞いてもグリムさんはリア様のことが好きだって言ってるよね?

と思ってリカルさんをちらりと見るとほほえましそうに頷いた。

やっぱりそうだよね。


それと一番の驚きはリア様が照れているということ!

恥ずかしそうに顔を赤くしてるけど、嬉しそうというより幸せそう。

で、グリムさんに見惚れつつも恥ずかしくて直視できないらしく出発するために巨大化していたシャスティさんに埋もれてる。


美少女のテレ顔ごちそうさまです!

で、周囲のメンツはバレクさんたち以外はすでにグリムさんの気持ちを知っていたらしいのでそこまで驚いてないけど、突然の告白に照れてるリア様に驚いてる。

だって、ほとんど表情が動かないあのリア様が照れてるんだもん。

しかも恋愛のれの字も知らないリア様だから余計にびっくり。


それで、リア様のお父さんであるイリスさんはグリムさんに対して友好的で、評価も高いから特に反対はなさそう。

それで・・・バレクさんたちはというと。

「リアが欲しくば我らを倒してからにせよ!!!」

「俺ら程度に負けるようじゃ足手まといだからな。足手まといにリアを渡す気はないぜ?」

「死神なんて大層な名前がついてるんだ。俺たち程度どうにでもならないとね?」

「ウフフ♪では私はお料理から家事全般に関して評価して差し上げましょうか。」

すごい殺気立った状態で娘の結婚に反対する父親モードでした。

でも、嫌ってしているのではなく、試練として立ちはだかっているかのように見えます。

・・・実の父親じゃないのに・・一部は性別も違うのに・・まぁ、リア様だしそんなものか。

「と、当然だ!全員に賛成してもらうまでは俺は何でもやってやる!!当然犯罪は犯さない!」

「かっこいいこと言っててなんでもなさそうなそぶりを見せてるけど・・顔、真っ赤だよ?」

「き、気のせいだ!!」






そういえば、出発するんじゃなかったの?

シャスティさん出発のために準備運動も巨大化も済んでるのに放置されてますよ?

まぁ、今は照れて悶えてるリア様相手に忙しそうだけど・・というより幸せそう。

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