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流星の里を狙う愚か者どもに鉄槌を!

夏休みと言うことで流星の里にいる私です。

里の中にはかわいくて強い小動物たちが増えてました。


で、流星の里にたどり着いて数日ほど経過した今日この頃、私にとってはとても穏やかな日々を過ごしています。

と言うのも、私に同行してきたメンバーの中でもユウちゃんとリムさん、魔術師団5名(以下、団員と呼ぶ)はおじいさまたちと模擬戦を体力と魔力が尽きるまで時間があれば何度もしているからです。

ちなみに襲撃もありますが、ハリネズミさんや鳥さん、ウサギさんたちが嬉々として退治しています。

それどころかチンチラさんたちが趣味で作った落とし穴(幅も深さも数メートル単位)に相手は勝手に落ちて、その壁際にヌルヌルする液体(ウサギさんたちが用意してるけど何か不明)を塗って上れないようにして、チンチラさんたちが装備品を穴だらけにして使い物に出来ないようにして放置をしているので勝手に自滅します。

翠ちゃんが言うには、兵糧攻めもどきらしいですよ?



とはいえ、襲ってくるアホどもはなぜか大量の魔物に追われる形でこの地にやってくるのでそいつらを退治した後は魔物退治が定番の流れですが。

それらも私が対応する前におじいさまたちを筆頭とした団員たちが特訓代わりに潰している。

動物さんたちは人間相手って感じですから魔物相手だと劣勢でせいぜい足止めくらい。

おじいさまたちからすると人間相手の方が多いのでありがたいらしい。

むしろ魔物相手は機会が少ないので危機として対応しているので互いに良い関係を築いている模様。

魔物の種類も数もバラバラなのにやってくる方向は同じなのでホントに謎。


どこかでその方向に何があるか調べる必要がありそうですね。

とはいえ、現在は相手の在庫切れを狙って好きなようにさせて全て潰している状態です。

悪心退治としては餌があっちからやってくるわけですからね。


けど、限度はあるので我慢の限界が来れば相手は一欠片も残さずに潰す予定。




そして、丁度良くウサギさんに蹴り飛ばされ、そのまま一直線にチンチラさんが作った落とし穴に落ち、ウサギさんが落とし穴の周囲をくるっと囲い、雨をずっと降らせてかろうじて死なない程度の量の水をためる。

そして、登ろうとすると落とし穴の縁はぬるぬるになって触れず、力ずくで登ろうとするとハリネズミさんたちが腕を穴だらけにして、鳥さんが鼓膜破壊攻撃で追い込みをする。

そんな滅多打ちで食らったのに奇跡的かろうじてに生きていたのでリムさん、ハディちゃん、シャスティ(巨大化済み)お兄様にくるっと取り囲んでもらい、意識をギリギリ飛ばさない程度の威圧を全員で放ってもらい、情報を吐かせられるだけ吐かせてからサクッととどめを刺す。


そんな感じで何度かに分けて情報を収集しながらそのたびに襲ってくる奴らを同じ目に遭わせて情報を集めました。



いやぁ。

動物の皆さんってホントに優秀ですね。

それぞれの力量をしっかり把握した上でチームプレイもばっちり。

なので、実は私たちは情報を吐かせるだけでそれ以外はほとんどしていなかったりします。

まぁ、そのせいでちっちゃくてかわいいのに怖いとつぶやく人たちがいたりするけど気にしない。





「集まった情報を収集すると”ナニカ”を手に入れた愚か者がそれを利用してこの地を狙っているようだね。」

「しかも、そいつは何かやらかしてどこかの国から追放された元貴族で性根はしっかり腐ってたみたいだ。」

「身分をかさに気に入った女性を孕ませ、生まれた子はいたぶって殺す。それを何度も繰り返す屑だったが、命からがら逃げたモノからの告発で判明し、捕まえようとしたが逃亡し、現在は指名手配犯となっている。」

「面倒くさいことにそいつは無駄にずる賢いらしいね。見つけた”ナニカ”を利用することと、この地を狙い、復讐しようと企んでいると。」

「そして、人を集め、魔物を誘導し、俺たちフォルシェンファミリーを全員殺そうとしていたと。」

「そこで予想外だったのは、大規模なスタンピート規模でも楽々殲滅するほどの力をそれぞれが持っていたことかな。」

「だが、肝心のねぐらは曖昧だったな。」

「ちょくちょく場所を変えているみたいだね。」

{そこは、私が対処しましょう。}

「リア様?あぁ、精霊樹を経由してですか?」

{ここは、森は少し離れているので無理ですので、私の影さんたちを分散させます。}

「あぁ、カイザーローズの時にしていたアレか。」

(コクリ)

「・・ムリはするなよ?」

{カルナ、大丈夫ですよ。今回はセイちゃんもいるので}

「うん、よく分からないけど治すよ。それに、絶対守るから。」


私はにこりとセイちゃんにほほえんだ後、黙祷したまま瞳に魔方陣を宿し、ツバメさんたち(実際より半分以下サイズ)を影で作り出し、一斉に四方八方へと飛ばす。

数は、500。




「何つぅ数だ。」

「小さいとは言え、何と言う数だ。」

「さすが師団長。」

「うむ。さすがは我らが主じゃ。」

「リアちゃんのレベルアップがエグすぎる。」

「さすが魔法の天才。技の申し子」

「さすがリア様!私のお師匠様です!」

「あの数全部を操って、五感をリンクさせてるの?・・リアの頭の中ってどうなってるのかな・・。」

「あの大量の数を同時に操り、五感をリンクさせるだけでなく、それぞれがかなり速度が出ていた・・やっぱり凄いな。・・あのカイザーローズの時よりも確実に強くなってる。俺も負けないように頑張らないとな。」

「うんうん、さすがリアちゃん。これでこそニアさんの娘だ。」

「いや、イリスさん・・そう言う問題じゃない気がするんですけど・・」

みんなが言いたい放題言ってる気がするけどそんなのをまともに聞いている余裕はないのでスルー。

チラッと聞こえていた通り、あのカイザーローズの時の倍の速度をそれぞれが全方角・全方面へ飛ばしてあらゆるモノを探し、見つける。

それぞれの個体は当然1体1体の距離は広げられるだけ広げる。

飛ぶ高さも見る方角も全て異なるようにする。





そして、私は全ての超小型の鳥さんたちが見ている光景を全て隅々まで見落としなく確認する。

サイズは、見るだけで良いので3センチサイズの鳥さん。

姿が鳥さんなのは各方面へ飛ばすと言うイメージをわかりやすくする為です。

まぁ、ただのまん丸な球体でも出来るけど、まとめて対応するにはまん丸よりも鳥さんの方が飛ぶと言うイメージが楽で良いのでこっちです。

それから、飛ぶ速度は普通に見ていたら何か通り過ぎた?と疑問に思うほど素速い・・というより素速くさせている。

こういうのは、【圧縮記憶】【思考速度上昇】【並列思考】【心の瞳】【ショートクさんの耳】がお仕事してくれるので大抵のモノは判別出来る。

他にも、少しでも負担を軽くする為に五感は視覚のみにしている。

まぁ、元々それ以外は聴覚と嗅覚くらいなのでその二つだけが普通なんですけど。

だって、触覚をつけてもいざって時に痛いだけですし、味覚も必要ないですからね。


そうやって確認していく中、やけに大きな洞窟を発見。

その中から何か妙な気配を感じる。

この感覚は無視したくないですし、他にも悪心撃滅体質が反応している。


とりあえず、その中に1センチサイズのトカゲさんに姿を鳥さんから変えて数体ほど入り込んで調べる。

すると潰したくてたまらなくなるようなクズどもが大量にいるし、洞窟の中もものすごく広いし、いくつも分かれ道がある。


とはいえ、事細かに調べるには他の箇所を並行して調べてるから余裕がないので感覚を頼りに最小限の範囲に留める。



何かをため込む為の魔道具があちこちに転がっており、無駄に宝石や金貨が保管されている箇所が大量にある。

そして、何の素材で出来てるか分からないけれどものすごく頑丈な檻の中に首に手足、胴体全てに拘束具が地面に直接縛り付けるように取り付けられている。

ご丁寧に縛り付ける箇所は地面の奥深くに檻の隙間を抜けた先なので檻を持ち上げて・・と言う手段も出来なさそうだ。


そして・・その中にいるそれがあのクズどもが言っていた”ナニカ”のようだ。

あいにく、ここのボスというか屑の大元はどこかに出掛けていたようだが、間違いなくここが今の本拠地だろう。



そしてそこにいた生き物はライオンさんとトラさんを混ぜたような4足歩行の動物でした。

全身が10メートル、尻尾だけで6メートルはある純白の体に黒のしましまの入った体

首回りをクルリと長い白銀の毛で覆われたたてがみ

若干白みがかった透明度のある鋭い爪

黄金の瞳は獣の王にふさわしい強さを感じる



だが、本来ならば存在するだけでもとても強い覇気を感じるほどのはずがとても弱々しかった。

全身を拘束されているのに加え、手足には針のようなモノが刺さり、魔力を吸われていた。

どうやらあちこちに転がっていたあの魔道具はこの子から吸い取った魔力をため込んでいたようだ。


どうにかしてあげたいけど、今の私ではムリ・・直接ここに来ないと。




もう少し情報を集めないと・・と思っていたらグラリと意識が遠のいた。

・・そろそろ限界ですね。


仕方がない。

この場所は、どこかは把握しました。




待っていて下さい。

必ず助けますから。

私はそう願いながら全ての影をその場で霧散させて全ての魔法を解除する。


ちなみに、他の箇所では小グループを組んであの魔道具を利用して魔物を誘導させているのがあちこちにいたのを見かけた程度で、そいつらは揃ってあの大きな洞窟が本拠地で確定だと分かった程度の情報しか集まらなかった。

まぁ、全ての拠点の場所は確認しましたけど。






そして、ゆっくりと目を開けると目の前にはおっぱいがいっぱいでした。

「リアちゃん大丈夫!?」

「リア様ご無事ですか!?」

あぁ、リリさんとアルちゃんのおっぱいがメインでしたか。

その周りにもおっぱい・・じゃなくて団員やみんながいました。


それからみんなにそれはそれは心配されつつ、セイちゃんに治してもらいつつ、せかせかと色んな食べ物を食べさせられながら一通り落ち着いたところで全ての拠点の場所とその洞窟の中で見たモノを伝えた。

「多分姿としてはライガーって呼ばれる姿だね。」

「ライガー?」

「うん、私の元の世界ではライオンとトラの間に生まれた子供をそう呼んだんだ。まぁ、種族としては”ティグリスリオン”っていう神獣のはずだよ。」

「神獣!?」

「ホントなの翠さん!」

「間違いないよ。リアが言ってた情報ではそれ以外あり得ない。それに魔物をここまで誘導したのも納得した。」

まず、神獣とはカルナたち幻獣の上位種といえば簡単ですが、名前の通り神様に最も近い獣という扱いであり、神の遣いと呼ばれるほど凄い存在です。

幻獣になれる確率が1万の内多くても1%だとすれば、その1%の中でも更に軽く1%未満レベルなのが神獣。


で、翠ちゃんが言うには神獣の魔力はやはり神の名が使われている通り、聖なる力が宿っているらしい。

今回の場合だと、その魔力をその魔道具で改造して魔物が好んで寄ってくるようなモノに改良していたようだ。

つまりはあの魔道具は正しくは神獣の魔力をため込み、時間をかけて魔物を寄せるタイプの魔力に変化させる為に洞窟内で放置、そして完成したらそれを使って各地で魔物を誘導していたようだ。


「ちっ、胸くそ悪い。」

「ホントだよ。」

「けど、どうやって神獣なんて凄い存在を捕まえたんだろう・・。」

「毒とか何か色々と卑怯なことをしたんだと思うよ・・そのクズのことだし。」


「けど、拠点も本拠地も把握したことだし、リアちゃんの体調が戻り次第、殲滅戦を行なおうか。」

パパの目がとても冷ややかなのににっこり笑顔。

どんな美女よりも美人なパパはある意味最強。

たとえ、どこぞの国の美姫(実際はただの貴族令嬢)とか言われてる人がパパ目当てにやってきて誘惑しようとしてもパパの方が美人で誘惑する前に心がぼっきりとへし折られたことは少なくないとラウ兄さんは語る。

おぉ・・美形の笑顔は凶器とはこのことですか・・なるほど。

人のこと言えないだろとかカルナが言ってるけどスルー。


とりあえず、早く助けたいし疲れたし頭がクラクラするのでお昼だけどお休みなさい。

ちなみに、私が探索していたのは3時間以上ぶっつけで行なってたと知るのは大分回復した後だったりする。





それから、その日は一切のことを禁止されてずっと食べさせられてるか寝かせられてました。

・・みんな過保護なんです・・むぅ。


で、出発となったのはその翌日の朝ご飯を食べて落ち着いたところ。

「じゃあ、小規模な拠点は全部で57箇所。平均人数は300。本拠地は600は下らないし、何をしかけているか分からない。」

この辺り一帯の地図に私が視た拠点の位置を全て記してる状態です。

「拠点の場所が結構ばらついてるな。だが・・」

「だが、本拠地を守るようにしていることもあって4割くらいは本拠地の周辺にまんべんなく固まってるな。」

「とはいえ、本拠地の場所をさとらせないように無駄にばらつかせてたりダミーの拠点もかなり大量に配置されてて面倒だな。」

ダミーの拠点は、トラップがしかけられているだけの場所です。

それが、100はあります。

トラップの種類も様々で簡単に言うと動きを封じ、戦力を奪い、捕まえやすくし、とらえるようにする感じです。

「リア、露払いは任せとけ。」

「ギリさんの言う通りだよ師団長。私たちがダミーも各拠点も全部潰しておくから!」

「クリア、リード。ワシがこの地を守る。お主らはギリと共に行け」

「えぇ。」

「もちろん。」

「それなら君たちにそっちは任せようかな。残りのメンバーで本拠地を跡形もなくたたきつぶす。」

全員「了解」

「それと、リアちゃんは僕たちと同行しても戦いは禁止。僕たちだけで全部潰すから。」

(コクリ)

無理はしたら駄目だとパパの目が語る。

それと、あの事前調査の分で十分らしい。

と言うのもあるけど

「リアちゃんはまだ本調子じゃないんだからだめよ?」

にっこりとほほえみながら私を抱っこしてほおずりしてるリリさんがそう言う。

「そうそう。それに俺等はフリージアの護衛なんだ。たまには本来の仕事させてくれ。」

ゼルさんがそう語る。

大抵同行してるか別行動して冒険者として動いてることがほとんどですからね。

「じゃあ、私はリアちゃんの体調を見るのと、その神獣さん?の体調を確認する為に同行で、ユウはリリさんたち同様リアちゃんの護衛って感じですか?」

セイちゃんの台詞にパパは頷く。

「うん、今回は僕とカルナたち、そしてリリ、ゼル、ラウがメインで他のメンバーはそのサポートを頼みたいんだ。」

全員が頷く。

「では、私はお邪魔になりそうですのでお待ちしておりますね。」

「アリス、待っていてくれ。」

「えぇ、あなたの子を生む前に未亡人にはさせないで下さいよ?」

「ぐふっ・・あぁ、当然だ。俺の気持ちをまだアリスには伝え切れていないのだから。」

「っ~~~~!!!」

アリス姉さんが流星の里で待つことになり、ラウ兄さんが任せてくれという表情で頷いたら先ほどの台詞です。

で、アリス姉さんの台詞でなにやらダメージを食らったようですが、ラウ兄さんの反撃で遠回しに俺の愛はお前に伝えきれないほど溢れていると告げるとアリス姉さんは顔を赤くして悶えている。

ついでに言うとラウ兄さんは自分の台詞に軽く悶えている。

更におまけで言うと、そんな互いに悶えさせようとしつつも自滅している面白カップル(みんなはバカップルと呼ぶ)を見てるみんなはなぜか砂糖を食べ過ぎたと言う顔になってる・・なぜに?

翠ちゃんが言うには、砂糖を吐くような光景を見させられてるかららしいけど、私からすると面白いなぁとかかわいいなぁとしか思ってないから面白いんだけど。

どうしてそれで砂糖を吐くという言葉になるのか聞くと、それだけラブラブな光景を甘々と言うからその延長戦というか上位の扱いでそう言う台詞になったんだとか。

面白い台詞を思いつく人もいるモノですね。



それを面白そうに眺めているのは前王様であるおじいちゃんと前王妃であるおばあちゃんはもちろん流星の里で待機することになってます。

「イリスたちであれば問題ないとは思うが気をつけてくれ。」

「そうよ。」

「えぇ、もちろんですよ。」

「それに、フリージア、君も十分気をつけるんだぞ?」

「そうよ?大丈夫とは思うけれどかわいい孫娘なのですから。」

(コクリ)

元王様のおじいちゃんと元王妃様のおばあちゃんはこの流星の里で過ごすようになってからとても活き活きしています。

私もですが、パパの家系にしても、お母さんの家系にしても私の血筋は流星の里のようなのんびりしたところでのびのびと過ごすのが性に合っているようです。


それなのになぜに王族になった?と思って聞いてみたところ、

初代王様と初代王妃様はとても他人思いで正義感溢れる夫婦だったらしく、幼い頃から人助けをしていて、実力も十分あったようで周囲からは


人助けを呼吸するように行い、それが当たり前な人

正義を人の姿にした生き物

最強夫婦

最凶ペア

身内相手のデレデレ具合が毎回度肝抜かされる

2人に出会うと常に口の中が甘すぎて胃もたれしてしまう

一度敵認定されたら人生終了

余計なことを企むだけで心身共にボコられる


とかとかそんな感じだったらしい。

で、そんな感じで過ごしている内にその2人は周囲の人たちの中心人物となり、所謂リーダー格になっていた。

そして、他の町からもその噂を聞きつけて助けを求める人が続出したのだとか。

で、当然その人たちを取り込もうと企む人たちがいたそうですが、その人たちも全員敵認定して心をぼっきりとへし折るどころか粉々に粉砕してあげたのだとか。(何したんだろう?)

そうしている内に、自分たちで国作った方が楽じゃない?てことになり、その夫婦の元に集まった人たちが嬉々として国作りに協力し、噂を聞きつけて更に人が集まり協力する・・・とまぁ、そんな感じで国が出来上がり、その夫婦はそのまま王族の席に着くことになったそうな。

そんな感じで流されるように夫婦になった2人に対する反発の声は他の国の貴族含め、一切なかったらしい。

というのも、その頃にはその2人は大陸中でかなり有名になっていたからと言うのもあるらしい。

かなり好き放題してたそうですし。

まぁ、本人たちはめんどくさっ!と思い、拒否しようとしたモノの、


-面倒くさいことは全部俺(私)たちがするから!ただ名前を貸すだけで良いから!-


と説得し、それでも縦に首を振らなかったが、


-自分たちの親が王族で、しかもその初代だなんて子供側からすると最高の自慢にならないか?その方が格好いいだろ?-


と吐きすてるように言ったところ、あっさりと首を縦に振り、嬉々としてその身分になったそうな。

それを目撃した必死に説得していた人たちは全員がOTL?になったのだとか。

その夫婦は出会って互いに一目惚れし、そのまま結婚、そして数年ほど周囲のありとあらゆる人たちを砂糖吐き製造器にジョブチェンジさせまくった後、子供が出来たらそのラブラブはそのままで親ばかにクラスチェンジしたのだとか。

そのため、少しでも彼らの家族に陰口をたたくと、たった1言をつぶやいた程度でもなぜか必ず聞きつけて彼らのことを見聞きするだけで泡を吹いて気絶するほどのトラウマを植え付けたそうな。

で、そんな話を聞いて思ったことが、私やパパたちと全く同じ思考回路してるなぁと。

うん、間違いなく私たちの祖先だと私たちやその周囲の人たち全員が頷いた。




なので、クラリティ王国が正義に染まる国と呼ばれるようになったのは初代王族である2人がそんな感じでどんな悪事も粉々にたたきつぶしまくっていた結果、どんな身分の人たちでも関係なく畏怖と崇拝を同時にその2人を讃えたのだとか。

畏怖は、アホなことを企むのは辞めよう、じゃないと死よりも恐ろしいことが自分に襲い掛かる。

崇拝は、そんな強くて正義感溢れる英雄夫婦に痺れる憧れる!


ちなみに、2人揃ってものすごい美形で、

男性の方は物語に出てくるような王子様のような性格と見た目で、細身でありつつも鍛えられた肉体はまさに理想的と男女ともに讃え

女性の方は物語に出てくるようなお姫様のような性格と見た目で、まさしくボンキュッボン!なスタイル抜群でくびれもある最高の肉体美ととてもつやつやとしたきれいな髪で誰もが憧れたのだとか。


それと2人揃って接近戦も遠距離戦もどちらもとんでもなく強かった為、スタンピートを単独で殲滅するのは朝飯前な感じで、彼らに勝てる人間って居るの?と誰もが思ったのだとか。

おまけに、ありとあらゆる方面から自身の強さを隠すのが上手だったのに加え、見た目がそれなので見た目で判別してはいけない代表例だったのだとか。

見た目で騙されてあらゆる意味でやられた人は数知れず。


それはさておき、そんな2人だからこそ憧れ、それを目指す人たちが様々な職業でも関係なく集まった結果、類共が集まる国、そして悪は滅び、正義が増殖する国となったらしい。






それを聞いたみんなはフリージアやパパも大概だけど、初代の方がもっとやばかったとつぶやいてました。


そうですかね?

とても素晴らしい人たちで私ももっと頑張らないといけないなぁと思ったんですけど。

とかつぶやいてみた(わざと)らなぜかどん引きされました。

なぜに?



とりあえず、ゴミ掃除と害虫退治に参りましょう。

私は補助なのでほとんど闘うことはないですけど、あのライガーさんが心配ですからね。






「じゃあみんな、各自の対応場所は覚えたね?」

パパがそう言うと全員が強く頷いた。

「あんなのに何日も時間をとられるようなことがないようにね?」

全員が頷く。

「先に自身の対応箇所が終わったら上空に魔法を1回放ち、手伝って欲しければ2回放つ。見逃しなんてしないよね?」

全員が頷くが、パパの台詞は続けると続けるほど眼光が細くなり、鋭くなっていく。

ちなみに、パパの台詞はとても優しく聞こえるが、全員その言葉の本当の意味をしっかり理解しているし、出来ていて当然。

その理由は言わずもがな、優秀であることが当たり前な人たちしか集まっていないからだ。

そうでなければ、実力が折り紙付きと世間からもしっかり言われている私とパパを守る側である彼ら(彼女ら)は、優秀でなければ足手まといにしかならないからだ。

それは、彼ら自身が許さない。

だからこそ、常に努力する人たちが集まるのだ。


ちなみに先ほどの台詞は簡単にストレートに言うと


あんなのに何日も時間をとられるようなことがないようにね?

クズどもに何時間もかけるような弱者はウチには必要ない



見逃しなんてしないよね?

戦っていて気づかなかったなんて言い訳は許されない



こんな感じ。

例え意味が分からずともパパの放つ冷ややかな威圧感でいやでも分かります。

まぁ、全員しっかり理解しているようなので及第点ですかね。


普通なら、私を始めセイちゃんやユウちゃんのような子供がそんな言葉の裏まで理解しているのはおかしいと言われるのですがウチではあり得ません。

セイちゃんやユウちゃんは実家がしっかりとそう言う部分まで教育しているらしいし、家も似たようなもの。

世間的にはエリートの家系とか言われるレベルなんだとか。

要するに凄い家系だってことらしいけど、私からするとそれが当然なのですごいと言われても首をかしげるんですよね。



それはさておき

お父様たちを始め、団員5名は非常にやる気になっている。

お父様たちは冷ややかな笑顔と共に威圧感を垂れ流しにしているけど、団員たちは普段とはテンションが異なっている。

「師団長!良いんだよね!思いっきり遊び潰しても良いんだよね!?」

「ルミエール、何を当たり前なことを言っているのですか。玩具は腐るほどあるのですから遠慮なんて一切必要ありませんよ。」

「そうだぜ?俺も久々の実戦で武者震いが止まらないぜ。」

「そうね。周囲が多少粉々になっても問題がないのですから思いっきり弾けても良いのですからワクワクしますわ。」

「かははは!良いな!多少どころか遠慮せずに暴れても良いわけだな!最高だな!」

上からルミエール、ティア、イグニス、エアロ、アースである。



「うん・・類は友を呼ぶってこのことなんだね、セイ。」

「そうだね・・・正義に染まる国ってよく言ったモノだわ。」

「俺も人のこと言えないなぁ・・。内心似たような感じだし。」

ユウちゃんとセイちゃんは心を落ち着かせようとしつつも若干遠い目をしており、リムさんは落ち着かせ、確実にこなそうとしつつも目はやる気に溢れている。



「リリ、負けてられないな。」

「そうねゼル。魔術師団に負けていられないわ。」




「よし!では、これより神獣の保護及び、悪心殲滅戦を行なう!行動開始!」

全員「おう!」


こうして私たちは全員、各地へ駆け出した。

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