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里帰りとフォルシェンファミリーのはっちゃけ

学園は丸々1ヶ月間のお休みでした。

なので、みんなと里帰りです。

ですが、私の場合は流星の里なので里帰りであってますけど、他の人たちは町や村なのに里帰り・・。

里じゃないのに里帰りというとは不思議なモノですね?




それはさておき

{パパ、どうやって移動するんですか?}

パパの言い方だと全員で走ったり歩いたりという感じではなさそうでした。

「うん。前からハディに頼んでたんだ。」

「イリスさん、そうなんですか?」

「まぁね。ハディ早速だけど、頼んで良いかい?」

「ニャー(任せとけ)」


「んじゃ、ぃよっと。」

パパがそう言いながら魔力を練って馬車を作りました。

見た目は氷で出来た馬車で実用品?というより芸術品・・つまりはお飾り。

「い、イリスさん・・・こんな凄いことも出来たんですね。」

「ハディがかなりの力持ちだって聞いてたからさ。専用の馬車を作っても良かったけど、僕がいるんだからこれで十分だろう?とりあえず移動出来れば良いんだからさ。」

パパはどうやらお仕事の合間に馬車の構造などをお勉強してたみたいです。

その時に車輪などは購入したようですね。

「確かにそうですが、まさかこんなことになるとは。」

全員が唖然としてる。

ちなみに言うと、車輪と車輪と本体を繋ぐ部分だけは別で用意されてました。

それにパパの結晶魔法で私たちが乗る部分を作った感じです。

箱型で壁側は手すりがある程度で壁がない感じの馬車です。

そして、両サイドから向かい合う感じで座るタイプです。

それと、引くのはお馬さんではなくハディちゃんなのでその辺りもハディちゃん用にカスタマイズ済みのようです。

で、ついでに言うと座っているとお尻が痛くなるかもとのことで翠ちゃんにゲルを出してもらい、それを全体に敷いている感じです。

さすがパパですね。


「さすがイリスさん・・」

「天才親子」

「確かに」



そして、ハディちゃんの背中に馬車がセットされ、みんなが乗り込む。

そんな中私とアルちゃんは屋根の上にいて、ユウちゃんとセイちゃんは巨大化シャスティの背中に乗っている。

それと、パパは巨大化した(パパにお願いされた)カルナの背中に乗ってる。


そんな私を含めて自由人が多い中出発しました。


{パパは、どうしてカルナの背中に?}

「純粋に空の旅を楽しんでみたかったんだ。リアちゃんとアルナは?」

移動しながらそんなおしゃべりとしてます。

パパはカルナの背中の上で楽しそうに周囲を眺めながら。

私は自前の翼で空を飛んで、カルナと並走し、アルちゃんは自身の魔法で空を飛んで同じく並走中。

だって、元々屋根の上にいたのは空を飛ぶ為にいたんですもの。


{私はなんとなく空を飛びたかっただけです。}

「私は、リア様と空の旅がしたいなって//」

いやんいやんしながら頬を両手で押さえて幸せそうにしてるアルちゃん。

「だとしても、翠さんが言ってた通りに飛んだら凄く楽ですね。」

アルちゃんが言っているのは、翠ちゃんが教えてくれた飛行手段のこと。

私たちは、所謂V字飛行を行なっている。

Vと言う字の形で飛ぶやり方で、カルナが先頭を飛び、その両側のやや後ろを私とアルちゃんが飛んでいる。

名前の通りV字の形で飛んでいるからそう呼ばれているそうですが、翠ちゃんが言うには、渡り鳥などのすっごい長い距離を長時間飛ぶ鳥さんがよくやる飛び方なんだとか。

先頭を飛ぶ鳥さんが一番体力を使うけど、その後ろを飛ぶのは普通に単独で飛ぶよりもずっと楽になる。

風の抵抗とかそういうのを先頭が対応してくれているからとかそんな感じの理由らしいです。


で、その恩恵に縋る?といいますか、私とアルちゃんの後ろにはそのまま並ぶように鳥さんたちが飛んでいる。

まぁ、気にしないし、アルちゃんもどこか楽しそうなのでスルー。


おかげさまでそれなりに速い速度で飛んでいるけど楽です。

「アルナもだけど、リアちゃんもずいぶん飛ぶのが上手になったね。それに結構速度が出てるね。」

カルナの背中をモフモフしてるパパがそう言う。

{前よりもなぜか楽になりました。慣れたとも言いますが、最近では飛んでいるときの方がずっと楽なんです。}

「そっか。まぁ、ムリはしないようにね。アルナも」

(コクリ)

「はい。」


で、地上ではハディちゃんが爆走して、ハディちゃんと同じ速度に合わせて並走するシャスティ。

「カルナも僕のわがままを聞いてくれてありがとうね。」

「気にしないでくれ。色々と世話になってるし、このくらいお安いご用だ。」

「カルナさんの巨大化は私、初めて見ますけど、格好いいですね。」

「ありがとうな。けど、デカくなっただけで他は変わらないぞ?」

「何と言いますか、雰囲気?とかがより凜々しくなった気がするんです。」

「ふぅん。そんなものか。」

ちなみに地上では、リリさんとゼルさんを筆頭にパパお手製の馬車を狙ってくるアホどもがわっさわっさと襲ってくるので片っ端から殲滅しています。

まぁ、他にも美人さんが多く集まってますし、シャスティたちを狙うアホどももいますけど、同様に潰してます。

当然翠ちゃんが全て回収して、死体は全て【溶解】済みです。



で、お昼休憩でお弁当を食べながらお話しをする。

「いやぁ、すっごい襲って来ましたね。」

「そうねぇ。特訓代わりになったからまぁ、良いかしら。」

「まぁ・・狙う理由は分からなくはないが。」

イグニスさんが苦笑いしてる。

ちなみに、国を出発してからお昼休憩するまでの間に襲撃は5回で、平均人数は軽く見積もっても50人でしたし。

「僕が言うのもアレだけど、この馬車、芸術品にしか見えないし、集まってるメンバーがメンバーだからね。」

パパがそう言うと全員が強く頷いた。

「そういえば、流星の里までどのくらいあるんですか?」

「そうだね。ハディたちが結構なハイペースで動いてくれてるから今日の夕方には着くんじゃないかな。」

「なるほど。」

「ってことは、普通だと1回野営するくらいの距離はあるってことですか?」

「まぁ、そのくらいだろうね。」

「ちなみに言うと、襲おうと思ってた輩はホントは5倍くらいいたよ?」

「翠さんそうなの?」

「全く気づかなかった。」

「・・もしかして翠さん」

「うん。全部拠点も含めて潰しといたよ。」

国1つくらい覆い尽くすくらい朝飯前な翠ちゃんなら移動中に地面を伝ってゲルを広げまくってそのまま全てを潰すくらい造作でもないでしょうしね。

「さすが、”緑の災厄パンドラ”」

「イリスさん、緑のパンドラ?って何ですか?」

「懐かしい呼び方をするね。」

「色々調べてるときに偶然ね。」

「翠さんって緑のパンドラって呼ばれてたの?」

「うん。過去に国をいくつか潰してるし、アホどもを数千、数万単位で殲滅したこともあるし。」

「まぁ、翠が潰したところはそう遠くない未来で滅んでたり他の理由で潰されてたから対して問題なかったんだけど、そうやってあちこちが滅んだ中、各地で緑色の何かがその地を滅ぼしたって噂が流れてね。その話しは次第にくだらないことをすると緑色の災厄が襲ってくるって呼ばれるようになったんだ。」

翠ちゃんが言うには、なまはげみたいな扱いらしいですけど、それなんですか?

「正義っちゃあ正義だけど、国は結果としていくつほど?」

「確か、10かな?もうちょっとあったかな?」

「なるほど・・。」

「ウチの国では、それほど知られてないけど、他の国とかだと結構有名だよ?というより他の大陸が多いかな。」

「そうなんですか?」

「あちこちでやらかしまくった後でこの春の大陸で落ち着いた感じだったからね。」

「あぁ、なるほど。」

「ちなみに、カルナたちにも全員に二つ名が出来てるよ?」

「マジか・・」

「それ知りたい!」



カルナ(二つ名:守護鳥)

シャスティ(二つ名:逆鱗)

スイ(二つ名:緑の災厄パンドラ

ラナ(二つ名:陰の守護者)

ハディ(二つ名:堅牢)



って感じになったそうです。

「イリスさん、どこでそんな情報を?」

「ん?あちこちで仕事しながら世間話をしてたら教えてもらったよ。」

{それぞれ理由はあるんですか?}

「うん。まずカルナだけど、保護者筆頭とか呼ばれてるでしょ?」

(コクリ)

「で、絶対なる守護者って感じでそう呼ばれたみたい。シャスティの場合も、守護者とかだったんだけど、リアちゃんをきっかけにどこまでも敵という敵は1人残らず滅ぼすって感じでオンオフの違いが激しくてね。それで、そう呼ばれてるんだ。で、ラナは常にリアちゃんの傍にいて状態異常とか体調管理とかそういうのを守ってくれているから密かにそう呼ばれ出してるんだ。後、ハディの場合はその頑丈な防御とパワーでどんなモノからも守り抜くという鉄壁さからそう呼ばれてるみたいだよ。」

「おぉ。凄くらしいね。」

「確かに」

「・・照れるな//」

「ついでに言うと、カルナとシャスティに関してはカタクリの英雄とも呼ばれてるね。」

「それ・・まだ呼ぶ奴がいたのかよ。」

「意外とあっちこっちで話しをよく聞くよ?それってそんなに大規模だったの?」

「カイザーローズとかを経験すると対したことはなかったな。リアを除いた俺とシャスティがカタクリの町にいた100人くらいの冒険者とエンシェントゴーレム率いるスタンピートで数が500を越えるくらいだったんだが、そこに追加でマジックドラゴンが4桁くらいいたんだ。」

「魔物のランクとかは、高くてギリギリSくらいだね。だとしても平均Aランクがゴロゴロいたんだね。ランクはそれなりに高いけど、数が驚異だね。」

{当時、私は魔法の使い方もほとんど分からない状態でしたので見学でした。カルナが冒険者の皆さんの指揮を行ない、シャスティが率先して敵の殲滅を行なっていたんです。}

「で、最終的に全体の6割以上をシャスティが倒した後、エンシェントゴーレムと一騎打ちして勝った。その結果として全員たいした怪我もなく生き残ることが出来たんだ。」

「人数差からするとすごい不利なのによく勝ったね。」

「運が良かったんだ。それに、あの町の冒険者たちは皆優秀だったんだ。」

「なるほどね。」

「私とゼルは丁度別の依頼を受けて町を離れてたのよね・・。後で聞いてホントに驚いたわ。」

「あぁ、あのときはホントに驚いた。保護した幼女の獣魔兼保護者が町の英雄になってたし。」

リリさんとゼルさんがしみじみと頷く。

「だが、まさかここまで話しが広まるとは思わなかった。」

「あの町の領主さんが相当気に入ったのか感動したのか他の町や国と話しをするときにそれはそれは楽しそうに話してたそうだよ。後ついでに、あの町に立ち寄る人たちにアドバイスとばかりにそのスタンピートの件を話してたそうだよ。まさしく英雄譚を話す子供状態だったそうだよ。」

「くっそぉ・・あいつらの口止めを忘れてた。嬉々として喋りやがって・・ったく。」

「ちなみに、リアちゃんのファンクラブである陰の親衛隊が産まれたきっかけだったりするらしいよ?」

「イリスさんそれマジか!?確かに丁度その辺りからだったが。」

「うん、らしいよ?あの町の近くに会談とか依頼で出掛けたっていう人たちに世間話の延長戦で聞いたんだけど、その時の冒険者たちが筆頭にカタクリの英雄の主兼娘は大事にしないと駄目だよな!とかカタクリの神父様のお気に入り兼優秀な幼女は守るのが大人の勤めだ!とか言い出してたらしいし。で、勧誘されたらしいよ?陰の親衛隊に。」

「はぁ・・・マジかぁ・・」

「で、それをきっかけにあの町・・というか、あの町の周辺では子供は守りしっかり育てることが信条だ!って人が量産されてるよ。領主もそれを町の方針として普通に取り入れたらしいし。子供こそが町の宝だーって。」

領主さんとあの町の皆さんは子煩悩になったらしいです。


「うんうん。それでこそよね!」

リリさんがすっごい元気よく納得してる。

「今のリリになったのもぶっちゃけフリージアがきっかけだしな。」

「そうなんですかゼルさん?」

「あぁ。リリは今もだけど性格はかなり男前だったし思い切りが良かったんだが、何か夢中になれるモノがなかったからどこかつまらなさそうだったんだよな。」

「そういえばそうだったわ。確かにゼルたちと依頼を受けて騒ぐのは楽しかったんだけど、心の底ではなにか物足りなかったのよね。それに、夢中になれるモノとかが全く無かったのよ。趣味という趣味もなかったし。」

「へぇ~。」

「それに、当時のスタンピートの頃は俺はまだリア様を探している途中でしたからね。」

「そういえば、そのスタンピートを解決した幼女の噂を経由してリアちゃんを見つけたんだっけ?」

「えぇ、そうですよ。後は、カタクリの神父様が教会の腕輪を授けたという噂が最初でその次にその話を聞いた感じでした。」

「そういえば、イリスさん。カタクリの神父さんはそんなに有名なのか?なんか回復関係の魔法でかなり優秀だと聞いてはいるんだが。」

「優秀だよ?あの人の実力だけで言うと教会の本部で上から数えた方が早いくらい凄い人なんだけどね。彼は昇進を断ってあの町に行ったんだ。それに、予言とかもかなり的中率は高いからね。」

「そうなのか・・。なんであの町に?」

「思い入れがあるみたいだよ。」

「ふぅん。とりあえず、行こうか。」

「そうだね。」


そして、休憩を終了して先に進む。

で、進んでいくと道どころか映る景色は段々とでこぼこだったり焦げ跡だったりが増えていく。

それから、指名手配犯なども出てくる頻度が進むと進むほど下がっていく。

それに合わせて、道のでこぼこや焦げ跡などは増えていく。

「・・なんで、進めば進むほど戦場跡になっていくんだ?おまけにひどくなっていくし。」

「うん・・・彼らのことだから全て殲滅してるんだろうけどどれほどの規模だったんだろう?」


カルナとパパがしみじみと悩んでいる中、魔術師団たちは色んな意味で頭を悩ませていた。

「ヤベぇ・・思った以上にヤバイ人たちかもしれん。」

「とても厳しいお方なのでしょうか。き、気をひ、引き締めて、い、行きましょう!」

「ティアさん落ち着いてよ・・いつものクールさがなくなっておどおどしまくっててかわいくなってるよ?」

「うっ・・だ、だって・・子供のころからの憧れ何ですもん」

顔を赤くして小さく縮こまってるティアを見たルミエールは告げる。

「エアロ・・どうしよう。ティアさんが可愛い。」

「もともとかわいいのが好きだったりと女の子らしいところはあるのは知っていましたが、今は憧れに対しての緊張と自身の自己分析の結果と、噂と推測がごちゃ混ぜになって軽くパニックになってますね。ですが、今はその可愛さを堪能しましょう。面白いですし。」

「そうだね。滅多に見れないもんね。」

「ティアが可愛い・・いつものクール系美人もいいが。」

「あぁ、気持ちは分かる。所謂ギャップ萌えって奴だよな。」

「なるほど・・これがギャップ萌えという奴なのか。」





で、進めば進むほど戦場跡地はひどくなっていき、何があったと疑問が深まっていく中、私たちは流星の里にたどり着きました。

「ん?おぉ!リアじゃねぇか!久しぶりだな!それに、イリスさんだっけか?初めましてだな、俺はギリって言うんだ。」

{お兄様、お久しぶりです。・・単刀直入にお聞きしますが、何があったんですか?}

すっごいご機嫌なお兄様と軽く挨拶をしてとりあえず聞いた。

だって、周囲は地面がボッコボコになっててあちこち焦げまくってるのに加えて、見上げるほどの高さになるほど大量の山が出来ていたからです。

その山も1つ2つではないです。

魔石だけで4つはあり、防具のお山と武器の山、装飾品に、馬なしの馬車、鉱石、宝石と並び、魔物の部位などの山もあります。

部位関係だけでも5つはお山があるのに武器防具類だけでそれぞれ3~4はあります。

しかも、鉱石も宝石も魔石もどれも質は良さそうですし、ランクも結構高そうでAは軽くありそう。

それに、武具類も装飾品もそれなりに高そうなんです。

「ん?あぁこれ?大掃除の結果だ!」


「・・その大掃除の経緯を教えてくれないかい?」

額を片手で軽く覆いながらパパが聞く。

「んー、軽く言うと魔物寄せの技を使ってここに魔物を片っ端から集めまくったアホが複数いてな?それに加えてアホどもの軍勢も複数来たんだ。同じことを企んで同じことを複数の奴らが、偶然同じタイミングで実行したらしい。結果として人間だけで、四千は軽くいたし、魔物だとその倍はいたな。で、じいちゃんが守りに徹して、俺と親父たちで全力で闘ったんだ。久々に全力で殺ったから凄い気分が良いんだ。」

規模が半端じゃないんですけど。

「それでその大山なんだね。」

「おう!どうする?欲しいのがあれば翠が全部食っても良いぜ?」

「ムリしてもらうつもりはないから換金で良いんじゃない?」

「んじゃあ、換金してためとくかな。何に使うかは知らんけど。」

「それでいいと思うよ。」

「って、ギリ。」

「カルナどうした?」

「お前は翠の大変身をスルーするんだな。」

「翠って妖精族にしては保有する魔力量も桁違いだったし進化するだろうなとは思ってたしな。そうなんだろ?」

「まぁな。」

「ならそれでいいじゃねぇか。」

「そ、そうか。」



「すごい、すっごいスルー力だ。」

「説明されて納得はするけどこのスルー力は確かに師団長の関係者ね。」

「だね。」


「とりあえず、ここで話すのもアレだし中に行こうぜ。あ、翠、良ければこれ全部預かってくれないか?片付ける場所がなくてその場におきっぱだったんだ。」

「いいよ。」

ちなみに、外に山積みされていたのは全体の極々一部で残りは中の片付け用の保存庫やマジックバッグに直している状態だったんだとか。

それらも全部翠ちゃんが預かりました。

後に換金された結果、私がカイザーローズの時にもらった規模かそれ以上のお金がやってくることになるのはここだけの話。




「おぉ!リア!久しぶりじゃのぉ!元気そうで何よりじゃ。」

「えぇ、本当に久しぶりね。」

「あぁ。より成長したみたいだね。さすがだよ。」

{おじいさま、お父様お母様。ただいま帰りました。大変だったそうですね。お兄様より聞きました。}

「そんなことはないよ。全力を出せる良い機会だったよ。」

なるほど。


「父上に母上、お久しぶりです。お元気そうで何よりです。」

「イリス、久しぶりだな。イリスも、元気そうだな。」

「久しぶりねイリス。バレクたちによくしてもらっているわ。イリスも活き活きしているみたいね。」

そういえば、前王様と前王妃様であるおじいちゃんとおばあちゃんもこちらにいたんでしたね。

王族らしい気品などはそのままだけど、すっかりここでの生活に馴染んでいるようです。





で、全員の自己紹介を互いに済ませました。

「アルナの魔法もグリムの魔法もセイにユウと気になることは大量にあるが、夕方だからな。それは明日にしよう。」

「そうですわね。相手は逃がさな・・コホン、機会はいつでもあるんですから。」

「そうだね。逃げられな・・・・ゴホン、機会はいつでもあるんだから。」

お父様とお母様・・微妙に本音がこぼれてます。

それと、おめめが爛々と輝いてます・・というより、獲物を見つけた肉食獣の状態です。

で、それが聞こえたターゲットたちは引きつった表情になってる。






「それで、改めてなんだけどこの周囲一帯は何がどうなってあぁなったんだい?」

あらかたのご挨拶等々を済ませて落ち着いたところで夕ご飯を食べながら話を聞きます。

「前からこの地は狙われていたのはご存じでしょう?」

「まぁね。それで君たちが嬉々として殲滅していただろう?」

「えぇ。それでそのくz・・奴らは魔物を利用することを考えついたようなんです。」

「それに、この地をとにかく手に入れようと企んでそいつら同士が連合を作ってたんだ。その結果数が3桁は軽く越えるほどの大規模なモノになった。」

「で、そいつらが魔物寄せの技を利用してこの地に魔物が寄っていくように仕向け、弱ったところで狙い撃ちという感じだったのかい?」

「えぇ。そこまでは良かったのですが、同じことを他のクズ連合は考えていたらしく、結果として軍勢の数は5。それぞれ平均500人、最高1000人のかなり大規模になり、それぞれが魔物を人間の数の倍は引き連れてきたのです。」

「それ・・普通に聞いていても5000は軽く越えるほどの超大規模なモノだと思うんだけど、よく平気だったね。」

「まぁ、その辺りは我らの気合いでしょうな。」

「主に俺の鍛錬の相手にしたんだ。」

{お兄様ですか?}

「あぁ。俺の技は辺り一帯を敵味方関係なく吹き飛ばしちまうほど危険なモノだったからな。それで、その力のコントロール代わりに利用させてもらったんだ。実戦的だし、失敗しても敵が吹っ飛ぶだけだからな。」

{それで、成功したのですか?}

「おう!全ての威力に指向性を持たせることに成功したぜ!おかげで敵だけを消し飛ばすことが出来るようになったし、威力を一方向に絞ったことで威力が凝縮されて更に威力が強化されたけどな。」

「それで、辺り一面があんなことになってたわけだね。」

「うす。後は親父たちがフォローしてくれたからな。」

「良い鍛錬になったね。」

「えぇ。久しぶりに全力で戦えましたわ。」

「やはりあれほどの規模でなければ自身の実力を出し切ったとは思えぬな。」

「そうですね。普段から来てはいますが所詮は雑魚ですからね。」

「私も久しぶりに肩で息をしましたわ。」

「俺もだよ。それに、おかげでようやく自身の力のコントロールに成功したから運が良かったぜ。敵がいない状態で周囲をボッコボコにするのはちょっとアレだしな。」

「ギリ、よくやりました。」

「そうじゃぞ。その力のコントロールが出来たことでお主は我らの中でもトップクラスの実力者として証明されたのじゃからな。」

「まだまだじいちゃんたちに敵わねぇからムリだって。」

「その辺りは長年の経験の差だからね。」

「そうよ。その辺りはまだまだ負ける気はないから気を抜かないようにね。あくまでも単純に威力の話をしているだけなのだから。」

「気が遠いなぁ。まぁ、いつも通り頑張るだけさ。」

「そうだね。息子に負けないようにこちらも頑張らないとね。」

「えぇ。」

お兄様は火と風の魔法の複合である爆裂魔法というモノを扱います。

文字通り、普通の炎ではなくとにかく爆発といいますか衝撃波が出る炎を操ります。

なので、敵味方関係なく爆発して吹っ飛ばしてたので大変だったのですが、その爆発に指向性を持たせることでその点を克服したみたいです。

さすがですね。



「それで、父上に母上は大丈夫でしたか?」

「あぁ。さすがはバレクだったよ。我らが対応せずとも終わったからな。」

「えぇ。バレクの防御は本当に素晴らしかったわ。」

「うれしいことを言ってくれる。」

{そういえば、おじいちゃんとおばあちゃんはどのような魔法を扱うのですか?}

「ワシは、土と風で武器は剣だな。」

凄く一般的な剣の中でもバスターソードと呼ばれる種類らしく、片手でも両手でもどちらでも使える両刃の剣らしいです。

「私は、水と雷よ。武器はメイスね。」

メイスは杖の中でも殴って扱う為で私が扱っている杖とは少し仕様が異なるらしいです。


パパが言うには、家の家系・・といいますかクラリティ王国の王族は先祖代々魔法だろうが武器だろうがどれかを扱った戦法ではものすごく強かった・・というより強いというのは本当のようです。

で、その話の期待通り、おじいちゃんもおばあちゃんも実はノクスさんとの鍛錬の相手を軽く出来るほど強いらしい。

まぁ、ノクスさんに関してはどこまでも純粋な剣術のみなのである意味では別枠で、魔法自体も滅多に使わないんですよね彼。

実は、彼が何の魔法を扱うのか知ってる人がいなかったりする。

パパもおじいちゃんもラウさんも知らなかったりしますし。



「ちなみに言うと、僕は遠距離系で弓だけど、自分の戦法に引っ張り込まれたら父上や母上にも勝てないんだよね。」

「マジですか・・」

パパが強いのは知ってますが、おじいちゃんやおばあちゃんも強かったんですね・・。

「経験だ経験。」

「そうよ。勝率としてはもうイリスの方が上よ。まぁ、そう易々と負ける気はしないけれど。おほほ。」

「だとしても、そこまでの規模だと誰か故意にやらかしてる可能性が高いね。」

鋭い目つきでパパがそうつぶやく。

「イリス様もやはりそう思いますか?」

「その言い方だとバレクも同意見かい?」

「えぇ。」

「状況とかその他諸々の情報はあるかい?」

「証拠品も状況も全てまとめております。情報に関しても奴らに吐かせるだけ吐かせ、魔道具で録音済みです。死体に関しては鬱陶しいので灰にしましたが。」

「それで十分だよ。後は僕の方でしておくから。」

「承知致しました。」

パパの表情がすっごい格好いい。

「ふふふ♪僕の大切に手を出す愚か者には地獄を味わってもらう必要があるからね。徹底的にやらせてもらうよ。・・・・二度と愚かなことをかけらも考えたくなくなるくらいにね。」


「ヤベぇよ・・イリスさんガチでキレてるよ。」

「愚かですね。イリスさんの逆鱗に触れるとは。」

「相手・・何か残るモノあるかな?」

「命とトラウマくらいじゃね?他は一切残らないと思うな。」

「だろうな。」

魔術師団たちがそうつぶやいている中、セイちゃん、ユウちゃん、リムさんたちは戦慄していた。

「イリスさんを怒らせたらあんなことになるんだ・・。」

「さすがリアちゃんのお父さん。リアちゃん以上にヤバイ。・・絶対怒らせないようにしよう。・・リアちゃんもだけど。」

「これが天才王子か・・・天才というか天災っていうか・・・・さすが、流星姫である魔法の天災ペチュニアさんの相棒。」


後日、とある複数の国で複数の貴族とその縁のある一族が揃って平民(借金まみれ)に堕ち、家に引きこもりっぱなしになってたりする。

そして、その余波により、それらの国の経済が数ヶ月ほど真っ黒から真っ赤になり続けたりするのはここだけの話。






・・・・パパの貯金がすっごい増えたのは関係があったりするのかしらん?

なんか桁が1つどころか2つか3つくらい変わってたけど(笑)

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