1/1
都会のネオンに溺れる
ネオンの光が混じり合う裏通り、、、
少し重たいドアを開け、薄暗いBARへ。
さらに暗いカウンターの端に腰掛け
「マスター、いつものを」
真っ白なタキシードを着たマスターが無言でラフロイグの10年物をグラスに注ぐ。
「おめでとうごさいます。御懐妊です」
とうとう俺も父親になるんだぁ。
嬉しくてたまらなかった。
そして生まれた息子の寝顔を見ながら、ビールのほろ苦さを初めて美味く感じた。
あれから数十年、ほろ苦さで酔える時が一番幸せだった、、、
今夜もネオンの光の海へダイブする為に、、、
「マスター、もう一杯」