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3 まさかのレベルアップ

 目の据わった銀髪美少女に、俺は率直に言う。


「なにがどうしてそんな――女の子になっちゃったわけ?」


「我はもともと女だ」


 憮然と答える彼女は腕を組み、竜の姿だったときとは似ても似つかない涼やかな声で言う。


「貴様が我の力を奪ったから、あの姿を維持できなくなったに決まっているだろう」


 ……ははあ。

 どうやら元々こういう人間の姿にもなれたらしい。

 そして、俺が「キミの力全部ちょーだい」と言ったせいで、彼女は竜になるための力も失ってしまった。


 代わりに俺はちょっとジャンプしただけで数十メートルの高さに軽く至り、蹴りの一撃で獰猛な竜を余裕で倒し、丸焦げ必須の火球直撃や、なにがどうしても即死級の高さから落下しても無傷の肉体……能力? を手に入れたと。


 はいはい、なるほど。

 つまるところようするに――


「あの願いちゃんと叶ってたわけね」


 どうやらマジで俺は世界最強の竜……“終焉の滅竜”の力を奪ってしまったらしい。


 単純に事実確認をしただけなのだが、少女――“終焉の滅竜”は、その綺麗な顔を歪めて言う。


「ありえん……確かに《異界召喚の契約》は、術者と乖離した力を持つが、あのような願いが本当に叶えられるとは……」


 ぶつぶつ言う終焉の……あーこれいちいちめんどくさいな。


「あんた名前なんつーの?」


「ぁあ? 我は“終焉の滅竜”だと――」


「いやその姿で竜は変だろ。あとそれって通称とか二つ名とかそういうんじゃねーの?」


 どういう経緯で竜になっていた……なっていたのか?

 よくわからんけど、人間の姿があるってことは、名前があると思うんだけど。


「む…………なぜ貴様にそんなことを言わなければならん」


「そりゃ呼ぶからに決まってんじゃん。いちいち“終焉の滅竜”ちゃんってめんどくせーだろ」


「ちゃ、ちゃんだと……!? 貴様この我をなんだと思っている!!」


「そこに食いつくのかよ……あーもういいわ。こっちで決めるから。そうだな……“終焉の滅竜”だからメツ子な。よろしくメツ子」


「メツ子!?」


 見た目が超絶美少女なので、半端なくマヌケに思えるが、それはそれでギャップになっていいんじゃないだろうか。うん。

 断じて考えるのがめんどくさいからではない。嘘だけど。


 どうやらかなりショッキングだったらしく、目を見開いてわなわなと震えるメツ子に、俺は現状確認しようとして、


「で、メツ子に訊きたいんだが――」



 パ~ラ~パッパッパ~ン♪



 ――突然ファンファーレが鳴って、辺りを見回す。


 つーかめっちゃ聞き覚えのある……某ドラ○エのレベルアップ音だったんですけど。


 スマホの着音に設定してないよな? と思ったが、目の前のメツ子はいぶかしげなままで、まったく音に気づいた様子がない。


 つまり、さっきの音は俺の頭の中でのみ響いたものらしい。

 ということは、これはいわゆる――


 思うと同時にそれは俺の脳内で展開された。



【レベルが4から17に上がりました】

【HPの最大値が9999から10027に上がりました】

【MPの最大値が9999から10101に上がりました】

【筋力が9999から10024に上がりました】

【耐久力が9999から10021に上がりました】

【魔耐性が9999から10004に上がりました】

【敏捷性が9999から10030に上がりました】

【器用さが9999から10019に上がりました】

【スキルポイント1300を得て1360スキルポイントになりました】




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