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廃坑に行こう

まだまだ世界観説明とかゲームの説明とかが多い感じです。

 王都を歩いていたら陛下とエンカウントした。




 いきなりこんな文章を突き付けられたところで、言われた側は何を言われているか意味不明だろうから、もう少し詳細に解説しよう。


 まず、この場は王都アールカンシェル。大神殿という名の蘇生地点(リスポーンポイント)があり、ゲーム開始直後のプレイヤーはここの広場に送られることから始まりの街とされ、多くのギルドハウスもこの都市内にある。

 プレイヤーからのアイテムの出品、取引が可能な公売場はここに限らず各都市にあり、その全てがリンクしている仕様であるが、やはり今後もこの都市がワールドの中心となることは疑いないだろう。


 石造りの中世チックな建物が立ち並ぶ王都についての説明は、まぁそれで構うまい。問題はエンカウント相手。つまりは“陛下”だ。

 陛下という単語から思い浮かべるのは、やはり王だろう。であれば、アールカンシェルの王城に住まう王様が何かのイベントで出てきたのかと聞かれると、それは違う。

 この場合の“陛下”とは、ウチのギルドに所属する2枚看板の片割れである、通称“陛下”、その真名―――



 『聖闇魔光帝†ヴァルテンハルト†』と名乗られておられるお方である!



 ―――うん。


 もう少し経緯を詳しく説明すると、このワールド・オブ・ファンタジアにおいては、レベル上位ランカーのベスト10を週ごとに公開するという、微妙に競争心を煽るサービスが有るのである。

 で、ゲームのサービス開始から7日後。初公開のランキング6位だか7位に乗ってたのがこの人、聖闇魔光帝陛下というプレイヤー。

 1位とか2位とかよりも、名前のインパクトだけで全てを持っていった聖闇魔光帝陛下はこのゲームの情報交換サイトなどで多大な反響を呼び、いつしかゲーム内外において“陛下”というあだ名が付けられる事になったのである。

 ちなみにレベルランキング1位や2位をゲットしていた人達の名前は、その騒ぎの最中で思い切り忘れられた。


「む……クロウ、メリー。久しいな、3日ぶりか。すまんが我はパーティーメンバーを待たせているので、失礼するぞ」

「いえ、陛下。ご機嫌麗しゅう。気になさらずに攻略を進めてください。で、情報くれ」

「後でな」


 はっはっは、と鷹揚に笑う陛下。その外見も、件の騒ぎに拍車をかけていた。

 艷やか銀髪に、課金追加パックでのみ選択可能なオッドアイアバター。装備のカラーリングはキメキメの黒と紅(当人談、漆黒と真紅)という気合の入りようである。

 しかも口調が鷹揚かつ良い感じに偉そうと来たもので、そりゃもう話題沸騰だ。


 とはいえ、よくある中二病全開の名前と外見の割に、人柄は温厚でさばけている。ネタにされても鷹揚に返すし、行き過ぎる相手にはやんわりと注意を返す。必要ならば普通の敬語も話せるし、戦闘スタイルも盾型で味方をよく見てのフォローを重視するタイプ。

 加えて、以前に狩りの約束をドタキャンされた時に、『急に職場に問い合わせが来て、固定資産税の関係が分かるのが私しか居なかった』と申し訳無さそうに謝罪してくれた辺り、中身はかなり真っ当な社会人のようである。よもや陛下の口から固定資産税なる俗世の言葉が出ると思っていなかった俺としては、かなり面白かったエピソードでもあるのだが。

 まぁ、正面切って確認したことはないが、恐らく名前やロールプレイまで含め、中二病“ごっこ”めいたお遊びということだろう。そこまで含めて、茶目っ気のある面白いプレイヤーとしてギルド外部でも自分の居場所を確立しているようだ。


「そや。陛下、ちょい待ちぃ。マスターはどーしょん(何をしているんですか)?」

「……あ、えっと?」

「あっ……えぇと……!」

「マスターは何してるんですか、だそうですよ陛下」


 そして、こういう不意を突かれた時にはたまに“ごっこ”が剥げて素の反応が出る。

 呼び止めたメリーの広島弁に対して完全に素のぽかんとした声をあげた陛下と、慌てて共通語で言い直そうとするメリーの間に入るようにして、広島弁を翻訳する。

 陛下は『ああ』と頷き一つ。


「すまんが、彼女の姿は見ていないな。ログイン状態にはなっているようだが……恐らくダンジョンの奥では集中の為にギルドチャットの受信を拒否してるのではないかな?」

「あぅ……武器がちびとぉてる(磨り減ってる)ぅて話じゃけぇ、がたくる(故障する)前に、じゃない、えぇと、武器の耐久度が減って……っ!」

「修理に必要なアイテム、公売にあったら買っといてって頼まれてたらしいんですよ。んで、さっきそれ買ったんで、陛下のパーティーに居ればなぁと」

「ふむ、事情は理解した。連絡がついたら伝えておこう。……それと、メリー。余り無理をしなくても大丈夫だ。共通語に直すなら落ち着いて話してくれていいし、そのままでもクロウが居れば通訳は可能だ。無論、我も理解の努力はするつもりだ」

「……すいません」


 赤面のエモーションの吹き出しが、メリーの頭の上にポンと浮かぶ。

 テンパっているようでエモーションはしっかり使用して感情表現とは、芸の細かい奴だ。そんな芸の細かいメリーに小さく笑い、陛下は軽い挨拶を残して去っていった。

 ……相変わらず名前の割に人間が出来た人である。


 で、残されたのは俺と相棒。

 頭上のエモーションは消えたが、小さく『あー』だの『うー』だの言っている相棒に向けて、小さく言葉を投げかける。


「とっさの切り替えは、やっぱ苦手か。だったら陛下の言う通り、無理しなきゃよかろうに。或いはずっと共通語とか。喋れないわけじゃないんだろ?」

「……だってぇ……」


 もう一度頭上に赤面のエモーションを出してから、メリーはぼそぼそと言葉を続ける。


「あたし、ド田舎もんじゃけぇ、ずっと共通語だったら疲れるんよ。大学でも気疲れしとぅ(してる)もん」

「あー、なるほど。で、パーティー募集で声をかけられて、咄嗟に飛び出したのがあの広島弁満載の……」

「うー! あー!」


 再三、赤面エモーション。そして連打。

 頭の上に赤面アイコンがふわふわ並んで、先に出たやつから徐々に消えていく。


 ―――ちなみに、メリーとの初遭遇は今の話題に上った通り。

 だいたいこの手のゲームにおいては、チュートリアルの終了後辺りでパーティーを組むように示唆されるものである。或いは『パーティーを組んでみよう!』とかのクエストがシステム側から提示され、それをクリアするとアイテムが貰えたりという場合もある。

 で、ゲーム開始初日にその流れで俺やメリー含めた初心者連中が集まってるところで、メリーに声をかけたプレイヤーが居た。それに心底驚いたらしいこいつの口から出てきたのが、


『わぁ! ぱ、パーティー……えぇと、ごうをいらさす(面倒をおかけする)かもしれんけど、あたしでええん? たいがたぁ(ありがとう)、あたし、メリー・マリーで―――』


 ボイスチャットの声が完全にテンパった声音だったのは相手にも通じたのだろうが、一部混ざっていた方言が何を意味しているか、相手方には通じなかったのだろう。

 その相手はしばし硬直したあと、『Japanese only』という何かが致命的に違う言葉を残してそそくさと去っていった。

 で、残った―――後で聞くと、かなり落ち込んでたらしい―――メリーに、俺がこう声をかけたのだ。


せやぁーない(大丈夫だ)。気にすんな』

『……広島の人?』

『そっちの言葉の研究を専攻してただけの人』


 生まれも育ちも東の方と言うと、驚いたように固まっていたのを覚えている。

 後に聞いた話だが、彼女の出身はマイルドに表現すると田舎の―――ド直球で表現するならド田舎であり、周囲を爺様婆様ばかりに囲まれて育ったという彼女は相当に訛りが強い。そんな彼女の言葉を理解しているらしい東の方の人間に非常に驚いていたらしい。

 失敬な。言語学の講義を受け持っていたウチの教授は、東北語からゼントラーディ語まで理解する謎の多機能ぶりを発揮していたから、あれに比べれば俺などまだまだだ。


 まぁ、ともあれそんな遭遇から、これも何かの縁だろうとフレンド登録とパーティー登録をして、当時は戦士と盗賊という『魔法? なにそれバナナより美味い?』とでも言いたげなバランスの悪いパーティーで、死んだり死んだり死んだりしながら、オープンしたばかりのこの世界を遊んだものだ。


「……ま、あれだ」


 当時の事を思い出しながらも、俺はめったに使わないエモーションボタンを選択。頭上にポンと音を立てて、『親指を立てている手』のエモーションが浮かんだ。


「それなら、あんま気にすんな。俺がいる場所では素で構わん」

「……ん。あんがと」


 メリーの頭上に『ありがとう』のエモーションが浮かぶ。

 そして続けて、今度はモーションのコマンドを入れたのだろう。華奢なエルフが大きく手を広げ、笑みを浮かべた。


「そいじゃ、ポーションよぅけ(たくさん)買ぅたけぇ、炭鉱行こぉ」

「あいよ。……レアドロ欲しいなぁ」

あんな(あいつ)らのレアドロって、インゴットじゃけぇ……経験値効率はええけど、あんま儲けにならんよ?」

「マスターが投げ武器の補充で良く使うから、買い取ってくれんだよ。高く売りつける気は無いけど、供給先として安定してるから小遣い稼ぎに良いんだ。稼いだら次は、武器更新したい」

「えぇー。あたしも武器買い替えしぃたいわぁ」

「お前の剣とか、マスターが拾ってきためっちゃ良いやつだろ。それ以上良い奴とか、公売にもそうそう出てこねぇって」


 そして、話題は装備の話からズレはじめ、いつの間にやら食事の話へ。

 やれラーメンがどうしたたこ焼きがどうした、西の粉物はそんなに美味いのか、大阪と神戸と広島と全部ごっちゃにすんな、などなど。


 そんな調子で雑談しながら、俺達はこのレベル帯のよくある狩場として認識されている、“廃坑”と呼ばれるダンジョンへ向かったのだった。

 


▼□▼□▼□▼□▼□▼□▼□▼□▼□▼□▼□▼□▼□▼□▼□▼□▼□▼□▼



 ―――さて、基本的な話をしよう。


 ワールド・オブ・ファンタジアでは、プレイヤーはゲーム開始時に5つの種族と5つのクラスから、好きな組み合わせを選ぶことになる。

 それらの種族、クラスの特徴をざっと書き出すと以下の通りだ。


ヒューマン:全ての種族の平均値を取る、いわゆる“人間”。

      合計ステータスは一番高く、どの方向でも全種族中2~3位をキープしているが、どの方向にも特化していない。


エルフ  :魔法関係のステータスに強くなる、耳の長い種族。

      長寿設定だが、特にそれにデータ上の意味は無い。魔法関係のステータスに全般に優れるが、肉弾ステータスに全般に劣る。速度は平均的だが、知覚力が高めで敵発見距離がやや広い。


ドワーフ :やや小柄でがっしりとした種族。女の子はロリ巨乳。女の子はロリ巨乳。女の子はロリで、巨乳。

      肉体的に頑健で、魔法的な防御力も高いが、全種族中最も鈍足。


ビースト :いわゆる獣人。猫耳、狐耳、犬耳が選べるが、それらに外見以外の差異は無い。ウサ耳好きのプレイヤーから運営が猛烈な突き上げを食らっている。

      パワーとスピードに優れた典型的物理アタッカーステータスに育つが、魔法面はからっきしで、特に魔法防御は薄紙。物理防御も平均レベル。


ホビット :いわゆる小人族。ドワーフより更に小柄。当たり判定が小さめ。

      とにかく速度に優れており、魔法耐久も高めだが、筋力・魔力共に最下位という攻撃性能には期待してはいけないピーキー種族。



 種族はこんな感じで、



戦士(ウォーリア)系:高い攻撃力、高い耐久力を併せ持つ戦場の華。ただし視界範囲は狭いわ遠距離攻撃手段に乏しいわで、接近するまでが大変。

     基本、遠距離攻撃を撃ってくる敵相手だと、近付けるかどうかの勝負になる。


射手(アーチャー)系:全体的にステータスは低めだが、遠距離攻撃手段が充実しているのが最大の特徴。パーティーがこいつらと盗賊系だけだと、RPGというよりやってることがFPSになる。

     ゲームバランスの関係上、火力は低めなので敵を殺しきるのに苦労する。


魔法使い(メイジ)系:射手と並ぶ遠距離戦力。最も鈍足で最も脆いという、『攻撃されたら負け』というクラスであるが、魔法は射手の攻撃より全般に広範囲・高火力。

     しかし視界範囲も狭いので、ソロでのレベル上げは近接エネミーを狙って、近づかれる前に殺す謎のタワーディフェンスとなる。


神官(プリースト)系:味方の能力をバフしたり、回復したりといった事が可能な貴重な補助職。このゲーム、HPとMPだけではなくスタミナというゲージが有り、その回復も可能であるため、チームに一人居ると凄い助かる。

     なお、戦士系の次にタフな系統であり、魔法使いの次に鈍足な系統。

     ソロでのレベル上の場合はヒール砲とか有情拳とか俗に呼ばれる、アンデットにヒール叩き込んで殺す浄化活動がメインとなる。


盗賊(シーフ)系:視界範囲が広く、足が速い。投擲などでの遠距離攻撃や多少の接近戦も可能だが、それより何より敵に見つからず、かつ先に敵を発見するという索敵が最大の仕事となる。

     パーティーを組んでいる場合、誰かが発見したエネミーが全員のマップに表示されるため、このクラスの存在はある意味で最も重要となる。



 とまぁ、私見も混ざってはいるがクラスがこんな感じである。

 で、キャラクターがLv30にまで育つと上級職へのクラスチェンジが可能になり、俺の神官戦士やメリーの探索師のように、クラスが枝分かれしていくというわけだ。


 ちなみに、メリーの探索師は盗賊からしかクラスチェンジ出来ず、神官戦士は戦士からも神官からもクラスチェンジ可能となっている。

 前者のタイプを純上級職といい、一般にそのクラスの特性を特化させていくクラス。後者のタイプを複合職といい、一般に複数のクラスの長所を併せ持つが特化していないクラスだ。


 ―――ここまでの内容から纏めると、まぁ、察しの良い方はお分かりだろう。

 俺とメリーのタッグは、実はチームとしてはそれなりに歪である。というか、コンセプトがない。


 エルフの探索師という、敵の早期発見に命を賭けた二足歩行型早期警戒機であるメリーは、遠距離から敵を発見する能力に非常に長けているが、装甲は薄く手慰み程度の遠隔攻撃しか出来ない。

 ヒューマンの神官戦士という俺は、物魔両面の耐久性のバランスに優れ、かつ火力もそこそこあり、自己回復可能という、防壁型・タンク型のビルドだ。遠距離火力はヒール砲くらいのもので、当然アンデッド属性―――ヒールでダメージ入る奴―――にしか通用しない。


 つまりはメリーが敵を早期に敵を発見しても先制攻撃手段に乏しいため、敵の位置が分かるのを利用しての釣り出し、或いは近くに他の敵が居ない奴に見つからないように接近して一斉に殴りかかる、そうでもなければヒールの効くアンデッド相手のヒール砲作戦くらいしか取れる手段がないのである。


 と、いうわけで―――


「んー……」


 廃坑ダンジョン―――より正式な名称はもっと長かった気がするが、俺含めて多くのプレイヤーからは単に廃坑としか呼ばれない―――の内部、おおよそ中層辺りにある、崩落によって形成されたと思しき瓦礫の多い大広間。

 瓦礫に登り、その隙間からちょこんと顔を出し、メリーが周囲に視線を巡らせている。この大広間は瓦礫であちこち区切られており、瓦礫にでも登らない限りは広さの割に視野が通る場所が少ないのである。


 逆に言えば瓦礫に登って俯瞰すれば広間内の状況を把握できるということであり、それは隠密係数が高いことにより被発見距離が短く、視野が広い盗賊系の独壇場だ。

 壁際に灯されたランタン―――誰が油を入れ替えてるんだとかの設定に突っ込んではいけない―――の明かりしか無い割には明度が高く、“薄暗い”程度の感覚でそれなりに遠くまで見渡せる。


 この辺りは壁際のランタン含め、ゲームとしてのバランスというものがあるのだろう。「明かりになるアイテムなり魔法なりを持ち込まないと一寸先も真っ暗闇です」などと言われては、狩れないわけではなかろうが、プレイヤーにとっては面倒極まりないので、一定程度そこは過疎る。

 或いはもっと上位のダンジョンになれば、そういうダンジョンも出てくるのかもしれないが、2ヶ月前のサービス開始から存在しているこのダンジョンでそこまでやる気は、少なくとも運営には無いようだ。

 ちなみに、比較したことはないが視覚系が強いエルフであるメリーの視界は、俺のそれより更に明るいらしい。


「どうだ? メリー」

「左奥、地図で言うとB-0とB-1の辺りに6体くらい溜まっとぅ。弓2、剣4。……はぁ、ありゃたいぎぃ(面倒くさい)わ」

「そこは後だな。孤立してる奴となると―――」

「F-6、E-5辺りに1~2体でうろちょろしてる奴らがおるねぇ」


 軽い動きで瓦礫の上から飛び降りてきたメリーが、マップと敵の情報を照らしあわせて確認する。

 同時に、パーティーメンバー同士でリンクしているマップ機能により、俺のマップにも敵の光点が追加されていく。


 ―――ちなみに。このゲームの戦闘というのは、MMORPG的なのとFPS的なのが7:3程度で混ざっているというのが、プレイヤーの共通の見解だ。

 策敵し、視界範囲の差と隠密スキルの差で先に敵を発見し、遠距離火力で潰す。こういう意味ではFPS的。しかしレベルや装備での強化、並びに豊富なバフデバフ、回復まで絡めた戦闘はRPG的。

 索敵と遠距離攻撃の比率が通常のRPGより高い分だけ、純近接職の耐久・攻撃力の高さは他の職に比べかなり高く設定されており、接近さえすれば戦士系の独壇場と、まぁバランスとしてはこのようなものだ。


そんな(そいつ)らから削ってこぉ。骨どもの視界範囲は狭いけぇ、あたしが先行して石投げて釣る」

「オーライ。釣られてきた奴にヒール砲叩き込んで俺がタゲ取り直して、あとは流れで」


 そして手順を簡単に確認し、メリーが先行、俺がやや遅れる形で行動開始。

 ややルーチンワーク的だが、元々MMOの戦闘―――特にレベル上げ目的の狩りはこういうものだ。ある程度の必勝パターンの確確立が重要なのである。

 まぁ―――


「っぎゃああああああああ!!」

「ぴゃあっ!? 何やのぉ!?」

「誰だ、オープンチャットで悲鳴上げた奴は!?」


 ―――たまにこういうアクシデントがあるから、楽しいのであるが。

すごくどうでもいいのですが、昨晩風呂場の電球が切れました。

ゲームみたく暗くてもうっすら見える暗視機能が欲しいです。

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