校長
「あ、もうそろそろ授業始まるから席に戻るね」
『ん』
美織に軽く返事をしてからあたしも窓から黒板へと視線を移す。
入ってくるはずの担任の教師は来ないでその代わりに校内放送が流れた
教師の呼び出しか何か、かな
余り気にせず耳だけを傾ける
《えー…校内に居る生徒は皆、グランドに集まって下さい。これから校長から大事なお話があるので早急に集まってください。》
『…話?』
いつもならもうHRが始まる時間なのに。
まぁでもこんな日位あるか…
放送が終わると美織があたしに駆け寄ってきた。美織は不思議そうな顔をしながらあたしに言う
「何だろうね、話って。そんなに大事な話なのかなあ?」
『さぁ。行ってみよ』
「うん」
あたしと美織はグランドに出る他の生徒と混じりながらグランドにいった。
グランドには頭がバーコードの禿げのオヤジ。そう、校長だ。確か名前はー…何だっけ。余りにも影薄いから覚えてないや。
校長はグランドに集まる生徒を一通り見るとゴホンと以下にもな咳を一回付くと口を開けた
「皆さんには今日からある授業を受けて貰います。その授業は皆さんの精神能力、判断技術などを高めるためにします。」
「精神能力に判断技術…?鬼ごっこでもすんの?」
校長が喋った後にボソッと言った美織。そんな美織を横目にあたしは校長を見る
校長はふぅーと一度息を整え、目を瞑る。
…そして開く。
校長の目がギラっと光ったと思うと校長はニヤリと怪しい笑みを浮かべて言った
「今日してもらう授業…
それは命を掛けた授業です」
「「『は?』」」
命を掛けた授業?
何それ現実味なさすぎでしょ
美織はパチパチと瞬きを何回かするとあたしの方を向いて笑いながら言ってきた
「プッ…命を掛けた授業って!!鬼ごっこで命を掛けるって!あははっこーちょー可笑しいよ!凄い真剣な顔で何言うかと思ったら!」
『…まだ鬼ごっこって決まった訳じゃないでしょ』
美織の中では鬼ごっこと確定しているようだ。…でも命を掛ける、ってどういう意味?
ザワザワ…
あたし達以外の生徒も馬鹿みたいだ、と思っているらしく何処から共なくアハハという笑い声が聞こえる。
そんな生徒達を校長は睨みつけながら「この話については水野先生から説明があります」と水野先生にマイクを交換した