朗読者プロローグ
混沌渦巻く世界達から、
邪魔者として扱われ、
弾き出された者達が辿り着く地、
『亡荒域』。
ここには人の形をした者が数千いるのだが、ここはどこよりも荒れ果てていて、誰しもが娯楽に飢えていた。
今日はそんな者達の最大にして最高の宴。
沢山の経験をしてきた者がそれを談にして面白おかしく話す場。
舞台はもう整っている、観客達は今か今かと待ちわびていて、既に笑みが溢れている者すらいた。
そんな掃き溜めの場に、ある一人の男が髭を携え自慢気な顔でやってきて、観客が円を囲んでいた真ん中にどすんと座り込んだ。
「よぉ、お前さんら。相変わらず湿気た面構えして、笑えるなぁ」
そんな舐めた態度に観客の一人が太い眉をへの字にしながら文句を言う。
「なんだ?冷やかしに来たなら帰れよ。こっちは本気で娯楽求めてんだ」
周りもそれに便乗して、そうだそうだと今にも暴動が起きそうな程に声を上げ始めた。
彼等の娯楽は半端な物ではない、他に娯楽がないのだ、当然のことである。
「待てってお前ら、とびきり面白いのを話してやるからよ」
「本当か?」
観客は勿論話に食い付き、その眼たるはもはや赤子の愛らしく輝かしいそれを凌駕していた。
「あぁ本当だよ。俺の能力あるだろ?」
「『運命鏡:リコレクションアイ』のことか?」
「そうだ、それで未来を見て、面白い話が手に入ったんだよ」
髭男はまたもや自慢気な顔になる。
「んじゃ、今から話していくぞ。耳の穴かっぽじって聞けよ」
「おう」
「それはみらぁいみらいのお話••••••




