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エメラルド・ダイナソー  作者: HasumiChouji
第二章:家族の思い出
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高木瀾(3)

「何で、ここが判ったんですか?」

 福岡市内に有る、そいつの今の住居を訪ねたら、第一声がそれだった。

「ねえ、何で、こいつなの?」

 通称「NEO TOKYOの一番長い夜」事件で、こいつに酷い目に遭わされた緋桜はヤツの顔を見た途端にそう言った。

 こいつの名は、百瀬キヅナ。

 飯綱と呼ばれる小動物を操る……いわば「対『魔法使い』専門の暗殺者」だ。

「私達の仲間が、どこにどれだけ居るか私自身も把握してない。そのネットワークを使えば、特定個人の居場所を突き止めるのも無理じゃない」

 百瀬は……溜息をつく。

「カルト宗教に関わってしまった一般人みたいな気持ちですね。どこに逃げても逃げ切る事は出来ない。まぁ、どうそ……」

 そう言って、百瀬は部屋の中を指差す。

 築五〇年を超えそうな団地のダイニング・キッチンには……。

「な……なに、これ?」

 一緒に来た3人目のレナは、テーブルの上に置かれた試験管を見てそう言った。

 良く観察すると……冷蔵庫も一般家庭用のモノと、どこか違う。

「飲み物も食い物も出さなくていい。用件だけさっさと済ませたい」

 こいつの「使い魔」である「飯綱」に噛まれた者は、飯綱の口の中の黴菌に感染する。

 しかも、その黴菌は……結構、強い毒性が有るモノが複数種類。

 どうやら……このキッチンで行なわれているのは食事を作る事ではなく……新種の黴菌の開発や培養だろう。

「何ですか?」

「あんたの同業……『魔法使い』の暗殺が専門の『魔法使い』で、久留米の安徳グループや安徳グループと対立している組織に雇われた奴は居るか?」

「知る訳ないでしょ。『魔法使い』達が『世の中には自分が思ってたより他流派の魔法使いが多いらしい』と知ったのは……私達が生まれた頃ですよ。今でも、『魔法使い』でも他流派の『魔法使い』の事は良く知らないのが普通。ましてや……他流派の『魔法使い』が、今、どこで何をやってるかなんて、判る訳がない」

「なるほど。じゃあ訊くが……あんたと同じ流派の奴や、あんたが良く知ってる奴はどうだ?」

「私の知ってる限りでは無し」

「ねえ、嘘吐いてたりしない?」

 そう言ったのは緋桜。

「私の居場所を、あっさり突き止めた相手に嘘を吐いてたのが、後でバレたら……私の身が危ない」

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