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エメラルド・ダイナソー  作者: HasumiChouji
第一章:ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
17/30

高木瀾(8)

「有った。多分、これだ」

 地下の共同溝には様々な回線や電線、ガス・水道などのパイプが通っている。

 その中から防犯カメラ網用の通信ケーブルの中継器(ブリッジ)を発見。

「業者コードを確認願います」

 今、私達は顔には各種小型センサ付のヘルメット、着ているのは一見普通の作業着に見える……防刃繊維製の作業着と云う、ある意味で変装としても戦闘用としても中途半端な格好。

 そのヘルメットの小型カメラから中継器(ブリッジ)表面に書かれている文字列を撮影し、後方支援チームに送信。

『安徳セキュリティの業者コードだ』

「誰か来てるか?」

 当然ながら、この状態で誰かに見付かれば、即座に怪しまれる。

「来てる、あっちから2人、反対から3人」

 緋桜がそう答える。

「同じく」

 今度は妹の治水(おさみ)が答えた。

 緋桜は魔法で人の気配を感知し、魔法に似て非なる「水」そのものの存在を感知する能力で、「誰か」が近付いて来ている事を確認した。

「じゃあ、俺があっちで……」

 今村がそう私に言うが……。

「阿呆」

「はぁ?」

「お前の攻撃は威力がデカい分、動きもデカい。こんな狭い所では不利だ。作業の方を頼む」

「はいはい」

「作戦行動中だ」

「あ……了解(Affirm)

「あと、治水。水蒸気爆発を起こすのは最後の手段だ。お前以外全員殺された級の事が起きるまで、絶対にやるな」

了解(Confirm)、判ってる」

「誰だ?」

 両側から誰何(すいか)の声。

「対象の顔認識を頼む」

『5名中3人が「安徳セキュリティ」の社員と九五%以上一致』

 続いて私は数が少ない方に駆け出し。

「えっ?……ぶぎょっ‼」

 1人目の腹に、内蔵を直接揺す「細波(さざなみ)」の打撃。

 2人目は防御力を高める為か、河童の姿に変身しようとするが……変身が終る前に喉元を指で突く。

「ごっ……」

 しゃっくりのような声を出して2人目も倒れる。

 振り向くと、反対側から来た3人は緋桜の魔法で気絶していた。

「回線の中をパケットが通ってる。それも、かなり大量の……」

 中継器(ブリッジ)のメンテナンス用LANポートに接続したモバイルPCの画面を見ながら、今村がそう言った。

『障害は見せ掛けで、防犯カメラ網そのものは生きてる訳か……』

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