第一話
こうして、私、前島幸と後藤美果と大橋まおの3人は異世界に来てしまいました。カラオケボックスから。
「ねえねえミカン、まおちゃん」
「なぁに、さっちゃん」
「どうしましたの?」
「私、
お腹すいた。」
「「はぁ」」
「何事かと思ったらお腹がすいただけなのかよ」
「もっと重大なことかと思ってビックリしましたわ」
「あははははは、ごめんごめん」
「でもまあ確かに食料問題は解決しないといけないよね...」
「それに、服だって私たちのは少し異様に見えるわ」
「制服だしねー」
「あと、お金が使えるかどうか、言葉が通じるかどうかが重要になってくるよね」
「えぇ、私もそう思うわ」
「お財布は持ってるけど、多分使えないよねー」
「そうだね、困ったな...」
「言葉はどうですの?」
うーんどれどれー......
あ、毎度あり~とか言ってる
「聞いてる感じだと多分日本語が通じると思うよ」
「ならよかったら。新しく言語を習うのは面倒だからな」
「そうですわね」
「と、とりあえずご飯食べたいなー、あはは」
「まあ、悩んでいても仕方がないからまずこの通りを歩いてみようか」
「そ、そうね」
そして、私たちはとりあえず近くにあるレストランを見つけて、その中へと入っていった。
「ごめんくださーい」
「あら、いらっしゃい!お好きなところへどうぞ」
「あ、ありがとうございます。ところで、こちらの貨幣を見せていただけますでしょうか」
「あら、変なことを聞くわね、まあいいさ。ほら、こんなんだよ」
女将さんが見せてくれたのは、コインとコインとコイン。見事にコインだらけだ。
銅、銀、金ときている。異世界コインのテンプレであった。相場も銅コイン百枚で銀コイン、銀コイン百枚で金コインだそうだ。さらに上の白金などもあるらしいが、今はどうでもいいだろう。とにかく重そうだ。ちなみに単位はセントらしい。
「やっぱり私たちのお金とは違うわね」
「そうだねー...あのー、お金を持っていないのですが、お手伝いをするので、何か食べ物を恵んでいただけないでしょうか?」
「お金を持ってないんだって?いったいどうしたのさね、若い女の子3人で、変なお洋服着てさ」
幸い、時間が3時半ぐらいだったから、女将さんの声は大きかったにも関わらず、あまり人に聞かれていないようだった。これが多くの人に聞かれていたら、どれだけ恥ずかしいやら......
「実はそうなんですよ...無茶だとわかってはいますが、皿洗いでも、下ごしらえでもしますので、どうか食事を恵んでください!」
「はあ、わかったよ。私はラナ。君たちは?」
「サチです」
「ミカです」
「マオと申しますわ」
「わかった、サチは野菜を、ミカとマオは皿を洗ってちょうだい。働かざる者、食うべからず。ちゃんと働いてくれたら食事をあげるよ。賄い程度だけどね。いいか?」
「はい!問題ありません!ありがとうございます!」
「いい返事だ。厨房はこっちだよ、ついてきな」
「「「はい!」」」
とりあえず、お食事ゲットだぜ!