プロローグ
はぁああああああ!!??ふざけんな!!!
ごほん、いきなり失礼しました。
実はですね、先ほど母が私のマイナンバーカードをなくした、との情報が入りまして、少し叫びたい気分なんですよ
申し遅れました。私、前島幸と申します。
母とすこぶる仲が悪い高校1年生です。
「はぁ、しょうがない。あとでお父さんに連絡しよう。とりあえず、ストレス発散にミカンとカラオケ行こう」
ミカンとは私の大親友の後藤美果のことです。
友達っていいですよね~
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「ミ~カン!こっちこっち」
「は~い」
「あら、美果ちゃんと幸ちゃんじゃないの!こんなところでどうしたの?」
「あ、まおちゃん」
「やっほー」
こちら、大橋まおちゃん、お嬢様でクラスの人気者なのです
「ストレス発散にカラオケでも行こうと思って」
「あら、私も一緒によろしいかしら?」
「さっちゃんさえよければいいと思う」
「もちろんオッケーだよ!一緒に行こう!」
「ありがとうございます!うふふ、なんだか高校生っぽいですわね」
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「よぉし、歌うぞぉ!!」
ピカッ
歌おうとしたら、突然目の前が真っ白になった。
「な、な、な、何事か!?!?二人とも、大丈夫?」
「えぇ、私は無事よ」
「私も全然大丈夫、とは言えないかもだけど大丈夫」
「えっと、とりあえずここどこ?」
「さぁ、見たことのない場所よね」
「なんか映画の中にいるみたい...」
「ここってまさか異世界なんじゃ!!?」
「えぇ!!そんなまさか」
「いやいやいや、そんなことあるわけ...ないとは言えないね、この風景を見てしまっているのだから......」
そう、私たちはカラオケボックスから、中世ヨーロッパのようなところに来てしまったのだ。
いろんな店が並ぶ大通り、その道をまっすぐ見ていくと、とてもきれいなお城が見えたのだ。
「ここは、どこ?」
この台詞、一度言ってみたかったの!!みなさんわかってくれますよね!?
とりあえず、異世界だと思われるところに来てしまったみたいです!