第四話
スマホになってから執筆しづらい。
~博麗神社~
いつもはあまり人気のない境内に、今日は種族を問わずたくさんの人妖が集まっていた。
「異変解決を祝って、乾杯!!」
「「「「乾杯!!」」」」
先日あった「妖狼異変」の解決を祝うこの宴会は、春花の音頭で開始された。
「いや~、目が覚めたらこんなに時間が経ってるなんて思ってもなかったよ」
「本当に、姿を見なくて心配したんだからな!」
春花は慧音達と話をし、
「そこで私のマスタースパークが華麗に決まったんだぜ!!」
「「おぉ~」」
既に酔いつつある魔理沙は妖精達等に武勇伝を語り、
「それで、今回はあの九尾達の協力で開始されたわけ」
「「ふむふむ、なるほど」」
霊夢は阿求と文の取材に答えたりしていた。
他の面々は思い思いに過ごし、宴会は進行していった。
「お話ありがとうございます。それでは、私達はその九尾さん達にお話を伺ってきます。幻想郷縁起にも載せたいので」
霊夢からの取材を切り上げた阿求。
「そう。たぶん話しかければ普通に相手してくれるわよ」
霊夢が阿求にそうアドバイスをすると、それに文が反応する。
「あややや、なら私も取材してきますか」
早速文花帖を構える文に霊夢が忠告をする。
「あんた……また突拍子もない記事を書いたら妹紅に頼んで焼き鳥にしてもらうからね」
「あややや、それは怖いですねぇ」
霊夢の脅しに少し大袈裟に怖がりながら移動を開始する文。
だがしかし、既に阿求が接触を図っていた。
「あの……」
阿求が話しかけると、春花は慧音と共に振り向く。
「どうしたの?」
「ん?阿求じゃないか」
「ご歓談の最中申し訳ありませんが、少々お話を伺ってもよろしいでしょうか?」
「いいけど、君は?」
「申し遅れました。私は、この幻想郷の歴史を纏める御阿礼の子の九代目、稗田阿求と申します」
「私は鈴風春花、ここの神様とかをしているよ。それで、私に何を聞きたいのかな?」
阿求も春花が神だとは聞いておらず、驚いた顔をした。
「神様だったのですか」
「別に畏まらなくていいよ。自然体で接してくれた方が嬉しい」
「はい、わかりました」
阿求の緊張はほぐれたが、言葉使いは変わらなかった。
「よろしくね。で、質問は?」
「まずは春花さんについて、次に今回の異変について聞きたいです」
「私について?何を話せばいいのかな?」
「あなたは妖怪であると同時に神でもありますが、人間についてどう思っていますか?」
「普通に大切な存在だね」
「では、妖怪についてはどう思っていますか?」
「これも大切な存在だね」
「つまり、あなたにとって種族によっての関係の差は無いと?」
「そうなるね。重要なのはその人個人をどう思うかで、他の要素は関係ないんだよ」
「公平な考え方、これはあまり例を見ないですね。それについてはどう思いますか?」
「他の人の考えは気にしないね。人は人、私は私だよ」
「そうですか。それでは、必要以上に他人を襲うことは無いと?」
「そもそも相手から挑んでこない限りは基本的に争いはしないよ」
「なるほど…危険度は極小、人間友好度は極高っと…」
春花から話を聞いた阿求は手に持ったメモ帳に書き留める。
「続いて、今回の異変について教えてください」
「今回は、どうやら妖怪が暴走したのが原因みたいだね」
「といいますと?」
阿求の質問に、春花は自分の見解を述べる。
「妖怪の群れの中に偶然強力な妖怪が現れて、それによって増長した群れが人里を襲ったのが今回の異変。今回は知性は関係ないから対策が必要かな。対策としては、野良の妖怪に人里の不可侵について今一度叩き込んだ方が良いと思う」
「ふむふむ……参考になりました」
「こんな感じかな?」
「ご協力、ありがとうございました」
「私でよければいつでも協力するよ」
「あややや、それでは、私もお話を伺ってよろしいでしょうか?」
阿求との会話が終わったと見るや、すかさず文が接触を図る。
「君は?」
「私は射命丸文と言います。文々。新聞の記者です」
文の紹介を聞いて、聞いたことのある名字に春花は首をひねる。
「射命丸……あ、もしかして、空の関係者?」
「母を知っているのですか?」
文も予想外の質問に驚く。
「知っているというか、昔一緒に生活してたよ」
「あややや、そうでしたか。(お母さんの関係者かー。なら、いつも通りの記事を書くと藪蛇になりそうね……)……あ、すいません。休養を思い出したので、失礼させてもらいますね」
まさかの母の関係者という事実に、文は記事に厳格な母を思い出す。
というのも、文は時折裏付けが不完全な情報を記事に載せることがあり、それについて母とはたまに対立しているので、友人の記事を下手に書けば、説教は免れない。
その光景を想像し、文は戦慄した。
「うん。空によろしく伝えといてね」
「あややや、それでは」
そう言うと、文はものすごい速度で飛び去って行った。
「おー速い速い。昔の空位の速さはあるかな?」
「あのブン屋の速さは幻想郷一と名高いからな」
春花が文の速さに驚いていると、慧音が説明をしてくれる。
「でも、あれなら今の空の方が絶対速いと思うよ?」
直後、春花が爆弾発言をする。
「は?いや、ブン屋は「風を操る程度の能力」で速度を強化しているんだぞ?」
「空も「酸素を操る程度の能力」を使ってるからねー」
「な……」
春花の言葉に、慧音は絶句する。
幻想郷の常識がまた一つ覆された瞬間だった。
「……そう言えば、春花は酒を飲まないんだな」
春花が手に持っている水を見て、慧音がそう話す。
「うん。お酒は苦手でね。それに強くないし」
そのとき、春花の背後から忍び寄る影があった。
「春花~!だったら飲んでみるんだぜ!」
既に出来上がっている魔理沙が一升瓶を片手に乱入してきたのであった。
「魔理沙。少し飲み過ぎじゃないか?」
「慧音、そんなことは気にしないんだぜ。それより、ほら、飲んでみろよ」
「いや、私は……」
「遠慮はいらないんだぜ!」
そのまま魔理沙は春花の口の中に一升瓶を突っ込んだ。
「っ!?」
そのまま喉に流し込まれる酒を、春花は窒息を避けるために飲んだ。
「お~、いい飲みっぷりじゃないか」
「魔理沙!嫌がる人に無理やり飲ませるんじゃない!」
すかさず魔理沙に説教をする慧音。
「……………」
「……春花?」
何もしゃべらない春花に、さすがに魔理沙も心配をする。
「…………ハハ」
「え?」
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
しばらく俯いていた春花は、いきなり笑い出した。
「うわっ!?春花が壊れた!」
「もーー何もかもがどうでも良いくらいに心地良いねぇ!!もっとじゃんじゃん酒持ってこーーい!!」
いきなり笑い出した春花は、周りの酒を手当たり次第に飲み干していった。
「おい、ちょっと飲み過ぎじゃないか?」
慧音が春花の暴挙を止めようとするが、
「まだまだずぇーんぜん酔ってないよー?もっともっと酒ー!」
春花は酔ってるが故に、普段のような判断ができなかった。
「はあ……仕方ない。魔理沙」
「な、なんだ?」
「お前が春花を止めろ」
慧音は魔理沙に春花を止めるよう指示するが、
「何で私が…」
渋る魔理沙に慧音は額に青筋を浮かべる。
「お前が原因だろう。責任をしっかり果たせ」
「わかったよ……」
慧音に気圧された魔理沙は春花に近づく。
「なあ、春花……、そろそろ止めようぜ?」
「まだまだ飲めるよー!」
「はあ…しょうがない」
聞く耳を持たない春花に、魔理沙は実力行使(弾幕)で意識を奪おうとするが…
「ほい」
「なっ!?」
春花が片手を振るだけで魔理沙の弾幕は全て消え去った。
さらに…
「--いいよ。その弾幕勝負、受けて立つよ!」
どうやら酔っている所為か、魔理沙が出した弾幕を戦闘の意志と見た春花は、周りに魔理沙のとは比べものにならない量の弾幕を出現させる。
「ちょ、ま、」
「問答無用っ!」
春花の弾幕(非殺傷、威力0)をくらった魔理沙は、そのまま吹き飛び、神社にいた他の客のもとに突っ込んでいった。
「うわっ!?」
「なんだなんだ?」
「喧嘩か?」
続々と集まる野次馬。
「いてててて。そこまでするなら、私にも考えがあるんだぜ」
魔理沙は土埃を払いながら立ち上がり、ミニ八卦路を構える。
「うわっ!?逃げろ!」
ミニ八卦路を構えた魔理沙を見て逃げ出す野次馬。
「恋符「マスタースパーク」!」
直後、ミニ八卦路から春花に向かってレーザーが放たれる。
「狐符「昔懐かし化け騙し」」
春花も対応するようにスペルカードを発動させるが、何も起きずにそのままマスタースパークをくらってしまった。
「よし!!」
しかし、煙が晴れると、そこには誰もいなかった。
「え?」
直後、
「ここだよ~」
背後で声が聞こえ、振り向くとそこには膨大な神力を溜めた春花が。
「いっっくよー!狐符「神狐禁終」!」
春花の手の中にはここら一体を更地に変えるほどの神力がレーザーとなって放たれる瞬間、
「--ふぁぁああ……」
バタリ
結論、春花は酒に弱かった。
今回使われそうだった「神孤禁終」はネタスペカで正式なスペルカードではないので、悪しからず。
前話で使ったものと、今回使った合計二つのスペルカードは後でスペルカード集に掲載しときます。