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クリスマスプレゼント:語られなかった集い

今回は、防災頭巾様の「幻想郷と神の親子」とコラボです!

「…十月だねえ」


「…十月だな」


春花と隼人は縁側にてお茶を飲んでいた。


「そういえばさ、私、何か十月にやらなくちゃいけないことがあった気がするんだけど……なんだっけ?」


春花が首をかしげていると、隼人はお茶をすすったあとこう言った。


「…出雲大社の集会じゃないのか?毎年十月にやっているんだろう?」


「それだ!!」


春花は勢い良く立ち上がると、そのまま隼人の首を掴む。


「むぐっ!?なんで俺まで」


「隼人も神様なんだから挨拶挨拶、もう十月も終わりかけてて時間ないから空間本気で切り離して時間短縮してくよ!」


「おい!!それはやめ」


隼人の必死の制止も虚しく、春花は以前一度だけ使ったスペルカードを取り出す。


実際には、これを使ったあとの記憶がない為、効果はわからないが、込められている力からしてなんとかなるだろうと判断する。


「間符「切離交差の通過点」!!」


そして、切り離された時空が歪み、淀みが発生した。


「え!?ちょっと!?逃げれない!!」


淀みの引力に抗えなかった春花と隼人は淀みへと吸い込まれ、後には湯呑だけが残された。


〜〜〜〜〜〜


「イタタタタ……」


「また無茶しやがって…!」


「まあ、結果的についたからオーケーってことで…」


「良いわけあるか、あとで説教だ」


「そ、そんな~」


隼人の説教がよっぽど嫌なのか、軽く目に涙を浮かべている春花に、背後から声がかかる。


「おや……春花さんじゃないですか!!」


「その声は…天ちゃん!久しぶり 」


「ちゃ、ちゃん付けはやめてくださいよ。ここにはほかの方もいますし…」


「わかった!天ちゃんがいるってことは、やっぱり私達はちゃんとたどり着けたんだねえ」


「それなのですが…」


春花の言葉に天照が顔を曇らせた。


「何者かの異常なほどの神力により、時空が捻じ曲がり、どこか別の並行世界の一部と繋がってしまったようなのです……」


「そ、そっか〜、た、大変な事をする人もいるんだねぇ〜」


「ええ、恥ずかしながら…我々の力ではどうすることもできませんでした…。残された方法は、今この神社のどこかに並行世界から迷い込んだ客人の力を借りるしかなさそうなのです……」


「そっか!じゃあ探してくるね!」


言うが早いか、春花は再び隼人の首をつかみ走り去っていった。


「いや、あの、まだ特徴も掴めて……」


しかし、その言葉が届くことはなかった。


〜〜〜〜〜〜


春花が隼人を引きずりながら歩いていると、隼人が春花の手を振り払う。


「…はぁ、結局、今回の件の解決の当てはあるのか?半分以上はお前の責任だろう」


「当てなんて無いよ。というより、私は「切り離した」だけだから、普通はこうなるはずはないんだよ」


春花は薄い…と言うより無い胸を張る。


「…ちなみに、本当なら?」


「空間を断裂させたわけだから、物理法則はねじ曲がりある程度までなら因果律も無茶苦茶になっただろうね」


「もしそうなってたら一大事だろ!」


隼人の怒声にも堪えた様子を見せず、どこ吹く風といわんばかりにで歩き出す。


「大丈夫だよ。仮にそうなりそうだったら能力で回避してたからさ。でも、今回は何故か回避できないんだよね…。なんだかほかの力と競合を起こしているっていうか、滅茶苦茶な空間だからかズルみたいな形では戻れなさそう。大規模な事象改変が出来ないんだよ」


「俺の方は…問題ないな。銃火器、刀剣類、砲塔…オールグリーンだ」


隼人は両手を握ったり閉じたりして調子を確かめた。


「動作にも問題はない。防具やスラスター関連もしっかり作動する」


「じゃあ、あの角を曲がったら手分けして探そうか」


「わかった。連絡はいつもの札で、番号は838番、一体一の固有回線だ」


「はーい」


そういいながら角を曲がると、


ゴツッ!


「痛っ!」


「キャッ!」


春花が出会い頭に誰かと頭をぶつける。


「痛たたた…。ごめんごめん、大丈夫?」


「いえ、こちらも少々よそ見をしていましたので…」


春花が先に立ち上がり、ぶつかった相手に手を伸ばす。


「はい」


「あ、ありがとうございます」


少女が春花の手を取り立ち上っている隙に、隼人は素早く少女を…正確には、少女が左手に持つ札を見る。


札には「封印」とのみ書かれており、そのうち封の字は色が抜け落ち掠れていて、消える寸前であった。


しかし、隼人はその札から膨大な神力を感じ取っていた。


「あ、申し遅れました。私、白咲殺芽といいます。最近博麗神社の神に就任?しました。よろしくお願いします」


桃色の髪をそのまままっすぐ伸ばしている青紫の瞳を持つ少女…白咲殺芽はペコッと一礼した。


「私は鈴風春花、見てのとおり九尾の神様だよ」


「鈴風隼人、武具の半神だ」


「ところで……もしかして、殺芽ちゃんって別世界から来た?」


「……どうしてそれを?」


春花の質問に、殺芽は少し身構える。


「だって、この世界じゃ私が千年近く前から博麗神社の神様だもん」


「…………そ、そういうことでしたか…」


春花の出す千年という時間を聞いて殺芽は若干驚いた。


「(…見た目からしてもっと若い方だと思ってたんですけどね…)」


「?どうしたの?私の顔に何かついてる?」


「はっ!い、いえいえ、なんでもないですよ?それより、お二人はこの世界の方なんですよね?どうすれば元の世界に戻れるかわかりますか?ここは空間が切り離されているようで、世界渡りができないんです…」


「……多分それ私のせいだ。でも、天照ちゃんが戻り方を知っているみたいだから、一緒に来てもらってもいいかな?」


「え?あ、はい。それで戻る方法がわかるのなら…」


「じゃあ、ついてきて」


「はい」


〜〜〜〜〜〜


「天照〜別世界から来た人見つけたよ」


先程と同じ、大社内の中央に天照はいた。


「相変わらず運も規格外なようで…。………コホン、はじめまして、私がここらを取り締まる天照大御神です。ようこそ、別世界からの客人よ。しばしの間、歓待します」


「白咲殺芽です。よろしくお願いします」


「それでは、戻る方法を伝えたいのですが……一先ず、その札の封印を、解いて頂けますか?」


「これですか?それはちょっと……」


「おそらく、その方のお力を借りない限りこの現状を打破するのは難しいと思います」


「そうですか………」


少し残念そうな声を出す殺芽。


そのとき、


「あ、札の印の字が…」


札に書かれた最後の字がかすれ、消えた。


それと同時に、アタリを閃光が包みこんだ。


あたりを閃光が包みこんだあと、光の中心からは一人の女性が現れた。


「あ・や・め?覚悟は出来てるカシラ?」


その女性は強烈な怒気を放ちながら殺芽の方を向くが…、


「って、夢月様!?何でこんな所に!?」


殺芽の姿を見た途端、畏まるが、


「いや、私ですけど。今は夢月様の姿を借りてるだけですから」


との言葉を聞くと、再び怒気を放ちはじめる。


「……そう。で、ココハ?」


もはや言葉の端々から怒りが滲みでている女性に、殺芽は若干恐怖を感じながらも答えた。


「別世界ですよ。よかったですね、知ってる神様が誰もいなくて……!」


殺芽の言葉を聞くと、女性は驚いた表情をした。


「……それ、本当?原因は?」


「えーと、まずは紹介から。こちらが鈴風春花さんと隼人さん、あそこで若干怯えているのが天照大御神さんです」


まずは春花と隼人を紹介し、最後に春花の後ろに隠れている天照を紹介する。


「……な、なんなんですか……私これでも一応日本の最高神なんですよ?ちゃんとどこぞの九尾とは違ってちゃんと分社を回ったりとかの仕事もしてるんですよ?なのになんでこんなに私を軽く超えるような方々がぽんぽん出てくるんですか………。 この二人はもういいとして、せめて別世界から来た方には最高神としての威厳というものを保ちたかったのに………!」


と涙目で小声で言っていたのはなんの奇跡か誰の耳にも入らなかった。


「原因ですけど。恐らく、私の秘術『空間繋ぎ』と『世界繋ぎ』を間違えたことによるミス、多分春花さんの何らかの能力、それと母さんの封印を解こうとするあまり物凄い過剰な力を注ぎ過ぎてそれがダダ漏れだったことじゃないかと」


封印、と言う言葉に反応した天照がおずおずと話す。


「私が、封印を解かないと現状を打破するのは難しいと言ったのですが……」


天照が状況を説明していると、女性が続きを引き継ぐ。


「勝手に解けた、ってことね。ああ、自己紹介を忘れていたわ。私は白咲夜桜。この子の母親で、私達の世界の博麗神社の神でもあるわ」


夜桜はそこで、一瞬だけ考える動作をしたあと、言葉を続ける。


「………これは私の予想だし、話を聞いたばかりで出来るかもわからないとは思うけど、殺芽と……春花ちゃん?が、力を合わせるだけで、一応この世界を修復することは可能なはずよ」


修復できる、と聞いて天照は安堵する。


「まずは、能力の説明を聞いて、実際に見た方が良いわね。というわけで……貴女達には、戦ってもらうわ♪」


「…………へ?」


いきなりの戦闘宣言に、春花は一人間抜けな声を出す。


その隣では、既に隼人が離れ始めていた。


「あ、待ってくださいよ 。こんな爆心地の中に一人でいたらどうなるかわかりません !!」


それを追って天照も走り去る。


と、そこに、


「そこの半神さんは私と戦わない?」


夜桜が隼人に声をかける。


「……問題を起こしたのはこのバカとそこの神だろう。俺には関係ない。それに、そこまで力をむやみに振るう趣味はない」


「あら、逃げるのかしら?」


「……っ!!」


その言葉に、隼人の動きが止まる。


「まあ、確かに関係ないものね 。少し戦ってみたいとは思ったけど、そんなに戦うのが怖いのなら、隅っこで震えてくださっていて結構ですのよ?」


わざと口調を変えながらそう挑発すると、隼人は振り返り、手に持った銃を突きつける。


「………いいだろう。相手になってやる。ただし、俺がするのは戦いじゃない、………戦争(クリーク)だ」


「あらら、怖い怖い」


夜桜の挑発により殺気を放つ隼人を見ながら、取り残された春花は殺芽に話しかける。


「えーと……そういう訳みたいだけど、どうする?私は別に構わないんだけど……」


「母さんがそういうのなら確かに間違いはないんだとは思いますけど……おそらく、まともに戦いにならないと思いますよ?」


「へ 、そんなに強いんだ」


「え?いや、そういうわけじゃ…」


「じゃあ、弾幕ごっこしようよ!殺芽ちゃんも幻想郷から来てるなら、ルールはわかるよね?」


「え、ええ。まあ一応…」


「スペルカードは無制限、能力も使用可、近接戦闘もオーケー、これでどう?」


「あの……本当にやるんですか?」


殺芽が強いと聞いて楽しみに思い、どんどんヒートアップしていく春花。


対照的に、殺芽の顔は少々青ざめていた。


「こんなところでやったら周りの被害もすごいでしょうし……」


それを聞くと、春花が手をパンッ!と打ち鳴らす。


「これで大丈夫!周りの空間を切り離したから、ちょっとやそっとじゃ崩れないよ!」


「そ、そうですか…。あ、でも、やっぱりほかの神様がたくさんいる所での戦闘は…」


「お?なんだいなんだい?喧嘩かい?おい!お前ら!ここで一発ドンパチかますみたいだぞ!!」


「本当か!?よし、酒もってこい!勝負を肴にいっぱいやるぞ!!」


「つまみ足りないぞ!どんどんもってこい!!」


「我らが九尾、春花嬢が勝つと思う方は一番を!異世界からの来訪者、白咲殺芽が勝つと思う方は二番の札を購入してください!」


「現在札の比率は6:4!!若干春花が有利か!?それとも来訪者が皆の結果を覆すのか!?賭けはまだまだ続く!!」


座り込むもの、酒を取り出すもの、料理を運ぶものなど、ある程度の距離を置いた上で神々が集まりはじめる。


「みんな楽しみにしてるよ!」


「うぅ……どんどん外堀が埋められていく…」


着々と戦いへと場が進んでいき、春花は満面の笑みを浮かべた。


「もう、ここまできたらやるしかないですか…。こうなったら、本気で戦わせてもらいますからね!」


「私も全力で頑張るよ!!」


もはや半分投げやりに近い状態で殺芽は勝負を受託し。


こうして、二つの世界の博麗神社の神同士の戦いが今、始まる………


防災頭巾様の「幻想郷と神の親子」の方にも、殺芽さん視点のものが載っていますのでよかったらそちらもご覧下さい!

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