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つきうさぎ
恋するうさぎは切なくて
心はいつも上のそら
きみがただただ愛しくて
けれど笑顔に目をそらす
夢みるうさぎは悲しくて
心はいつも月のそら
月がただただ恋しくて
けれどそこには帰れない
そばにいるのに触れずに
手を伸ばしても届かない
ちいさな両手を広げても
おおきなそれは掴めない
どんなにねがいは強くても
ちいさなからだは弱いまま
たったひとつの夢ですら
かなえられずに夢のまま
雫たたえたまんまるな
瞳はどこを見ているの
ちいさなうさぎは苦しくて
それでも見るのは同じもの
恋の痛みを胸に秘め
月の光にいだかれて
うさぎは今日も夢の中
終わりの見えぬ夢の中