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エピローグ
『傘売りと忘れ者』終わりです。二人の出会いの話でした。
「おい、モーン。見てみろ、あのラブラブなカップルを」
旅する傘売りは大きな木の枝に座り、ベンチにいるカップルを無邪気に指差す。その様子を木の根元から見上げていた付き人の狐は、一つため息をついた。
「…リーリーさん…やめてくださいよ」
カップルをちらっと見て、狐は少し顔を赤くする。それをからかうように、傘売りは声をたてて笑う。
ある日出会った一匹と一人はそんな幸せな日々をずっと過ごしていたのでした。
「誰かに“忘れられない毎日”…素敵だろ?」
「…うん、なんというか…あ、ありがとう、な。」
狐が俯いて言うと傘売りが木からおりてくる。そして、狐の頭を撫でてこれ以上なく幸せそうに笑った
二人の今後。
二人の過去。など、どんどん書いていこうかと思っております。