夕暮れ、天使と。解説
以下は、簡単な解説になっています。
本作品の「嘘」とは、物語の設定の一部……主人公である米田綺礼の見ているもの(認識しているもの)でした。
彼は大学受験に失敗し、出来の良い姉と比較される事を嘆き、現実から逃げ出して偽りの夕暮れの中へと逃避した……精神的に脆い人物です。
自分の気にくわないことがあれば逆上もしますし、基本的に性格の歪んでいる青年……という設定でした。
彼の妄想は、彼の見る世界(読者の視点)に直結します。その結果が、他人とのどこか噛み合わない会話であったりするわけです。
噛み合わない箇所
①ここは病院ではなく学校だ、という認識
①'それに伴う周りの人物たちの現在の状況の誤った認識(職業など)
②現実では正午を少し過ぎた辺りの時間帯なのに(姉の「お昼は食べた?」発言)、綺礼は夕方であると認識(1日の締めとして1限〜6限までの日誌を書いている)していること
③白野典子との、本文中での最後の会話が自分に向けられたものであること
以上が判断材料でした。 ③を読めば答えを見たのとほぼ同義ではないかと。
これで解説を終わります。ここまで読んでくださって本当にありがとうございました。
質問等、もしあれば答えさせていただきますので、どうぞお気軽に。
……感想もいただけると嬉しいです。ええ、ホントに。




