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夕暮れ、典子と。

次のページから、「嘘」についての解答が行われます。


皆様の感じた違和感は、きっとココヘと繋がっているかと。


では、本編リスタートです。

 「白野典子に、大久保、波多野……」

 とある病院の一室では、書類の山と格闘する女医――-奈月風花の姿があった。

 「白野典子の出現率は100%。

 ……米田貴礼、やはり自覚症状はなし。ロールプレイの内容は数日で変化するが、今回は教師であるらしい。

 重度の分離症、誇大妄想者であるという診断に間違いはない。

 毎回、実の姉のことを敵視しており、これが解決の手段になりえるのではと考察する。

 教師になるという夢に敗れたことにより、精神の均衡を崩したというのは聞いているが……。

 姉がプレゼントしたというウサギのぬいぐるみを白野典子であると錯覚している様子。

 廊下で肩車しているところを病棟で何度か確認されている……っと」

 ふう、と溜息を吐いてペンを置く。

時刻は、ちょうど2時。

奈月は、そろそろか……と白く差し込む光を浴びながら耳を澄ませた。

「なあ、典子。将来の夢とかあるのか?」

「はは、そうか、先生か」

「お前ならきっと、良い先生になれるよ……」

最後の言葉はどんな内容にせよ、こう締められる。 「……貴礼」


◆◇◆


『夕暮れは、狂気の象徴だと聞いたことがあります。 僕の空は、僕の世界は、どこまでも黄昏に包まれています。

……誰か、助けて。

助けて、姉さん。』

この小説を手に取っていただけたこと、本当に嬉しく思います。


御静読、ありがとうございましたm(__)m

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