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-第七章- あ、俺だ。
・・・広い。すっげぇだだっ広い。
「五月蠅いな・・・着いたぞ。この部屋だ」
おお、すげぇ。ハリー・ポ〇ターに出てきそう。
水哉曰くの別荘は、宮廷のような広さ。外観だけではなく、内装も。『奥行きがある ハリボテではないようだ』みたいな?
「・・・・・・どこかで聞いたような響きだな・・・」
なんて言ってたら、扉が開いた。
すげぇ・・・。
「この扉は自動ドアだからな」
コンビニかよ・・・。
「・・・君は今、ここに眠っている」
そこには、大きな天蓋付きのベットがあった。近付いていくと、よく分からないムツカシイ医療機器が周りに置いてあり、そこからいくつものチューブがベットに横たわる俺の体に伸びていた。
「今の君は・・・自ら呼吸することも、何もできない。・・・・・・死んでいるも同然だ」
水哉の言葉が、どこか意識の遠いところで妙に響いて聞こえた。植物状態になっている事は聞いていたが、実際に目の前にしてみるとこんなに・・・
・・・こんなに、現実は惨いものなのか。
「・・・大丈夫か?」
ダメだ・・・意識が・・・・・・
俺の意識は、そのまま遠退いたのだった。