-プロローグ- 教師から盗んだバイクで走り出しちゃった女の子!?
平々凡々な毎日。ごくありふれたちょっとバカな高校生。それが俺。…あ、訂正。すっげぇバカかも。
それはともあれ。
「…あ、そういやお前、知ってるか?」
事件(?)の発端はごくありふれた会話から始まった。
「ここらのお嬢様学校で、教師から盗んだバイクで走り出しちゃった女の子がー…」
そこで、世界が反転した。どっかの骨がイッちゃったらしく、バキバキと音がした。身体中を激痛がー…とかなんとかで、俺の意識はぶっ飛んだ。唯一覚えているのは、ハーレーに乗る、お嬢様学校の生徒が見えたような。
「あー…いってー…」
真っ白な空間。白以外の色を見つけられない。
「えーっと…ここどこ?」
「私の意識の中だ」
凛とした声。
「んあ!!?」
「……君は馬鹿か?日本語を話してくれ。その他の言語を理解することすら面倒だ。出来ないなら一生黙っていてくれ。頼む」
皮肉混じりの口調。
「って誰よ?」
「君が先に名乗るのが礼儀だろう?」
ちょっとムカつく。
「あ…えっと、すいません。俺はし……」
「まあ仕方あるまい。私が名乗ってやろうではないか。」
あ、ヤバイ。爆発寸前。
「クソうぜぇぇぇぇ!!!!!!」
……爆発。
「五月蝿い」
「ごめんなさい」
彼女は桐野水哉という名前らしく、俺を轢き逃げした張本人だそうな。
「ふむ…白那翔……なんとも安上がりな名だ…」
と、俺の名前を散々罵倒した挙げ句、俺を奴隷扱いするお嬢様もとい女王様な奴。
彼女の話を聞くと、俺の身体は植物状態で、彼女のだだっ広い豪邸(彼女いわく狭い別荘)のベットルームに安置しているらしい。しかも、専属の医者付きで。そこまでしなくても…と思って彼女に言ったところ、大人の事情だとか言って誤魔化されてしまった。
「安心しろ。悪いようにはしないぞ?」
そう彼女は言った。悪人の如き黒い笑みを顔に浮かべながら。
とにかく俺は、しばらくは水哉の意識の中に居候することになった。
はじめましての人も、他の小説を読んでくださった人も、こんばんは。
『君は僕で僕は君……じゃなくて!!』を読んでいただき、ありがとうございます。
今回は、長めです。
えー、短いのがいいーっ!!て人、ごめんなさい。
それではまた。
『君は僕で僕は君……じゃなくて!!』か『殺せない殺戮兵器』で。