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Second chapter 1.善人
見違えるほど大きな口。朝起きていつものように鏡を見た。するとそこには昨日までの自分とは違う姿の自分が映っていた。
「これは僕じゃない。」
鏡の中の自分の口はその通りに口を動かす。鏡の前でいろんなポーズを決めて見る。
やはり、自分だ。
幾分か、角もあるように見える。
角だけではない。頬もこけて、肌も何か紫色を帯びている。これじゃ、まるで、怪物だ。
こんなナリじゃ外にも出られない。町歩く人を驚かし、犯罪者として見間違われるかもしれない。
今日はおとなしく部屋の中に居よう。