三話 蜜の味
昔から、「人の不幸は蜜の味だ」と言う。
誰が言い出したのかは定かではないが、その言葉には、どこか背筋をひやりとさせるような、否定しがたい真実が潜んでいる。
たとえば、朝の駅。
混み合うホームで、ヒールの高い靴を履いた女性が足をもつれさせ、つまずく。膝をつく音がコツンと響いた瞬間、あたりの空気がかすかに揺れる。
「あっ」と誰かが小さく声を上げる。けれど、誰もすぐには駆け寄らない。
視線だけが彼女に集まり、ひとときのざわめきが漂う。
スーツ姿の男がちらりと目をやるが、すぐに腕時計に視線を戻す。隣の女子高生は、口元を押さえて肩を震わせる。笑っているのか、戸惑っているのか、その狭間のような仕草。
誰もが「気の毒そう」な表情を浮かべながら、心のどこかでは、火種のような感情を胸に隠している。
あるいは、テレビのワイドショー。
成功者と呼ばれていた俳優の離婚報道に、司会者たちは深刻そうな顔をつくり、低い声で言葉を並べる。
画面越しに「可哀想ね」とつぶやきながらも、リモコンを持つ指先は、なぜか動かない。
その沈黙の奥にあるのは、同情ではない。
むしろ、「あの人も、私たちと変わらない」という、妙にやわらかな安堵だ。
高く積み上げられた塔が音もなく崩れ落ちるのを見たとき、人は、その残骸の中に、なぜか救いを見出す。
自分より上にいると思っていた誰かが、ふと足を取られる。
そのときに心の奥に生まれるのは、哀れみではなく、ほのかな安心感。
それは決して声にはならない。だが確かにそこにあることを、私たちは知っている。
私は思うのだ。
見栄えのいい言葉で、きれいに塗りつぶすよりも、そんな小さな“黒”を、そっと抱いて生きていく方が、人間らしいのではないかと。
静かな嫉妬、ささやかな優越感。そして、あとからじわじわと広がる罪悪感。
それらが重なり合う先に浮かび上がるのは、誰の心の中にも存在する“風景”のようなものだ。
人の不幸は、甘くもあり、そして苦くもある。
それは、私たちが決して完璧ではないという、ひとつの証拠なのだ。
そして私は、その不完全さを、どこか愛しく思っている――。
朝の光が障子越しに差し込む。
薄明かりの台所で、澄江は静かに味噌汁の鍋に火を入れる。煮干しと昆布で取った出汁の香りがゆっくりと立ち上り、やわらかな温もりが部屋に広がる。
千切りの大根と人参、そして昨日の残りの油揚げを加えて、ひと煮立ちさせる。冷蔵庫の中身を工夫しながら、長年続けてきた彼女のやりくりの知恵がそこにあった。
「お父さん、ごはんよ」
六畳一間の居間では、夫の誠一が新聞を広げている。
ガスストーブの上で鉄瓶が音を立て、部屋の湿った空気を優しく包み込んでいる。朝食はいつも決まって、白ごはんに味噌汁、卵焼き、たくあん、納豆。質素だが、誠一はそのシンプルな朝食を心から楽しみにしていた。
食卓に並んだ湯気が静かに立ち上り、二人は季節の話を交わす。近所の梅が咲き始めたこと、スーパーで大根が安かったこと。贅沢ではないけれど、無駄もない。小さな喜びを見つけることが、二人にとっての幸せだった。
午後には洗濯物を干し、澄江は手縫いの雑巾を作る。誠一は庭のプランターに水をやりながら、そっと蕾を覗き込む。外食や旅行は滅多にしないけれど、夕暮れ時に二人並んで市営住宅のベランダに立ち、沈みゆく夕日を眺めるのが、何よりの贅沢だった。
「何もないけど、いい暮らしね」と澄江が微笑みながら言うと、誠一も頷く。
「こういうのが、一番贅沢なのかもしれんな」
その言葉は、部屋を温かい安らぎで満たし、二人の心に深く響く。
いつもと変わらぬ、平穏な一日がまた過ぎていく。
「ごはん、うまかったぞ。味噌汁、ちょっと濃かったけどな」
誠一が笑いながら新聞をたたみ、玄関に向かう。
誠一は澄江に愛され、澄江は誠一に愛され、暖かな家族愛に包まれて、近所から羨ましがられる幸せな暮らしを送っていた。
今日は町内の集会所で、年に一度の防災訓練があると言って、誠一は家を出て行った。
「転ばないように気をつけてね」と澄江が声をかけると、
「おいおい、俺はまだ老人扱いされる歳じゃないぞ」と笑いながら肩をすくめて、家を出ていった。
それからわずか三十分後、電話が鳴った。
「奥様ですか? ご主人が……歩道で自転車に接触して倒れられて……今、救急車で搬送中です」
その声が耳に届いた瞬間、澄江の中で何かが崩れる音がした。
気がつくと、澄江は小さな手提げを握りしめ、玄関を飛び出していた。
靴を履く手が震えて、左右が逆になったが、そんなことに気を取られる余裕はなかった。
タクシーの中で手が震えていた。運転手が病院の名を繰り返している声が、どこか遠くに感じられた。
――まさか、そんな……
誠一の声が、朝の食卓にまだ残っているような気がした。
救急病院の白い建物が目に入ったとき、澄江はもう無意識に足を動かしていた。
受付で名前を告げる声は震え、係の女性が一瞬だけ顔を曇らせたのを見逃さなかった。
「ご主人は、今、処置室に入っております。医師がすぐにお話しにまいりますので、こちらでお待ちください」
そう告げられ、澄江は誰もいない長椅子に腰を下ろした。
手提げ袋の中には、いつもの折りたたみ傘と、縫いかけの雑巾が一枚。
病院特有の消毒液のにおいが、澄江の胸にじわじわと広がっていく。
時計の音が、コチコチとどこからか響いていた。
どれくらいの時間が経ったのだろう。
白衣をまとった中年の医師が、ゆっくりと歩み寄ってきた。
「奥様ですね。ご主人の状態ですが……」
一瞬、沈黙が流れ、澄江の指が膝の上でぎゅっと組み合わされる。
「外傷自体は大きくありません。ただ、倒れたときに一時的に意識を失ったようで。
検査の結果、心筋梗塞の兆候が見つかりました。
おそらく、自転車との接触がきっかけで、潜在的な症状が表に出たのだと思われます」
「……助かるんでしょうか」
澄江の声はかすれて、医師は慎重に頷いた。
「幸い、処置が早かったため、今は安定しています。ただ、しばらくは集中治療室で経過を観察する必要があります」
澄江は深く、静かに息を吐いた。
体の力が抜けるのを感じながら。
「面会は……できませんよね?」
「今日は難しいですが、明日には短時間なら可能かもしれません。
今夜はお帰りになって、ゆっくり休んでください」
「……はい」
答えながら、澄江の心はまだどこか遠くにあった。
外ではまだ、鳥のさえずりが春の光をつないでいる。
澄江の暮らしは、たしかに昨日までと変わらなかった。けれど、その“当たり前”が、こんなにももろく揺らぐものだったと、彼女は今、初めて知ろうとしていた――。
病院を出ると、空は茜色に染まり始めていた。
あの朝、誠一と一緒に見た小さな食卓の風景が、胸の奥で揺れていた。
――あのとき、「行ってらっしゃい」と声をかければよかった。
――味噌汁がちょっと濃かったと笑った、あの顔。
――もう一度、見られるだろうか。
澄江は足元のアスファルトに目を落とし、唇を噛んだ。
そして、心の中でつぶやいた。
「帰ってきてね、誠一さん……まだ、あなたと話したいことが、たくさんあるのよ」
翌日、澄江は少し早めに病院へ向かった。
寝不足の目元に薄く化粧をほどこし、誠一が好きだった黄色いカーディガンを羽織る。
病室のドアをノックすると、看護師が軽く頷き、澄江に中へ入るよう合図を送った。
カーテンの向こう、白いベッドに横たわる誠一の顔が見えた。
酸素チューブが鼻に差し込まれ、腕には点滴。だが、目はしっかりと開いていた。
「……来たのか」
その声はかすかだったが、紛れもなく、いつもの誠一だった。
澄江はゆっくりと歩み寄り、ベッドのそばに腰を下ろした。
「来るに決まってるでしょう。あんな電話、心臓に悪いわよ……って、あんたの心臓が悪いんだったわね」
冗談めかして言うと、誠一がふっと目を細めた。
それは、彼なりの笑いのつもりだったのかもしれない。
「どうしてた? 家のこと」
「何も変わらないわよ。味噌汁も、昨日の残りがまだあるし。……でも、あんたがいないと、やっぱり味気ないわね」
「味が濃いとか言わんのか」
「今日は言わない」
静かに笑い合った後、ふたりの間にしばし沈黙が訪れた。
それを破ったのは、澄江のほうだった。
「誠一さん……」
「ん?」
「……ねえ、私たち、よくここまで一緒に来たわね。贅沢はなかったけど、穏やかだった。
たぶん、それがいちばん幸せだったのかもしれないって、昨日思ったの」
誠一は天井を見つめたまま、ゆっくりと頷いた。
「そうかもな。大きな夢はなかったけど、おまえと飯を食って、くだらない話して……それだけで、十分だったかもしれん」
「……まだ、終わりじゃないわよ」
そう言った澄江の目に、光がにじんでいた。
「もう少しだけ、一緒にごはん食べましょうよ。私、今度は味を薄くしておくから」
そのとき、誠一がはじめてこちらを見た。
弱った顔に、ほんのわずかな、でも確かな力が戻っていた。
「……じゃあ、退院したら、卵焼きも頼むぞ」
「はいはい。塩加減、ちゃんと聞いてね」
そう言いながら、澄江はそっと誠一の手を握った。
その手は、少し冷たく、少ししわだらけだったけれど――とても、懐かしい温もりがあった。
長い廊下を歩きながら、澄江は思う。
人生は一度しかない。その中でどれだけの幸せを感じられるかが、鍵なのだと。
誠一の入院が町内に知れ渡るのは早かった。
翌朝には近所の主婦が野菜かごを提げて訪ねてきて、「大丈夫? 澄江さん、気を落とさないでね」と声をかけてくれた。柔らかな言葉。だが、その言葉の奥に、何かひっかかるものを澄江は感じた。
「誠一さんって、いつも元気でしょ。だから、怪我なんて信じられないくらいよね」
「何もかも順風満帆だったから、逆に神様がちょっと意地悪したのかもね」
笑い混じりに言われた言葉に、澄江は曖昧な笑みを浮かべながら、うつむいた。
台所に戻り、ポットに湯を注ぎながら、澄江はその言葉を何度も心の中で反芻した。
“神様が意地悪……? それって……うらやましかった、ってこと?”
誠一と二人、慎ましく質素な暮らしを続けてきただけ。贅沢をした覚えもない。ただ、人並みに、いや少しだけ人よりも「幸せそうに」見えていただけ――それだけのことで。
誰かの不幸が蜜の味になる、という言葉を思い出したのは、その夜だった。
近くの集会所で開かれた炊き出しの手伝いに顔を出すと、誰かがこう囁いていた。
「大河の火事って、大きいほうが見応えあるらしいわよ。あの家だって……」
それが誰を指していたかは、言うまでもなかった。
澄江の中で、何かが静かに冷えた。
今まで、笑って語らってきた人たち。その誰もが、自分たちのささやかな幸せを、どこかで“鼻についていた”のかもしれない。彼らは表では心配の顔をし、裏では静かに安堵していたのだ――自分たちより幸せそうな人が、少し不幸に落ちたことに。
その夜、病室の誠一の隣で、澄江は黙って椅子に座っていた。誠一は寝息を立てていたが、澄江はふいに、そっと彼の手に自分の手を重ねた。
「……あなたがいてくれるだけでいい。それ以外は、もう、どうでもいいわ」
人の目も、声も、心の闇も。すべては流れていく大河のようなものだ。だが、いま手を握るこの温かさだけは、自分だけのものだと、そう思えた。
春の風が、病院の窓をそっと揺らした。
誠一の退院が決まった日、澄江は久しぶりに明るい色のカーディガンを羽織って、病室に向かった。ベッドに腰をかけた誠一は、白髪を少し切りそろえ、背筋を伸ばしていた。入院前よりもやせたが、その眼差しには再び力が宿っていた。
「退院おめでとう」と言った澄江に、誠一は「おう、ただいま」と、少し照れくさそうに答えた。
その日、二人はタクシーで自宅に戻った。
玄関の扉を開けた瞬間、誠一は深く息を吸った。
「……やっぱり、家の匂いって、いいもんだな」
「あなたの好きな干し椎茸、戻しておいたわ。今夜は、お吸い物にする」
「うれしいな。病院食、まずくはなかったけど……やっぱり味気ないもんだな」
ふたりで囲む食卓。小鉢に盛られた季節の煮物、白いご飯に香の物。ごく普通で、どこまでも地味な食事だった。けれど、誠一が箸を握る手には、静かな感謝がにじんでいた。
「澄江。お前がいなかったら、俺はきっと、こんなふうに帰ってこれなかった」
「そんな大げさなこと……」
「いや、本気だ。入院中、いろんな顔を見たよ。ひとりで誰も来ない人、世話する人に怒鳴ってばかりの人。……人間の本音って、弱ってるときに出るんだな」
誠一の声は低かったが、しっかりとしていた。
「俺、思ったよ。世間がどう思おうが、俺にはお前がいればいいって」
澄江は目を伏せ、茶碗を両手で包んだ。
「……わたしもそう思うの。ねぇ、誠一。無理して誰かに合わせなくても、もういいんじゃない? お付き合いも、おしゃべりも、ちょっと休んで、自分の時間を大切にしてもいいと思う。八方美人って、やっぱり疲れちゃうものね」
「うん。それでいい。お互い、もう十分やってきたんだからな」
二人はその夜、炊きたてのご飯と吸い物をゆっくり味わった。誰に見せるでもない、ただ二人きりの夕食だった。
外では、また誰かが何かを噂しているのかもしれない。だが、もうそれに心を乱される必要はない。人の評価や視線にすがっていた日々は、そっと後ろに置いてきた。
澄江はふと、夕食のあと、縁側に座って空を見上げた。まだ少し冷たい春の夜風に、誠一の隣で肩を寄せた。
「ねぇ、誠一。こうしてるだけで、幸せね」
「だな。ほんとに……贅沢ってのは、こういうことかもしれん」
誰かに見せるためではない、静かな暮らし。ささやかで、手の中にしっかりと収まる幸福。それこそが、本当に求めていたものなのだと、今、はっきりわかる。
そしてふたりは、その夜、言葉少なに並んで座った。心地よい沈黙の中に、確かな温もりがあった。
朝、縁側に柔らかな光が差し込む。鳥の声が遠くから聞こえ、庭の山茶花が小さな花を咲かせていた。
澄江は湯気の立つ白湯を二つの湯のみにつぎ、誠一の前に置いた。誠一は新聞を広げながら、湯呑みに手を添えた。
「澄江。俺、なんか始めようと思うんだ」
「……なにを?」
「木工だよ。ほら、昔、棚作ったろ。あれ、楽しかったんだよ。小さな椅子とか、孫に絵本立てとかさ……指を動かすって、いいリハビリになるかもしれん」
澄江は少し驚いた顔をしたが、すぐに目を細めた。
「いいじゃない。あの物置の隅に、工具箱まだあるわよ」
誠一はうれしそうに頷いた。
「澄江は? お前もなんか、あるだろ。やりたかったけど、忙しくてやれなかったこととか」
澄江は少し考えてから、ぽつりと呟いた。
「わたしね、押し入れの奥に昔の着物、何枚かあるの。ほどいてね、裂き織りをしてみたいの。糸も使って。布をよみがえらせるって、ちょっと夢があるじゃない」
「ほう、それはまた粋だな。うちの壁に飾ってもいいかもな」
「そうね。あなたの木工と、わたしの裂き織りで、少しずつ家をあったかくできるかもしれない」
それは、老いのなかに灯る小さな夢だった。どこかに出かけなくても、誰かに見せなくてもいい。ただ、ふたりで静かに手を動かし、何かを生み出す。それだけで十分だった。
昼下がり、庭に面した縁側で、誠一は木片を削り、澄江は古布を裂いて撚り合わせる。時折、目が合えば微笑み、手を止めてお茶を飲む。
若いころとは違う、けれど今のふたりにしかできない「時間の使い方」が、そこにはあった。
陽が落ちかけたころ、誠一がふと澄江に言った。
「俺たち、これからが本番かもしれん」
澄江は目を見開いたあと、ゆっくりと微笑んだ。
「ええ、そうかもしれないわね。静かで、豊かで、やさしい……人生の、後半戦ね」
家の中に、小さな灯りがともっていた。
誰に見せることもない、でも、確かに心を照らす灯りだった。
木の香りと古布のぬくもりが混ざった小さな部屋。
誠一の作った絵本立てに、孫が嬉しそうにお気に入りの本を並べる姿を見て、澄江はふと目を潤ませた。
「じいじ、ありがとう。これ、宝ものにする」
その言葉に、誠一は照れくさそうに笑いながら、どこか誇らしげだった。
裂き織りで仕立てたコースターを、娘が友人に贈ったところ、「こんなにやさしい風合いの布、初めて」と感動された。やがて澄江の作品は口コミで広がり、近所のバザーにも並ぶようになった。
ある日、散歩の途中で立ち寄った古い喫茶店で、澄江は高校時代の友人と偶然再会する。
「こんな静かな暮らし、なんだか憧れるわ」
その言葉に、澄江は静かに微笑んだ。
かつては誰かと比べ、自分を見失いかけていた。
けれど今は、自分の歩幅で日々を紡いでいる。
そのことが、誰かの心にも響いている——そう気づいた瞬間だった。
その夜、縁側に並んで座るふたり。
「ねぇ、誠一。誰かに喜んでもらえるって……うれしいわね」
「うん。たいそうなことじゃなくていいんだ。俺たちが楽しんでる姿が、誰かの励みになるなら、それだけで十分だ」
「昔は“もっと、もっと”って思ってたの。でも今は、“ここにあるもの”を大事にしたいって、そう思うの」
誠一は湯呑みを手に、澄江を見つめて言った。
「……いい顔してるよ、お前」
ふたりは春の星空を見上げた。
静かな夜風が頬をなで、遠くで風鈴が、かすかに鳴った。
人生の後半戦——そこには、競争も評価もいらなかった。
あるのは、目の前の人と、今日一日を丁寧に生きる心。
そして、未来へとそっと手渡されていく、小さな温もり。
そう思うと、明日がまた楽しみに思えた。
その笑顔は、今日も、明日も、静かに誰かの心を照らしていく。
ささやかに、けれど確かに。
そして、ふたりの暮らしは、これからも静かに続いていく。