プロローグ〜戦闘員募集致します。
書き始めさせていただきました。ファンタジーにしようと思っております。官能小説の要素もあります。長くなると思います 。よろしくお願い申し上げます。
残念ながら━━。
さも無念そうに項垂れながら、小さくそう話し始めたのは、皇帝つきの医家である。
長年、皇帝に仕え、ランボルト皇帝の健康維持と栄養管理に当たるとの任を背負いながら宮廷で仕えてきた侍医である。
医師はやはり残念そな表情のまま静かに告げた。
「貴公は、ホンジャ貝に取り憑かれておられるように御座います。ホンジャ貝はもはや噂にてご存知でありましょう。昨年より我が国土の臣民の間で流行っております病気の原因となる病原生物に御座います。その名前の由来はと申しますと、ひとたび取り憑かれたが最期、患者はほんじゃこの世を去るしかありますまい、と絶望するしかないと言われているからであります」
へむ━━。
ランボルト皇帝は侍医を正面から見詰めたまま、答えた。
「さようか。その事実があるとするなら受け容れなければなるまい。現実は変えようとしなければ変わりはしようとしないものだ」
侍医はそれを聞いて少しは安心したものだ。ランボルトへまだ気を落としてはいない。自らの将来、国の未来を決して諦めてはいないという意志を感じたからだ。
侍医はしかし、続けた。
「皇帝陛下が取り憑かれたとあれば、これはいまだかつてない程の由々(ゆゆ)しき事態に御座います。国の存亡に関わりましょう。それこそ、国の一大事でありまさ。皇帝陛下より優秀な支配者はこの世に他におりますまい。その陛下が病に伏すとなれば・・・」
━━では。
ランボルトが遮った。
「どうすらば良いのだ?治療法、解決法はないものなのか?」
そこで登場するのが、ランボルトの統治するランボルト帝国の軍事を司るアイリッヒ=パーマー准将なのであった。
アインリッヒは野太い声で言った。
「闘うしかありますまい。私設軍隊を設立するのであります。いや、なにもお救いするのは何も、皇帝陛下のみでは御座いません。すべての臣民を救うのであります。新しい軍隊を以て」
ランボルト皇帝が静かに眼を上げて、アインリッヒを見据えた。彼はそれでも怖じる素振りは見せなかった。
場所は、ランボルト皇帝の寝室。まさに病床に伏さんとするランボルトの診察の為に彼らは訪れていたのだ。
「これより、国防会議が御座います。陛下」
ハインリッヒがそう告げた。
「貴公に溜息は似合わない」
侍医が皇帝に向けて力強く言った。侍医は名をヴァルバッハ≒ローウェンといった。六十歳の初老の医師であら。
お読みになっていただきまして誠にありがとうございました。次、書かせていただこうと思います。よろしくお願い申し上げます。