序
ブラジルミステリー、文章短めで連載していきます。最後までお付き合い頂ければ幸いです!!
緑色の鋭い竹の先が鋭利な角度を持って青々とした空へと伸び上がる。
まるで竹の槍で出来た絨毯さながらに見える切り拓かれた藪の中に、赤黒い紐のようなものが縮れるように伸びながら絡み付く。
緑の竹の葉に覆われる空間には人の糞便の匂いと鉄を含む血の匂いとが混ざりあるように充満し、不快な匂いの中を無数の蝿がぶんぶんと音とたてながら飛んでいた。
竹の幹を褥にして横たわるその男の食い破られた臓物の合間からも竹の先が飛び出して、真っ赤な血に染まりながら空へと突き上がる。
獣が食い荒らした為に臓物が辺りに飛び散り、へばりつき、その太く大きな男の体の下に溜まった血溜まりには黒々とした巨大なヒルが集まり始め、ぴちゃぴちゃと奇妙な音を出していた。
こちらに顔を向けた口は力なく開いたままで、黒くなった舌が口の端からべろりと出ている。
私は震える声を漏らしたのだった。
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